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2009年11月28日
おにぎり、蒸し鶏と野菜のサラダ
NHKホールで「古典芸能鑑賞会」を見た帰りに東急フードショーでゲット。
吾妻徳彌の「鷺娘」はさすがにもう手の内に入ってるという感じで、堂々として落ち着いた舞台であった。前半から非常に集中力があって間然とするところがない。後半のリアルな表現は、歌舞伎舞踊のそれとはまた違った女流舞踊家ならではの魅力が感じられた。縁戚でもあり、友だち付き合いもしてるから、この人の舞台は何度も見ているし、決してそのすべてがよかったとは言わないけれど、今日の舞台はひいき目でなく上出来の部類で、広いNHKホールをものともしない大きな舞いぶりを披露し得たのは何よりである。
吉右衛門の「石切梶原」も当然ながら堂に入ったものである。同じ捌き役でも、現代なら「実盛」は片岡仁左衛門の役どころといった感じを受けるが、「忠臣蔵 七段目」の由良之助にも似た辛抱立役的な要素といわゆる「気のいい役」の要素が入り交じったこの梶原の役はやはりこの人のものだという気がする。ラストの手水鉢を切る場を後ろ向きでリアルに見せて、そのあと梢と六郎太夫と3人でノリぜりふになるあたりを意外に渋くまとめる行き方も、いささか開放感に乏しいとはいえ、皮肉な役どころでであるこの梶原の役にはふさわしいかもしれない。本来なら六郎太夫の役は段四郎で、大庭の役を歌六が務めるはずが、配役が逆になっているのは恐らく段四郎のせりふ覚えがかなり怪しくなっているからだろう。最近は老役をよく務めるようになったとはいえ、歌六の六郎太夫は、演じるほうも、見るほうも、はっきり言って気の毒である。芝雀の梢はクドキを突っ込んでやってはいるが、なにしろ紅一点で登場する役だけに、もう少し華やいだ雰囲気がほしいところだ。座組全体に手堅さは窺えるものの、地味にまとまり過ぎた感じがあって、主役の梶原がおとなしく控えている場面はどうしても退屈になる憾みがあるのは如何ともしがたい。
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コメント (2)
相変わらずお忙しいですね!吾妻徳弥さん観たかったです。正直ちょっと厚手な感じで好きなタイプではないのですが今時珍しく華のある舞踊家ですね。徳穂先生の持ち味を継いでいられるのでしょうか?
ここのところ矢継ぎ早に御本出されてファンとしては嬉しい悲鳴です!待ちかねた花伝書三部作 円朝の女 皆面白く 今朝子の晩御飯 軽井沢編?は笑えました!
不景気と新型インフルエンザにもめげずこれからもしっかりしごとなさって私達を楽しませてください。
投稿者 ねこかおる : 2009年11月29日 09:48
NHK「古典芸能鑑賞会」は毎年東京紀尾井町のNHKホールで公演されますので、まだライブで見た事は無いのですが、毎年の録画中継は楽しみにしています。今年は舞踊が吾妻徳彌家元ですか。楽しみです。女性の舞踊家、どれくらい居られるのか検討もつきませんが、徳彌さんの立ち姿の美しさとしなやかさが素敵で楽しみです。
播磨屋さんの石切梶原ですか。何度か見ていますが「卒の無い芸」ですね。芝雀さんは可愛い女を演じるとピタッとくるのですが、艶やかさには欠けますね。歌六さん好きな役者さんですが、本当に最近は老け役が多いです。しかし上手です。
投稿者 お : 2009年11月29日 22:59