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2009年12月01日
肉団子と白菜の鍋
QPで見た料理。挽肉に生姜のすり下ろしとネギのみじん切りを加えて、酒、塩で味付けし、卵と片栗粉を練り混ぜて大きめの団子にし、フライパンで表面をこんがり炒めてから鍋に加える。白菜も炒めてから加え、酒、オイスターソース、醤油、砂糖、塩で味付け。しばらく煮込んでから春雨を入れて出来上がり。肉団子から旨みのあるだしが出てオイシイ。意外と簡単にできるのでオススメ。
ううう~今日からもう師走だ~なんて一年が早いんだろ~と皆様お思いに違いありません。近ごろは小学生でも一年が早い!と感じるそうであります。あっという間に地球も滅ぶんじゃないでしょうか。ともあれ今年の流行語大賞は「政権交代」だそうで、その発表と、元外務省高官が沖縄返還時にアメリカと自民党政府との間に密約があったという証言をしたニュースが重なったのは、ある意味タイムリーだったかもしれない。これはまたずいぶん長い間隠されていた真実だが、ITによる情報のオープン化で今後はもう何事も昔ほど長期に渡って秘密裡に運ぶのは困難であろうと思われるし、また秘密にすることがインセンティブになり得る事項も少なくなるような気がする。「政権交代」どころではない、人類全体に何か大きな変わり目が訪れていることは、だれしもひしひしと感じているのではないかと思われます。
2009年12月02日
五穀米弁当、もっちり豆腐、紅大根とシラスのサラダ
整体治療の帰りに東横のれん街でゲット。
寺門先生は近ごろスープ作りに凝ってらっしゃるそうで、今日お作りになった紫大根の葉とルッコラのスープを飲ませてもらい、これがとても美味しかった。ルッコラをスープにするとはちょっと意外だが、煮汁は色も味も濃くて、スープに適しているそうである。少し飲むだけでどっと汗が噴きだしたので、「野菜ワクチンですよ」と仰言るのもよくわかり、自分でも作ってみようと思いました。
汗といえば、汗出しのデトックスをしてもらいながら、先生のアシスタントの青年とよく馬の話をするのだけれど、今日は先々週のマイルチャンピオンシップで優勝した8歳馬カンパニーの話になり、「スゴイよね。人間でいうと40歳代から陸上の100m走に出て優勝しちゃうみたいなもんだもんね」と言ったら「年取ってからきっと駆け引きが巧くなったんでしょうねえ。馬もゴール前の位置取りとかちゃんと心得てますもんね」とのこと。で、このカンパニーに秋の天皇賞では敗れたが、「ウオッカはやっぱりスゴイですよね。先週のジャパンカップまた獲っちゃいましたもんね」と仰言るのだった。確かにオジサンパワーも凄いけど、オバサンといってはまだ気の毒かもしれない5歳牝馬の女帝ウオッカの勝ちっぷりは競馬史上に残るに違いない。それにしてもオジサンと熟女がえらく頑張って見えるのは、お馬さんたちの世界にも、若くてたくましい牡馬が不在ってことなんだろうか?彼はそれがとても気になるらしく、「何でなんでしょうねえ。ホントおかしいですよねえ。環境ホルモンのせいだったりとかするのかなあ。馬の世界でも草食男子が多いってことなんですかねえ」というボヤキが出たから、おいおい、馬はみんな草食だろうに、と私は突っこみを入れたくなったのでした(笑)。写真はわが家で日々たくましく成長する、いまだ性別不明の有王です。
2009年12月03日
鶏肉と椎茸と白菜のスープ
干し椎茸の戻し汁をベースに塩、酒、胡椒でシンプルに味付けした出汁に生姜の薄切り、長ネギのぶつ切り、干し椎茸、鶏もも肉、白菜を入れて煮込んだもの。QPではこれを煮込まずに蒸していたが、わが家には大きな鉢と蒸し器がないために土鍋で作った。QPの先生は煮ないで蒸すからこその味わいを強調なさっていたけれど、煮ても体の暖まるけっこう美味しいスープができましたよ。
食事しながらNHKの「クローズアップ現代」でマイケル・ムーア監督のインタビューを聞く。
この人の作品はドキュメンタリーとはいえ毒気のあるユーモアが面白くて何本か見ているが、マスメディアが多くの人びとの恐怖心をかき立てることで消費行動に結びつけ、体制を強化することにもつながるという切り口は卓見だと思われて、日本にもむろん同様の現象が起きているのを実感するし、とどのつまりは資本主義の行きすぎが一握りの人間だけに富を集中させ、多くの人を困窮に陥れてしまった事実を暴き、それを否定するのもよくわかるのだけれど、実際問題として、いわゆる先進諸国にはもはや多くの人の労働が必要とされない時代に突入してしまったという現実はどう解決すればいいかという疑問は残るのだった。各国がいっそ鎖国をして、自国の需要と供給だけでまわっていくようにするなんてことはもはや無理なわけだし、地球上で爆発的に人類が増えている以上、労働力はローコストを目指し続けることになるだろうし、一方でロボット化もどんどん進むだろうし、そうなれば一体何をして暮らしていけばいいのかという問題にたちまちぶち当たってしまうのだった。ムダの削減というが、それこそ人類そのものがムダであることを自覚させられざるを得ない時代に突入して、ようやく人は皆すべて平等であるとの認識をリアルに持てるような気もするし、それはそれでまた悪くはないようにも思えるのですが……。
2009年12月04日
キムチ入りすき煮
QPで見た料理だが、なんのことはない、フツーのすき焼きにキムチを入れただけである。安価な赤身の肉でも美味しくたべられます、とQPの先生は仰言っていたが、キムチの酵素で肉が柔らかくなるというわけではなさそうだ。ただフツーのすき焼きよりも味に飽きない気はする。
なんのことはないと言えば、沖縄普天間の米軍基地移設問題で、鳩山首相から辺野古沖以外の代替地を探すようにという指令が新たに下ったというニュースを耳にして、ええっ!アテがあったわけじゃなかったんだ……と驚いたのは私だけなのだろうか。先に県外移設を強く匂わせた発言があったから、当然どこかに候補地があって、ただそれが事前に洩れると現地で騒ぎになるからギリギリまで隠しているものとばっかり思っていたのだが、それはどうやらこちらの考えすぎだったのだろうか。今でもまだ本当はそうで、大石内蔵助バリにとぼけてるのではないかという気がするほどで、なんのアテもなく県外移設を口にしていたとは
やっぱり思いにくくて、ひょっとしたら、候補地があったものの、そこの根回しが巧くいかなくて消えたとかじゃなかろうか、などと考えてしまうのである。案外のんきにグアム移転がもっと簡単にできるというふうに思ってたのだろうか。で、結論を先延ばししたのは、まだ何かアテがあると思ったほうがいいのだろうか?それとも社民党に配慮して県外移設がまだできるように匂わせているだけなのだろうか?ここに来て、橋下知事までが関西空港に部分的に受け入れる用意がありそうなことを匂わせたのもどこまでホンキにしていいのだろうか?などと東京に住む私は考えているだけで済んでしまうわけだが、沖縄の現地の方々にとっては暮らしに直結した問題だから、決着がどうつくか気が気でないにちがいないことはいうまでもなかろう。正直ふだんこの問題を当事者感覚で考えもしなかったことに気づかせてくれたという点では、この問題が長引いているのを良しとすべきなのかもしれないけれど、まさか日本国民全体にそのことを気づかせるためだけに、問題を長引かせているわけではないことを祈りたいものです。
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あのだいぶ前に、11月23日だったかな?その位に私の弟が馬の顔を鞭で叩いてしまったんですよ。あっ、ちなみに私10歳です。妹は8歳、弟は4さいです。そういえば、松井さんと一度バーディーという洋食屋さんでお会いしたことあります。私は、最近松井さんが有名人だと知ってあの時あった方が、有名人だったなんて。とおもいました。
投稿者 山本 衣里 : 2009年12月05日 16:36
私もバーディーで会ったの覚えています。とっても乗馬がうまいお嬢さんですね。
投稿者 今朝子 : 2009年12月05日 22:11
いやいや。松井さんの方が上手いじゃないですか。私なんかまだまだ修行の身(笑)
投稿者 山本 衣里 : 2009年12月06日 11:50
2009年12月05日
あんかけうどん、山芋とオクラの天ぷら、豆腐のチーズ焼き
夕方は近所でオイルマッサージをしてもらい、ご飯を炊く時間がなかったので、うどんで済ませた。天ぷら等は総菜屋でゲット。フィギュアスケートグ・ランプリ・ファイナルを見ながら食事。鈴木明子、安藤美姫ともになかなか見応えのある演技でした。
今週は夜ほとんど出かけずに家で仕事に集中したおかげで、一つはなんとか年内決着のメドがついたのは何よりだった。おかげで体がガチガチになってマッサージに駆け込むハメになったが、親からお小遣いを月1500万円どころか1円も貰っていない私としては、そう何もかも先延ばしするわけにはいかないのである。で、今日はマッサージ師のNさんから面白い話を伺った。「うちに親子やご兄弟でいらっしゃる方もあるんですが、顔がゼンゼン似てない方でも体を触るとそっくりなんですよ。筋肉の付き方とか、丸みの帯び方とかそりゃもうビックリするぐらい。顔見てたらまるで別人だと思っても、ベッドに顔を伏せて寝ていただくと、わーっ!て驚いちゃう。私はこの仕事をして初めて、遺伝ってホントにあるんだなあって感心しちゃいましたよ」と聞いて、なるほど確かに他人の親子を見ていて、後ろ姿が似てると思う時あるよなあ~と思いながら帰宅してポストを開けたら、角川春樹事務所からのお知らせが来ていたので、春樹氏も歴彦氏も辺見じゅんさんも、みんな体はそっくりだったりするんだろうか?などと考え、あんなに顔が似てない鳩ぽっぽ兄弟もやっぱり体はそっくりなのかも、という気がしてきたのであります(笑)。
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11月23日のブログに載せて頂いた一家の父親(おじいちゃんではありません・・・)です。
先日は外乗やレッスンもご一緒させて頂きました。
一家で今朝子さんのブログを楽しんでおります。
一応、父親だ!という事を強調したくてコメントさせて頂きました!
