トップページ > 大根の煮物、蒸し茄子ポン酢、秋鮭の茸あんかけ

2015年11月09日

大根の煮物、蒸し茄子ポン酢、秋鮭の茸あんかけ

今日は夕方に河出書房新社の島田さんがお越しになって、今月末〆切りの日本文学全集第10巻所収『仮名手本忠臣蔵』現代語訳の進捗状況をお尋ねになった次第。こちらはもうさすがにあらかた完成しており、〆切りに間に合わないなんてことはないのだけれど、ここに至るまではいろいろ迷いまくったし、今もまだ迷っていることは多々あるので、結局は初校段階で最終決着をつけることになりそうだという話をした。
そもそも殺生だと思うのは、ふだん専ら時代小説を書いている私が現代語訳をしなくてはならないということで、これはとても時代小説作家の顔で出来る仕事ではない!と判断し、かつて「ぴあ歌舞伎ワンダーランド」など若向きの啓蒙書を手がけたモードで、まず何よりもわかりやすくすることを主眼にした現代語訳を試みた結果、かなり踏み込んだ解釈もしなくてはならなくなった。何しろ浄瑠璃の段切れ(章の終わり)なんてものはスピード感が命だから、作者自身が何を書いてるつもりかわかんないような文章もあるくらいなので、相当にこっちが捕捉して解釈をしないと意味がまるで通らないし、現代文としては成り立たないのである。おまけに登場人物のキャラも、前半えらくチャラいのに後半が急にマジモードになったり激昂したりと、これまた小説では絶対あり得んだろう!というような展開に全体が終始していて、わかりやすく踏み込んだ解釈をすればするほど変な話に思えてくるのが始末に悪い浄瑠璃という文学なのである。それでも舞台を見て感動できたりするのは哀切なメロディーが付いていたり、テンポの急激な変化によって生理的に揺さぶられるからで、音の出ない紙上ミュージカルが果たして成り立つのかどうか?といった大問題を抱えたまま、私としてはとにかく月末には必ず入稿することをお約束して島田さんをお見送りしたのでした(^_^;)
ところで明日は京都賞の授賞式でまたまた京都に行きますのでブログはお休みとし、12日に再開と致します。誤解のないよう念のためにお断りしておきますが、別に私が受賞するわけではありません(笑)。
京都賞というのはノーベル賞並の賞金が出る世界的な賞で、たまたま推薦人の一人になったのでご招待されたのでした。詳しくはブログ再開の折にまた<(_ _)>


コメント (2)


松井先生
いつも楽しみに読まさせて頂いてます。
さて、フィギアスケートもシーズンイン。
今月27日からのNHK杯では復帰浅田真央、和のプログラムで苦戦中羽生結弦が出場します。
羽生選手は陰陽師を演じた野村萬斎を意識した振付、すり足を思わせる動きがあつたりかなり和のプログラム。その世界観は海外で高く評価されてるものの点数をとるプログラムとしては苦戦中の模様。
是非松井先生にもご覧いただき、ご意見をお聞ききしたいと思います。

投稿者 越後のスケオタ : 2015年11月11日 09:40

松井先生
いつも楽しみに読まさせて頂いてます。
さて、フィギアスケートもシーズンイン。
今月27日からのNHK杯では復帰浅田真央、和のプログラムで苦戦中羽生結弦が出場します。
羽生選手は陰陽師を演じた野村萬斎を意識した振付、すり足を思わせる動きがあつたりかなり和のプログラム。その世界観は海外で高く評価されてるものの点数をとるプログラムとしては苦戦中の模様。
是非松井先生にもご覧いただき、ご意見をお聞ききしたいと思います。

投稿者 越後のスケオタ : 2015年11月11日 09:40

コメントしてください




ログイン情報を記憶しますか?


確認ボタンをクリックして、コメントの内容をご確認の上、投稿をお願いします。


【迷惑コメントについて】
・他サイトへ誘導するためのリンク、存在しないメールアドレス、 フリーメールアドレス、不適切なURL、不適切な言葉が記述されていると コメントが表示されず自動削除される可能性があります。