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2016年02月01日

揚げ茄子の甘酢漬け、鯵の南蛮漬け、豚肉と蓮根の炒め物、高野豆腐

大宮ルミネの総菜売り場でゲット。
今日は南池袋斎場でお昼に執り行われた志賀山葵師のご葬儀に参列した。葵師はいわゆる日本舞踊の最古流派ともいえる志賀山流の重鎮であり、拙著『仲藏狂乱』の主人公仲蔵が志賀山流中興の祖というべき人だったために、その劇画化をなさった漫画家の高見まこさんが葵師に連絡を取られて作画上の教えを請われ、お名前のみ存じ上げながら面識のなかった私は高見さんのお引き合わせで初めてお目にかかったのであった。以来、年に一、二度お目にかかって舞踊のことに限らずあれやこれやと面白いお話を伺いながらご馳走にも与って、本当に楽しいひとときを過ごさせて戴いた。葵師は日本人で似ている方を探すのが難しいというか、英国女優のマギー・スミスを彷彿とさせるようなウイットに富んでウエット感のない素敵な方で、見かけもさることながら頭脳シャープでお気持ちが驚くほど若々しかったために、まさかこんなに早く逝かれるとは思っていなかったのだけれど、実際は大往生というに不足のある年齢でもなく、また聞けば急性心筋梗塞とかで、長く床に就いて苦しまれることもなかったのは、ご本人にとって何よりのご最期だったであろう。御棺のお顔はとてもきれいで、まさしく安らかに眠るがごとくであった。とはいえ、やはり身体で伝承されてきた芸の持ち主がこの世を去られるのはそこにぽっかりと穴が開くことであり、また葵師のような育ちの良さから来る良識と公平性を備えた方が古典芸能の世界から完全に消えてしまわれたのは斯界にとっても大きな損失であろうと思う。
日本舞踊界では今年に入ってすぐに川口流の前家元小枝師が急逝されており、この方はわが師武智鉄二先生の義理のお嬢さんでもあった方なので勿論よくお舞台も拝見し、親しくお目にかかってもいたのだけれど、歌舞伎女方の中村京蔵さんから訃報を受けた段階ではすでに葬儀を済まされた後だったのでお見送りすることは叶わなかった。現家元の千枝さんが「太陽のような人」と評されたように芸の上でも私生活でも明朗闊達な方だったし、お歳もまだ六十代だったのでのまさかこんなに早く逝かれるとは夢にも思わずただただ驚いており、今はお二方ともに謹んで御冥福をお祈りするばかりである。


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