また軽井沢でお目にかかれますことを楽しみにしております。
投稿者 山本父 : 2009年12月06日 21:39
すいません。坊やがお小さかったので、疑問符を付けてしまったのですが、衣里ちゃんのご投稿を拝読し、お父様だとハッキリしてひたすら恐縮しておりました。本当に失礼いたしましたm(_ _)m また軽井沢でよろしくお願いいたします。
投稿者 今朝子 : 2009年12月08日 00:05
大丈夫です!
よく間違われるので慣れっこです!
再会を楽しみにしております!
投稿者 山本父 : 2009年12月10日 13:24
2009年12月06日
穴子巻き、稲荷寿司、魚介と野菜のサラダ
乗馬の帰りに東横のれん街でゲット。
スキー・スノボー愛好家はなんとかしてくれ~!といいたいお気持ちだろうが、乗馬をやってる身にとりましてはまことに有り難い暖冬異変で、今日も絶好の乗馬日和のなかバッチリ2鞍騎乗。昨日の雨で超ダートな重馬場でも、ハイセイコーのお孫さんはしっかり走ってくれました。で、今日はその前のレッスンで、久々にグレートガバナーという、名前からして立派なセン馬に騎乗したが、この馬の乗り心地のよさといったら、まるで雲のじゅうたんに乗ってるみたいで、要するに騎座がしっくりくるとでもいうのだろうか、とにかくピタッと腰が収まり尻が落ち着いてくれるので、らく~に駈歩ができちゃうのである。ところが何せガタイが大きくてタテガミが金髪だから、ガイジンさんとか呼ばれちゃってる馬で(笑)、歩幅も広いから、大人数のレッスンだと前の馬につかえてしまい、イライラするのかときどき暴れだす姿をよく見てたので、今まで専用馬には指名しなかったのだけれど、この馬を寵愛してる高校生のナッちゃんが言ってた通り、ゆっくり腰を動かせば小股の駈歩もちゃんと出来るので、ハイセイコーのお孫さんが指名できない時は、この馬に限る!と思われました。もっとも雨が超キライな馬でもあって、雨粒がぽつりと顔に当たっただけでパニックを起こしてしまうのが難点で、とにかく日曜日の好天を祈るしかありません。
クラブハウスでは例によってMさんとバリキャリのOさんと話をしていて、Mさんには「フィリス氏の馬術」という本をお借りした。これは以前わたしがMさんにオススメした木下順二先生の「ぜんぶ馬の話」という本に紹介されていたのをわざわざお買い求めになったのだった。
NHKの「坂の上の雲」をまだご覧になっていなかったお二人には、「なんたって日本の騎兵隊でロシアのコサック部隊を撃破した人の話なんだから、馬好きなら見なきゃウソでしょ」とオススメし、帰りの電車の中で「フィリス氏の馬術」を読んでいたら、これがちょうど日本の明治時代に書かれた本で、当時の馬術の本場はフランスだったとわかり、帰宅して「坂の上の雲」を見たら、なんと阿部寛扮する主人公の秋山好古がフランスに留学して馬術を磨き、騎兵隊の訓練をするシーンが流れて、なんともタイムリーな一日の締めくくりでした(^_^)/
2009年12月07日
猪の炭火焼き、フォアグラの串焼き、そいのカルパチョ、野菜のマリネほか
歌舞伎座の昼の部を見た帰りにPメディアの三村さんと有楽町のヴァンピックルで食事。
昼の部のお目当ては言わずと知れた宮藤官九郎の新作「大江戸りびんぐでっど」だが、これが良い意味でも悪い意味でも、ある程度期待通りというか、想像に違わない出来だった。これからご覧になる方もあると思うのであまり詳しくは書かないけれど、クドカンおハコのゾンビ物で、すでに死んでるからどんなキケンな仕事でもさせられるゾンビをハケンにするという設定を筆頭に、毒気の強いギャグがきいた作風を押し通したのはごリッパながら、歌舞伎座の客層をあまりにも無視しているような気がするし、またそうした観客の前で演じてギャグが滑ってしまう役者にとってもいささか気の毒な舞台だったといえる。とにかくクドカンの作家性は強烈に発揮されているものの、演じてオイシイ役者とそうでない役者とに落差がありすぎるのも難点で、ひょっとしたら上演時間の都合上どこかを大幅にカットしたんだろうか?と疑うくらい、登場だけして意味なく消えてしまう役があったりするのである。オイシイのは主役のカップル染五郎と七之助、ヘンな役でさらえる三津五郎くらいだろうか。勘三郎もさほどオイシイ部類とはいえず、福助、橋之助に至ってはおいしくなさすぎてちょっと気の毒である。個人的には序幕がけっこう面白かったので、もっとハチャメチャな展開になるかと期待して観たのだけれど、妙に理に落ちてしまったのが残念というべきか。ただし、ほぼ全員ゾンビに扮した役者たちの奮闘ぶりには、皆さんよくやった!と拍手を送りたい。その一方でそもそもクドカンの作家性を考えた時に、歌舞伎座とは相容れないものがあることを見抜けなかった制作サイドの責任も、金を払って見ている一観客として問いたい気がした。
「野田版研辰の討たれ」以降、一連の新作歌舞伎を観てきたところ、ワタシ的には同じく野田作品の「鼠小僧」と三谷幸喜の「決闘!高田馬場」が成功作と認められるも、正直あとはどうも感心しない。クドカンよりもむしろ井上ひでのり&中島かずきのコンビに依頼したほうが歌舞伎で上演しやすい作品ができるだろうし、三谷に依頼すれば、役者のだれもが演じてオイシイはめ書きをしてもらえるはずなのに、両者に依頼しないのもフシギでならない。一体君らはホンを読んだり、劇作家の質を見極める能力があるのか?と言いたいくらいである。ともあれ歌舞伎に新作は絶対に必要で、それは役者が役者としての資質を喪わないようにするためにも必要だし(でないと単にお稽古事をしてる人になってしまいます)、一方で時代に合わなくて上演できなくなるレパートリーがどんどん増えていくからで、今後も懲りずにソトの劇作家や演出家とタッグを組むチャレンジは続けてほしいものである。
昼の部はほかに勘三郎と三津五郎が組んだ「身替座禅」があまりふざけすぎずに、きっちりとしかも面白く演じてそこそこ見応えがあった。福助と孝太郎が共演の「野崎村」はふたり共にお光がニンの役者であることを感じさせたと同時に、お染役者の不在という現状をも強く意識させられてしまった。「操り三番」の勘太郎と松也を見て、ああ、ふたりともお父さんによく似てきたなあ~と思いながら、ああ、自分も年を取ったもんだと思わざるを得ませんでした(苦笑)。
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三谷さんは『決闘!高田馬場』で成功し、三谷歌舞伎第二弾の約束をしていますが、自分の資質が大劇場向けではないということで歌舞伎座ではやる気はあまりないようです。いのうえ×中島もいずれはやるでしょう。いずれにせよ、この三谷もいのうえ×中島も染五郎が押さえてますから、若高麗が歌舞伎座で座頭ができるようになるまでお預けかもしれません。長塚圭司も海老蔵より染五郎を使ってやりたがっているとのウワサも聞きました。プロデュース能力という部分では若高麗はなかなか良いものを持っている気がします。
投稿者 詔子 : 2009年12月08日 09:34
2009年12月08日
海老カレー
お茶の稽古の帰りに麹町の欧風カレー専門店「プティフ・ア・ラ・カンパーニュ」で食事。
