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2009年11月02日

京都行

10/31は夕方に宝ヶ池のグランドプリンスホテルにチェックインしてから祇園の「川上」で米朝事務所の大島さんと食事。何せ大島さんは「賑わし神」なので、新生「川上」が繁盛するようにお誘いしたのだった。
カウンターで加藤氏と南氏の包丁さばきを見ながら、私が家で過ごしたころ想い出をお話しながら次々と出てくる料理に舌鼓を打つ。突出しはずいきの胡麻和えで、そこから鯛の鮨、山芋、ぎんなん等の八寸、鯛とよこわとイカのお造り、土瓶蒸し、マナガツオの味噌焼き、カブラ蒸し、蒸しあわび、海老しんじょと松茸の揚げ出汁、ずわい蟹の酢の物、松茸ご飯と赤だし、洋なしと柿とマンゴーの水物までびっくりするほどたっぷり頂戴して、改めてここに書くと、ええっ、あんなお値段でよかったの?!というくらい新店主の加藤氏はベンキョウしてくれたのだった。とにかく手間のかかる料理を皆で一生懸命作っている姿に好感が持てたし、土瓶蒸しの出汁がやや薄味に感じられことやわさびがマイルドだった点を除けば、素材と味はかなりの水準でキープしている。中でも美味しかったのは海老しんじょと松茸の揚げ出汁で、これは新メニューとしてぜひとも定着させてほしい。カウンターは満席で、2階にもどんどんお客さんがあがっていかれたので、新生「川上」の船出は順風と見た。とにかく東京の割烹料理店で同じくらいの値段で食べ比べると、「川上」の料理はいかにお得感があるかわかるというもので、そうした誠実な料理作りをしていれば、おのずとファンは増えるだろうと思う。是非とも頑張ってほしいものである。
11/1は朝から「古典の日推進フォーラム」の打ち合わせがあり、1時半の開演から午後5時過ぎまで国際会議場に縛り付けられてほとほとくたびれてしまった。主催が「古典の日」推進委員会という名誉職の寄り合い所帯であるためか、責任の所在が不明確で、大勢のスタッフがいながら誰が責任を持ってアテンドしてくれるのかも、わずか1時間超のパネルディスカッションでなぜこんなに長時間縛られているのかもさっぱりわからず、他のパネリストは皆さん京都の方なのでとても穏やかになさって文句もいわれなかったが、忙しい最中に東京から引っ張り出された私は余りにも非システマチックな運営に呆れ果て、会場をあとにする段階でとうとうキレて珍しく人前で憤りをあらわにしてしまった。どうやら仕事をする感覚がまるで違うので、京都は遊びに行くだけにしたほうがよさそうな気もする。ともあれ会そのものは無事に進行したし、ほかのパネリストの方々には面白いお話も伺えたのでよしとすべきだろう。パネリストのひとりに「明月記」の発見で一躍有名になった冷泉家の当主夫人冷泉貴美子さんがいらっしゃって、私がカメのイラスト入りの名刺を差し上げると、「カメはうちのシンボルなんですよ」と仰言ってその理由をお聞かせ戴いた。400年前に(!)家の建て替えをした時に大きなカメが出てきたので、以来、木彫りのカメが冷泉家のシンボルになったのだとか。私が俊寬ファミリーの話を披露したら大いに受けて、ことに俊寬が鳴く話にいたく興味を示されたのは、藤原為家の歌に「亀の鳴くなり」という言葉が出てくるからだろうと思われました(笑)。




2009年11月03日

絶食

今日は「銀座開化おもかげ草紙」シリーズの完結編を脱稿。直後ぐったりして、頭がガンガンするのでしばらく寝たが、目覚めても食欲がさっぱりないので晩ご飯は食べないことにした。例によって、このところずっと食べ過ぎが続いていたのでカラダが調整モードに入ったものと思われる。それにしてもやはりシリーズ物の完結編を〆るのは大変で、ことにこのシリーズは、歴史的背景をきちんと押さえた群像劇仕立てのために、登場人物ひとりひとりの人生と、歴史的事件を巧く噛み合わせてストーリーを終結させるのがひと苦労だった。その歴史的事件も当時の新聞に目を通して独自に発見したものが多く、大味な歴史小説とはゼンゼン違った色合いに仕立ててあるのだけれど、こういう書き方は労多くして功少なしといった感じになりやすいので、今後は要検討であろう。なにしろラストがなかなか巧く決まらず、京都行の新幹線の中でもずっとワープロとにらみ合っていて、目の疲れ方が尋常ではなく、眠りも浅くなって、今日はとうとう頭痛と格闘しながらの執筆となり、これ以上ねばる気力がなくなって、文章はイマイチ自己満足ができないまま、しばらく時を置いてから書き直したほうがいい場合もあるので取り敢えず入稿した。とにかくなんとか完結してほっとひと息であります(^_^)/
なおメンテナンス後はブログのアップがスムースに行くのでたぶん読者の方のご投稿もしやすいのではないかと思われます。さらに最上段のツールバーにアーカイブとフォトスクラップが新たに追加されて、過去のブログと写真がすべて見られるようになりました。


コメント(1)

外食が毎日と言う感じですね~。
「銀座開化おもかげ草子」だから面白かったのですね。
文明開化の波を受けた人々が良く見えました。
タレント化した作家の多い中、残っていく作品はどんなのでしょうね。昨日図書館のブックリサイクルで、「昔の本(作家)はいいな~」と思いました。

投稿者 五島 : 2009年11月04日 15:48



2009年11月04日

おかゆ

NHK「ためしてガッテン」を見ながら食事。疲労の原因物質(老廃物から作られるタンパク質FF)を紹介するというので思わず見てしまった(笑)。
このブログの長年の読者はご存じだと思うが、私は年に1,2度ぶっ倒れるパターンがあって、昨日は早い目に寝たにもかかわらず、けさは頭がガンガンして吐き気がとまらず、まさかインフル?と検温したら36度に達しないくらいなので、ああ、これは例のパターンだと判断した。野口式整体でいう九種のパターンで、くるくる回っているコマが止まるとパッタリ倒れてしまう感じに似て、いったん気がゆるむとそれまでの蓄積疲労がいっきにどーっと出て凄まじい体調不良になり2,3日起きられなくなるのである。しかし今日は短いエッセイの〆切りを1本抱えていたので、起きてるのもシンドイ状態で長時間かけてなんとか書き上げて入稿し、その後すぐ近所のオイルマッサージに駆け込んだら、やっぱり頭がカチカチで、ここまで疲れがヒドイと吐くのも当然でしょうとのこと。1時間入念に揉みほぐしてもらっても、まだ硬さがとれないそうで、要は頭の使いすぎなんだとか。そういわれても商売がら頭だけは使わないわけにはいかないしね~と笑って帰ってきたのだけれど、今回は連載小説の完結に難渋したのもさることながら、どうも日曜に乗馬に行かずに仕事したのがいけなかったのだと思われます(~_~);


コメント(1)

毎日曜日は緊張感をほぐす日のはずが、気の抜けない一日を過ごされたようで、心身ともに緊張感が抜けてないのでしょうか。

今週末まで体調が思わしくないようでしたら、日曜日は馬場レッスンに絞られたほうが良いかもしれませんね。
早めにクラブに行かれて、動物園のイチョウの黄色の中で日向ぼっこも良いかもしれません。

あまり無理をなされませんように...

