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2012年05月03日
牛肉と新玉ネギのトウチ炒め
昨日のQPで見た料理。塩胡椒で下味した牛肉を生姜の薄切りを入れた油で炒め、新玉ネギを炒め合わせて
玉ネギが透き通ったらさらに絹さや(私は好みでスナップエンドウにした)を加えてさっと炒め、トウチのみじん切りと酒、醤油、砂糖少々、粗塩、胡椒、片栗粉を合わせた調味料で味付け。簡単にできるのでオススメ。
今日はいつも通り執筆をし、お勤めの人はせっかくの休日なのに雨で気の毒だよな〜と思いながら、でも何の休日だっけ?と一瞬考えちゃったくらい、TV各局では憲法記念日らしいニュースがほとんど流れないので却って気になってしまった。今年は自民党が念願の新自主憲法の草案を発表したばかりだから、突っ込みどころ満載のそれについてちょっとでも触れられるかと思いきや、マスコミはあまりのことに完全スルーしちゃった感じなんだろうか。その草案がニュースとして流れた当初は、天皇を「元首」とすることがハッキリ謳われたので、それってご本人はどう思ってらっしゃるのだろう?「象徴」という位置づけを真剣に模索しながら長い歳月を歩んで来られて理想的な姿にたどり着かれた御二方にとっては今さら迷惑な話なんじゃなかろうか?何かというとお上を御輿に担ぎあげて利用したがる田舎モンの政府が現れるのはもうご免やで、と京都人らしく言いたくもなる私であった。
ともあれ昨日、原発反対のハンガーストライキをなさった瀬戸内寂聴、澤地久枝両氏が現代の日本をとても
憂いてらっしゃるのは、いつの間にか時代遅れの富国強兵的な国家主義が蔓延し、その延長線上に国民の生活や生命を無視した原発再開問題があることだろうと思われるのだった。
そもそも松下村塾の顰みに倣ったふしがある松下政経塾にしろ、維新の会にしろ、近代の国家主義を是認したようなネーミングからして如何なモノかと思えるのであるが、ブースカにしろハシモトにしろ、我々よりはるかに年下の坊やたちが、なんだって今さら妙な国家主義に取りつかれちゃってるのかが不思議だというような話を昨日は西尾クンや光武さんともしたのであった。で、「彼らは僕らよりずっとよくなった時代の日本に生まれたはずなんですけどねえ」という西尾クンの発言で、なるほど、つまりはジャパンアズナンバーワンがしみ通りすぎたために、今やそこから凋落しちゃった感じを私たちよりも強く受け取っているせいかもしれない。それは何もブースカやハシモトに限らずむしろマスコミの現場トップクラスが今みんなそうしたバブル世代なので、せめてアジアの中だけでもなんとか負けまいとして、ことさらに国家主義的な気分を蔓延させているに違いないと思われたのだった。
豊かな国で甘やかされて育った若者たちは、そのことによって自らが能力を欠いてしまったという正しい認識を持つよりも、他国や他民族に対する被害者意識や優越性を募らせることになり、結果として国家主義的な気分が蔓延しやすくなるのは、世界中いつの時代も同じである。近代はそのことが戦争に直結したけれど、世界の先進国すべてが高齢化し、女性の社会的地位が大きく変化した今日では全く事情が異なるだろうし、また異ならせなくてはならないのである。
近代において、近代国家の成立は、そのことによる弊害がまるでなかったとはいえないが、それでも人類にとっての必然だったのだと、私は当時の史料を読んで確信している。だからこそ現代における必然は近代的な国家観とは別次元で成立しなくてはならないと感じてもいて、それが時代小説を書く人間としての歴史観
であり、時代を俯瞰して眺めることを通じて読者に現代を相対化してもらえる機会になればいいと思って時代小説を書いているのである。時代小説を読んで、なりきり鬼平やなりきり龍馬みたいになる男は可愛くていいけれど、そういうおめでたい感じで現実にコミットされてはやはり叶わないと思うのである。
ちなみにこのHPの右欄に紹介した近日発売の文庫『円朝の女』の最終章では、日清戦争でマスコミがいかに人心を煽ったか当時の史料を読んで痛感したので、そのことにも少し触れた内容になっております。
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コメント (2)
天皇を元首にするなんて全く何を考えているのでしょう?おしゃるとうりそんなことはご本人達が一番嫌われるのでは?でもいつの世も利用しようと手ぐすね引いている人達もいるし油断なりませんね。東京の声の大きいお爺さんも大阪の坊やもとても信頼出来ません。煽られず流されず生きていく事の困難さよ!
投稿者 ねこかおる : 2012年05月04日 13:04
「聞き分けの ないまま育ち フリーター」私の先輩の川柳ですが、石原爺さんは戦前の我が民族が世界に範をたれるべき、で幼少時代を過ごし、そこから全く進歩しないまま。橋本君は力こそ全て、人も国も力を蓄える事に全力を注ぐべき。
どちらも「聞く耳を 持たずに オンリーワン」
しかし、その男達について行けば「楽ちんやわ」と思い、扇動される大衆という、その他大勢が一番問題ではないかと思います。
とにかく、今上天皇ご夫妻は「国民が平和に暮らせる」事を願って二人三脚で、あの御年まで現役で頑張って来られたのに「元首」などという役職を引っ張り出して御心を煩わせる事は一番してはいけない事です。
投稿者 お : 2012年05月04日 22:40