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2012年03月20日

春の和風パスタ

前にQPで見た料理をアレンジ。ニンニクと鷹の爪を入れたオリーブ油でベーコンと茹で筍を炒め、醤油で味付けし、一緒に茹でたスパゲティと菜花を加えるだけ。菜花はもちろんパスタの茹で時間が残り1分くらいになってから入れること。
きょうも朝から執筆をして、夕方一段落したところで、いつものように氷川神社〜大宮公園を散歩して最後の観梅を楽しんだ。桜の木もすでに色づいているが、花見はまだまだ先のようである。
ところで休日でも仕事をするフリーランスの身としては、サラリーマンはやっぱり気楽な稼業と言いたくなるけれど、実際問題そうでもないだろうことは百も承知の上で、若者の二人にひとりが就職できなかったり早期に退職している現実を、もっと根本的に考えるべきではないかと思うところもあるのだった。
今連載している小説の資料としてたまたま昭和5年4月の新聞を読んだところ、まさに「大学は出たけれど」の映画が公開された翌年だけに、高学歴者の就職率はなんと14.6パーセント(失業率ではありません、念のため)に過ぎず、当時「知識階級」とされた高学歴者が俸給生活者になることそのものが、10年前くらいから徐々に難しくなっていた現実を伝えている。つまりサラリーマンは常にある程度の絶対数が確保されてしかるべきというような幻想を社会に与え、そのことで就職難という現象が引き起こされるのは百年前からほとんど変わっていないのだった。今はさらに進んで、働くこと=どこかに勤めること以外の発想をできなくなっている人の割合が百年前よりはるかに高いであろうにもかかわらず、二人にひとりは就職できているのだから、社会の仕組みもそれなりに民主的になってきてはいるのだろう。要するにこの百年間で、働くこと=会社に勤めることという概念は一般に浸透しきったといってもいいのだ。その上で今後はまた別の概念に移行しようとしていて、現在はその過渡期だという気がしなくもないのである。何しろITの発達によりテレワークも可能になれば、単独事業も信じられないくらい容易になりつつある今日、本人の才覚次第でどんな働き方だってできるのだから、通常の就職を絶対視する必要は今やなさそうにも思えるのだ。こんな風に書くと、才覚のある子ならいいけど、無い場合はどうするのよ!というお母さんの声が聞こえてきそうだが、無い場合は就職すればなんとかなるという風にも考えられないのが、残念ながら今後の世界の厳しい現実だろうし、それよりも早い時点で就職できなかったらどうするの!というような短絡的な強迫観念を若者に植えつけるほうが、その子の将来にとっても、今後の日本社会にとってもあまり望ましい方向に進まない気がするのだった。とにかく世の中はこれから恐ろしい勢いでどんどん変わっていくだろうし、その中で必要とされる生き方はその時代を生きる若い人たちが自ずとつかんでいくしかなく、いつの時代も旧世代の人間は、若者にそれができることを信じてやるしかないのだろうと思うのである。


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コメント (4)


「これから恐ろしい勢いでどんどん変わっていく・・・旧世代の人間は、若者にそれができることを信じてやるしかないのだろうと思うのである。」・・・・大学をドロップアウトし、お笑いの道を目指して、歩み始めた愚息を持つ親としては、身にしみて感じます。

 別の件ですが、以前「1924海戦」を観た者がいれば・・というお話があったと思います。遅ればせながら、若干のコメントです。まず、趣向が面白かったです。当時のエレベーターガールのいでたちの役者が、開演前から入場を案内し、ロビーには、当時の資生堂のポスターが展示され、劇中劇で「海戦」を展開する、しかも役者たちの訓練は、メイエルホリド流のトレーニングをほどこしたとか。
 やなぎみわさんは、「関東大震災後に潮目が変わり、「芸術は、可能か?」という問いを今以上に突きつけられた。その時代を見つめることで今をてらすことができる」と仰っていました。
「1924」は三部作ですので、第三部も是非観たいと思いました。

 なお、私は今朝子様と同い年、大学も同窓ですので、40年前にキャンパスですれ違っているかもしれません。

投稿者 sudoufu : 2012年03月21日 14:27

「海戦」のコメントありがとうございます!
私がみわさんのHPを見た時は、第3部の上演期日が未定だったのですが、もし既に決まっていたらお知らせください。

投稿者 今朝子 : 2012年03月21日 21:57

1924第三部は、4.13~4.15 京都国立近代美術館で行われるようです。詳細は、http://www.yanagimiwa.net/ をご覧ください。私は、横浜在住なので、KAAT(神奈川芸術劇場)でやっていただくとよかったなあ。

投稿者 sudoufu : 2012年03月22日 12:04

情報ありがとうございます。ちょうど直前に京都に行く予定にしてたので、スケジュールを変えようかと思いつつ、今日たまたま劇場で会った演劇関係者に話したら、8月に東京方面でも上演されるかもしれないという情報をもらいましたが、詳しいことはまだわかりません。

投稿者 今朝子 : 2012年03月22日 23:49

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