こんな時間にコメントしている私も人の事言えませんけど(笑)

投稿者 乗馬クラブのM : 2009年11月05日 00:50



2009年11月05日

キャベツスープ

けさも頭がガンガンして食欲はゼロ、仕事をするどころかTVを見ることもできず、とにかくカラダを縦ににしてられなくて布団に横たわるとすぐに目がふさがってしまう。人間よくこんなに寝られるものだと思いながら
昼まで寝ても起きあがると頭が痛くなるので、とうとう午後2時過ぎまで寝てようやくなんとか起きることができた。いつものパターンでも、ここまで絶不調になるのは珍しく、たぶんここ2、3年の蓄積疲労がドオーッと出たのだろう。やはり56歳という年齢を考えなくてはと思いながら、起きたらすぐに幻冬舎に連載中の小説を入稿し、文藝春秋社からは「円朝の女」の見本が送られてくるし、新潮社からはゲラが届くしで、ちっとも油断がならない毎日であります(-_-);ともあれ夕方少し散歩したら、お腹に力が入らないので、恒例の野菜スープを作って飲んだ。ベーコンで出汁を取ってコンソメスープの素を加え、キャベツ、玉ねぎ、人参、ジャガイモを入れてじっくりと煮込み、塩でシンプルに調味しただけ。
 ところで話はゼンゼン変わって、松井秀喜選手ワールドシリーズMVP獲得おめでとう!!!親戚でもなんでもないけど(笑)、同姓のよしみで、甲子園の頃から注目はしていたのだった。近年はケガに悩まされて移籍も取りざたされていただけに、今後どうなるにせよ、ヤンキースで活躍して一度でも優勝に導くという本懐を達せられたのは本当によかった。早くから大器と目されながら、甲子園でも、巨人でもイマイチ完全燃焼できたとはいえず、マジメな人だけに何となく暗い影がつきまとう感じなのがちょっと気の毒に思っていたのだけれど、これで何もかも吹っ切れて、素晴らしい野球人生を真っ当できるにちがいない。とにかく、めでたしめでたしであります。




2009年11月06日

上海蟹ほか

三田の「中国飯店」でサントリーの久保田クン、堀田さん、文春の鈴木氏、井上氏、小濱氏、内山さんと会食。ずっとおかゆとスープしか食べられない状態が続いているにもかかわらず、これを食べないと、このシーズンにここに来た甲斐がない!と思われる上海蟹は食べてしまいました(^_^)ゞ
N賞受賞直後に「文藝春秋」の広告頁に出たことから、小学校の同級生久保田クンがサントリーの宣伝部長だと判明し、以来、文春とサントリーの会食の場に何度か呼ばれているのだけれど、今宵は久保田クンの副本部長昇進と、彼の部下の堀田さんのご結婚と、私の「円朝の女」刊行のトリプルお祝いということで
美味しい料理はほとんどパスしながらも、歓談を楽しませてもらった。
堀田さんは今話題の34歳の女性にして、一つ年上のお医者サマとめでたくゴールイン。3日前に結婚式を終えたばかりとあって超ホットなお話しを伺えた。堀田さんは仕事もできるだろうけど、女性として見ても魅力的な美人だと思っていたが、ダンナ様も久保田クンいわく「背がすらっとした小栗旬似のいい男で、性格もすごくいいやつなんだよね。よく今までこんなにいいのがふたり残ってたよなあて感じ」なのだとか。素晴らしくハッピーなご縁に、ぜひ内山さんもあやかって欲しいと思われたのでした(笑)。
 サントリーとキリンの合併話も当然ながら話題となり、各部門での業務提携はこれまでいくらもあったが、経営統合の話はやはり寝耳に水だったそうで、久保田家ではまず奥様が朝刊で知って愕然としながら久保田クンを叩き起こしたところ、久保田クンの第一声は「うちが経営統合するて、一体どことするの?」だったそうである(笑)。役員クラスでも知ってる人はごくわずかだったらしく、確かに洩れたらインサイダー問題
を惹起するから、この手の話は極秘裏に進行されるしかないのだろう。現在どこまで進行中かもやはり社員にはほとんど知らされていないようで、とにかくまあ社長を信じてついていくのみと悠然たるものだった。
とにかく国際的な競争力をつけるためにはどこの企業もこれから大変なはずで、そのくせ高齢化はどんどん進むし、若年者の就職状況はシビアだし、日本の今後を考えるとまことに深刻だよね~という同世代的共感を抱きながら同級生同士はお互い何かと話が尽きないのでした。




2009年11月07日

和風タジン鍋

タジン鍋に白菜、レンコン、シメジ、黒豚ロース肉を載せて5分火にかけただけ。おろしポン酢で食す。
相変わらず食欲はイマイチだけど、明日はどうしても乗馬に行きたいので、体力をつけるべくしっかり食べました(笑)。
気分はもうすっかりいいので今日は色んな片付け事をして結構くたびれたのだけれど、スラッシュの進藤さんが来週の月曜日には退院できるというGOODニュース!でホッとした。本人的にはもう歩いても全然痛くないのに、担当医がなかなか退院を許可してくれないので、私が働かないと入院費が払えなくなりますよと脅したら、あっさり許可が出たそうである(笑)。まずは、めでたし、めでたし。
めでたいといえば、国立劇場の矢内賢二さんが、このブログでもご紹介した「空飛ぶ五代目菊五郎」というご著書でサントリー学芸賞を受賞なさっていたのを、今日そのお祝いパーティのご招待を頂戴して初めて知ったのであるが、昨日までに頂戴していれば久保田クンと話題にできたのにザンネン!と思われたのでした。サントリー学芸賞は古くは塩野七生氏や養老孟氏、確か上野千鶴子氏や田中優子氏らも受賞されたはずで、地味な学術書を対象にしながら、各学界の俊英を世に知らしめた非常に話題性の高い賞である。「空飛ぶ~」は近年になく面白い歌舞伎の本だったので、ご受賞を心からお慶び申しあげる。矢内さんの本のいいところは文章がクリアな点で、歌舞伎の研究や評論を試みる方の文章はともすれば情緒的に流れる傾向があって、門外漢が読むとチンプンカンプンだったり、いささか歯が浮いて気恥ずかしくなるようなことが無きにしもあらずなのだけれど、その点、矢内さんの文章はすっきり頭に入ってくるし、明晰で且つそこはかとないユーモアが漂うところが魅力的だし、何よりも役者という人種に対する洞察力の鋭さが感じられる。今後もこうしたご本をたくさん世に送り出して戴きたいものである。




