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2010年01月05日

点心セット、おにぎり

新宿タカノで「東京人」誌の吉原特集に掲載される対談の収録後に東横のれん街でゲット。
対談のお相手は渡辺憲司立教大教授で、西山松之助氏のあと遊里の研究では第一人者と思われる方だが、私は今回が初対面ながら、「河合さんからお噂は聞いております。彼女は昔からの友人だもんで」と最初に言ったら、「いや~そりゃ緊張しちゃうなあ。彼女は俊英ですからね~。僕は松崎仁先生の門下で、その後任になるんですよ」とのことで共通の知り合いも多く、、「僕は以前から松井さんのご本を読んでるんですよ。『奴の小まん~』が最初だったかなあ」と言われたのも有り難く、和気藹々ムードの中でこちらもかなり突っ込んだお話ができたのは何よりだった。
渡辺教授は吉原のみならず全国各地の遊里に残る古文書の調査もなさっているので興味深いお話をたくさん伺えたのだけれど、その中でも非常に驚かされたのは浄閑寺の過去帳の調査結果である。吉原の遊女たちが大勢まとめて葬られた「投げ込み寺」と称される非情のイメージがちょっと覆るようなお話で「住職から全部ばらしちゃダメだ言われたけど、一部ならいいでしょう」とお聞かせ戴いたものなので、収録雑誌が発行される前にフライングしてここに書くのは控えておきます。
吉原の小説を書くに当たっては『洞房語園』や『吉原大全』といった基本的文献、洒落本、人情本、黄表紙類の主な作品に一通り目を通しているが、それらは外部の出版人の手によるものだから経営の実態についてはイマイチよくわからない点が多いので、この機を幸いに訊いてみたところ、「地方の遊里には売上帳みたいなものがけっこう残ってるところもあるのですが、吉原はまったく無いんですよね。震災や戦渦で完全にやられたんでしょうねえ」とのこと。吉原研究の第一人者にそう聞けば却ってこちらは小説が書きやすくなるというもので、これは今回の対談のとても大きな収穫であります。


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コメント (3)


いつも楽しく拝見しております。すでにどなたかがご指摘されていると思いますが、「西山松之助氏亡き後」と書かれていますが、西山先生が亡くなられたというニュースを見た記憶がありません。こちらの間違いでしょうか。ちなみに約40年前の大学生の頃、西山先生は我々の学年の「担任」でした。浅草にご一緒したり、茶杓のお話を伺ったりしたのを思い出します。

投稿者 OKA : 2010年01月06日 20:15

松崎仁先生は立教)歌舞伎研究会の顧問で大変お世話に
なりました。
久々にお名前懐かしく拝見しました。

投稿者 モイラ : 2010年01月06日 21:19

>OKAさまへ
ご指摘恐縮です。ブログをさっそく修正いたしました。

投稿者 今朝子 : 2010年01月07日 00:19

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