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2015年04月12日
与那国島(どなん)行〜癒し篇〜
最近では「Dr.コトー診療所」のロケ地ともなった与那国島を私が最初に知ったのは、モスラのモデルになった世界最大級の蛾ヨナグニサンの生息地としてだったが、同島には古来ヨナグニウマという小柄な和種の馬も生息している。クラブの馬友ペンギンのOさんから、そのヨナグニウマに乗れるらしいとの情報を得た私は早速ネットで検索して、沖縄本島で乗せてくれる施設を発見。去年2月にそこでの外乗をOさんと翻訳家の松岡和子さんをお誘いして試みたところ、三人とも余りの楽しさに本場の与那国島でどうしても乗りたくなり、今度はOさんが手配を何もかもして下さって、元ミセス副編の福光さんも参加なさる格好で4月8日から三泊四日の外乗ツアーを敢行。これまた想像を絶した楽しさ満載だったばかりでなく、旅行直前に同島では自衛隊基地誘致をめぐる島民投票が行われるといった大転換期を迎えたためにこちらも何かと考えさせられ、ガラパゴス行以来のインパクトある風景にも触れて、本当をいえばこのブログではとても書ききれない、丸ごと一本の小説にしたいくらいの、実に想い出深い旅行となったのだった。
ともあれ本来は癒されるためのレジャー旅行で、その目的が十分過ぎるほど達せられたのは間違いない。ちょうど日本列島に時ならぬ寒波が襲来した時期と重なって当初の天気予報では雨の確率80パーセンだったにもかかわらず、今回もまたまた晴れ女パワーが炸裂し、結果的には曇り時々晴れ気温23,4度というサイコーの乗馬日和の下、8時間かけて島を一周する長距離外乗を体験できたのは何よりだった。
写真で見てもおわかりの通り、ヨナグニウマは小柄な上にドサンコよりぐっとスリムなため、ちょっと見にはオトナが乗っても大丈夫?と心配されるのだけれど、実に意外なほどの安定した乗り心地で且つ文字通りの馬力もあって、華奢なカラダでドサンコよりも長距離の登坂を疾走したのはちょっと驚きで、先導のインストラクター以下全頭駈歩の足並みがきれいに揃ってパカランパカランの音が大きく響いた時はいささか感動モノだった。というのも石灰岩質の島に生息するヨナグニウマはもともと蹄が硬く、蹄鉄を付けずに舗装道路を駈け抜けられるため、ふつうの地面や砂地では決して得られない快音が響き渡るのである。もっとも舗装道路や美しい浜辺を汚さぬよう軽トラが伴走して馬糞を回収するといった手間も要しており、何かと大変なお世話をしてくださったNPO「ヨナグニウマふれあい広場」のヒロ君、マリさん、ミドリさんには感謝するのみだ。ただ騎乗するだけでなく途上で風光明媚なスポットにも恵まれ、美味しいお弁当も頂戴し、無事に帰り着いた後は馬たちとしっかり触れ合えて心底癒された。1日でたっぷり8時間も騎乗したのにさほどの筋肉痛にも見舞われなかったのはやはり馬のカラダがスリムなせいかもしれない。かくして翌日も1時間半ほど騎乗して、前日とはまったく異なるジャングル探検のような外乗と雄大な絶景が満喫できたのだが、騎乗中の写メはさすがにできないから、それらの絶景は残念ながらここにほとんど披露できず、今回ほどウエアラブルなカメラが欲しい気持ちになったことはないのであった。
2日目(初日の移動日を入れた3日目)は短い外乗を終えた途端に雨がぱらつきだしたので、レンタカードライブで再び島を一周。8時間外乗で見落としたさまざまなポイントを訪れて、何かと考えさせられた点は明日のブログで書きます。
写真中段は浜辺での暴れん坊将軍御一行様。下段は猫マクラならぬ馬マクラ。いくらヨナグニウマが温厚な性格だといっても、生後1ヶ月の子馬に人間がこんなことをして、そばにいる母馬が怒らないのは驚異的で、よほど日頃の扱いが良くて人間を信頼している証拠だろう。
外乗途上の海岸で見た奇岩立神岩
立神岩を真上から見たところ