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2015年06月08日
夏野菜とツナのマヨソテー、豆腐とトマトのカルパチョ風サラダ
まんま今日のQP料理である。夏野菜〜はマヨネーズとニンニクのみじん切りをフライパンで熱して輪切りにしたズッキーニを色づくまでソテーし、アスパラガスとトウモロコシの粒を炒め合わせてツナ缶を入れて、さらにマヨを加えて塩胡椒で調味するという、マヨネーズの消費量を高めようとするQ P 戦略の料理。木綿豆腐は水切りしてからスライスして塩胡椒し、細かく角切りにしたトマトをトッピングし、仕上げにオリーブ油をかけてレモン汁を絞る。
食事しながら相変わらず見たNHKのクローズアップ現代では、渡辺謙のトニー賞ノミネートに因んだ興行界のグローバル化現象を取りあげた。ブロードウエイは今や観客の七割以上を観光客に依存する状態だというから、なるほど、もはやかつてのような発信元としてのパワーを期待するわけにはいかないのだろうな〜と思ってしまったのは、どんなビジネスであれ、行きずりの客を相手にしだすと、そこに質の高さや斬新性を求めるのは難しいからである。
ともあれ残念ながらトニー賞は逸したものの、五〇代で初のミュージカルに挑戦しただけでも渡辺謙のチャレンジ精神はあっぱれというべきか。私がこの人の存在を初めて知ったのは、ちょうど今から三〇年前に渋谷パルコ劇場で上演された「ピサロ」の舞台だった。もちろん主役のピサロを演じた山崎努がお目当てで見に行ったはずなのだが、結果的にはピサロに殺されるインカ帝国最後の王アタワルパを演じた渡辺謙にすっかり魅了されたのを想い出す。王の痛ましいまでの純粋無垢な精神性をみごとに表現し、それは演じきったというよりも、この人自身の純粋な魂を反映したかのような名舞台だった。何より全裸に近い恰好で演じる役だけに、惚れ惚れするようなガタイの良さが光って、新劇にもこんな身体的に立派な俳優さんがいるんだ!と強く印象づけられたものである。にもかかわらず、その後は舞台の記憶がほとんどなくて、いつの間にか映像オンリーの人のようになっていたから、今やブロードウエーが初舞台のように思う人のほうが多いくらいではなかろうか。何故これほどの逸材を日本の舞台は引き止められなかったのかちょっと不思議な気がするけれど、恐らくはもはや新劇が終焉を迎えつつあった時代で、往年の俳優座で活躍した仲代達矢のような道が歩めなかったということなのだろう。逆に言えばスターシステムを取り得なかった点で、新劇の凋落は決定づけられたといってもいいのかもしれない。