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2011年02月16日
なべ家
今日は「小説新潮」のオイシイ仕事で例によって大塚「なべ家」での昼食だが、今回は幕末の京都の旅籠で出された朝食と夕食の再現で、詳しくは本誌に譲るが、ちょっとビックリしたことだけを一つ。朝食に出た焼き蒲鉾に大根おろしを添えるという食べ方が、私にとってはごく当たり前なのに、「こんな風にするの珍しいわね」と松下先生に言われてギョッ(@_@)としてたら、料理人の福田さんも、小林の姐さんも、口を揃えて蒲鉾はワサビをつけても大根おろしはフツー添えないとおっしゃるのである。そういうと、そもそも京都では焼き蒲鉾が常食だったのに、こちらではあまり見かけないことにも気づいてしまい、こんな些細ことから関東と関西の食文化の違いについてまたまた話が盛り上がってしまったのでした。で、今回は再現されなかった昼食に「玉子のふわふわ」という料理があって、いくつかある文献のうちの一つから想像すると、それがどうやらわが実家「川上」の名物料理「玉子宝楽」に似てるらしいのだけれど、松下先生は「玉子のふわふわ」で町おこしをしている袋井市に招かれていったら、それがゼンゼン文献とは違って、ある時代小説から再現したものだったのだそうで、「時代小説は文献を調べずに書いてもいいんですか!!」と私が詰問されてしまい、なんだかちょっと怒ってらっしゃるようなのだった。とにかくその小説を読んでもいない私には全く関係のない話なのだけれど、それは作家よりも、フィクションに書かれたものを鵜呑みにして、ちゃんと調べもせずに昔の料理だとして町おこしをしようとした市のほうに責任があるのではなかろうか?と思われたのでした。
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