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2017年01月20日
立川談春新春独演会2017居残り佐平次
1/20夜は品川プリンスホテル「クラブeX」で談春の独演会を幻冬舎のヒメとご一緒して久々に落語の面白さを満喫。昨夜に引き続いて新春早々いいものを見聞きさせてもらった感じだ。
演目は「鈴ヶ森」との二題だが、メインは品川という場所にふさわしい「居残り佐平次」これがかなりの長丁場だが、ぐいぐいと引き込まれ、現実の時の流れを忘れさせた。粘り強さとキレの良さという相反する両面を併せ持つ話芸が魅力の談春だが、佐平次が「居残り」ならぬ「居直り」じみて妓楼の若い衆にからむ場面でその魅力が存分に発揮された。どんどん要求のエスカレートする佐平次が言ったもん勝ちモンスターに見えてくるあたりに頗る現代的なブラック度があって、妓楼には時々こういう魔物が現れるのだと楼主が諭す言葉にも説得力が感じられた。昔のいわゆる「味」のある廓噺ではなく、アップテンポな語り口の中で現代人が妙にリアルに感じられる人物像を練りあげたところに談春ならではの「味」があるといえそうだ。それにしても体調や何かで日によって違うかもしれないが、昨日は長丁場を息もつかせぬアップテンポで一気呵成にしゃべる体力と集中力の凄味に圧倒され、まさに脂がのりきった芸境を堪能させてもらった次第。
コメント (1)
品川プリンスホテルeXシアター、談春の「居残り左平次」11日に聞いたばかりだったので、松井先生の本日のブログ、嬉しく読みました。私の聞いた日は、居残りの他には、「紙入れ」でした。かつての「幕末太陽伝」志ん朝さんのたたみかけるような口跡、様々な思いで聴きました。談春さんは、さげの「だんなの頭がごま塩です」を、今のお客さんにはわからないと思うのでと、終了後に解説して変えてやっていましたが、左平次の小気味のよい魅力を余すことなく伝えてくれました。22日には、茂山さんの落語と狂言の会<お米とお豆腐>を予定しているのですが、狂言と武智様とのかかわりを思いますと、もしかしたら松井先生のご予定にもなどと思っています。亡夫の友が何十年ぶりに電話してきて、いま何処にすんでいるのと言う私の問いに「品川だよ」という答えが今日の私のコメントのおちです。
投稿者 順子 : 2017年01月21日 12:45