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2012年02月20日

さいたまネクスト・シアター第3回公演こまどり姉妹版「ハムレット」

蜷川幸雄主宰の若手劇団「さいたまネクスト・シアター」第3回公演で「ハムレット」を上演し、そこになんと懐かしの「こまどり姉妹」が出演する!!!とあって、怖いモノ見たさにも似た期待はしていたし、シートに着席するなり舞台稽古をご覧になった扇田昭彦氏から「度肝を抜かれますよ」と聞かされていたにもかかわらず、見たら本当に度肝を抜かれ(@_@)次いで滂沱の涙を誘われてしまった私である(;_;)
今日が初日ということもあり、あまり詳しく書くとネタバレしてこれからご覧になる方の衝撃度が薄まると思うので敢えて省略するが、「蒼白の少年少女たちによるハムレット」という副題通り、内にこもって外への回路を喪った若者としてハムレットと、そんな彼に関わろうとして拒絶されてしまうオフィーリアの悲劇が等身大的リアルさで描かれ、序幕とエンディングに不穏な時代の空気が濃厚に反映されている点などからも極めて現代的な印象を受ける「ハムレット」であり、また装置も含めて「メタ・シアター」的すなわち演劇自体についての考察をさせてくれるような演出でもあるのだけれど、こまどり姉妹の登場はそれらすべてを蹴散らすような大いなる存在感を持って「本当の人生とは何なんだ?」というような問いを私たちに投げつけ、芝居のみならず都会的な現代人の人生までも異化させるような効果があるのは凄い!!!としか書きようがないのである。とにかく昭和30年代に一世を風靡したいわゆる「芸能人」の存在感は、今どきの薄まっちゃったタレントとなんかとは違って全く別次元を生きるいわば異形(いぎょう)の人ならではのオーラに彩られたものなのである。ご興味のある方は是非この芝居をご覧になるといい。この芝居はこまどり姉妹をナマで観られるだけでも損はないと思う。とにかく今回は蜷川さんの飛び道具というか、野暮な観客なら怒っちゃいそうな自爆テロ的ともいえるカゲキな演出にただただ圧倒されてしまい、文化勲章受章パーティ時の発言通りいまだ守りに走ることのないそのパワフルさ拍手を送りたい!


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コメント (1)


今朝のブログを読んで、即、チケットを買ってしまいました!以前、「こまどり姉妹がやって来る、ヤーヤーヤー!」を見て、不覚にも涙が止まらなかったのを思い出し、これは行くしかない!と即決でした。現代劇は苦手で、ハムレットにどう関わるのか、 私に理解できるか、と気になるものの、生で聴く機会があろうとは思いませんでしたから。

投稿者 ウサコの母 : 2012年02月21日 20:51

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