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2012年12月17日
イモ煮汁
イモ煮汁というのはこんなものかも?と想像しながら作ってみた。出汁に里芋と豚肉と舞茸とシメジと長ネギを入れて酒、砂糖、味醂、醤油、塩少々で味付け。
妹の選挙区では前原氏が早々と当確を決め、私の選挙区でも枝野氏がなんとか議席を死守したものの、民主党の惨敗ぶりは呆れるほどで、今後も党が存続するのかどうかさえわからないような感じである。戦後最低の投票率が意味するものは、前回民主党を支持した人のほとんどが投票所に行かなかった結果と推測される。要するに党と同様に、支持者もまた野党気分が抜けていなかった証拠であろう。日本の都市部有権者の多くは、長期に続いた自民党独裁政権下において、別に支持しているわけでなくても社会党や共産党に票を入れるのが良心的な投票行動のような刷り込みがなされており、そこから脱しきれないまま二大政党時代を迎えた結果ともいえる。自らの寄って立つ基盤を鑑みて政党を支持するという感覚が、いまだ都市部有権者に育たないのは、この国の人びとに議会制民主主義が本当の意味で理解されていないことを物語っているようだ。
ともあれ今回もまた国民は自民党を支持したというよりも与党バッシングをしただけなのであって、このパターンの繰り返しがなんだか学校のイジメにも似てどんどんエスカレートしているだけに、あまりにも大勝ちし過ぎた自民党は却って首筋がひやっとする思いであろう。それだけに当分は慎重運転に徹するだろうし、少なくとも来年の参議院選挙までは失点を極力セーブするにちがいない。景気も当面はよくなるだろうし、外交面も当座は意外と雪解けムードになる可能性がある。しかしながら自民党は所帯が膨らんだツケとしてのトラブルを当然あれこれ抱えるだろうし、たとえば財界にTPP参加を迫られたり、アメリカの要請を受けたりしたら、すぐにこれが党内トラブルの発火点になるだろう。原発政策についても当面は河野氏を表に出して誤魔化していても、これまた財界の再稼働要請にどう応えるかで激しい世論の反発を浴びそうである。景気も一時的によくなるとはいえ昔ながら土建屋行政に舞い戻るだけのようだし、結果、日本はまたまたカンフル注射を打つことで根本的な治療が手遅れになるリスクを背負っちゃったわけだけれど、とにかくそれも有権者の選択だったのだから、自民党に投票した人はあとで文句をいいなさんなよ、と申しあげるしかない。また今回は自民党が勝ちすぎだと文句をいう資格も、投票していない人にはないはずである。リスキーな経済政策でかりに国債が暴落したら、融資を受けたりローンを組んでたりする人は地獄をみるけど、日本人はそれを覚悟の上でアベボンを支持したというふうに、当然ながら海外メディアは受け取っているにちがいない。えっ、そんな覚悟はゼンゼンしてないよ〜なんていう泣き言は自民党に投票した人も、選挙に行かなかった人にも許されないのである。
今回の選挙で私は自民党と維新の会が連立する結果になるのを一番恐れたために敢えて民主党を支持したが、それにも抵抗がなかったとはいえないくらい、ブースカのやり方は田中秀征氏が言ったように「アメリカと財界と官僚のこの3つの支持さえ取りつければ政権は安泰だとたかをくくっている」感じがしていて、そのくせ一方で庶民のための政治をアピールしているのが嘘くさくて嫌だったのだけれど、多くの有権者も案外その辺を見破っていたのかもしれないと思うところもあるのだった。
片や自民党は憲法改正まで明言するなどして、そうした意味ではこれまでにない正直なアピールの仕方だったともいえる。自民党に投票した人は当然ながら憲法改正を望んでいるのだと海外メディアが受け取っても仕方がないし、ええっ、そんなことまで望んでないわよ〜という文句もまた、自民党や維新の会に投票した人はもちろん、今回投票所に行かなかった人には許されないことを自覚すべしである。
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コメント (3)
12/14、某駅そばを歩行中、街灯演説が耳から入り、珍しくまともな演説だったので、だれかしらと姿を見たら某候補の応援の田中秀征氏でした。寒い夕方の日陰に慎ましいコート一枚で道路に立っての演説は氏らしく思われました。
世論調査で投票する先を決めていない人が多いのは
有権者が政治に無関心だからではなく
むしろ、政治に関心があっても
入れたいところがないゆえでだ。
今回の解散総選挙は野田総理が
「今解散しないと、消費税増税に間に合わない」と
官僚達にまるめこまれた結果だ。
ばらまき公共投資等で4月からの上半期の景気を、
うわべダケでも上昇させ
その数値を基に、消費税率を引き上げる根拠とするには
逆算するとこうせざるを得ないのだ。
といった内容のお話もされていました。
私、個人的には
憲法改悪をしたくてうずうずしている人たちが
2/3以上の議席を得てしまったことが何よりも心配です。
投稿者 芙蓉 : 2012年12月17日 23:44
対GDP 比で世界一発行残高の多い日本国債はまた、世界一金利の低い人気国債でもあります。過去に入札に対する札割れもありません。さらに、これだけ発行残高が多いと、ヘッジファンドなどからの仕掛けも難しいようです。
誤解があるようですが、安倍さんが言っている経済対策は全くリスキーなものではありません。これ以上発行残高を増やさない方法、つまり一度市場で落札された国債を日銀が買いオペで引き受ける訳ですからデフレギャップがある限りインフレも考え難いと思われます。
それでも仮に暴落したとしても、今度は円安に直結しますから輸出産業が息を吹き返します。どう転んでも最強の日本経済に死角はありません。(^_^)
投稿者 TT : 2012年12月18日 00:35
獲得票数と獲得議席数の乖離。これが選挙の一番の問題点ではないでしょうか。死票率について国民も、マスコミももっと問題視した方が良いです。一つの党で衆院再可決可能議席数があるというのは危険ですね。党内の良識派が力をもつことに希望を残します。
投稿者 tucci : 2012年12月18日 05:58