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2023年05月10日

エヴァンゲリオン・ビヨンド

正直エヴァンゲリオンとガンダムの違いさえよく知らないワタシがこの舞台を観たいと思ったのは、コンテンポラリーダンスの気鋭シディ・ラルビ・シェルカウイの構成・演出・振付だったからで、彼が手塚治虫原作に拠った「プルートウ」は2015年初演と2018年の再演を共に面白く観たのだった。優れた近未来SFアニメをモチーフにした壮大なテーマを、現代舞踊的パフォーマンスとプロジェクションマッピング映像や巨大なパペットを駆使してドラマ仕立てにした舞台はやはりラルビの独壇場であろう。今回は幕開きに登場させた巨大なキノコ雲や原発のシルエット映像がエヴァ原作から離れた今日的なテーマを象徴し、エヴァと宿敵使徒とのエンドレスな闘いに終止符を打つ和解のテーマを盛り込んだところもまた極めて今日的な問題提起といえそうだ。エヴァンゲリオンを全然知らなくても内容は理解しやすいし、傾斜舞台を含めて出演陣に苛酷なアクションを求める演出と、その求めに応じたパフォーマーの身体性も見ものだし、舞台美術としての映像の美しさや禍々しさも刺激的である。主演陣ではもともとコンテンポラリーダンサ−だった石橋静河はもとより、映像出演の多い窪田正孝もセリフばかりでなく現代舞踊的なパフォーマンスをしっかり見せてくれたのは特筆すべきかもしれない。


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