2009年11月08日

上方寿司、海老とブロッコリーのサラダ

乗馬の帰りに東横のれん街でゲット。
けさ起きたら頭がボーッとのぼせたような感じだったが、ゲラの校正をしたらちゃんと出来るので、とにかく乗馬クラブに直行。駅でバッタリ会ったバリキャリOさんには、「今朝子さん、大丈夫ですか~ブログ見てたら若いサラリーマンよりずっとハードなスケジュールだから、この人ホント大丈夫かなあって、心配してたんですよ~」と言われ、2週間ぶりに再会したハイセイコーのお孫さんに乗った1鞍目はやっぱり頭がのぼせたような感じがしていたものの、2鞍騎乗したあとは頭が完全にスッキリした。疲れも全くないし、ようやく食欲が出始めたし、今や私のカラダに乗馬は欠かせない!という結論に達したのでした(^_^)/
今日は約束通り有王クンを連れていって、クラブハウスで常連のメンバーにご披露したら、ONコンビのおふたりが「見ててちっとも飽きない~」と仰言って、私が騎乗中にお守りをしてくださった。そのNさんから、
インストラクターのKさんが今月いっぱいでコトブキ退社と聞いてビックリ!今年の夏にコトブキ退社なさったKさんとはまた別のKさんで、若くて可愛らしい女性ながら、とてもしっかりしたアドバイスをしてくださる方なので、会員にファンが多く、私も夏に退社なさったKさんの後ずっとお世話になっていた方なのでショックが大きかった。で、その話を帰りの電車の中で高校生のナッちゃんにしたら、彼女にとっては年齢的にも近いし、自分の将来像の一端でもあったのだろう、私どころではないメチャメチャ大ショックだったらしく、頭を抱え込んで「わ~、来週Kさんに会ったら泣いちゃいそ~きっと泣いちゃう~」と大騒ぎだった。もちろんKさん自身の人徳でもあろうが、若くしてそこまで人に慕われる職業というものも余りなかろうと思われたのでした。
ちなみに写真は馬場をバックに有王を手のひらに載せてるとこをMさんが撮影してくださったものです。


コメント(1)

乗馬が出きる所まで快復されましたようで、良かったです(^o^)
年令的なものでしょうか、年に一度か二度、とにかく眠くて起きていると頭クラクラ、胸はムカムカが2日ほど続く時がありますね。体中の毒が暴れ出すのでしょうか?だいたい1週間で元に戻りますが、少し無理して起きだすタイミングがむつかしい。早すぎても元の木阿弥、グズグズしてると、中々スッキリしません。そんな時体を動かす趣味を持たれているといいですね。

投稿者 お : 2009年11月08日 22:43



2009年11月09日

豚挽肉と高野豆腐のつくね

久々のQP料理。安上がりでヘルシーなメニュー。挽肉に長ネギのみじん切り、卵、片栗粉のほか、パン粉代わりに戻して粉々にした高野豆腐を加えて種を作るのがポイント。熱湯で戻すと崩れやすくなる。種を酒醤油で軽く下味し、醤油とみりんで味付け。味付けする際に油をしっかり除くことが肝腎。付け野菜は小松菜を切って電子レンジでチンするだけ。
 ベルリンの壁崩壊から20年目の今日(私はもっと昔のことだったような気がしますが…)、偶然なのだろうが、ずっとご無沙汰だった取引銀行2行から立て続けに連絡をもらったのでビックリして、日本経済に何か起きたんだろうか?と心配してしまった(笑)。で、近所の銀行は夕方わざわざお二人でお越しになって、金融商品の説明をしてくださったのだけれど、その一つが日経平均が5000円以下になった場合のみ元本割れのリスクを背負ったものだと聞かされて、ええっ!5000円を切るなんてことまで想定してるの?あっ、そうじゃなくて、それくらいノンリスクだということを謳ってるわけね、なんて素人が好き勝手に質問していた。私の周囲はふだんおよそお金に縁がない商売の人ばかりなので、たまに銀行員の人と話すと、金融経済というものを肌身に感じて世の中をある面でリアルに見ることができるような気がするから面白いのである。
もともと現実に生きることが不得手な体質だからこそ、フィクションを書いて生活してるわけだが、フィクションに決して欠かすことができないのは何よりもリアリティーであることはいうまでもない。
ところで昔から事実は小説より奇なりとはいえど、近ごろはフィクションにするとリアリティーを出すのが非常に困難な事件が、よくもまあこれほど相次いで起きるものである。真面目で勉強熱心な女子大生が殺されてバラバラにされるというような事件になると、犯人の動機や心理的リアリティーをフィクションで追及するのは大変だけれど、現実はフィクションほどのリアリティーがない人間による犯行なのかもしれないと思うとぞっとする。


コメント(1)

先日はありがとうございました。とある銀行員です。先生のブログに登場出来て光栄です。漫画、ならびに新作の著書を楽しみにしております。今後ともよろしくお願いいたします。

投稿者 とある銀行員 : 2009年11月11日 06:51



2009年11月10日

もんじゃ焼き、お好み焼き、焼き鳥、豆腐とじゃこのサラダ

お茶の稽古の帰りに麹町の「文字平」で矢内ご夫妻と食事。
 先日のブログでご紹介した矢内賢二氏の奥様は文庫本「今朝子の晩ご飯」の編集者で、私はご夫人のほうと先に知り合って、お茶の阪本先生をご紹介し、今では同門でお稽古をしているのであるが、今日はダンナさんのほうも稽古場に現れたので、奄美旅行以来久々にお目にかかって食事かたがた歓談に時を過ごしたのであった。で、話題はサントリー学芸賞を皮切りにさまざまな分野に及び、今日の流れからして出るべくして出たのは茂木健一郎氏の4億円申告漏れ問題で、ご本人と会って仕事も依頼した矢内夫人の話によれば「子供みたいに無邪気な感じの方だから、うっかりしてたというのも理解できなくはないけど、でもフツーあれだけ稼いでたら税理士くらいつけますよねます」とのこと。それにしても、近ごろのTV出まくりの仕事ぶりはちょっと尋常でなく、研究者として何を目指してるのかもさっぱりわからない状態だったから、一種のランナーズハイ状態で来る仕事を次々とこなしてらしたような気がする。「とにかく話すことが一貫して前向きだから仕事を一緒にするスタッフが癒されるんだろうなあ。だからまた仕事を頼みたくなるんだろうなあという感じはわかるんですよね」と矢内夫人。「それって松岡修造みたいな感じなのかしら」と私はいう。まあ、今の世の中、だれしもお疲れで、気持ちが後ろ向きになりやすいので、前向きな発言をする人に癒されたいという気持ちになる人が多いのはわかるような気がする反面、私自身は昔からあんまり前向きな発言を聞くと逆に白けちゃうへそ曲がりなタイプで、自身ににとっての最大の癒し文句は「どんなに我慢したって、どんなに辛い目に遭ったって、どっちみち人間はかならず死ぬんだから、好きに生きましょうよ」であります。




