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2023年09月19日

牡丹灯籠〜俺たちの圓朝を聴け!

昨日は有楽町朝日ホールで立川談春と柳家三三の2人による表題のリレー形式の口演「怪談牡丹灯籠」を大変面白く聴かせてもらった。これで全国ツアーする企画ををご本人から窺ったのは去年10月のことで、ようやくの東京公演だったが、今夏の異常な猛暑下でこうした口演を続けられたご両人のパワフルさにまずは脱帽せざるを得ない大奮闘で、最初は両人がスタンドアップで互いに色んな紹介をしていくのだが、談春がイジリ役に徹して、ひたすらイジられている三三の受け答えがだんだんとスピーディ且つイントレストに進化していったのであろうことは想像がついた。この前座からハイテンションで飛ばしていた談春が、直後ほとんど間を置かずに高座に上がって「野ざらし」をこれまた非常なハイテンションでダイナミックに咄すのに圧倒されて15分の休憩に。次いで高座に上がった三三は「御札はがし」を打って変わったトーン低めでも集中力高めで、しっかり者のお峰にやや恐妻家風の伴蔵といった人物像に仕立てたやりとりで巧くまとめあげ、そこから談春が続けざまに「お札はがし」の途中から引き取った形で栗橋宿へとつなぎ、三三とはまたひと味違った夫婦の人物像を巧く起ち上げて、栗橋宿での二人の様子を説明するにも妙にリアルな実感がこもって聞こえたのは面白く、お峰が伴蔵の浮気を馬方の久蔵から聞き出す件は久蔵の人物造形と相俟って抱腹絶倒の面白さだったが、肝腎のお峰殺しを今回やらずに次回の公演に延ばしたあたりは心憎い演じ方で、これなら次回も聴かないわけにはいかない気になった聴衆が多かろうと思う。最後は三三が「元犬」で〆る恰好で、犬が人間になって数々の変態行動を取るこのシュールでスラップステフィックな落語は陰気な怪談噺の気分をがらっと変えるイイ〆ともいえるが、今回はお峰殺し直前の久蔵とお峰のやりとりで陽気な笑いに包まれていたから相乗効果で客席は爆笑の渦と化しており、最後また2人で登場して写真撮影OKタイムを設けるなど実にサービス満点の落語会なのでした(^0^;)


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