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2016年07月09日
イカとジャガイモの煮物、アスパラガスのピーナッツ和え、生湯葉
まともな政策論議がほとんど聞かれないまま迎える明日の参議院選は、初めて18歳以下の参加が認められたにしても、やはり投票率が低いものと想像されるが、もし九条の改憲阻止を目的に翼賛政党以外の野党へ票を投じる人よりも、与党に票を投じる人が多くなるとすれば、それは一体どんな人たちなのかをつらつら考えてみた。
第一は創価学会の人たち^_^;
第二は「民共合作」の謳い文句を額面通りに信じて、日本が共産主義に傾くのをホンキで心配するアホ。日本は昔から比較的権力に甘い人たちが多い国とはいえ、かつては自民党政権独裁に対する懸念から、いわばバランス感覚で野党に投票する人が結構いたが、近年は権力側のプロパガンダにアホほど素直な人が老若を問わず増えつつあるようで、自民党の有権者に対するアピールもターゲットを敢えてそこら底辺に絞っている気がしないでもない。
第三はアベノミクスでそこそこ恩恵を受けていると感じる人たち。退職後も何とか豊かな暮らしを続けるべく株や投信に依存する高齢者があれば、一方に公共投資で潤っている業界業種があるのも否定できない。昔のようなハコモノ事業はさすがに減ってもIT関連等には巨額の公共投資がなされているはずで、英国のEU離脱ショックを回避すべく、さらなる公共投資を約束している現政権が覆るのは好まない人があるのも確かだろう。もっとも、この人たちとて、マルチ商法の口車みたいなアベボンのスピーチをホンキで信じているわけではなく、目先の利益を優先したいだけなのだろう。で、結局のところ、世界不況を回避するためには、先進諸国いずれもこうしたカンフル的な対策を次々と打つしかなさそうで、今やその手の官製相場を永遠に維持するためには積極的に軍需産業を活性化し、自国に戦禍が降りかからない程度の戦争を絶えず起こし続ける必要があると考える人もいるはずだ。そうした他人の不幸を土台に自らの豊かさを求め続ける厚かましさは、動物としてはまあ当然のことながら、それを超えようとする人間的な理想主義を単にキレイゴトとして片づけるシニシズムが蔓延するのは、近代に基礎の培われた現代社会が金属疲労のようなものを起こしているせいであろう。また先進諸国全般の高齢化がそれに輪をかけているともいえる。弱肉強食の動物的な厚かましさを自国に認めることはできなくとも、他国がそうした行動に出るのを懸念するところから、今や憲法九条改正積極派が出現し、それが第四の与党支持者としてカウントされるだろうか。
東アジアにおける不穏な空気は、北朝鮮の暴発に対する懸念と、中国の海洋進出によって醸成されており、両国共に政権基盤の不安定化が背景にあるのは間違いない。つまり情報量の飛躍的増大が独裁政権の維持を阻むよう働くために、結果として政権側が国内エネルギーを外敵に向かわせる方策を採るのは何も今に始まった話ではない。最近のNHKは中国の脅威を伝える報道がとみに盛んになったように見受けられるが、中国の国内ニュースを見ても、その居丈高なスタンスは相当なものだけに、中央政府が意識的な侵略をしないまでも、現場でその手の事変が勃発するかもしれない懸念は、正直、必ずしも杞憂とはいえない気がする。
しかし、だからといって日本が常時戦闘態勢を整えて軍備増強に傾くのは、事態をますます悪化させる危険を孕んでもいそうだ。武器を所有した人間が恐怖心にかられるとそれを使わずにはないられなくなることは、米国の銃社会が実にわかりやすい例証として挙げられるし、それは個人であれ集団であれ同様で、ITの爆発的な進展により人類のメンタリティーが一方で甚だ幼稚化、野蛮化した現実を知るにつけても、もはや冷戦構造時のように、核を含めた高度な軍備化が抑止力につながるというふうな楽天的な見方は全くできない。戦争は歴史的に見ても概ね他者への恐怖心から発し、いったん始まったが最後、誰もがイイ感じのところでは決して終結できないのだけれど、ことに近年その傾向が甚だしいのは周知の通りである。さらには戦場で合法的に殺人を犯す行為が、過去の人類とは比較にならないくらい現代人の精神を深く病ませる傾向にあり、それがまた社会不安を募らせることも、米国や中東情勢において明らかであろう。ロボット兵器による代行はそれを是正する可能性よりも、むしろ人類に新たな脅威をもたらす懸念が大きいのではないか。つまり今や単なる感情論やキレイゴトとして戦争反対を叫ぶのではなく、現代における戦争行為はいかにリスキーであるかという観点から、九条改正の論議はより具体的になされるべきなのであろう。
果たしてそうした冷静な論議を日本人の多くができるほどに成熟していると判断するなら、与党の圧勝による憲法改正をめぐる国民投票の実施を大いに望んで然るべきだし、もしそこまでの成熟が見られないと判断したら、明日は何が何でも投票所へ行くべきではないでしょうか。
コメント (1)
数日前、明治大学の先生が学生さんたちに支持政党を聞いたところ9割が自民党支持、しかしその半数は憲法を改正したいとは思っていなかった、というツイートを見て本当にびっくりしました。明治大学の学生さんというのは若い人たちのうちでもかなり優秀な人たちだと思います。その人たちでもその程度だと。
もちろん学生さんたちにとって一番大事なのは目の前の就職ですから自民支持なのは仕方がないのでしょうが、その先に改憲があり、自民党の草案が全体主義に向けて自由や人権を制限していくものであることが認識されていないのです。自民党が「政治的に中立でない」教員を告発するための『密告フォーム』をサイトにアップしていることもほとんど問題になっていません。
あと半日で結果が出ますが、選挙の結果国民投票になり、するっと改憲が決まってしまいそうでつらいです。
投稿者 ぷみ : 2016年07月10日 10:58