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2011年04月19日

豚ロースカツ定食

新国立劇場で「ゴドーを待ちながら」を見る前に劇場近くの「さぼてん」で食事。
気鋭の森新太郎演出に興味が湧いての観劇だったが、この時期でも意外に客席は埋まっているのがひと目でわかったのは、舞台が客席の中央を貫いて、舞台を挟んだ向かい側の客席がすっかり見渡せたからである。つまりは客席の両サイドから一本道のように見える舞台は、人間がどこからか来て、どこかへ去る過程にあることを、とてもわかりやすく明示しているともいえるのだった。舞台の造りのみならず、森演出は俳優のセリフにもわかりやすさを追求しているのかもしれない。ことにヴラジミール役の橋爪功は,彼ならではの芸達者ぶりを発揮して、この不条理劇のセリフをリアリズム演劇の如く粒だたせて聞かせてくれる。ポッゾのセリフを借りれば、「ある日、生まれた。ある日、死ぬ」という人間存在そのものの不条理を痛感させられる今日において、いささかセンチメンタルに過ぎるきらいはあるとしても、俳優にとって納得のいく演技の追求にほかならないのだろうし、観る側もそれはそれなりに了解できた舞台だったといえる。


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