2009年11月11日

おこわ弁当、ホタテと海草のサラダ

整体治療の帰りに東横のれん街でゲット。
NHKニュース9を見ながら食事。今日から始まった事業仕分けの映像を見ながら、ムダな事業の洗い出しもさることながら、各独立行政法人や公益法人等の理事長ならびに理事を全員呼びだして、あなたは自分がその事業にとって本当に必要な存在だと思いますか?という質問をしてみたらどうなんだろうという気がした。理事という称号は名誉職として給料を出さないとか、いっそ平安末期に「右衛門尉」とか「兵衛佐」が売買されていたように、ナントカ理事という称号を得るには国庫にお金を納める方式にしてもよさそうに思えるくらい、今や日本は莫大な借金を抱えていることを忘れてはいけません。
ところで昨晩は号外が出るくらいの大ニュースが2つもあったことをけさまで全く知らなかったのだが、市橋容疑者の逮捕がいつの間にかそこまで大きなニュースになっていたことに驚いてしまった。やはり整形をして逃亡していたというあたりに、何かそそるものがあったのだろうか。
 もう1つ森繁久弥の大往生についても、ある時期から全く活躍の場がなかった人だけに、一体どのくらいの世代の人までが現役の舞台や映像を見ているんだろう?ということがちょっと気になった。アラフォーはともかくアラサーくらいになると、この人で一番印象に残るものは何だったのだろう?私自身は「屋根の上のヴァイオリン弾き」はもちろん他の舞台もけっこう見ているし、映画の社長・駅前シリーズもオンタイムで見ているし、名画「夫婦善哉」をTVの再放映で何度も見ているけれど、一番印象に残るのはやっぱり「七人の孫」で、子供のころからおじいさんの印象だったために、まさか自分が50代後半になるまで生きてらっしゃるとは思わなかったというのが正直な感想だ。この俳優の死が非常に大きく報道されたことは、ある意味で日本社会の高齢化を象徴する出来事のような気もする。


コメント(1)

>号外2つ     新聞社、やたら号外出し過ぎ!TVやインターネットに速報性で負けたくない?
確かに整形、二年七ヶ月の逃亡とか、老いたりとは言え大物俳優の大往生ですが、どちらも号外出して夜の巷を騒がすほどの事件でも訃報でもないような気がします。
朝刊で中身のある記事を読ませていただければ十分と思うのは私だけでしょうか?
それよりエコを叫んでいる世の中で、そこいら中に読み終えて捨てられた号外を増やすことの方が問題じゃないですか?

投稿者 midy : 2009年11月11日 23:00



2009年11月12日

トンカツ

今日は朝6時台から原稿を書き、午後は世田谷文学館で「花の会」の講師として2時間お話をする。そのあと渋谷の信託銀行で損失確定と書類の書き替えをしたら6時をまわり、さすがにお腹が空いて料理を作る気になれず、三茶駅近くの店で久々にガッツリ食べました(^_^ゞ
「花の会」は私が30代から講師を務めて、よく歌舞伎や文楽の話していたのだけれど、今回は明日店頭に並ぶ新作「円朝の女」にちなんで三遊亭円朝の話をさせてもらった。このブログでも何度か触れたが、この会に集うメンバーはびっくりするほど教養豊かなご婦人方が多く、日本文化のいかなるジャンルに関してもある程度の基礎知識はお持ちなので、余り下手なことは言えないという怖さも感じるいっぽう、初歩的な説明抜きで速やかに本題に入れて、かなり突っ込んだところまで話せるから、こちらもいい勉強になるのである。で、今日はひと通り話を終えて質疑応答から雑談に流れるなかで、近年は古典芸能と並んで、時代小説もブームというか、非常に書き手が多くなったという話になったところで、あるご婦人が「時代小説といっても、ただ江戸時代にしてあるだけみたいないい加減なものも多いし、歌舞伎を扱ってるという謳い文句があるとついつい買っちゃうんですけど、中には『髭の意休』を『髪の意休』と書いてるようなムチャクチャな作家もいたりするから本当に腹が立ちます」と仰言ったのでビックリした。それはたぶん作家の責任よりは校閲や編集者の責任だという気もするし、数人がかりで校正しても、考えられないような誤字脱字が出版後に見つかる場合も多々あるので、こちらも他山の石とするしかないが、出版界が貧すりゃ鈍す状態で量産体制に走り、全体の品質低下を招いていることが、結果として貴重な読者を喪うことにならないように願いたいし、自分自身としてはとにかく全力投球で、拙いながらもできるかぎり品質の維持と向上を心がけたいと思っています。




2009年11月13日

燻製セット、しまあじのカルパチョ、蒸し野菜、自家製ソーセージ、海老とアボガドのパスタほか

スラッシュの守部さんと近所の燻製屋「ヌーベ」で食事。久々の「ヌーベ」はTVか雑誌にでも取りあげられたのかしら?というくらいの超満員で、店の人に訊いてみたらそういうわけでもないみたいだから、ひょっとしてオバマ大統領の来日で都心部が厳戒体制にあることと関連してたのだろうか。
今日は夕方スラッシュの事務所で日テレ出版部の秋山氏、志村さんとお目にかかって「QP3分クッキング」連載エッセイの早くも来年度の内容についての打ち合わせをした。連載続行のおi祝い?というわけか、番組で使っている巨大なオリジナルカトラリー、「大好きスプーン&仲良しフォーク」をプレゼントされたのがこちらとしては嬉しかったが、メールでぜひ見せてほしい!と訴えられていた志村さんは念願の有王クンとの初対面に大喜びで、デジカメで激写しまくってお帰りになったのだった(笑)。
 食事しながら私が守部さんにまず訊いたのは「なぜEXILEなの?」で、「知らないわよ、そんなこと」といいながらも音楽ライターの彼女はさすがに詳しくEXILEについての色んな話を聞かせてくれたのだった。なにしろ今や音楽番組でジャニーズ系を退けられたのは東方神起とEXILEくらいだといわれてるそうで、意外と人気の層も幅広いらしいから、現天皇在位20周年イベントで歌っても別にフシギはないのだろうけれど、ちょっと気になって訊いちゃいました。





