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2023年04月06日
花の会2023
今日の午後は世田谷文学館で「花の会」の講座を。「花の会」は世田谷で1985年に発足した古典芸能鑑賞講座で、もともとは能楽の勉強会に始まったからのネーミングのようだが、そのあと当時四世坂田藤十郎主宰の「近松座」で上演台本を書いていたわたしが近松講座をお引き受けして、それがだんだんと近松門左衛門作品に限らずさまざまな浄瑠璃や歌舞伎作品を取りあげるようになり、月に1度、いや最初は週1くらいのペースだったかも (?_?) でお話ししていたほどの密着ぶりだったし、いわばわたしの講座の原点ともいえる会だけに、古典芸能の世界を離れてからも年に1度は必ずお話しするようにしていたのだけれど、やはりコロナ禍で3年間は休会を余儀なくされたとか。なので今回は久々のオファーを戴いて、当初は拙著「江戸の夢びらき」に因んで初代團十郎の話をするつもりにしていたら、直前に主宰者の池田さんから先日亡くなられた扇千景さんと坂田藤十郎の話に替えてほしいとのご依頼があったので、二人について知り得る限りのお話をさせて頂いたのだった。
それにしても、この会の講座をお引き受けした時点で34歳だったわたしが今年はとうとう古稀を迎えようとしているのだから、この間に古典芸能の世界がすっかり様変わりしてしまったのは当然だし、花の会も当初メンバーに物故者があって当然ながら、コロナ前とちっとも変わらぬメンバーのお顔を沢山拝見できたのは何よりでした。ただし、その方々も近年の古典芸能のみならず世の中全体の急激な変化には呆気に取られて戸惑ってらっしゃる雰囲気で「7年後に国立劇場が再建されたあかつきには、歌舞伎をもうロボット役者が演じていてもふしぎではないような感じですもんね〜」と仰言った方もいらしたのでした(-.-;)y-゜゜
コメント (1)
3年ぶりにお話が伺えて、本当にうれしかったです。上方役者の方々との貴重な接点を「師父の遺言」を思い出しながら聴いていました。次回は「江戸の夢びらき」でしょうか、楽しみにしています。
文化村や国立劇場の閉館報道、私は再開場はとっくに諦めていて、文化村はともかく、国立劇場の見通しが立たないのは日本の民度の低さを象徴しており絶望的です。今更、「さよなら公演」を撤回などありえず、文楽や邦楽会など常設会場がなければ公演数は激減して死活問題と思われます。神宮外苑再開発も、ラグビー場と野球場を交換するとか、樹木伐採した後に再び植林するとか、政財界の利権がらみとしか思えず、国の行く末は暗澹たるモノと言うしかなさそうです。
投稿者 ウサコの母 : 2023年04月07日 21:15