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2009年12月15日
燻製の盛り合わせ、温野菜、魚介のパスタほか
12月14日といえば赤穂浪士の討入りをすぐに想い出される方も少なくなりつつあるだろうが、夕方はスラッシュの事務所でNHK出版の加納さん、黒島さんとお会いして、「忠臣蔵」をテーマにNHKブックス用の語り下ろしをした。そのあと婦人画報社の山口さんにお会いして来年度からの建て替えが予定されている歌舞伎座の想い出についてのインタビューをお受けし、夜7時から燻製屋「ヌーベ」にて恒例となった翻訳家の松岡和子さんと文春の内山さんとの忘年会。松岡さんとは馬の話でさんざん盛り上がって、内山さんから「お二人ともまるで馬に恋する乙女のようですね」とからかわれる始末。もっとも、歌舞伎に関する語り下ろしをした直後だから松岡さんには質問したいことが山盛りあって、「日本の歌舞伎や浄瑠璃の作品は合作がほとんどなんですが、シェイクスピアは一人で書いたんですか?」とまず訊いてみたところ、「あの時代はもちろん合作もありましたよ。たとえば『ペリクリーズ』の2幕3幕は別人が書いてて4幕は彼が書いてたみたいなこととかあって、なにせ彼は有名人で、他の人の作品も一時はみんな彼の作品にされちゃってたもんで、ある時期から厳密に区別するようになって所謂ファーストフォリオ(最初の作品集)ができたわけだけど、それからまた彼が関わった作品がほかにもあるというのが文体とかでわかったりしたし」「へ~、そうなんだ。でもそうですよね。芝居って合作するのゼンゼンおかしくないですもんねえ」てな話になり、歌舞伎の場合は作者部屋があって、作者は書くだけでなく舞台監督的な仕事をしていたことが明らかなのだけれど「シェイクスピアの時代はどうだったんでしょう?作者部屋とかなかったんでしょうか?」「いや、たぶんそんなものはなかったと思いますよ。あったらそういう文献があってもいいはずだから」「なら、舞台監督はいなかったんでしょうか?装置もあんまりないから必要なかったのかなあ」てな風にどんどん疑問が湧いてきて、演劇における洋の東西の違いをいろいろと話し合ったのだった。松岡さんとは以前「ミマン」という女性誌で、松岡さんがシェイクスピアの作品を、私が近松門左衛門の作品を1本ずつ取りあげるかたちで交替連載をしていた時期があって、その雑誌のイベント企画で蜷川幸雄さんを交えた鼎談をして以来のお付き合いなのだが、シェイクスピアと近松にしろ歌舞伎にしろ、それらを個別でなく並列して考察すれば結構おもしろい文化論になるのになあ~という思いがあって、またどこかでそういう企画をしてくれたらいいですねえ~なんてお話しをしてたのでした。
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