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2011年05月22日
釧路行その1
20日は早朝7時に家を出て9時のANA便で釧路に出発。到着したらすでに翻訳家の松岡さんがご手配くださったチャータータクシーの出迎えを受け、さっそく鶴居村のどさんこ牧場へ。
車中でいきなり丹頂鶴のペアを見つけて、「やっぱり釧路にはなにげに鶴がいるんですね~」と、思わず呟いたら運転手のSさんが、「いや~好運ですよ。このあたりでは、そんなに見られるもんじゃありませんからね」とのことで、今度の旅の好運はここから約束されたようなものだった。
牧場ではついこないだ馬が出産したばかりとあって仲睦まじい母子の出迎えを受け、わすか3日の短期間で日一日と成長していく仔馬と仔馬に走り方などを教える母馬の姿を間近で観察できたのもラッキーなことの一つである。どさんこ牧場は宿泊施設やレストランも備えており、ランチの焼きカレーをとても美味しくいただいたあとは、雄大な自然の中でのびのび育つ道産子に乗って、まずは2時間外乗に出かけた。
今度の外乗ツアーを松岡さんからお誘いを受けた段階で、実をいうと私は結構びびっていて、その理由はご一緒する松岡さん、ご友人Fさん、Fさんのご友人で20年前からこの牧場に親しんでらっしゃるというHさん、3人ともマイ・ホースをお持ちの大ベテランで、そんな方々と本当にご一緒できるんだろうか?足を引っ張ることにでもなったらどうしよう(-_-;)、それより何より3日連続外乗するほどの体力があるんだろうか?という心配が頭を去らなかったのであるが、まずは初日の小手馴らしといった2時間外乗で、道産子は乗っていてふしぎに疲れないし、何しろ小型で反動が小さいので初めて乗った馬でもあまり怖いという感じがしないのにホッとする。で、わずか2時間のコースながら、途中でまた丹頂鶴を見て、次いでキタキツネを見て、さらには鹿の一大ハーレムに遭遇するなど、なんだか見るべき動物はみんな見ちゃった!!!ことにビックリで、これまた釧路湿原は鶴も狐も鹿もやたらめったらいるんですね~と呟きそうになったが、その前に
先導するインストラクターの方が、「丹頂鶴をあんなに近くで見るのは珍しいし、牡鹿のハーレムを見たのはボクも初めてですよ」と仰言って、またまた超ラッキーだったことが判明。たださすがに騎乗中の撮影は無理で、鶴も狐も鹿も激写は叶わず画像はUPできませんm(_ _)m鹿は全頭が一斉にこちらに尻を向けて白い毛を大きくふくらましたのが面白く、それはどうやらこちらを警戒して脅しているらしいのだった。キタキツネは若い個体だったようで人間に対する警戒心が薄くて近くに寄ってきたらしい。とにかく動物には遭遇するけれど、私たちのほかには人っ子ひとり見かけない釧路湿原のど真ん中で、突然私のケータイが鳴って(@_@)某出版社に戻したはずのゲラが届いてないとのことで、一瞬どうしよう!!と真っ青になるも、折り返し電話があって見つかったとのことにほっと胸を撫で下ろす。それにしても、果たしてどこから電波が飛んでくるのかNTTドコモ恐るべしでした(笑)。
どさんこ牧場にほど近いホテルTAITOは食事も美味しいし、お肌がツルツルになる温泉もあるし、文句なしの宿泊所だったが、ここも併せてご紹介くださったFさんは偶然にも私と同学年のご夫人であり、Fさんのさらに先達役であるHさんは70代の闊達な女性で、、お二人ともにとても初対面とは思えぬほど打ち解けられたのは、やっぱり馬の話で盛り上がれたせいだろう。どさんこ牧場に20年来のお馴染みというH夫人
は、系図が書けるくらいに道産子たちの血縁関係や恋愛関係?にお詳しく、道産子たちのリーダーについても興味深い話をお聞かせ戴いた。冬場の道産子たちは雪中に放牧されて独自にエサを見つけて暮らすようになっているらしく、それゆえにリーダーが必要で、リーダーは群れのみんなに推されるかたちで自然に決まるのだという。どさんこ牧場の場合、牝馬とセン馬(去勢された♂)しかいないので、勢いリーダーは牝馬が務め、現役のリーダーは長寿かつ子だくさんの牝馬で、そのリーダーが長生きしすぎるために今や次期リーダーの行方が混沌として注目のマトだという話がなんだか大奥の権力闘争を聞くようで妙に面白かった。冬場のエサはクマザサで、今もそれをやたら美味しそうに食べるのがちょっとフシギな気がするのだけれど、インストラクターのお話だと、道産子の原種は南部馬で、荷物の運搬でこちらに連れてこられて捨てられた形のなかで、冬場に全く食べ物がないために雪を掘って笹を食べながら生き延びるようになったのだという。なんとたくましい馬たちであろうか!!!
IPadを持参した私は皆さんにそれを披露して、たまたまMAPをを開いたところから現住所の話をしたら、Hさんのご生家はなんとこれまた偶然にも丁目まで同じというご近所にあったというから驚きで、氷川神社のお引き合わせとしか思えぬ不思議なご縁を感じながらの歓談を楽しみつつも、次の日の1日外乗に備えていずれも早めに就寝。
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