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2011年06月30日
桂花苑
水天宮ロイヤルパークホテル内の「桂花苑」で、久々にお目にかかった河竹登志夫先生に美味しい中華フルコースをご馳走になる。
早稲田大学名誉教授の河竹先生はご存じ河竹黙阿弥の曾孫に当たる河竹家の継承者であり、その名もずばり『黙阿弥』という著書があるが、それがこのたび講談社文芸文庫で再版された。私は解説を書かせて戴くことで再読したところ、意味なく難しいだけのいわゆる学術書とはゼンゼン違ったまるで面白い時代小説のような読み物であり、それでいて河竹先生ならではの資料を駆使した裏付けがしっかりとあって、尚かつ鋭い日本文化批評にもなっているという、他の演劇研究者には決して真似の出来ない名著であることに改めて感じ入ったので、歌舞伎にご興味があって未読の方には是非ともオススメしたい一冊である。
ともあれ河竹先生はただのおしゃべりをしていても、無類のストーリーテラーだから、今宵もお食事しながらいろいろな思い出話を伺っているうちになんと4時間半があっという間に経過して、あとでお疲れが出なかったかと心配される。足腰が痛んで外出はちょっと不自由になったと仰言るが、お顔は元気そうで、おしゃべりの調子も昔のままで、御年86歳と伺ってもちょっとぴんと来ない感じだし、まだこれからお書きになる予定のご構想を伺って是非とも読みたくなり、今後もますますのご健筆を願うばかりだった。いやはや若輩者としても、負けてはおられません。
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コメント (2)
おひさしぶりです。河竹さんの『黙阿弥』は渡辺保さんだったかの書評で知って読みたいと思っていた本です。文庫でしたらある程度の大きさの本屋にはありそうですね。情報ありがとうございます。
投稿者 ぱぐ : 2011年07月01日 23:02
初めて書かせていただきます。現在アメリカサンディエゴ市に住んでおります。友人と本を交換して(なんといっても日本の本は輸入品 貴重なので)私たちは松井今朝子さんの大ファンになりました。先日一時帰国した折に、私の母(80歳)に最近とても面白い作家の本に出会った・・・と話したところ、すでに彼女はたくさんの本を読んでおり、それらの本をすべて私が持ち帰ってまいりました。なかでも、京都で生まれ育ち、今は外国に暮らす私にとって「今朝子の晩ごはん」は、呼吸をするのと同じようにすうっと体に入り込んできて、もう虜になってしまいました。これからも楽しみに読ませていただきたいと思います。
投稿者 小松正恵 : 2011年07月05日 03:56