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2023年10月02日
コミンズ夫妻と会食
今日はお昼にポートランド州立大学のコミンズ名誉教授ご夫妻と集英社の伊藤さん共ども東京會舘の日本料理「八千代」で会食。コミンズ博士には集英社刊の拙著「歌舞伎の中の日本」文庫版の解説をお書き戴いたご縁もあるが、先日早稲田の大隈講堂で上演された英語歌舞伎「弘知法印御伝記」の作・演出・演技指導についてのお話を沢山伺えたのが有り難かった。何しろ日本で上演されたのはほんの一部に過ぎず、本国で上演された舞台の録画や写真を観たり、カットされた部分を原台本で読んだりすると、全部をナマで観たかったな〜と思うこと頻り。案のじょう本国での丸ごと上演は大好評スタンディングオベーションの嵐だったようで、2 0 年以上にわたって現地で英語歌舞伎の指導に当たって来られたコミンズご夫妻も今度のような大成功は初めてだったらしく、原作の力を感じて何とかこれをカタチにして残したいとのこと。大隈講堂での上演しか観ていないわたしでも、歌舞伎勃興期に流行った縁起譚や御開帳物の面白さを彷彿とさせられたからして、その種のエネルギッシュな時代の歌舞伎の復活を目指すに当たっての原点的な取り組みになるかもしれないという気がして、ご夫妻の意図に沿うよう何とかご尽力できればと思った次第。とにかくご夫妻の長年の取り組みと学生さんたちに対する愛情には頭が下がる思いで、日本文化をかくも正統に捉えて支持し伝播して下さる方はひょっとしたら日本人でも数少ないのではなかろうか?という気がするくらいである。またご指導が余程いいのだろうが、主演級の学生さんやOBOGの方々がいずれもプロの舞台俳優並に魅力的な人たちなのもフシギで、お話を聞けばたしかにOBの中にはブロードウエイを目指している人もいるけれど、そういう人は招聘しても集まらないから、俳優業では全くないOBや学生さんたちを集めて上演したのだとか。そう聞いてワタシは思わず「いや〜勿体ないですよ!是非プロの俳優を目指してくださいと伝えてください」と申し上げたのでした(^^ゞそれにしても折角ご夫妻とお会いしながら写メを撮り損ねたのは痛恨の極みであります(__;)