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2016年06月24日
三陸・下北行
23日は朝からイタコNさんのご自宅にお邪魔して口寄せをしてもらう。ごくふつうの外観をした家に居住されているNさんは盲目の高齢女性で、見るからに優しいお婆さんといったふぜいであり、口寄せされた亡母も生前よりはるかに優しい人格で登場し、降霊の形を取った一種の占いといった感じで近い将来における禍除けのお告げが何かとあったから、一応そのお告げには注意を払いたい気持ちになった。降霊の最中は仏教徒も神道ともつかず離れずの色んな呪文が何度も繰り返し唱えられて、さまざまな道具が用いられる。中でも鹿か何か動物の骨を取りつけた長い数珠はいかにもシャーマニズムといったものの名残を窺わせて興味深かった。許可を得てNさんの写真を何枚か撮らせてもらったが、ブログにアップするのはさすがに控えさせてもらいます。
Nさん宅からは比較的近い名勝の種差海岸を訪れた。そこから鳴き砂で知られる大須賀浜、太平洋を眼下に見渡す葦毛崎の展望台を経て蕪島へ。種差海岸は天然芝がびっしりと岸辺を覆い、高山植物でもあるニッコウキスゲが波打ち際に花盛りといった、これまたこの地方ならではのいささかフシギな景観が楽しめた。蕪島はウミネコの繁殖地としてつとに名高いが、去年島のシンボルだった神社が焼失した後は夥しい数のウミネコがわが物で島を占領し、この時期ちょうどヒナが誕生したばかりとあって、微笑ましくもメチャメチャ騒々しいウミネコファミリーの生態を間近に見ることができた。鳥居や柵の上を等間隔で埋め尽くした光景は正直ヒッチコックの「鳥」を想い出させるコワサがありました(◎-◎;)