今日はこのブログをご覧になっている先生からいきなり昨日わたしが観た芝居の話になって「ほかからもいろいろ噂が耳に入ってるえ~」とのこと。先生が芝居好きのせいもあってか、この稽古場には古典芸能関係者やファンの方も多いので、今日はほかにもなにやかやと歌舞伎の話になった。で、ある方が「勧進帳」の引っ込みの飛び六方でなんと「最近は手拍子が来る舞台もあるそうなんですよ」と仰言ったのはちょっとビックリで、なるほど客層も相当に変化しているらしいのがわかったのだけれど、演じている役者たちの心境や如何に?といったところで、「バカヤロー!てめえら何考えてるんだー!!!」と怒りだすわけにもいかないのだろうし、案外いい気分だったりするのかもしれない。所詮は芸能だから、そのうちそういうことが定着したとしても決しておかしな話ではないし、現在に慣習化されているかけ声だって当初はなんでそんなバカなことをするんだ!と顰蹙を買っていたかもしれないのである。むしろ本当に困ったことは、手拍子までして盛り上がってくれていた観客が、数年も経たないうちに、サーッと潮が引くようにいなくなっちゃうかもしれないという現実のほうであろう。今は鯛焼き屋が大流行りだが、ちょっと前に流行っていたメロンパン屋って一体どこに消えちゃったんだろう?てな現象に、私たちはいつの間にか馴らされていて、今はもうなんだかそれも当たり前のように思っているのだけれど、流行り廃りは昔からある習いとはいえ、近年はそのサイクルがあまりにも短かすぎるからとてもコワイのであった。「歌舞伎の新作もええけど、ちゃんとあとに残る新作をしっかり書いてほしいわ」と先生が仰言ることもよくわかる一方で、本当にその「あと」ってあるんだろうか?という不安が、こと歌舞伎に限らず日本文化全般に及んでいて、まあ地球にだって「あと」があるかどうだかわからないんだから、とにかく目先のことだけなんとかやるっきゃないでしょう、てな風潮がどこもかしこも蔓延している状態が、政治にしろなんにしろ、現在のありとあらゆる分野から活力を奪っているような気もするのでした。
コメント(4)
勧進帳で手拍子が来たのは実際に見たことがあります。びっくりしました。役者は楽しそうに見えました。
あとが続くのかどうか、ということはもともとの三之助時代にも言われていたことだと思いますが、いまここで行われていることを受け止めるための、基本的かつ積極的な受容のキャパシティが、とくに若い世代で欠けてきていることが非常に気になっています。
それがある程度のレベルで保たれれば、たぶん変わって行くにしてもなんらかの形で「続く」のだろうと思いますが。
投稿者 なみ : 2009年12月09日 00:14
こんにちは。手拍子の件ですが、三津五郎がやんわりとですが、インタヴューの中で苦言を述べていました。
勧進帳での手拍子がはっきりと耳につくようになってきたのは、私の記憶では團十郎が倒れた海老蔵襲名の勧進帳あたりから。もしかしたら、もっと前からかもしれませんが。
投稿者 羊猫 : 2009年12月09日 09:07
勧進帳の手拍子とは直接関係はないのですが、
能の上演後の「拍手」もどうかと思います。
まぁ、観客が来てるだけでもマシなくらいの
ジャンルになりつつあるのかもしれませんが…。
投稿者 西尾 : 2009年12月09日 10:10
あらゆる舞台で、近頃の観客は自分も参加したいという意欲(?)が旺盛だと新聞で読んだ覚えがあります。
投稿者 阪本 : 2009年12月09日 20:04
2009年12月09日
ブリのみぞれあん
昨日のQPで見た料理。ブリは塩してしばらく置いてから棒状に切って、粉をまぶしてフライパンで火を通す。多めの油で揚げ炒めにするのがポイント。濃いめの出汁に塩、醤油、みりんで味付けし、カブのすり下ろしを加えて火が通ったら片栗粉でとろみをつける。大根でなくカブを使うのがポイントで、これは甘みがあって美味しいからオススメしたい。仕上げに茹でたカブの葉と生姜のすり下ろしをトッピング。
年末は夜の外出も多くなるので、家にいる日は洗剤とか化粧品とか電池とか新年用のパジャマとか何かと日用品の買い足しをしているが、日ごろからレジではじき出された金額と、こちらがつけていたおおよその目安がほとんどくるわないから、こう見えて私はわりあい金銭感覚があるほうなのだと自信を持っているのだけれど、今日はどの店でも見当をつけていた金額よりも安くで買い物が済ませられてちょっと驚いてしまい、うれしかった反面、本当にデフレなんだ……と痛感した次第である(-_-);デフレの根本要因は第一に供給が需要を上回っていることに求められるのだろうが、とにかくうちの近所は店がなんでもかんでも多すぎて、今や住民がどんなにガンバッテも需要が追いつかない感じである。ことに飲食店と美容院、ドラッグストアの多さは尋常でなく、ひっきりなしに開店しては潰れてしまい、その回転率の慌ただしさを見ているとなんだか空恐ろしくなってしまうのだった。今どき店をやるのは大変なはずなのに、どんどん増えていくばかりなのは、一方で従来の基幹産業的分野に人手が要らなくなっていることの反映だろうか。とにかく需要を高める工夫もさることながら、供給過剰の根本原因にメスを入れないと、デフレの解消は難しいように思えるのが三軒茶屋という町に住む素人の見解であります。
2009年12月11日
ローストビーフ、魚介のサラダ、カプレーゼ、フジッリほか
今夜は矢内賢二さんの「サントリー学芸賞」のお祝いパーティで銀座に行き、会場のエレベーター前でまず演劇評論家の渡辺保氏とバッタリお会いし、以下、場内で私がお会いした方だけでも順に挙げると、役者寺と呼ばれる大雲寺の西城住職、女義太夫の三味線弾き鶴澤寛也さん、漫画家の萩尾望都さん&マネージャーの城章子さん、朝日新聞の佐久間さん、筑摩書房の喜入さん、文春の大島さん、国立劇場の茂木仁史さん、近世文学の泰斗延廣真治先生、ブログで人気の思想家内田樹先生、作家の橋本治氏、三浦しをんさん、日本音楽の研究者茂手木潔子さん、演劇研究者の古井戸秀夫氏等々。こう書いただけでも、矢内ご夫妻の人脈がいかに幅広いかを物語る業界横断的なパーティだったかがわかろうというものである。橋本治氏とお目にかかったのは意外にもこれが初めてで、延廣先生とはなんと30数年ぶりでとても懐かしかった。国立の茂木さんは以前私が住んでいたマンションの一つ上の階にお住まいだったところから近隣トラブルが生じて、私は水漏れで文句をいうし、茂木さんは風で飛んで下に落ちた洗濯物のパンツを私が拾ってマンションの掲示板に貼り付けたと勝手に想像して怒ってらっしゃるしで、久々にお会いして誤解をといて仲直りをしたのでした(笑)。
賞金200万円の使い道について、どうするの?と矢内氏にお尋ねしたら、「賞金貰うとわかったらすぐに、(矢内夫人が)私にはいくらくれるの?なんて言うんですよ~」とボヤキも入り、夫人は夫人で「私は別にマネージャーでもなんでもないし、自分の仕事も忙しいのに、(矢内氏は)今日のパーティの準備は当然私がするみたいに思ってて、上から目線であれしたか、これしたかってうるさいんですよ~」と不平を鳴らしながらも(笑)、それもまた仲の良いご夫婦ならではと申すべきで、とにかく初めて上梓された本でのご受賞は文句なくめでたいことに違いない。「ビギナーズラックですよ」と矢内氏ご本人は仰言るけれど、どうしてどうして「空飛ぶ五代目菊五郎」は近年これほど読みやすくて面白い歌舞伎の研究書はまずないといってもいいから、歌舞伎にご興味のある方には一読をオススメしたい。
