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2016年06月08日
胡麻ダレそば、玉子焼き、豚シャブサラダ
今日はお昼に青山スパイラルで文春の川田さんから、次いで読売新聞の坂成記者から取材を受けた後、骨董通りの画廊に寄ってアール・ヌーボーの巨匠アルフォンス・ミュッシャの絵を大量に拝見する。実はこの画廊は旧友モリのお母様の経営で、ミュッシャ作品270点以上という日本一の所蔵量を誇っているのだが、それらをまとめて一つのコレクションとして遠隔地の某美術館が買い取る話も進行中なのだそうで画廊は現在開店休業状態ながら、まだうちにある間に見ておいて!とモリから言われて拝見した次第。概ね石版画とはいえ、ホンモノを間近で見ると錦絵などの木版画とはまた違った立体感のある風合いが楽しめるし、純粋に絵画として優れていると感じさせるものが何点もあり、珍しい油彩画も含めて見せて戴いたのは幸甚というほかなく、周りで美術に対する愛や造詣がもっと深い方にもオススメしたい気がしたものである。
その後モリと近くの「権兵衛」で食事し、初台の新国立劇場でJ.フォード作・栗山民也演出『あわれ彼女は娼婦』を観劇。1 7 世紀エリザベス朝演劇の掉尾を飾るこの芝居は兄妹の近親相姦を大きなモチーフとしてその周囲に「不条理な死」を幾つもちりばめた古典劇ならではの啞然とする展開ながら、今回の栗山演出ではそれを余り情緒的でなく比較的ソリッドに見せることで現代にも通じる不条理劇としての面白さを獲得している。後半は特に妹役を演じた蒼井優の全身から立ちのぼる狂おしい気配が圧巻で、期待以上の好演といえそうだ。横田栄司がひと癖もふた癖もある従者ヴァスケスを活き活きと演じて狂言回しの役割を存分に果たしていることも特筆に値する。