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2025年04月20日
井上八千代師と対話
今日は午前中から水天宮前のロイヤルパークHで京舞井上流家元5世井上八千代師から「都をどり」の制作過程を始め井上流と祇園町に関する話をいろいろと伺った次第。京都の祇園で毎年催される「都をどり」は明治5年に3世井上八千代が創舞した日本初のレビューともいえる舞踊公演であり、以来、祇園甲部の舞踊は井上流以外の流派を入れない掟のため、祇園町の話は井上流をヌキに語れないところがあるのだった。新作の取材で先週京都を訪れた際、久々にお目にかかった八千代師にその件を訴えたら早速お時間を割いて戴き、今日は参考になるお話が思いがけないほどたっぷりと伺えたし、今やちょっとしたことでもパワハラやジェンダー意識が問題視される中で花街や京舞の伝統を守る難しさのみならず、花街の存在意義そのものが問われる時代に直面しているという認識を共有できたのは、祇園町や古典芸能の世界をほぼ同世代の人間として見て来たからかもしれない。無事再建された甲部歌舞練場や再建が困難に立ち至っている国立劇場の話も俎上にあがり、旧き芸道を一徹に歩み続けるかの八千代師から意外なほどシャープな近代的知見が窺えたのは頼もしかった。
コメント (1)
尊敬するお二方に、こんなことを言うのもなんですが。。。
凛としていらっしゃってステキ!惚れ惚れします。
投稿者 はっち : 2025年04月21日 18:50