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2012年07月23日
ハッシュドビーフ・オムライス
テアトル銀座で「男の花道」を観た帰りに幻冬舎のヒメと銀座木村屋で食事。
「男の花道」はかつて長谷川一夫や現坂田藤十郎の舞台で観た覚えはあるのだけれど、元は映画で、その監督であるマキノ雅弘の親族であるマキノ雅彦こと津川雅彦が今回の演出に当たり、ヒメの叔父様である金子良次氏が演出のお手伝いなさった関係でご招待を戴いた次第。
長谷川が得意とした三代目歌右衛門役を中村福助、彼の眼病を治す医師土生玄碩役を中村梅雀というのはなかなかの好配役だが、長谷川や現坂田藤十郎の舞台を見馴れた目には、いささかマンガチックに見える演出で、特にせっかくのセリフの聞かせ所にBGMが煩わしいまでに流れるのには食傷させられた。福助はいわゆる新作のこなせる役者だし、今回は「女形」を役として演じ、つまり男役を演じているからなのだとはわかるのだけれど、劇中劇ではもっとふつうに女形として美しく見えてもいいのではないかと思われた。芸達者な梅雀はこの役の飄々とした持ち味を巧く出してはいるが、マンガチックに過ぎるのは演出のせいだろうか、どうも薄っぺらな役になり過ぎているような印象は否めない。ただし、この種の商業演劇としては珍しいくらい脇役陣がみな妙に気が入っていて、尾上松也はそこそこ風采もいいし、一門の徳松も歌舞伎の舞台ではあまり見せられない達者ぶりを発揮し、新派の森本健介も健闘している。大道具はいささかケチり過ぎの観があるも、この手の芝居は往年の商業演劇のようなわけにはいかないんだろうなあと思い、改めて自分が過去に観たさまざまな商業演劇も歌舞伎や文楽と同じく、いやそれ以上に、もはや二度と観られない名舞台の数々であったことを思わずにはいられなかった。
社会派のヒメとは久々にその手の話になり、日本の政治の絶望的な状況を打破するにはどうしたらいいのかや、イジメの問題について等々お互いにさまざまな例を挙げながらじっくりとおしゃべりをし、今や選挙をするのも、親になるのも、資格検定が要るような時代なのかもね、という悲観的な結論に達しました(v_v)
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コメント (1)
いらぬ出しゃばり口ですが、福助さんに限らず、今の女形さん早く綺麗で無くなると思いませんか?
菊五郎丈も、NHK大河ドラマの義経を子供の頃見た者は今の菊五郎丈の素顔は見るに堪えません(-_-)/~~~ピシー!ピシー!
梅幸丈は最後の舞台まであんなに汚くは無かったです。
芝翫丈も歌舞伎座さよなら公演の頃もまだ綺麗でした。今の福助さんを見ていると、70歳を越えるとどうなられるのか?
食事状態も、化粧品も今の方が良い物があるのに。
投稿者 お : 2012年07月24日 08:57