2009年11月14日

海老チリソース

今週のQPで見たレシピで作ってみた。海老は皮を剝いて洗ってから塩、酒、胡椒を揉み込んで片栗粉をまぶして先にさっと炒めておく。ニンニクと生姜のみじん切りと豆板醤を炒めて海老をもどし、鶏ガラスープ
酒、砂糖、醤油、ケチャップで味付けしてネギのみじん切りを加え、水溶き片栗でとろみを付けてから溶き卵を入れて仕上げにゴマ油で香り付け。けっこう美味しくできたので、作った分をいっぺんに食べてしまってお腹が苦しいです(-_-;
録画しておいたオバマ大統領のアジア政策演説を見ながら食事。全体の時間からして、ややリップサービス過剰な気がしたし、アジア各国に惣花的に言及しているために焦点がぼやけたきらいもあり、今ひとつインパクトに欠けた印象は拭えないが、それでもアメリカの大統領がアジアに向けて積極的に発言した意義は認めなくてはならないのだろう。とくに相互が経済的にもたれ合っていることの問題点を指摘したのは
とても正直だったが、今後の対策についての言い回しが婉曲的すぎて具体的イメージに乏しかった。鳩山首相との共同会見でも具体的な進展はあまり見えず、互いに慎重を期し過ぎたせいか、あまり熱の感じられないおざなりな発言に終始していたような気がする。両首脳とも国内の人気低下を受けてイマイチ元気がなかったのだろうか。それとも双方ともにきれい事の発言をする傾向があるために、互いにいい時はいいが、互いの利害が食い違う事態に直面した際は、却って距離を巧く縮められなかったりするのかもねえ~なんて思いながら朝の報道番組における再放送を見ておりました。


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「円朝の女」、買いました。「吉原手引草」「果ての花火」と同じイラストレーターの方ですね。
葡萄酒色のセンスの良い表紙に描かれた若い江戸前の女、最新の洋装に身を包んだ女、パラソル姿の娘、ときりりとした3人の女が、どう円朝に絡むのか、とても楽しみです。歌舞伎が好きなので、円朝は以前から気になっていましたが、これで身近に感じられるはずで、一気に読んでしまうのが勿体ないので、大事に少しずつ読むつもりです。

投稿者 ウサコの母 : 2009年11月15日 22:20



2009年11月15日

焼き鯖寿司、海老とキノコのサラダ

乗馬の帰りに東横のれん街でゲット。
年内最後となるであろう絶好の乗馬日和で今日もハイセイコーのお孫さんに2鞍騎乗。1鞍目のインストラクターは先週のブログで書いたKさんで、お会いするなり「ブログ読みましたよ」と言われてしまい、それをクラブハウスで話したら、「ワタシが教えちゃったの~」と手をあげられたのがオペラ歌手のSさんで、まったく油断もスキもあったもんじゃありません(笑)。2鞍目は部班を2班に分けてのレッスンとなり、待たされてる時間のほうが断然長かったので、帰りの電車の中で、高校生のナッちゃん相手に延々とグチってしまった大人げない私であります(笑)。
鞍箱の倉庫ですれ違った知らない方に「松井さんですよね」と言われ、「はあ、そうですが……」「最近TVとか出てらっしゃいますよね」「はあ、まあ……」「前から何冊か読んでたんですよ」「ええっ、そうなんですか」とがぜん声がはずんだ私。「拍子郎とか面白かったですよ~」と言われ「ああ、ホントにありがとうございます」と心から申しあげた。さっそく「円朝の女」を買って持ってきてくださったMさんにはもちろん大いに感謝をしてサインをして差しあげたのでした。
そのMさんとONコンビと一緒に話をしていて、馬の話をしているときはゼンゼン感じない世代の差を痛感したのはモリシゲが亡くなった話から昔のTVの話に及んだときで、「藤田まことも昔はそれこそ馬に似てるというのが売り物のコメディアンだったのよ」と言ったら「ええっ、そうなんですか!」とホンキでびっくりなさったNさんでした。帰りのバスではバリキャリOさんと高校生のナッちゃんと3人で最近の大学受験事情の話をしていて、ナッちゃんからは指定校推薦やAO推薦の話を聞いたり、コンピュータ関連のお仕事で大学とも縁のあるOさんからは「少子化といってるわりに、新設大学がまだどんどん出来てるんですよね。出来てもすぐ潰れちゃうんじゃないかって心配になるくらい」というような話を聞いて何かと社会勉強になったのでした。とにかくふだん自宅に閉じこもって仕事をしていて、付き合う範囲も限られている私にとっては、職種や年齢がまったくちがう違う人たちと出会える場としても、乗馬クラブは欠かせないのであります。




2009年11月16日

揚げ大根と揚げ豚のユズ味噌添え

先週講師をつとめた「花の会」のメンバーのおひとりからユズをたくさん頂戴したのでQPで見た料理を想いだして作ってみた。ユズ味噌の作り方は味噌にミリンを入れ、電子レンジでチンしてかき混ぜてからすり下ろしたユズの皮と絞り汁を加えるだけ。豚は生姜焼き用の肩ロース肉を醤油で下味して片栗粉をまぶしてかりっと揚げる。大根は柔らかくなるまで中火でじっくり揚げること。
食事しながら見ていたNHKの「クローズアップ現代」では、先日奈良の纏向遺跡で邪馬台国の宮殿?と思しき3世紀の巨大建造物の跡が発見された件を取りあげていて、ニュースでしか知らなかったので非常に興味深く感じられた。子供のころにシュリーマンの伝記を読んで、とても感動した覚えがあって、古事記や日本書紀の記述と邪馬台国が一体どういう関係になってるのかがわかると、日本史に対する興味もがぜん増すように思われるのだけれど、発掘の対象となるべき大量の古墳群が存在しながら古代史の研究が遅々として進まない感じなのは、詰まるところ天皇家の存在が障害となっているためだろう。今回発見された宮殿跡?に近い箸墓古墳も卑弥呼の墓?と擬せられながら立ち入り禁止になっている現状はなんとかならないものだろうか。21世紀にもなって、古代史を隠蔽していることに何の意味があるのかあまりよくわからないのである。それがまあ日本らしいといえばいえるのだろうし、今さら古墳を暴いたところで盗掘の惨状を嘆くことにしかならないのかもしれないが、それでも科学的に古代史を解明して日本史を首尾一貫させるには、古墳を全部発掘して、権力者の遺骨があればDNA鑑定をすべきなのはいうまでもない。だれかこの問題を天皇家に積極的に進言しようとする勇気ある人は現れないものだろうか、なぞと番組を見ながら考えてしまいました。


