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2023年12月11日
帆立貝のカルパチョ、バーニャカウダ、アサリとムール貝のワイン蒸し、胡桃と乾イチジクのハニーチーズピッツァ、トマトパスタ他
今夜は翻訳家の松岡和子さん、女優の中村まり子さんと新宿伊勢丹会館のカジュアルイタリアン「美鈴屋」で会食。3人が集まったのはA・カミュ作・中村まり子訳の戯曲「戒厳令」の解説鼎談以来で、今夜は出版祝い\(^O^)/というわけで、女優のまり子さんがカミュの翻訳までこなすに至った経緯とその大変さをいろいろと伺った次第。カミュというと真っ先に「ペスト」が浮かぶが、「戒厳令」はペストが擬人化されて舞台に登場する非常にユニークな芝居で、全体主義国家の台頭に警鐘を鳴らす今日に読んでも極めて面白い作品なのだけれど、観念的且つリリカルなセリフがあるので翻訳のご苦労は大いに察せられた。それでもご苦労の甲斐あって、藤原書店から立派な装幀の翻訳本として刊行されたのは何よりだし、この出版を契機に今日的な意味を持つ「戒厳令」の上演が日本で盛んになるのも大いに期待されるところだ。さすがに女優さんだけあって、まり子さんの翻訳は聴いて気持ちの良いようなセリフに訳されているし、その点は松岡さんの翻訳でも常に感じられるところだから、お二人の具体的な苦心を何かと伺えて、わたしにとっても非常に有意義な会食だったのであります(*^^)v