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2011年02月20日

蜷川幸雄さんの文化勲章受章をお祝いする会

「いや~折角の日曜日なのに、皆さん、どうも、すいません。俺も嬉しいんだけど、照れくさいんだよね~ああ、早く終わってくんねえかなあ」というぼやきに始まり、「ああ、皆さん、俺もし死んでも、葬式に来なくていいですから」というセリフで〆られた受賞者ご本人の挨拶もさることながら、例によってシュールでブキミな(笑)唐十郎の唄入り挨拶があるし、私の大好きな「にごり江」のテーマ曲を作曲した宇崎竜童自らがギターの弾き語り熱唱してくれるし、次から次へ壇上にあがって祝辞を述べるのが平幹二朗、白石加代子、渡辺謙、松たか子、市村正親、野田秀樹、大竹しのぶ、といった皆さん名優ぞろいだから、いやはや面白いのなんの。会場にはほかにも大勢の俳優や劇場関係者がどっと詰めかけていて、私がたまたま元ぴあ演劇記者の坪池さんに野田マップの『南へ』のチケットがゼンゼン取れなくて困ってるという話をしていたら、そばにスーッとその芝居を主演している蒼井優ちゃんが近づいてくるといった塩梅(@_@)蒼井優ちゃんはスタイル抜群で、映像で見るより実物のほうがずっとシャープな感じで美しい!!蜷川さんにご挨拶をした時すぐそばに渡辺謙がいたが、こちらは文字通り見あげるような背の高さに圧倒された。
それにしても坂田藤十郎丈でなく、桂米朝師でもなく、蜷川さんの文化勲章受章祝いパーティに私が出席するのも実に妙な感じで、知り合い率はめちゃめちゃに低いはずだから、どうやって過ごそうかと思っていたが、案外そうでもなく、会うべくしてお会いした松岡和子さんや扇田昭彦さん、坪池さん以外にもFT10の事務局長だった蓮池さんや演劇評論家の徳永さんや、ほかにもいろいろと演劇記者をしていた頃の知り合いにお会いできたのは幸いだった。しかし全く知り合いが見つからなくても、たぶん最後まで残っていただろうと思えるほど会の進行はスムースで、登壇した方々の話が皆さん実にみごとだったし、全く飽きない芝居を観ているようなあっという間の2時間に、さすが演出家ならではのパーティと感嘆した次第。その当の演出家は最後に再び壇上に立ち、これからは自分の本領に立ち帰って「もっと猥雑な、もっと人迷惑な芝居をやりたい」と立派な宣言をされた。今後とも、そのアグレッシブな舞台を大いに期待したいものである。


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コメント (2)


蜷川さんの猥雑宣言、演劇ファンとして嬉しいです。戯曲以上の興奮が実際の上演では感じられず、「蜷川演出で是非見たい」と思い続けてきた「美しきものの伝説」と「サド侯爵夫人」が立てつづけに見られたのは夢のようですが、蜷川には旧作上演も期待しています。帝劇で震えた「にごり江」を、松たか子・蒼井優・小池栄子・秋山菜津子みたいな今の女優でもう一度見たいとか、「血の婚礼」をやるなら「盲導犬」だって見てみたいとか、評判は芳しくなかったけど大好きだった「昭和歌謡大全集」をもう一度とか。。松井さんは、今の蜷川演出で見たいと思う作品っておありでしょうか?

投稿者 よしだ : 2011年02月21日 01:06

>よしださんへ

私は今こそ革命の芝居を!という感じでペーターヴァイスの「マーラーの迫害と暗殺」を上演してほしいと思ってます。
シャラントンの精神病院で行われる革命劇を劇中劇にした作品で、以前、ピーター・ブルックの演出を映像で観た時にとても今日性があってめちゃめちゃ面白く感じられ、これを日本で上演できるのは蜷川さんしかいない!と思われたのでした。

投稿者 今朝子 : 2011年02月21日 09:45

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