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私も高校生時代から古墳の発掘に興味を持ち、地元に近い玉手山古墳群の発掘等を手伝ったりしてましたが、どの古墳も誰の墓と決定付ける事は出来ませんでした。つまるところ天皇家の一族が葬られていると伝承されている古墳には文部省(その当時)も一切触れる事が出来ない為に確証を得る事が出来ない。玉手山古墳群は集合墓地のようなもので、しかしそのような所にも石棺を作り葬られる人は当時の王朝に関係する人だったでしょうし、ましてある程度の大きさで一個人が葬られている古墳となれば、時の王朝の一族か重臣しか考えられないと思います。それらを発掘しなければ魏志倭人伝に記されている事の信憑性もわからない。是非全ての古墳の発掘が出来るようにして頂きたいと思います。天皇家が拒まれるのか、宮内庁が審議にあらずと言う態度なのか判りませんが。

投稿者 お : 2009年11月18日 22:37



2009年11月17日

鯖のつけ焼き、ほうれん草としめじのおひたし、蓮根のキンピラ

さりげない和風の晩ご飯のようだが、これもキンピラ以外はQPで見たメニューであります(笑)。鯖は水で少し薄めた酒と醤油に1時間漬け込んでからグリルする。しめじは塩と酒を振って電子レンジにかけ、茹でたほうれん草と合わせて出汁と醤油で和える。
BSフジで「プライムニュース」を見ながら食事。今日の特集は犯罪の時効制度の検証で、ここ10年間に時効となった殺人事件が500件以上にものぼるという事実にまず驚かされた。以前からこの時効制度が生まれた背景についてきちんと知りたかったのだが、どうやらフランスの法制度に倣ったというだけで、その後あまり根本的な疑いを持たれないまま存続していたようで、それがいかにも日本らしい話だと感じられた。ともあれ見直すならほかの法制度と併せて見直しを図られてしかるべきだろうけれど、時効制度を撤廃することが果たして犯罪の抑止力になるのかどうかという点についてはいささか疑問も残る。それより気になるのが番組ではあまり取りあげなかった検挙率の問題で、現行の捜査だと時効間際でラストスパート的に力が入ってるように見えるのは素人目線なのだろうか。時効がなくなれば、実際問題として捜査の士気をどう維持するのかがちょっと気になるところでありました。




2009年11月18日

葱ラーメン、餃子

シアターコクーンで「十二人の怒れる男」を観る前に近所で食事。
アメリカの陪審員制度を背景にしたあまりにも有名な同タイトル映画の舞台版で、日本の裁判員制度のスタートにひっかけての上演と思われるが、恐らく50年前に映画が公開された当時よりも現代のほうがこの作品をはるかに身近なものと感じられるはずで、それは日本人や日本社会のありようがこの50年間で大きく変わったからだろう。今私たちはまぎれもなく、この作品で扱われた少年の父親殺しという犯罪が実にありがちな事件だと思える社会に生きているのである。
最初から唯ひとり少年の無罪を主張する、映画でヘンリー・フォンダが演じた陪審員役を今回の舞台では中井貴一が演じており、クール且つ柔らかなトーンの声を活かして「合理的な疑い」こそが「安全装置」たり得る社会の良識派を代表する人物を巧く造形しているが、今回の舞台で見ると、彼はむしろ狂言回し的な役柄になっていて、ドラマの核心はわが子との確執から感情的に少年を裁こうとしていた陪審員の心理的葛藤にあるとしたのは、演出家蜷川幸雄の戯曲の読み解きによるものかもしれない。西岡徳馬がこの役を熱演して、ラストを非常に巧く締めくくった。微妙に照明を変えた効果もよく出ている。観客に四方から囲まれた舞台で、出演者はだれも集中力を欠かせない厳しい演出の中で出演者それぞれに奮闘してはいるけれど、欲をいえば各俳優の声のトーンを考えてもう少しバラエティーに富んだキャスティングを組むなり、演出で声の出し方にもっと注文をつけてほしかった気がする。なにしろ声だけが頼りのドラマだけに、声域が狭い俳優だとこちらも折角御のセリフを聞き流すはめになるのだった。


コメント(2)

こんばんは。
同じ舞台を観て、その日に評論を読める幸せを噛み締めております。
休憩時に思わず声をかけてしまいましたが、ふわふわとあがってしまい、せっかくお目にかかれたのに、何にも言葉が出ず、自分のなかにまだあった初々しさにちょっと驚いている次第です。
隣席の方に往生した観劇でしたが、おかげさまで本日上々というところです。


投稿者 masque : 2009年11月19日 00:33

masqueさんだったのですね!よくご投稿を頂戴してるので、名乗ってくださったら、こっちもわかりましたのに。

投稿者 今朝子 : 2009年11月20日 23:59



2009年11月19日

豚肉と白菜の鍋

急に寒くなったので、このメニュー。いよいよ鍋シーズン到来!
 当初モラトリアムを実施すべきだ!という亀井金融相のカゲキな発言で大騒ぎになった政策が、「中小企業金融円滑化法案」という、かなり常識的なセンでまとめられたマイルド法案として、自公抜きの強行採決とはいえ意外とあっさり成立しそうな雰囲気だが、モノツクリ日本を守ろうとする政策も、ツクルモノが今後の需要に見合って確実な将来性があればこそ活きてくるはずである。で、クルマにしろ、家電にしろ、その他もろもろの工業製品がとにかくめまぐるしいマイナーチェンジとバージョンアップを余儀なくされる現代において、中小零細企業の多くが本当にモノツクリとしての将来性を確保するのは物凄く大変だろうということくらい、素人でも容易に想像がつくのだった。おまけにこれには社会全体の高齢化も深刻な影を投げかけている。返済猶予は前途が明るいという見通しがあってこそ救いにもなるのだけれど、日本経済の数年後は果たして本当に明るいのかどうか。仮に二番ゾコが来たとしても、数年後は確実に明るい!と誰かが断言してほしいものであります。




