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2015年11月12日

京都行2015/11/10~ 第31回京都賞授賞式篇

京都賞というものについてご存じない方も多かろうと思うので念のために説明しておくと、京セラの稲盛和夫氏が私財を投じて創設し、人類のさまざまな発展や深化等に寄与貢献した人びとを対象にメダルと賞金5千万円を授与する賞で、過去にはノーベル賞にも匹敵するような方々、たとえば近年の先端技術分野のとてもわかりやすい例としてはPTS細胞の山中伸弥博士などが受賞されており、思想芸術部門ではイサム・ノグチやピーター・ブルック、黒澤明、モーリス・ベジャール、安藤忠雄、三宅一生、坂東玉三郎、志村ふくみ、といったノーベル賞の対象になる文学者を除いたかなり広範囲な芸術家が選ばれているのだった。私は今年その推薦人の一人として招待され、京都国際会館における授賞式に参列し、今年の受賞者國武豊喜博士、ミシェル・マイヨール氏、ジョン・ノイマイヤー氏の講演を聴講させてもらったのだった。國武博士は合成二分子膜の発見という、いくら話を聞いてもチンプンカンプンのまま超いい加減な理解で超簡単に解説すると、細胞膜を人工的に作ってそれを色んな科学技術に応用する方法を発見した?人らしいのであった^_^;それに比べるとマイヨール氏ははるかにわかりやすくて、太陽系以外にも惑星があることを初めて発見した人で、素人が聞いても両氏の業績は画期的なものに思えたから、山中伸弥氏と同様にそのうちノーベル賞もゲットされるのではないかと思われた。
私は思想芸術部門の推薦人の一人になったものの、受賞されたバレエ振付師ノイマイヤー氏の舞台は見たこともなく今回初めて20世紀のバレエ界を画期的に刷新した旗手的な存在と知り、たとえば三島由紀夫の近代能楽集「班女」やテネシー・ウイリアムズ作「欲望という名の電車」といった心理的な深みのある文学作品を取りあげて、それらに登場する人物の複雑な精神を身体の動きだけで表現するバレエ作品の数々に大変な興味を覚え、彼の主宰するハンブルグ・バレエ団が来春来日するようなので是非とも見てみたい気がしたものである。
ところで授賞式はフルオーケストラが入って開会やメダル授与の瞬間にそのつど生音でファンファーレが入るという盛大なもので、アトラクションにお能を演じたり、オーケストラの演奏があったり、子供たちの合唱があったりして、その子供たちが母校聖母学院小学校の児童たちだったのにはビックリしたが、聖母の合唱団はNHKの全国音楽コンクールで27回も京都代表になっているらしい。参列者は全員正装で、男性はタキシード、日本人女性は着物姿が多く、私は一応こういう時のアルマーニ勝負服で臨んだ次第(^^ゞ出席者の席にはそれぞれヘッドホンが置かれ、それで同時通訳が聴けるようになっていて、いろんな点でノーベル賞もたぶんこんな感じの延長線なんじゃないかな〜と想像するよすがにもなった。
授賞式の夜は当然ながら晩餐会があるのだけれど、選考委員として同行された翻訳家の松岡和子さんのご希望で晩餐会はパスして祇園の「川上」で食事することとなり、食後には妹ともどもまたバー「フク園」を訪れて楽しい一夜を過ごさせて戴いた。翌日は講演会の前の時間帯を利用して近所の宝ヶ池を散策したほか岩倉の実相院も訪れて、紅葉の饗宴と呼ぶにはまだちょっと早いかな〜と思われなくもない錦秋の京都を満喫した次第。




コメント (2)


稲森和夫氏は稲盛和夫氏ではありませんか。

投稿者 晴道 : 2015年11月14日 06:01

ご指摘ありがとうございます!慌てて書き直しました。

投稿者 今朝子 : 2015年11月14日 07:16

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