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2011年03月18日

一週間目の祈り

地震から1週間たった今日の夕方ふたたび氷川神社にお詣りして、祈ることはただ一つ、何とぞ東日本を守り給えである。掲載した写真は地震の翌日で、今日はかなり多くの、それも若い人たちがぞろぞろお詣りをしていた。
そのあと駅前に行ってみたが、そこでも高校生が声を張りあげて募金活動をする以外はふだんとあまり変わらぬ穏やかな日常風景が見られ、映像で見る被災地との落差が大き過ぎて、どちらも現実であることに却って違和感を覚えるくらいだった。ドラッグストアもスーパーもやや品薄気味とはいえ行列ができたりとか殺気立ったような雰囲気はゼンゼンなくて、これまた東京の人から聞かされた話とはだいぶ違っていた。
京都の阪本先生からも昨日のブログの件でお電話を頂戴し、やはり東京のお弟子さんで相当パニックしてらっしゃる方もいらっしゃるとのことだから、「大宮は皆さんとても落ち着いて見えますよ」とお答えしたのである。「それはそうと、天皇さんはもうそっちへ行ったはりますか?」と私。「ええっ!!なにそれ???」「東京の人からそう聞いたんですわ。天皇さんも京都へ向かわはったくらいこっちはキケンやいうて」「そんなんちっとも知らんわ。もし来はったらわかりそうなもんや」と阪本先生が仰言るくらいだから、この話はさすがにデマではなかろうか。宮内庁がそう勧めても、今上天皇のお人柄から考えて、こんな時に京都へ逃げだされるとはちょっと考えにくいのである。
あと諸外国が自国民の日本国外退避を勧告するのは当然で、日本の外務省だって在外日本人にしょっちゅうその手の勧告をしている。外務官僚の妻である旧友モリは夫が国内勤務になったことに伴って昨年末に帰国していたが、なんと地震が起きるちょうど一週間前にマンション購入の手付けを打ち、それを解約もせず昨日銀行でローン契約の手続きをして「こんな時にこんなことをしてる自分がとっても、なんともいえません」というメールをくれたものである。
このブログにはとにかく自分がナマで見たことや、親しい人の話しかなるべく載せないようにして、マスコミ報道やネットに流れる出所の不明な情報に触れることで、無責任な情報回遊をさらに増やすことは慎むようにしているのだけれど、それにしても福島原発事故はいまだ全く予断を許さぬ事態にあることは明白であり、冷却方法が見るからに原始的な放水でしかない状況こそが、さまざまな憶説を生んでいることはいうまでもない。もっとも現場で実際にその放水作業や今日から始まる電源回復工事に携わる方々の文字通り決死の覚悟を思えば、250キロも離れた場所にいていたずらに不安がるのもどうかと思われるし、本当はもっとずっと現場に近い被災地の状況をなんとかして差しあげたいと願いつつも、今のところ個人として現実には義援金に応じるのが関の山である。物資の行き届かない現状を報告するマスコミは、恐らくただそれを報告して事足れりとするにちがいないと思われるのは、そもそもマスコミとはそういう存在だからである。
それよりも、ふつうはこういう時にこそ地元の政治家が積極的に活動するのではないのだろうか?京都の妹は「オザワの地元のはずやのに、なんで本人の姿がちっともTVに出えへんの?」と大層いぶかしがっており、いくらなんでも当然お国入りしているはずだと私は思うのだけれど、与野党問わず閣僚以外の政治家の多くがこの間どういう動きをしているのかさっぱりわからないのは確かに不思議である。「まさか外国へ逃げてんのとちゃうやろなあ」と妹は言う。 


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コメント (5)


私も小沢さんはどないしはったのかと思ってました。
地元に行きはったという話も報道されませんし。

今上陛下はこのような事態に東京を離れられるとは考えられませんが、御病身でもありますし、出来れば皇后と京都でごゆっくりして頂きたいと思ったりします。それには東宮はん御夫婦が御名代として被災地を訪問されるくらいの気概をお持ちいただきたいとも思います。

投稿者 お : 2011年03月18日 22:45

政治家がまともな考え方をしていないのは、所詮他人事で自分の生命が掛かっていないからなのでしょうね。青い質問に答えていただいたような本日のブログを拝見してそう思います。
 おさんには失礼ですが、今総理大臣や天皇一家の誰かが被災地や原発事故現場を訪れるのは、迷惑以外のなにものでもないし弊害が大きいと思います、護衛のための自衛隊の人員がさかれるなどの。訪れるなら避難者が落ち着いて居を構られる少し前や、原発の行方が決まって1・2ヵ月後が適当ではないでしょうか?ひょっとしたらいいことかも知れないけど私が現地にいたらそんなものより足りないものを届けてほしい。人もものも無駄に使ってと悔しく思います。 
 取材だけして支援を考えていないマスコミも、誰かが声を上げて、未曾有の大災害に支援しない姿勢のマスコミは災害地の現場から排除や規制を受ければいいのにと思います。

投稿者 nao : 2011年03月18日 23:38

福井県在住者です。
こちらも、原発がたくさんあります。
関西の方が、福井の原発の事故におびえるのは分かりますが、(数日前のブログより)その原発は関西の電力の為につくられたものであることが、分かっている人がどれだけいるのでしょうか?
勿論、その恩恵を私たちが受けている面もありますが。

地元の人間は、明日は我が身と福島のニュースを見ています。その恐怖は言い表すことができません。

第一、福井は地震は福井大震災は60年前にありましたが、それは原発のある地域ではありません。(太平洋側にくらべて)

どうか、関西の方も冷静になっていただきたいです。

マスコミもその辺をもっと報道しすればいいのにと思わすにはいられません。


投稿者 スノウ : 2011年03月19日 09:45

宮城県の多賀城市に住んでおります。
何年か前に今は無き仙台の宝文堂書店で吉村昭さんの「三陸海岸大津波」という本が平積みされていて購入しました。(新潮文庫)

そこにはちゃあんと、明治の津波は10mを越える規模だった、とあります。

研究者はなぜその記録を無視して防災計画を練っているのか、この本を読んだときから疑問でした。

当地少しずつ復旧しております。
悲しい知らせはもっと後になって押し寄せてくるのでしょう。
公務員の給料が高い、という議論もこういう時のリスク込の金額なのでは、と思うようになりました。それほど懸命に働いている市職員です。どうか早く静かな日々が戻ることを願っています。

投稿者 鈴木 : 2011年03月19日 14:40

都内の計画停電は一部だけなのですね。中央・千代田区など中枢部の停電はあってはならないと思います。演舞場は計画停電外なので三月公演は続行中ですが、贔屓としてはなんとも複雑な気持ちです。福島県知事が福島県は関東に電力を40年間にわたり供給したあげく原発事故で苦しんでいるという談話を聞いて、ほんとうにお気の毒でなりません。そんな中で歌舞伎を見に行く気分にもなれません。
谷垣総裁が入閣を拒否した理由が、責任を共有したくないとの事「ふざけるな」といいたい。入閣してもらいたいわけではないが、原発を強力に推進したのは自民党のはず。自民党としてどんな形で責任を取るのか、まったく考えていないということがよ~~くわかりました。

投稿者 は : 2011年03月19日 21:46

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