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2009年11月20日
バーニャカウダ、牡蠣のフリット根セロリのピューレ添え、しらすのパスタ、チーズニョッキ
スラッシュの守部さんと久々に事務所のお向かいにある「イル・キアッソ」で食事。バーニャカウダとしらすのパスタは定番のオーダーだが、初めて食べた牡蠣のフリットとチーズニョッキも結構おいしかった。近所にお手軽なイタメシの名店があるのは本当に助かります。
今日は夕方から事務所でNHKの方とお会いしたあと、「クロワッサン」誌のインタビューをお受けした。新刊の「円朝の女」に関する取材で、文春の書籍担当の内山さんはともかく、「オール読物」の山口さんまで立ち会われたのは、有王クンを見たかったからだそうであります(笑)。
NHKの方が4人でお越しになったのは、「知る楽」の『極付歌舞伎謎解』が来年また再放送されるにあたって、テキストが重版されるにもかかわらず、NHK規定では筆者に報酬が派生しない件についての釈明で、
今回これが初のケースだったため、何とか派生する仕組みを考えた結果、やはり無理だったということのご報告にあらわれたのだった。出版だと重版で筆者に無報酬ということはあり得ないのだけれど、NHKのテキストはNHK出版からではなく、出演料と同じようにNHKの番組制作から支払われるカタチなので1回払いが原則となるのだそうである。それなら筆者に黙って増刷したらわからなかったのに(笑)、わざわざ版を改めてその旨お断りに来られたのはマジメなNHKらしい判断ともいえる。で、せっかく言いにくいことを敢えて言いにこられたわけなので、こちらもこの際言いにくいことをハッキリ言わせてもらった。そもそもテキスト料が出版物の扱いにならないのなら、台本料に準じた扱いにすべきであり、台本料が再放送の際に支払われるにもかかわらず、テキスト料にそれが適用されないのは理屈としておかしいのではないかと申しあげたのだった。「今までそういうことを仰言った方はおられなかったのですか?」と訊いたところ、通算で20年間も続いた番組で今回これが初のケースなので、もちろんそういう発言もなければ想定もされていなかったという話であった。であればなおのこと、今回の件は仕方ないとしても、今後この番組に携わる方のことを考えて、私はテキスト料にもリピート料が付随すべきだという主張をそちらでもご検討くださるようにと申しあげたのだった。そもそもNHKは日本薄謝協会との異名を取るくらいだからこちらも報酬をあてにしているわけでは決してないが、フリーランスの物書きである以上、組織に対しては自らの知的財産権をしっかり主張すべきであり、そのことが後進に対しての義務でもあると思うのである。20年以上前に木下順二先生との共同台本で「けいせい仏の原」という芝居が上演され、それがNHKで放送された際、台本料が木下先生に支払われる段階で、先生は私に半分譲られた上で、NHK側の支払いが安すぎるとNHKにさんざん文句を言ったことを電話で私に伝えられた。文句を言うことが後進に対する自分の義務だと仰言ったのを今でもはっきり憶えていて、そういうことも含めてプロの物書きとして生きるのは非常に厳しいものだと教わった気がしたのだった。木下先生には及びもつかないどころか、引き合いに出すさえ畏れ多い話ではあるが、私も物書きの端くれとして、言うだけのことは言っておこうと思った次第である。
ところで明日はまた軽井沢に行って「朗読座」の公演を見て一泊しますのでブログの更新は1日お休み致します。
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