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2014年04月26日

歌舞伎座四月興行千秋楽

今月の歌舞伎座公演昼の部は坂東三津五郎の舞台復帰と坂田藤十郎一世一代の『曽根崎心中』が重なったのでこれは観なくちゃいけないな〜と思っていたら、扇千景夫人から元マネージャーの大島さんともどもきょうの楽日にご招待を受けたのだった。で、そうしたこともあって客席は大変賑々しく、ロビーでは久々に色んな方ともお目にかかれたが、なんといっても80を超えた扇さんの若々しさは驚異的で、政界を退かれた一時期よりずっとお元気に見受けられた。しかしながらもっと驚異的だったのは扇さんよりさらに年上の坂田藤十郎で、やっぱり役者は元気で長生きに勝るものはない!と改めて感じさせられた次第。こちらも一時期はちょっと肥り過ぎかもと思われたのだけれど、今日はほっそりとして往年の容姿をキープして見えたし、当たり前とはいえ、後ろ姿がちゃんと女に見えるからコワイ。最後まで実に丁寧にしっかり演じ切っていて、本当にコレで最後にするのかなあ?なんだかんだいって一世一代を色んな劇場でやるんじゃないのかなあ?な〜んて思ったのは江戸時代の嵐雛助という役者が一世一代興行を数年間やり続けた事例があるからだった。ともあれ敵役の九平次を橋之助が演じたことで芝居全体もぐっと厚みが増して面白く感じられ、久々に見応えのある『曾根崎心中』だったといえる。『靭猿』は三津五郎が想像以上に元気に踊りきって病の完全克服を感じさせたのが何より嬉しかったし、情味のふくらみが以前より増したふうにも感じられた。『鎌倉三代記』では、やはり歌右衛門仕込みの梅玉・魁春兄弟に丸本時代物の白塗りと赤姫という役柄のエッセンスが伝わっていることで安心して観ていられたし、梅玉は前髪が似合うだけの若さをキープし且つ歌舞伎座の舞台にふさわしい役者としての大きさを備えているのが何よりだった。


コメント (1)


藤十郎丈と扇さんご夫婦に去年の初春興業の初日に松竹座楽屋口でお会いしました。行儀知らずの娘が「お写真お願いします」と3ショット撮らせて頂いた時にはこっちが慌ててお辞儀ペコペコでしたし、脇に汗が流れましたが、お二人ともニコヤカニ楽屋に入って行かれました。勿論扇さんは素敵な黒地に雪輪?の訪問着。お二人共に背筋がシャンとして着物が身体に沿っておられました。
扇さんの凄い所は政治家で居られた時にも劇場では「藤十郎さんの嫁」でした。いつも「お父ちゃん」と藤十郎さんに話しかけて居られるのをお見受けしました。本当に賢い素敵な方だと尊敬しております。女が仕事を持ち働いても家に帰れば嫁と母を通す、大変な事です。しかしそれが出来なければ家庭の維持も難しい。女性の労働力を宛てにする政策に変わりつつ ありますが離婚が増えるような事では何もならない。女が賢くなるしかないですね。

投稿者 お : 2014年04月27日 10:14

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