パーティ終了後は久々にお会いした望都さん、城さん、進藤さんと4人でお茶して、芝居の話から政治の話、皇室ネタまで、例によって城さんの毒舌炸裂で大いに盛り上がって歓談を楽しみました。パーティではうっかり写真を撮り損ねてしまい、望都さんと城さんのツーショットをアップさせてもらいました。
2009年12月11日
豚肉と里芋とネギの味噌マヨグラタン
こないだのQPで見た料理。里芋は電子レンジで火を通して輪切りにする。豚肉と長ネギのぶつ切りを炒めて里芋を加え、味噌とマヨネーズを混ぜて酒でのばしたソースをかけ、パン粉を振ってオーブンで焼く。里芋は皮が剝きやすいようにあらかじめ切れ目を入れておくこと。パン粉は油を混ぜておくといい。
BSフジのプライムニュースを見ながら食事。今日のゲストは生物学の長谷川真理子氏と社会学の橋爪大三郎氏で、進化学で斬る現代ニッポンというテーマに基づく討論番組だったが、長谷川真理子先生が相変わらず立て板に水状態で、どんな質問にもクリアにどんどんお答えになるもんだから、司会者も面白くてどんどん訊いちゃう感じでほぼワンマンショー的な展開となり、何しろ本当の「進化」とはタイムスケールのデカイ話であるし、昨今の政治文化的状況をアナロジー的に斬るのもいい加減バカバカしい気がしてきたらしく、司会者も結局はテーマを離れて進化学のお勉強に終始した恰好だ。橋爪氏の話で印象に残ったのは、日本人が進化論に対するアレルギーが少ないのは創造主を想定するキリスト教文化の「創る」という概念に対して、日本の神話は「国生み」話に代表される「生む」という概念が濃厚であるためだとする説だったが、そもそも近代初期における日本の神話の浸透度がどの程度だったかか若干疑問で、近代以前の日本人一般の文化的基盤は、日本神話よりもはるかに仏教の影響が大きいと考えられるので、進化論に対するアレルギーが薄いのは、輪廻転生というもっとドラスティックな変化論を平気で受け入れていたせいだと私は考えている。とにかく生物全体の進化論や自然淘汰論を文化的アナロジーに用いる社会ダーウィニズムが非常に危険なことは、今日の社会にはっきりと警鐘を鳴らすべきであり、全くつけいる隙を与えないクリアな議論を展開できる頭脳明晰な長谷川先生の存在はいつもながらに頼もしく感じられたのでした。
コメント(2)
昨日(10日)の今朝子さんのブログの記事に関してですが、私事で恐縮ですが、昨日と今日歌舞伎座の12月公演を見にいっており読めなかったので、本日コメントをさせていただきます。延廣真治先生のお元気な消息を今朝子さんの記事で読ませていただきうれしかったです。大学時代のアドバイザーでした。四十年も前のことですが。名古屋から東京へ戻られてから同じ業界仲間に、「彼女は3回も結婚したんですよ!」と仰ったらしく、東京の仲間はすっかり信じ込んでしまったのです。結婚は2回で名前は3回かわるんだけどな・・・先生の頭の中では三回変わったら結婚三回ということらしいです。先生の「好色五人女」の講義を真ん前で目をランランとさせて聞いた学生時代を懐かしく思い出しました。
投稿者 名古屋の紫式部 : 2009年12月12日 01:05
うちはBSフジが入らず、長谷川真理子先生のお話聞けなくて残念でした。先日長谷川先生もパネラーとして参加された日本学術会議主催の『ダーウィン生誕200年』というという公開講演会を聞きに出かけたのですが、生物学だけでなく、思想史や社会的影響などの観点からの講演もあってたいへんおもしろかったです。「進化」という定着した訳語も最初は「変遷」と混在してたとか、日本にはスペンサー主義を補完する形でダーウィンの進化論が知られたのではないか、日本人が進化の考えに抵抗ないのは確かだが、今に至るもちゃんと理解していない人も多いなど、いろいろなお話が出ました。でも輪廻転生ありなら変遷もあり、と考えてもおかしくないですね。進化論って生物学的にもおもしろいし、受容のされ方も興味深いです。日本でもほんとにショックを受けながら受け入れた江戸?明治?の先達がいたのかなあ、と想像してしまいました。
投稿者 なかた : 2009年12月12日 10:29
2009年12月12日
揚げサンマの黒酢和え、タイ風焼きそば、アボガドとトマトのサラダ
美容院の帰りに近所の総菜屋でゲット。
帰り際に予約を入れようとしたら「次はもう来年になるんですよね~」と言われ「わ~、1年早いねえ~年が替わるなんて感じしないよねえ~」「ホント、このカッコで外に出てもゼンゼン寒くないですもんね~」と薄手のセーターで見送ってくださった美容師さんであるが、それにしてもこんなに暖かいと大きな天災の前触れのような気がして怖くなってくる。色んな問題山積で年が越せるのかどうかもわからん国にこれ以上の災難が降りかからないよう願いたいもんだけれど、国も国なら私も私で、年内に仕上げたい原稿がまだたくさんあるにもかかわらず、ええっ、もう一週間たっちゃったの~てな具合で明日はまたしっかり乗馬に行く予定のため、今夜はこれからもう一仕事いたさねばなりません(-_-;)
2009年12月13日
あんこうの押し寿司、海老とサーモンのサラダ
乗馬の帰りに東横のれん街でゲット。
昨日との温度差が激しくて、こうした気候変動はやはり馬たちにも影響するのか、クラブハウスでお会いしたMさんは馬に暴走されそうになったと仰言るし、ONコンビのNさんは人馬転倒を目撃したと仰言るし、今日の馬場はあまり油断がならない様子だったが、例の「ガイジンさん」とか呼ばれちゃってるセン馬グレートガバナー(写真)に騎乗した私は幸い無事に超キモチいい駈歩が楽しめました(^_^)/
帰りの電車で、「今日ガバナーに乗ってらっしゃいましたね」と声をかけてくださったSさんは人事課の仕事をしてらっしゃるのだが、近頃は採用面接でも、ゲゲッ!と驚かされてしまう若者事情を色々とお聞かせ戴いた。「若いころは私たちも新人類以下とかなんとか言われてましたけど、それがとうとうこんなとこまで来ちゃったのか~て感じで、いや~今の20代には、とてもついていけませんよ~」とのこと。Sさんは恐らくアラサー後期で私より20歳くらい年下の方とおぼしいが、年上よりも年下のほうに世代間ギャップを感じるといい、以前にもその手の話をアラサー世代の方に伺ったのを想い出した。「でも、若い人の中にもスゴク優秀な人っているでしょう?」と訊いたら、「確かにピッカピッカの人もいるんですよね~。そういう人とそうでない人との差がありすぎちゃって一体どうしてこんなことになっちゃんたんだろ?って感じですね~」とのこと。要は二極化が進んだという話なんだろうか。それにしても幸いにして、私は自分より若い人に直接会ったりすると、とんでもない!と思うよりも、まんざら捨てたもんじゃない!と思う確率が高いみたいで、むしろ、自分よりも上の世代の中に、とんでもなく大人げなかったり、常識や思慮分別に欠けてたりする人がときどきいるのに迷惑し、呆れてしまうことのほうが多いのだった。従って世代とは関係なく、いつの時代にも、とんでもない人もいれば、ちゃんとした人もいるので、悪貨は良貨を駆逐するというグレシャムの法則が当てはまらないことを祈るばかりなのでああります。
コメント(1)
あんこうの押し寿司ってあるのですね。大阪では見かけた事がないので(^o^)一度食してみたいです。1月には東京に行きますので探してみよう!!
