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2011年04月18日

春キャベツと筍と豚肉の生姜炒め

QPのレシピ本で見た簡単な炒め物。醤油で下味した厚めの豚ロース肉を胡麻油で炒め、いったん取りだしておき、春キャベツと茹で筍をしんなりするまで火を通してから戻し、生姜のすり下ろしと味醂と醤油の合わせ調味料を加える。
今日は小説の執筆をいったん休止して、河竹登志夫先生の名著「黙阿弥」に改めて目を通したのは、文庫版の解説をお引受けしたからで、私は基本的に書評及び文庫の解説はお断りしているのだけれど、いくらなんでも先生からお頼まれして断れるわけもなく、戸板康二氏、阿刀田高氏、富岡多恵子氏のご著書に続いて4度目のオキテ破りと相成った。
ところでこの本を今読むとドキッとするのは、黙阿弥が娘に家督相続を済ませた翌日に、「人は一代のうちかならず災害にあうものだ。中でも困るのは大地震」云々と語った上で、いざという時のために金貨の入った壺を土蔵の縁の下に埋めてあることを明かすという件だ。安政大地震の体験者ならではの深謀遠慮で埋められたその金貨を譲られた娘が、晩年に今度は関東大震災に遭ったのだから、黙阿弥の予言は確かに的中したのである。作家特有の勘が働いたというよりも、この島に住んでいる以上、誰しもそれくらいの覚悟と用心はした上で、黙阿弥がそうしていたように、ふだんは全くそんなことを気にせず仕事に遊びに忙しく闊達に過ごすべきなのだろう。もっとも黙阿弥は桁外れに用心深い人だったようで、「火の用心」と書いた自筆を版木で刷って配ったという事実からも性格の一端が窺われる。その版木は関東大震災にも奇跡的に焼け残って河竹先生の手元にあり、それで刷られた紙札を、私も以前頂戴して台所に張っていたら如何せん、いつの間にかボロボロになって消えてしまった。
代わりにというわけではないが、今日たまたまお茶の星野先生から写メで頂戴した、表千家十三代家元即中斎のお軸の「無事」という文字をUPしておく。実際に見れば本当に心が落ち着く見事な書で皆様のご無事をお祈り申しあげたい。


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コメント (2)


今夜のブログを拝読し、2年前に仕事で出会った
ある掛け軸を思い出しました
「無事日月長」という軸で武家茶石洲流伊佐派の流祖
幸琢の筆のよるものということでした
それはとあるNPOの仕事で環境に配慮する新聞広告写真に
使わせていただいたのですが
『この「無事日月長」(ぶじじつげつながし)には
 未来の人をおもてなしする心が宿っています
 どうか百年後の客人を、
 なにごともなくこの地上に迎えられますように
 江戸の昔よりお茶の世界に伝わる名句「無事日月長」
 なにごともなく、悠々とつづく時間をイメージさせる言葉です』
 まだ続くのですが、こんな文章が添えられた広告でした
無事という短い言葉にこめられた多くの意味を改めて考えています
今、日本人が切に願っている言葉ですね

投稿者 天 : 2011年04月18日 23:28

こんにちは。
いい字ですね。アップありがとうございます。

投稿者 ぱぐ : 2011年04月19日 12:56

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