2009年11月20日

バーニャカウダ、牡蠣のフリット根セロリのピューレ添え、しらすのパスタ、チーズニョッキ

 スラッシュの守部さんと久々に事務所のお向かいにある「イル・キアッソ」で食事。バーニャカウダとしらすのパスタは定番のオーダーだが、初めて食べた牡蠣のフリットとチーズニョッキも結構おいしかった。近所にお手軽なイタメシの名店があるのは本当に助かります。
今日は夕方から事務所でNHKの方とお会いしたあと、「クロワッサン」誌のインタビューをお受けした。新刊の「円朝の女」に関する取材で、文春の書籍担当の内山さんはともかく、「オール読物」の山口さんまで立ち会われたのは、有王クンを見たかったからだそうであります(笑)。
NHKの方が4人でお越しになったのは、「知る楽」の『極付歌舞伎謎解』が来年また再放送されるにあたって、テキストが重版されるにもかかわらず、NHK規定では筆者に報酬が派生しない件についての釈明で、
今回これが初のケースだったため、何とか派生する仕組みを考えた結果、やはり無理だったということのご報告にあらわれたのだった。出版だと重版で筆者に無報酬ということはあり得ないのだけれど、NHKのテキストはNHK出版からではなく、出演料と同じようにNHKの番組制作から支払われるカタチなので1回払いが原則となるのだそうである。それなら筆者に黙って増刷したらわからなかったのに(笑)、わざわざ版を改めてその旨お断りに来られたのはマジメなNHKらしい判断ともいえる。で、せっかく言いにくいことを敢えて言いにこられたわけなので、こちらもこの際言いにくいことをハッキリ言わせてもらった。そもそもテキスト料が出版物の扱いにならないのなら、台本料に準じた扱いにすべきであり、台本料が再放送の際に支払われるにもかかわらず、テキスト料にそれが適用されないのは理屈としておかしいのではないかと申しあげたのだった。「今までそういうことを仰言った方はおられなかったのですか?」と訊いたところ、通算で20年間も続いた番組で今回これが初のケースなので、もちろんそういう発言もなければ想定もされていなかったという話であった。であればなおのこと、今回の件は仕方ないとしても、今後この番組に携わる方のことを考えて、私はテキスト料にもリピート料が付随すべきだという主張をそちらでもご検討くださるようにと申しあげたのだった。そもそもNHKは日本薄謝協会との異名を取るくらいだからこちらも報酬をあてにしているわけでは決してないが、フリーランスの物書きである以上、組織に対しては自らの知的財産権をしっかり主張すべきであり、そのことが後進に対しての義務でもあると思うのである。20年以上前に木下順二先生との共同台本で「けいせい仏の原」という芝居が上演され、それがNHKで放送された際、台本料が木下先生に支払われる段階で、先生は私に半分譲られた上で、NHK側の支払いが安すぎるとNHKにさんざん文句を言ったことを電話で私に伝えられた。文句を言うことが後進に対する自分の義務だと仰言ったのを今でもはっきり憶えていて、そういうことも含めてプロの物書きとして生きるのは非常に厳しいものだと教わった気がしたのだった。木下先生には及びもつかないどころか、引き合いに出すさえ畏れ多い話ではあるが、私も物書きの端くれとして、言うだけのことは言っておこうと思った次第である。
ところで明日はまた軽井沢に行って「朗読座」の公演を見て一泊しますのでブログの更新は1日お休み致します。




2009年11月22日

軽井沢行

 2/21は現地でお世話になった演出家の星野和彦氏が軽井沢大賀ホールで催された地元密着型のイベント「朗読座」なるものに伺った。これが地元の文化人ばかりでなく、笛の藤舎名生師や、「ルパン3世」の峰不二子役でよく知られた声優の増山江威子さんらが大活躍の実に贅沢なイベントで、意外にと言ったら失礼だが、非常に面白く拝聴したのである。地元の作家山口路子氏によるポエム連作が朗読される中で間奏としてピアノやヴィオラの洋楽器と笛や鼓・太鼓の和楽器演奏が入るのだが、ポエムはエロスとタナトスをテーマにしており、増山江威子さんの清潔なお色気のある声が堪能できたし、性的クライマックスの声を連想させる藤舎名生師の笛の使い方には感心した。惜しむらくは、台本にやや詩的でない説明的なコトバが多い点で、ポエム連作としてもっとシェイプアップされるとより官能的なパフォーマンスになったのではないかと思われる。ともあれ朗読の中に和洋の楽器を自在にあしらった演出は野心的な試みとして、今後の展開が期待されそうだ。
終演後は「オゴッソ」でお茶の阪本先生や馬田夫妻、京都祇園の「廣島屋」の女将さんらとお食事を共にして、なんと星野夫人にご馳走になって恐縮してしまいましたm(_ _)m
ところで軽井沢は夏だけ賑わってると思ったら大まちがいで、1泊しようにも宿が取れず、夏場にお世話になった北住さん宅に投宿させてもらい、部屋にコタツや石油ヒーターを2台もご用意戴くなど大変ご厄介をおかけした。おかげでぬくぬくとひと晩過ごせて、朝外に出たら震えあがったにもかかわらず、近所で朝食を取っていたらぞくぞくと観光客が集まってくるのにビックリ。で、私はやっぱりこれも夏お世話になった、北軽沢の乗馬クラブへバスで直行し、車窓の眺めに目を奪われてしまう。すっかり裸になった落葉樹林がどこまでも延々と続く風景は壮観の一語に尽き、枯れ木で賑わう山々を遠望すると緑の山とはまた違う、まさに幽玄美とでもいうべきものが感じられるのだった。夏もいいけど、冬の軽井沢もまんざら捨てがたいと思いつつ、乗馬クラブでは冠雪した浅間山の絶景を眺めながら2鞍騎乗。今日のレッスンは2鞍とも耕平先生のご指導を受け、馬は共にイケイケの中間馬で、ほぼ休みなしで速歩を続けながら巻乗り、斜め手前変換、半巻乗り転換で、いきなり右手前で駈歩の号令がかかったのはビックリで、私はふだん左手前でしか駈歩をしてないから、ええっ!と怯んだにもかかわらず、なにせ馬はイケイケなので発進し、カーブで危うく振り落とされそうになったから「すみませ~ん、右手前の発進は初めてなんで怖いです~」と泣きを入れ、「まあ、それも馴れですよ~」と笑われながら左手前発進に変えてもらった。1鞍目は常歩がほとんどなくて速歩か駈歩の連続で、それも相当なハイペースだからかなりきつかったけれど、物凄く乗ったという満足感がありました(^_^)/今日はクラブも大賑わいで、常連のTさんご夫妻を始めほかの会員さんとも親しくお話しをし、こちらのクラブにもすっかり馴染んじゃった感じで、真理先生には「いっそずっとここの会員になっちゃったらどうですか?」と言われて心が一瞬ぐらっと傾くも、さすがに2つの乗馬クラブの会員になるほど、お前は余裕があるのか!と叱られそうだから、こちらは一応夏だけお世話になる建前でおります。
写真上段は大賀ホールから見た冬の軽井沢風景、中段は「オゴッソ」でご馳走になった鮑のバター焼き、
下段は浅間山を背景にした馬場の風景。