世代間格差もあるでしょうが、私も同年代の友人に「何考えてんねん!」と思う方が結構いますが、アラフォー世代の友人達に親近感を持つ事が多いですね。しかし現代の若者の同世代格差は我々の青春時代とは全く違ってきてます。チョボチョボって感じが無くて物事の処理能力、人格が「この若さで凄い」と思える人と「大人になるのは何時?」と思える40代もいます。後者の方が多いのは当然ですが悪貨が良貨を駆逐しつつ?・・・今のうちに何とかしなければ!と思う事もあります。
投稿者 お : 2009年12月13日 22:39
2009年12月15日
燻製の盛り合わせ、温野菜、魚介のパスタほか
12月14日といえば赤穂浪士の討入りをすぐに想い出される方も少なくなりつつあるだろうが、夕方はスラッシュの事務所でNHK出版の加納さん、黒島さんとお会いして、「忠臣蔵」をテーマにNHKブックス用の語り下ろしをした。そのあと婦人画報社の山口さんにお会いして来年度からの建て替えが予定されている歌舞伎座の想い出についてのインタビューをお受けし、夜7時から燻製屋「ヌーベ」にて恒例となった翻訳家の松岡和子さんと文春の内山さんとの忘年会。松岡さんとは馬の話でさんざん盛り上がって、内山さんから「お二人ともまるで馬に恋する乙女のようですね」とからかわれる始末。もっとも、歌舞伎に関する語り下ろしをした直後だから松岡さんには質問したいことが山盛りあって、「日本の歌舞伎や浄瑠璃の作品は合作がほとんどなんですが、シェイクスピアは一人で書いたんですか?」とまず訊いてみたところ、「あの時代はもちろん合作もありましたよ。たとえば『ペリクリーズ』の2幕3幕は別人が書いてて4幕は彼が書いてたみたいなこととかあって、なにせ彼は有名人で、他の人の作品も一時はみんな彼の作品にされちゃってたもんで、ある時期から厳密に区別するようになって所謂ファーストフォリオ(最初の作品集)ができたわけだけど、それからまた彼が関わった作品がほかにもあるというのが文体とかでわかったりしたし」「へ~、そうなんだ。でもそうですよね。芝居って合作するのゼンゼンおかしくないですもんねえ」てな話になり、歌舞伎の場合は作者部屋があって、作者は書くだけでなく舞台監督的な仕事をしていたことが明らかなのだけれど「シェイクスピアの時代はどうだったんでしょう?作者部屋とかなかったんでしょうか?」「いや、たぶんそんなものはなかったと思いますよ。あったらそういう文献があってもいいはずだから」「なら、舞台監督はいなかったんでしょうか?装置もあんまりないから必要なかったのかなあ」てな風にどんどん疑問が湧いてきて、演劇における洋の東西の違いをいろいろと話し合ったのだった。松岡さんとは以前「ミマン」という女性誌で、松岡さんがシェイクスピアの作品を、私が近松門左衛門の作品を1本ずつ取りあげるかたちで交替連載をしていた時期があって、その雑誌のイベント企画で蜷川幸雄さんを交えた鼎談をして以来のお付き合いなのだが、シェイクスピアと近松にしろ歌舞伎にしろ、それらを個別でなく並列して考察すれば結構おもしろい文化論になるのになあ~という思いがあって、またどこかでそういう企画をしてくれたらいいですねえ~なんてお話しをしてたのでした。
2009年12月15日
生ガキのジュレ、トリッパーのトマト煮、茸ラグーソースのパスタ、生ウニのパスタ、牛肉の炭火焼き
北青山の「リストランテ・ホンダ」で幻冬舎のヒメ、スラッシュの進藤さんと会食。アミューズの生ハムとイチジクやサーモンと里芋のテリーヌに始まって、プチフールの洋梨のゼリーに至るまで、どの料理も美味しく頂戴したが、中でも生ガキをコンソメのジュレで包んでカリフラワーのソースをかけた前菜は絶品でした(^_^)/
和の新鮮食材を積極的に用いて優しい深みのある味わいを追究した料理が多く、盛りつけも凝っている。写真は牛骨に詰め込んだトリッパーの煮込みと、生パスタの食感がよかった生ウニのパスタ。
こぢんまりした店ながら、この不況下で満席になるのは納得の、久々に当たりのイタメシ発見!と歓んだのだけれど、私たちの真後ろのテーブルから、新聞連載がどうしたこうしたという会話が聞こえてまず耳ダンボになってしまい、ちらっと見たヒメから「松井さんのうしろ、Sさんですよ」と耳打ちされて翻訳やエッセイで有名な先生とわかり、ほかのテーブルを見まわしても皆さん編集者?広告関係?カメラマン?てな感じの人たちばかりで、いわゆるギョーカイ人率が非常に高い店であることが判明した。なので、とにかくこちらがちょっとでも黙っていると、まるで聞き耳を立ててるみたいに他の席の話がどんどん耳に飛び込んでくるから、食事しながらも会話が途切れないよう気を遣っておしゃべりを続けたのでした(笑)。「でも丸かぶりじゃなくて、業界がビミョーに違ってたからまだよかったですね」と帰りにヒメにいわれて、「ホントもしそれだったら何も話せないもんね」てなことだが、昔から飲み屋にしろ、料理屋にしろふしぎにギョーカイ人の集まりやすい店というのがあって、それって直に教え合ってるわけでもないのにそうなるのは、情報の流れがどこかしらで重なってゆくせいだろう。要するに、まあ、いつもながらに世間は狭いというしかないのだが、今日は進藤さんのお兄さんの旧友の担当編集者がヒメだったことまで判明して、その件でも大いに盛り上がったのでした。
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生ガキのジュレ
トリッパーのトマト煮
茸ラグーソースのパスタ
生ウニのパスタ
牛肉の炭火焼き
素晴らしいお料理 みごとです
美味しそう
投稿者 ryuji_s1 : 2009年12月19日 10:57
2009年12月16日
餃子&ラーメン&チャーハンセット
シアターコクーンでケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出の「東京月光魔曲」を見る前に近所の「王将」で食事。
最近ケラの芝居がとてもいいという評判を聞いていて、でも今回の芝居は瑛太と松雪泰子の主演というのがちょっとひかかっていたのだけれど、ふたりとも意外に健闘し、ことに瑛太は夏に見た『怪談牡丹灯籠』とは段違いに演技力がアップしているし、俳優としての魅力も感じさせる。とはいえ、この役を例えば藤原竜也がやればもっと説得力のある舞台になったかもしれない、と見ていて正直思ってしまった。それだけ重要な、難しい役でもあるのだった。
ドラマ自体は昭和4年という時代設定で、昭和大恐慌が起きた年でもあり、エログロナンセンスの時代とも呼ばれた日本の首都「東京」を背景に、当時流行ったカフェーやレビュー、動物園、新興宗教などさまざまな風俗現象が描かれて、連続猟奇的殺人事件や變態性欲者や近親相姦がモチーフとなっているというふうに書けば何だかおどろおどろしい舞台のようだが、実のところはもっと可愛らしい印象であるのはやはり作家の年齢の問題だろう。唐十郎や寺山修司を見馴れた目には、どうしても「魔都」を描き出す迫力がイマイチ不十分なのである。もっともケラのセンスは昭和の「新青年」文学的なセンスと決して相容れないものではないような気がするし、今回はとにかく盛り込みすぎで整理がつかずに尻切れトンボに終わった憾みがあるから、今後少し熟成を待ってもう一度この手の試みに再チャレンジを期待したいものである。ドラマとしてラストシーンのセリフは悪くなかったし、シーンとしては瑛太のと伊藤蘭の近親相姦的なからみが印象に残る。犬山イヌコと大倉孝二は相変わらず笑わせてくれた。
2009年12月17日
しゃぶしゃぶ
旧友の河合真澄さんと銀座の「ざくろ」で食事。最初は鮨にしようと思って、「次郎」や「久兵衛」ではない銀座の名店をわざわざ幻冬舎のヒメを通じて「ゲーテ」編集部に問い合わせてもらったのだけれど、オススメ戴いた2軒ともすでに予約で満杯状態だったので、急きょ方向性を完全に変えてしまったのでした。
河合さんが現在先生をしている大学は、橋下行革のあおりを受けて工学部に特化した大学に生まれ変わるべく文系の学部が全廃されることになり、「別にクビになるわけではないんですけど、いわば事業仕分けの真っ最中で大変なんですわ~」とのこと。少子化によって今はいずこの大学も大変そうで、ことに文学部なんて世の中の役に立たない学部は要らないという雰囲気になってきたらしく、「文学部が残るのはもう旧帝大のナンバースクールぐらいでっせ。早稲田かてあっさり無くしてしもて、ホンマだらしないわ」と聞けば、「確かに村上春樹が出たんだから、今ならそれだってウリになるのにねえ」と私も言うのだった。もっとも河合さんの学校もかつては河野多恵子氏や富岡多恵子氏を輩出した文学の名門だったのである。
それにしても、今や大学は就職に至る過程にすぎないと認識されていることが、受験生を持つわが妹の話を聞いてもわかるのだが、複雑な受験システムによる選別方法が巧く機能しているとはとてもいえない感じで、河合さんに限らず近ごろ大学関係者の話を聞くとますます日本の若者の現状と未来を憂えずにはいられなくなるのである。
