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2013年10月31日

小松菜の海老あんかけ

QPで見た料理。小松菜は軸をさっと炒めて鶏ガラスープと塩少々を振り、葉の部分をあとから加えて蒸し炒めにして、水気をきってから皿に盛る。海老は縦半分に切って塩胡椒酒で下味し、カタクリ粉をまぶして炒め、火が通ったら鶏ガラスープ、酒、砂糖、塩、醤油少々で味付けし、ホールコーンを加えて水溶きカタクリ粉でまとめ、ゴマ油で香り付けして小松菜に注ぎかける。簡単に作れるわりに、彩りがキレイなのでおもてなし料理にオススメもしたいのだが、どうもキレイな写真は容量オーバーになるらしく、またもやアップできなくてとてもザンネンです(+_;)
日本シリーズ第五戦を見ながら食事した今日は、予告通り川上哲治氏の話を書こうと思う。
以前、狂言師の故茂山千之丞師に、わが実家の料理屋祇園「川上」の屋号について「あれは巨人軍の川上から取ったんだよ。おかしいだろう」と聞かされた歌舞伎役者の中村京蔵丈から「それって本当の話なんですか?」と問われた際には半分本当だとお答えしたことがあった。
そもそもは祇園の前に高瀬川の小関橋辺で開業し、父親は川のほとりという意味で「川上」と称したつもりらしいのだけれど、母親はその際に今をときめく川上選手にお会いして、名前を拝借したい旨を告げたので、以来ずっとご贔屓くださっていたのである。
母親の実家は「大野屋」という当時関西で鳴らした旅館チェーンだったが、シティホテルの無い時代だからして、あらゆる業界の有名人がお泊まりで、川上選手もそのひとりだったらしい。もちろん実家のお客様だったというばかりでなく、母親は自分が大変なファンだったので、名前を拝借したい気持ちにかられたのだろう。わが家では「カーさん」と呼んでいて、カーさんはシーズンオフにしばしば店を訪れて、多くの巨人軍選手を引き連れてこられた。典型的な言いたいこと言いの大阪人である母親は「カーさんには優勝したら必ずうちへ来とうくれやす。優勝でけんかったら、来んでもよろしい言うたんね」と当時よく話しており、かくしてカーさんはV9を達成したのだった。
私自身は王選手の大ファンだったから、カーさんに会うよりも、店で何度もワンちゃんに会えたことが本当に嬉しくてたまらなかった。私たちは巨人軍が定宿にしていた芦屋の竹園旅館にもよく訪れたが、クウちゃんことサントリーの久保田常務も私の母親に連れられてそこで長嶋に会えたことが今でも忘れがたい想い出だと話していた。旅館から選手達のバスに何度か一緒に乗せてもらい、阪神ファンの投石で、バスの窓硝子が割れてひやっとした想い出もある。
世田谷の野沢にあるカーさんのご自宅にも何度かお訪ねしたことがあった。奥様はやさしい方だったし、カーさんも、当時は球界に君臨するドンとして恐れられていた時期だったけれど、そんなコワイ感じの人というような印象は全く受けなかったものである。
私が最近読んでつくづく感じ入ったのは、父親が引退して「川上」を譲ることになった際に、カーさんから両親が頂戴したお手紙である。達筆なばかりでなく、実に真心のこもったお手紙には胸を打たれたし、カーさんの律儀で温かいお人柄がしみじみと窺えた。わが家の大恩人のおひとりといってもいいお方に、謹んで心より御冥福をお祈り申しあげます。


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コメント (3)


大野屋さんの件でお尋ねします。大分以前、東大前の大野屋さんのご主人から越前大野が発祥の地と聞き、また、誇りを持っていらっしゃるように感じました。後、その地を訪れ城下の家老屋敷の説明で藩の経済経営のことを知り大変感銘を受けました。お母様のご実家はその大野屋さんですか? 私は静岡在住でして、関西でのチェーンでの展開についてもよく知りません。折がありましたら大野屋さんについて書いていただけたらありがたいです。

投稿者 松浦澄江 : 2013年11月01日 02:38

松浦さま

こちらの大野屋は越後長岡の大野甚松という人物が創業し、関東ではローマ風呂で有名になった熱海の大野屋、東京には築地と京橋にあった大野屋が遠縁にあたります。名古屋と京都にもありました。
母方の実家は大阪で6軒、神戸に1軒、有馬に1軒経営していましたが、戦後しばらくして破綻し、今は一軒もありません。

投稿者 今朝子 : 2013年11月01日 07:47

早速のお答え有難うございました。

投稿者 松浦澄江 : 2013年11月07日 14:46

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