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2025年03月28日

スペアリブのサッパリ煮

今日のQPで見た料理。豚スペアリブはフライパンで表面をこんがり焼いてから鍋に投入し、出汁と生姜の薄切りと長ネギのぶつ切りを加えて煮立て、アクを引いてから醤油、砂糖、蜂蜜、酒、酢で調味して 30分ほどじっくり煮込み、うずら卵の水煮を加えてさらに煮て、レンチンしたチンゲンサイと練り辛子を添えて食す。チンゲンサイはレンジに入れる前にゴマ油を振りかけておくこと。意外なほどカンタン手間要らずにできて美味しく食べられるのでオススメ!
今日は篠田正浩監督の訃報に接し、享年94歳に、ああ、お年を召されたもんだなあという感慨を新たにした。以前一度お目にかかった時も既にそこそこのご年輩ながら、万年青年のような雰囲気で、これから書こうとする本のたしか民族の移動をテーマにした壮大な構想を熱く語ってらした憶えがあるが、遺作となった「スパイ・ゾルゲ」の製作はそれ以前だったのか以後なのかは定かでない。先方からオファーが来て、どこかのお座敷みたいな場所でお会いしたはずだが、その時わたしが呼ばれた理由はさっぱり想い出せない。ただお目にかかる以前に、わたしは故人と親しいお二方にご縁があったので、まずその話をしたら、初対面でもえらく親しみを感じてくださったように思う。お二方とも故人になられたが、お一人は『心中天の網島』や「鑓の権三』でシナリオを手がけられた富岡多恵子さん。もう一人は松竹時代の直属上司で、映画の助監督あがりだった水沼一郎氏だ。水沼さんは「涙を、獅子のたてがみに」というタイトルからしていかにも松竹ヌーベルバーグらしい篠田作品で、寺山修司と共にシナリオを担当。当時の思い出話として篠田監督との交友関係をよく伺った覚えがあるのだった。富岡さんからは親友の詩人だった亡き白石和子さんと監督との関係もお聞かせ戴いていた。わたし自身が篠田監督の存在を初めて知ったのは高一の頃にたまたま封切り時で観た『無頼漢』という「天保六歌撰」をモデルにした映画だ。片岡直次郎の役は仲代達矢、その恋人の三千歳が岩下志麻で、他にも錚々たるキャストだったが、わたしの目に強く焼きついたのは直次郎の母親役を演じた新派の名女優市川翠扇で、何しろ寺山修司のシナリオだけに、この母親を直次郎がどこへ捨てに行っても何度もしつこく舞い戻って取り憑いているという、不気味さと隣り合わせの可笑しみを全身に漂わせた名演が子供心にも忘れがたいのだった。その後も篠田作品は何作も観ているが、一番印象深い作品はこの「無頼漢」だったのを監督ご本人に面と向かって正直に話したら、それもまた非常に歓んでくださったものである。思えばあれからもう20年くらい経つのだろうか、当時のお優しい笑顔を想い出しながら謹んで御冥福をお祈り申し上げます。


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