それに今は大学にもモンスターペアレンツが出没し始めているそうで「ガッコに電話をかけてきて、自分はOO町議やぞという脅し文句を吐くのがいてますねん。まだ国会議員とか府議とか言うなら話がわかりますけど、町議やゆうて脅されても、こっちはハア?ちゅう感じですやん(笑)」「それアホやで。あんたアホちゃうか!て怒鳴り返したりいな」と私が言えば、「おたくアホの見分け方て知ったはる?あんた、アホやなあ、て言うたら、ほんまうちアホやねんて相手が言い返すのがフツーでっしゃろ。相手が怒りだしたらそれが即ちアホですねん。そやからアホには絶対あんたはアホやてホンマのことを言われへんねん」てな具合に河合教授とはいつも漫才のようなやりとりになってしまうのでした(笑)。
2009年12月18日
サーモンの柚胡椒和え、揚げ出し豆腐、古白鶏の塩焼き、メンチカツ、焼きうどん
整体治療の帰りにスラッシュの守部さんと三茶の「木村商店」で食事。
守部さんとはまずけさの地震の話になって、「とにかく長くて気持ち悪かったよね」と彼女がいい、「うちは冬眠中のカメが起きちゃって、それが気持ち悪かったのよ。なにしろ阪神大震災のときは直前に水槽のカメが立ちあがったと聞いて、以来ずっとカメの動きを気にしてるんだよね。カメがお昼ごろまでガタガタしてたから、何か地磁気の変動みたいなもんを感じとっちゃったんじゃないかと心配で。もう収まったから大丈夫とは思うんだけど」てな話のあとに、代官山に自宅がある彼女が、「夜、家の近所を歩いていたら、ポニーかミニチュアホースかわかんないけど、たぶんロバじゃなくて、小さな馬みたいなもんがいたんでビックリしちゃった。で、その馬みたいなもんに、花を積んで、男の人が売り歩いてたみたいなのよ」「へ~、それって新手の商売なのかなあ。でもミニチュアホースってまだ値段が凄く高いはずだから、花を売らせるだけじゃ採算が合わない気がするよね。近所の人が飼ってて散歩してたんじゃないの?」「確かにヒモで引っ張って歩いて行っちゃったけど、でも背中に売り物みたいな花束がいっぱいくくりつけてあったのよ」「それを見たら、つい買っちゃう人がいるかもね。昼時の丸の内あたりに行って売ったら、千円くらいの花束でも結構ハケるかも」てな会話になりましたが、謎の花売り馬をお見かけになった方が他にもおいでになったら是非ご一報くださいませ。
2009年12月19日
スープごはん
前にQPで見た料理。鶏肉を棒状に切っておろしニンニクと醤油と胡椒を揉み込んで、酒を加えた水でじっくり煮て、拍子木切りにした人参と大根、生シイタケと玉ねぎののスライスを入れて塩胡椒で調味し、仕上げにニラを散らしてゴマ油を落とした。QPは卵を加えたが私はコレステロール値が高いのでカットした。今週はずっと夜の外出が続いて今晩が初めての内ご飯であります。
この間TVで色んなニュースも知りつつ書かなかったが、大揉めのCOP15もなんだかムリクリの決着を装って今夜とうとう閉幕しちゃったみたいだし、例の子ども手当の支給問題も所得制限をつけるとなったらまた大揉めになるんじゃなかろうかと心配される。両者は全く関係がない問題のように見えて、妙に似ているような気がするのは、片やどこで所得の線引きをするのかの根拠が不明だし、片や先進国と発展途上国の線引きも曖昧なためかもしれない。でもって議論百出したあげく、互いのミゾがちっとも埋まらない感じも似てるのかもしれない。所得の線引き問題でいえば、ほんのひとにぎりの高額所得者とそうでない人との格差があまりにもあり過ぎることがよくわかるばかりだし、同じく先進国と途上国との差も開き過ぎちゃってどうしても利害の一致をみないようである。とにかく今は情報化が進んだ結果、人類がみな平等の方向を目指してマッシグラな感じは決して悪くない気がするのだけれど、そうなると今度は何も決まらなくて、まさにバベル状態になっちゃうから、今後はそれにどこまでガマンできるかを問われているのかもしれません。
2009年12月20日
上方寿司、魚介と野菜のサラダ、昨日の残りのスープ
乗馬の帰りに東横のれん街でゲット。
昼間は絶好の乗馬日和だったが、夜になってしんしんと冷え込んだ馬場で今日もハイセイコーのお孫さんである賢い牝馬に2鞍騎乗。彼女は常歩(なみあし)が超まったりしていて前の馬に引き離されるために、1鞍目の部班レッスンでは先頭でペースメーカーを務めるはめになったが、速歩と駈歩ではと急にスピードが増してあっという間に最後尾の馬に追いついてしまい、速すぎて一旦はペースメーカーのお役御免になったにもかかわらず、常歩になるとまたいつの間にか先頭に立ってペースメーカーとなり、レッスン全体がハイスピードになったために途中で離脱する人も出ちゃって申し訳ないことをしたのでしたm(_ _)mで、私は彼女に乗りなれているし、北軽井沢のレッスンである程度スピードに馴れたこともあって、別に速すぎて怖いという感じは全くなかったから、次のレッスンはステップアップしたクラスで受けたところ、今度は前を行く馬が超まったりしていて、どんなに間隔をあけて発進してもすぐに追いついちゃうので、これまた抑え込むのに苦労してしまった。それにしても前の馬はいくらなんでもトロ過ぎるように思って、あとでその馬をよく見たらなんとシンボリルドルフの息子さんと判明!考えたらこれってスゴイ豪華メンバーだよね~でもただの子孫ってだけじゃん、てな感じはどこかの国の政界とよく似ております(笑)。ただしシンボリルドルフの息子さんはとても乗りこなすのが難しい馬なのだという話を帰りの電車の中で高校生のナッちゃんに聞いて、乗りやすい馬の情報をいろいろと教えてもらったのでした。帰りのバスの中ではオペラ歌手のSさんたちと最近頻発してる地震の話になり、馬に乗ってる最中に大地震が起きたらどうなるんだろう?猫が前を横切っただけでもパニックになる馬が地震に遭ったらどうなるかなんて想像するだけでも恐ろしい!でもきっと彼らは事前に察知して動揺するだろうから、人間が乗ってる状態で地震が起きることは避けられるかもね~なんて最後は楽観的な見方になりました。
2009年12月21日
ほっけの干物、湯豆腐、レンコンのきんぴら
寒いので湯豆腐が食べたくなって、あとは適当なメニューにした。
例の子ども手当が結局は所得制限ナシという公約通りの決着をみたようで、やはりここで中途半端な線引きをしたら、ブレまくりで支持率急落中の政権にとっては命取りになりかねないし、さりとてほんのわずかの富裕層をカットしたところでタカが知れてるという、至極当然の判断であろう。鳩山首相は小沢幹事長の提言のひとつを退けるカタチで傀儡政権のイメージを払拭したいという意図もありそうだが、ひょっとしたらそれも出来レースで、小沢は「泣いた赤鬼」の青鬼的な役まわりに徹しようとしているのかもしれない(笑)。暫定税率のほうは仕組みを廃止するといいつつも結果は現状維持のようだし、普天間基地移設問題を先送りにすると判断した?!のと一緒で、なんだか玉虫色ともいえない、まるでソフィスト的な発言であるのがいかにもこの人らしいと思われたのでした。仕事の件で電話をくれたスラッシュの進藤さんは、「鳩山ってきっと天秤座なんじゃないの。八方美人でとにかく人に嫌われたくないという気持ちだけで動いてるとしか思えない」と仰言るけれど、天秤座の私としてもちょっと理解しにくいほどの用心深さというか、天秤座なら周囲に追い込まれる前に先手を打てよ!といいたくなるほど決断が遅いのはちょっと気になるところ。理念を語るなら語るで、子ども手当についても、社会で育てるという考え方に基づいてやることなんだから、所得が高いの低いのと、そんなせせこましいことを言うな!大人がそんなせせこましいことを言うから子どもがダメになるんだ!と私なら先に一発ぶちかましてしまうだろうと思うのでした。
2009年12月22日
ハンバーグステーキ
池袋西武内のレストランでスラッシュの進藤さんと食事。
夕方スラッシュの事務所にNHKの森谷氏、上村氏、NHK出版の加藤氏がお越しになり、先月の20日にお話した件についての結果をお知らせ戴いた。詳しくは同日のブログをご覧頂きたいが、今回の問題を契機にして、再放送のテキストが出版される場合は相応のペイが派生するよう、現場の声として上申し、今回に関してもできる限りの善処を講じたとのことで、思いがけず大変に誠意のある回答をお寄せ戴いたのだった。「知る楽」放送テキストの単独再販は今回が初めてのケースだと聞いただけに、私としても「前例」となる責任を感じて言いにくいことを申しあげたのだけれど、お三方もNHKという巨大組織の中で制作経理上の新たな仕組みを作られるのは非常に難しいことと拝察され、それでもなんとか善処してくださったご努力には深く感謝を申しあげる次第だし、私もこれで少しは「前例」となる責任を果たし得た気がしたのだった。
そのあと進藤さんと、先日萩尾望都さんからチケットをもらって「ゼッタイ見に行きますね」とお約束した、西武池袋本店で開催されている「萩尾望都原画展」にギリギリで駆け込んで、その盛況ぶりと皆さんとても熱心に見入ってらっしゃる様子を眺めて、「これだけ熱いファンを抱えている望都さんてやっぱり大したもんだよね~」と言いながら、私と進藤さんは最近すっかりハマった新作「レオくん」のグッズをゲットして引き揚げたのでした。「レオくん」は猫のくせにマジメで頑張り屋という自己矛盾を抱えた主人公がとても可愛らしいマンガで、猫好きの方には超オススメの一冊です。
2009年12月23日
牛肉と小松菜の塩炒め
かなり前のQPで見た料理。うろ覚えで作ってみた。牛肉には酒、塩、ニンニクのすり下ろしを揉み込んで片栗粉をまぶして炒めてからいったん取りだしておく。ニンニクのスライスとネギの薄切りを炒めて香りが出てから小松菜を入れて、鶏ガラスープを加えて蒸し炒めにし、塩、胡椒で調味してから水溶き片栗粉でとろみをつけた。今週のQP3分クッキングはクリスマス用の料理ばかりでムカツク(笑)。私は年内にカタをつけたい原稿が山積みで、天皇誕生日もクリスマスも関係ありません(-_-;)
ところで買い物に出かけたら三軒茶屋の国道246号沿いに「築地銀だこ」が進出したのを発見。近くではすでに鯛焼き屋とピザ生地を使ったスナックの店舗がシノギを削っているのであるが、今後は三つどもえの争いで行列ができるのだろうか。よく晩ご飯時にずら~っと行列ができてるのを見て最初はフシギに思ったのだけれど、ひょっとしたらこの人たちは晩ご飯をこの手のスナックで済ませるつもりなのかも?と感じて、その話をスラッシュの守部さんにしたら、彼女の友人が勤めている会社の社食でも、「私たちの世代は定食を頼むのがフツーだったけど、今の若い社員はおにぎり一つにプリンとジュースみたいな食べ方らしいのよ」とのことで、やはり食文化が相当変わってきていて、それが鯛焼き屋等の氾濫につながっているのかもしれない。鯛焼きにもチーズ入りとかカレー入りがあるから、それでいいのかもと思いつつ、いい若いモンがそんな食生活で体力がつくんだろうか?といい歳をして毎晩しっかり食べ過ぎているオバサンとしてはいささか心もとない気もするのだった。今や食文化も二極化して、スナックとサプリでOKの人たちとガイド片手にグルメしまくってネットにコメントしたり、各地の希少な食材をお取り寄せすること等に生き甲斐を感じる人たちとに分かれちゃってるのかもしれません。てなわけで私は今日も地道にしっかりと晩ご飯を食べております。
2009年12月24日
ラム肉タジン鍋
タジン鍋にラム肉、玉ねぎ、ジャガイモ、キャベツ、ピーマン、もやし入れて蒸し、ニンニク醤油で食す。クリスマスイブにラム肉が食べたくなったのは、母校のミッションスクールで「神の子羊」という言葉をやたらに聞かされたせいかもしれない(笑)。日本では鶏肉を食べる日とされているようで、今日も三茶のKFCの前には大行列ができて、ガードマンまで出動する騒ぎだった。西洋では七面鳥を食べているようだが、それも理由がなんだかよくわからないのであった。
よくわからないといえば、たまたまTVを点けたら鳩山首相の政治献金虚偽記載事件の釈明会見をライブ中継していて、わりあいはっきりとした発言であるにもかかわらず、聞けば聞くほどだんだんわからなくなっていくのは、この人がこちらの気持ちを忖度して述べるからで、皆様にご理解いただけないのはもっともだと思いますというようなことを何度も繰り返し仰言るから、理解してあげてはいけないような気持ちにどんどんなってくるのだった。相手がどう思おうが、誰にどう思われようが、自分はこう思い、こうしたいということを先に話す訓練を、この人はお母様にしっかりしてもらえばよかったのではなかろうか。前のアソー君のような手のほどこしようのないアホボンではないだけに、話を聞いていて不愉快にまではならないけれど、イライラはしてくるのである。首相の座を退くかどうかも最終的には国民の判断にお任せするといった調子だから、いろんな問題を先送りしてしまうのもむべなるかなと感じられた。責任をどうとるのかと記者に突っ込まれた際に、いっそ鳩山家の全財産を(半分でもいいけど)国庫に納めるかたちで謝罪します!とか威勢のいい啖呵を切ればどっと人気もあがるだろうに、そういうパフォーマンスは絶対しそうもない、とても慎重なお人柄とお見受けしました。
2009年12月25日
和のクリスマス
新潮社の小林姐さん、クスノセ氏、田中ノリオ氏、スラッシュの進藤さんと会食。「今年は和のクリスマス」にしますという姐さんのきっぱりした判断で選ばれたのはミシュランで2つ星を獲得した神宮前の「赤寶亭」で、ここの主人は八日市の名料亭「招福楼」の出身とか。なるほどそれならと思わせる実にオーソドックス
な日本料理で、八寸も今はもっと早めに出てくる店が多いけど、そうそう本当はこのタイミングで出すんだよね、なんて妙に昔を懐かしく想いだしてしまった。ケレン味が全くない分インパクトは薄いが、嫌みがなくほっとさせられる正調の会席料理店である。
今年は「1Q84」の大当たりで金一封まで出たらしい新潮社だが、出版界全体の今後の状況は予断を許さず、キンドルに代表される電子ブックリーダーの普及によって、出版界はもとより知的文化のありようそのものがいかなる変化を遂げるのだろうか?なんてマジな話もしたのだけれど、今日出た中で面白かったのは、小林姐さんがかつては肥満児だった!という話である(笑)。ええっ!と驚くほど今はスリムでスタイリッシュな姐さんも、その昔はポテシューを食べながら本を読むだけが生き甲斐というネクラな少女で、外に出ないから太るし、そうなるとますます出たくなくなる悪循環に陥っていたそうである。会社に入って仕事がハードで十二指腸を患った結果、現在のスリムな肉体を手に入れてバンバンザイだったのだとか。何事も人に歴史ありで、聞いてみないとわからないもんであります。
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南座で仁左衛門さんの助六を観て来ました。観劇の合間、松嶋屋がらみで北野の天神さまに行こうと思ったものの、<丑は去り、寅来たる>と気づき、虎の襖絵を観に南禅寺へ。三門にも上り、「絶景かな」気分も味わえました。お芝居に先立って「川上」さんの前を(いつか、ここで食べてみたいなあ……)と通りました。京大阪へは大抵、観劇目的で、合間に駆け足観光というパターンなので、連れとゆったり京都を歩く旅もしたいのですが、いつになるか。
「レオくん」楽しかったので、グッズ、欲しかったです。残念でした。
今日、地元商店街で、向こうから来る女性が胸に抱えたモノをなでていて、よく見たら、全長30センチくらいの亀でした。猫や犬なら温かいですが、亀ならヒンヤリしてるのでは、と思うのですが。
投稿者 ウサコの母 : 2009年12月26日 21:47
2009年12月27日
自家製コンビーフ、カリフラワーのチーズ焼き、鰺とルッコラのサラダ、蒸し野菜、焼きカレー、玉ねぎのクリームパスタほか
画家のミヤケマイさんと三茶のピエトラ・オルトで食事。
1年3ヶ月フランスの国立芸大に留学して帰国したばかりのマイさんからは向こうの国情をいろいろと伺えて非常に面白かった。「フランスの官僚は優秀ですよ。今や英語はもちろん北京語ペラペラで漢文の書ける人が一杯いるんですよ~これからの世界はもう中国を抜きには考えられないから、彼らと渡り合えるだけの準備をちゃんとしてるんですよ。日本の官僚でそんな人がどれだけいるんだろう」と聞けばホント心配になってしまいます(-_-;)「ロシアの勢いもスゴイですよ。ヨーロッパの国がみんな経済的に破綻しちゃってるのに、あそこは大丈夫だったから、ロシア人がパリにどっと押しかけて、豪勢に買い物や食事してるのも見ちゃった。で、日本に帰ってきたら銀座あたり中国の人がいっぱいだし」 なるほど、それはそうです。
「日本だと彼女フツーだよねと言ったら、まあそんなに悪口には聞こえないじゃないですが。ところがフランス人はそんなことを言われたら最大の侮辱だと受け取るみたいなんですよね。意地悪だとか性格悪いとか言われてもゼンゼン平気だけど、フツーだと言われるのだけは絶対プライドが許さない感じなんですよ」という話も、だからこそアートの国なんだろうと納得できる。ともあれマイさんはフランス語をほとんどしゃべれないまま向こうに行って、先生たちに、マイは本当に日本人なのか?と呆れられたそうである。「日本人はみんなしっかりフランス語をマスターしてから留学するらしいんですよね」と、笑って仰言る度胸は確かに日本人離れしてるかもしれない(笑)。大学時代は馬術部に所属して「モモンガと呼ばれてたんですよ」の理由は、障害の前で馬がぴたっと止まると、カラダがポーンと前に飛ばされて、バンザイ姿勢で飛んでる様子がまるでモモンガみたいに見えたからだとか。何度飛ばされても別にちっとも怖くならなかったそうで、とにかく度胸のある女性なのである。色んな話が面白くて、あっという間に日付が変わってしまいました。
2009年12月27日
海鮮ちらし寿司、焼き野菜サラダ
乗馬の帰りに東横のれん街でゲット。
年末とは思えない暖かな日和に感謝しつつ、今日はめでたく乗り納めて参りました。2鞍とも今年とてもお世話になったハイセイコーのお孫さんで、来年は専用馬の予約が取れなかったので当分お別れになりそう
なのが残念。最後に防寒用の馬着(ばちゃく)を着せて「よいお年を~」と言ったって、馬に年越しなんて関係ありません。思えば人類はいつからそんなことを意識するようになったのでしょうか。
クラブハウスでは正月2日に初乗りするメンバーで新年会をする話になり、「何食べましょう?店がきっと込むから、やっぱり予約しといたほうがいいかもね」というMさんの判断で、皆でグルメガイドを見ながら店選びをして、コラーゲン鍋ってどう?と女性陣が盛り上がったら、オペラ歌手のSさんが「前にコラーゲンのかたまりを溶かしたスープをいっぱい飲んだら、それが胃の中でまたかたまっちゃって物凄くお腹がふくれて銀座で動けなくなったことがあるのよ。だから用心したほうがいいかも」とのこと。結局その店に電話が通じなかったので、急きょモツ鍋に変更となり、別れ際に「よいお年を~じゃあ来年の新年会はよろしく~」とか言いながら、また来週会うだけのことじゃん、と思ったのでした(笑)。
2009年12月29日
ポルチーニとチーズのラビオリ、魚介のソーセージと平目のムニエル、白子とタラのグラタン、大根ソテーほか
28日の夜は三軒茶屋の「チェントルーチ」で文春の山口さん、内山さんと年内最後の会食。ここはこぢんまりしているがイタメシの名店で、根菜をフライやソテーにしたサラダとズイキのスープなどはとても美味しかった。全体にやさしい味わいの料理が多くて女性向きかもしれない。
山口さんはジャストフォーティーのシングルマザーで、最近小学校5年生のお嬢さんから「ねえ、ママ、天皇ってなぜ偉い人なの?」と質問されてとても苦労したそうである。お嬢さんは、愛子サマがたとえば運動会で速く走ってそれが妙に話題になったり、即位20周年でエグザイルがサングラスをはずして歌ったりするのを見て、「それってなぜ?」という疑問がふつふつと湧いてこられたらしく、訊かれたママは、ウーンと頭を抱え込んだあげく「天皇は日本にとって必要だという人もいるし、なくしたほうがいいという人もあって、色んな考え方の人がいるけど、それってたぶん日本で考えなくちゃならない最大の難問だから、おとなになるまでずっと考えて自分で答えを見つけなさい」と答えられたそうである。自分の場合、子どもの頃はその手の素朴な疑問って、どんな風に解消してたんだろう?と考えて、私自身は子どものころ、京都にいながら別に天皇が必要とも、いないほうがいいとも、何も考えなかったことに気がついて、それは一体なぜだったのだろうと逆に疑問になり、私たちの子どもの頃はその問題が最も薄れていた時代なのかもしれないと思われたのであった。今その質問を子どもから受けて、子どもにわかりやすいように説明できる人がいるのだろうかとも思われて、現天皇が象徴天皇の意味を考え続けておられるということは恐らくそうした疑問に対する回答を導きだすのがご自分でも難しいのだろうと拝察し、なんとなくお気の毒な一族だなあというのが
私の素朴な印象であります。
山口さんの話でもう一つ面白かったのは、彼女が小林真耶・真央姉妹のウオッチャーであったことで、私は別になんの興味も持たなかった小林真央のことについて、あまりにも詳しいのにビックリした(@_@)小林姉妹は山口さんにとって何かカンにさわるところがあるらしく、「だってなんかウソみたいに 出来すぎた一家なんですよ~、人間あんな風に一生やってけるものかと思って~」と熱心に語られるので、それはもう一種の愛情の裏返しだよねと思われたのであります。
2009年12月29日
上方寿司、30品目サラダ
整体治療の帰りに東横のれん街でゲット。これも年内最後であります。
昨夜は文春のおふたりと12時前にお別れしたあと、米朝事務所の大島さんに会って午前2時前に帰宅し、
来年の仕事のことを考えていたら頭がヒートアップして久々に不眠症状態に陥り、そういうときはナイトキャップを呷るに限るのだが、運悪く酒を切らしていて、ほとんど寝ないままで朝からまた仕事をするはめになった。そういう時はどうしたらいいんでしょう?と寺門先生に訊いたら、「眠れなかったら寝床でぐずぐずしてないで、いっそ起きあがってとことん仕事をしたほうがいいですね。仕事がなければDVDをまとめて見るとか。とにかくカラダを裏切ってやるんですよ。お前が眠らない気なら、意地でも寝かせてやらんぞ、という風にカラダをくたくたにさせたら眠れます。カラダはときどきそうなることがあって、そういうときは2、3時間寝るだけで足りますから大丈夫」とのことでした。そんなわけで今夜もまだ妙に元気なので、これからもう少し仕事をして寝ようと思います。
2009年12月30日
鶏肉の黒酢和え、椎茸の海老詰め、ブロッコリーと海老のサラダ
近所の総菜屋でゲット。
お昼にクリーンニング屋さんに行って「年末とは思えない暖かさですよね~」と話しかけたら「本当に。それとクリスマスもそうでしたけど、(商店街が)ゼンゼン飾り付けをしなくなっちゃって」と聞いて、なるほどそう言われると不況の波がひしひしと感じられる三軒茶屋である。とにかく年末の買い物をしても、確実に2、3割は根引きしてくれるわけだし、かといってお客さんは買い増しはしないだろうから、売上げ減は必至だろうしで、たぶん日本国中にこんなことが起きているにちがいない。
ところで個人的には今年はまずまずといった感じで、遊びもしたけど、よく働いた気がする。予定通り新作の単行本をなんとか2冊上梓できたし、連載中の小説以外にもさまざまな原稿を書いたし、上半期はなんといってもNHKの仕事が大変だったし、講演系のお仕事も多かったし……なのだけれど自分のお金を遣ってやや贅沢したかも?と思えるのは毎週乗馬に行って、軽井沢でも乗馬をしてたことくらいではなかろうか。要するに私は何かに遣うヒマもそんなになかったわけで、それを思うと、忙しくなくても株や何かでお金にゆとりがあるという人が増えないと、日本の消費動向はなかなか上向きにはならないかもしれない。思えばバブル時だって、世の中の人はゼッタイに必要なモノにお金を遣ってたという風には見えなかったし、すでにあの頃から色んなモノの飽和状態は始まっていたのだろう。
一昨日会った内山さんが、「今のビンボーはファッションなんじゃないでしょうか」と言ったのは極論だとしても、要らないモノを買い控えるという、さほど苦痛を伴わない行為によって、質素に暮らすことを心がけている人は結構たくさんいて、その結果、経済活動が収縮してしまったのは、地球環境を考えると決して悪いこともでもないわけだから、まずます不況の脱却は難しいとしなければならない。
一方で、先行き不安も深刻だから、遣いたくとも遣えないという人は相当多いはずで、私自身、今年はなんとかなったけれど、この先のことなんて考えたら色んな意味で不安がいっぱいなのである。でも物事をそう後ろ向きにとらえたって仕方がないから、とにかく来年もしっかりと仕事をした上で、馬にも乗る(笑)ことだけを考えて生きていこうと思うのであります。
今年1年の個人的なトピックは、あのノリピーがいた(笑)奄美大島で皆既日食を体験したことと、わが家に知らない間に新たな生命(カメの有王)が誕生していたことでしょうか。とにかくさまざまな仕事や旅行を通して多くの方々といい出会いができたのも幸いで、皆さま本当にありがとうございましたm(_ _)m
今年のブログ更新は今日で終わり、新年は2日から更新するつもりです。では皆さま、良いお年をお迎えください。
コメント(4)
今年も一年、夕食情報だけでなく、色々な観点からブログを更新して頂き、考える事を停滞しないで済みました。
来年も毎夜このページを見て脳を刺激して行きたいと思いますので御仕事が御忙しいでしょうが、このブログも頑張って下さいませ。
我家の元日も御雑煮は白味噌、焦がさないよう、まったりしたお味にできますように。2日からの更新楽しみにしております。
投稿者 お : 2009年12月30日 22:31
NHKの番組で拝顔して、ホームページを開いてから毎晩ブログを拝見しております。長い文章なので読み辛く思いましたが少し慣れてまいりまして、今夜のご飯はなに?と楽しんでいます。
一人暮らしの気楽さもご同様で、職業柄の高級外食が羨ましく感じています。歌舞伎ファンなので時々ちょっぴり、風を送ってください。来年も楽しみにしております。どうぞ良い新年を・・・。
投稿者 英 : 2009年12月31日 01:11
一ファンです。本年は松井作品に出会って、いろいろな事を学びました。ブログもいつも拝読しております。興味がなかった亀さえ興味深くなってきたところで大晦日です。
大変なご活躍ですが、どうぞお体をお大切になさって、新年もまた素晴らしいお仕事と快調な乗馬生活でありますようお祈りいたしております。良いお年を!
投稿者 かぶきまま : 2009年12月31日 11:15
今年一年お疲れ様でした。
「道絶えずば、また」で、「家、家にあらず」の女主人公のその後を読めてとても満足の一年でした。
松井さんは私の親世代に近い方ですが、いつも新鮮な刺激を戴いています。
来年も楽しみにしています。よいお年をお迎えくださいませ。
投稿者 スノウ : 2009年12月31日 16:02