2009年11月23日

絹揚げと椎茸のオイスター煮

先月の15日に作ったのと同じ料理なのでレシピは省略。
昨日、軽井沢の乗馬クラブでたまたまこんな場面を目撃した。「○○ちゃん、そんなことしちゃダメよ」という真理先生の声が聞こえた時は何が起きたのかわからなかったが、どうやら○○ちゃんというあきらかに就学前の小さな男の子が洗い場につながれている馬の顔を乗馬用のムチで叩いたらしい。私が見たときはお父さん、いや、ひょっとしたらお祖父さん?というくらいの年齢の男性会員の方がその子の顔にムチを軽く当て、叩くというより撫でるに近いくらいだったが、男の子がわんわん泣きだしてしまったところだった。真理先生がわりあい厳しく注意されたのは、恐らく馬が怒って暴れたりしたら大変だからだろう。その男の子が泣きやまないのをしばらく心配そうに見てらしたが、私と顔が合うなり、「馬の気持ちにさせられちゃったのね」と笑って言って馬場のほうへ行ってしまわれた。男の子は母親にすがってしばらく泣きじゃくっていたが、母親も周囲で見ている大人たちも下手にあやしたりはせず、その子をぶった男性会員の方が男の子を母親から引き離して、「いいか、お前が馬にしたのはそういうことだぞ。お前が嫌なら馬も嫌だろう」と厳しく言って「わかったか?」と何度も問いかけ、最後に男の子は「わかった」と言って泣きやんだのだった。男の子が激しく泣いてなかなか泣きやまなかったのは決したムチで叩かれたのが痛かったからではなかろうと思う。その場にいた大人たち全員に非難されたと感じて恥ずかしく、居たたまれなかったからにちがいない。そして泣きやんだのは、男の子をぶった男性が最後までその子の手を堅く握りしめて、自分は本当はお前の味方なんだぞという気持ちをしっかりと伝えてらしたからだろうと思う。ふだんは物腰も穏やかで、とても優しい親切な男性会員なのである。私はその場を見ていて、やはり子供に対する大人の態度はこうあるべきだと改めて強く思ったのであった。「馬の気持ちにさせられちゃった」とは言い得て妙で、子供は他者の気持ちがどんなものかを学んでいくことで、だんだん大人になるのである。他者の気持ちがどんなものか知ろうともしないで、年だけ喰うと、結局は大人になりきれないから、他人や周囲の環境が自分の思い通りにならないというだけで、そのことに我慢しきれず、自他ともに殺すという短絡的な行為に結びつくのではあるまいか。昨今はその手の事件があまりにも多すぎるように思う。


コメント(1)

自分がしたことが相手にとっていやなことかどうかは、自分が同じことをされたらどう感じるかが想像できればいいのですが、残念ながら最近のいじめっ子たちは想像できないというか、別に同じことをされても何とも思わない、という変な子たちが主流で困ってしまいます。この年輩の男性に叱られるような経験を小さいときに積んでいないんですよね。親にしてもモンスターですから、もう同じ言語が通じません。いつかどこかで頭を打つと思います。あ~、でも彼らは反省なんかしないからいっしょか。

投稿者 ikoka : 2009年11月24日 19:10



2009年11月24日

焼サーモン、キャベツのサラダ

サーモンはただレンジで焼いただけ。キャベツはチンして塩して熱したゴマ油をかけるのはいつもと同じだが、今日は生姜の千切りと白髪ネギをプラスした。
忘年会のお誘いが次々とあって、なんだか慌ただしい気がしていたが、今日近所のスーパーに行ったらなんと鏡餅が大量に陳列してあるのでビックリ!生鮮品売り場には数の子も大量に並んでいて、おいおい、まだ11月だよ、鶏の骨付きもも肉のほうが先なんじゃないの!と言いたくなる。こっちはただでさえ年末までにやらなくちゃならない仕事で目がまわりそうなのに、そんなに人を急かしてどうするつもりなんだろう。
小売業界の人たちの考え方はさっぱり理解できません(@_@)ところで明日は超早起きをして遠方の病院に足を運ばなくてはならないので、今宵のブログは早めに切りあげます。




2009年11月25日

お茶漬け

けさは5時起きでひと仕事し、7時前に家を出てひばりヶ丘に向かった。実はひと月前から耳下腺に痛みを感じて近所の耳鼻科で診てもらったのだけれど、原因不明のまま抗生物質を処方されたので、イマイチ納得がいかず、親友の福光さんの義理のお姉様である佐藤先生が耳鼻科の専門医なので早朝一番乗りで診て戴くことにしたのだった。血液検査の結果炎症反応がないので抗生物質は不要とのこと。整体の寺門先生が頸椎の問題ではないかと仰言った話を佐藤先生にすると、そういうことも大いにあり得るらしい。ただ触診だけでは万全を期せないから、念のためにCTを撮っておけば安心でしょうと言われて、近くの総合病院で即刻CT検査を受けるご手配までして戴き、感謝に堪えませんでしたm(_ _)m
そのあと渋谷セルリアンタワーの「金田中 草」で講談社の国兼ブチョー、堀さんと会食。
堀さんは産休明けで初めてお会いするので、「ゼッタイ写真持ってきてね」とこちらから注文をつけて、彼女にとてもよく似た愛敬たっぷりの坊やのお写真を拝見し、「子供ってなんだかとてもフシギなんですよ。半年前に、この腕の中にいた子はもう消えちゃって、どこにもいないんですよ。今いる子もあと1年すればいなくなっちゃうし、どんどん消えちゃうんですね」という実に面白いご感想を拝聴した。なるほど母親ならではの実感だと思われる。で、仕事に関しては以前からお約束していた新作のスケジュールを提示され、それを見て、ウーン来年早々から大変だ~と焦らざるを得ない私でした(-_-;毎回思うけど、本当にやれるんだろうか?いつまでたっても仕事がラクにならないのはなぜなんだろう……。
で、会食後は早々に帰宅し、これもお約束していた銀行の方とお会いして書類に判子を捺し、今日中に仕上げるべきゲラの手直しをして、それがまだ終わらないのでブログを切りあげます。お昼にたくさんご馳走になったので晩ご飯は軽く済ませました。


コメント(2)

首から上の障害はとんでもない時に原因が分かる事があります。主人が10年近く前によく目がめばちこのように腫れたり、叉頭痛をよく起こし、昔蓄膿症手術を受けたので耳鼻咽喉科に受信したましたが異常無し、目医者でも異常無し。そうしてる内に歯茎がおかしくなり歯医者に受診してやっと原因が分かりました。歯茎の上のほうに膿が溜まっていて、歯医者がメスで少し切開しただけで膿がカップ一杯くらい出て、その時に目も鼻もスッキリしたそうですが、やはり昔に蓄膿症の手術した箇所が膿んでいるので、入院し、綺麗に掃除していただきました。その後は目も腫れませんし、鼻も異常無しです。耳鼻咽喉科のレントゲンでは発見できなかったのが歯医者は受診しただけで判り、レントゲンも写さなかったそうです。

投稿者 お : 2009年11月25日 23:15

「オール讀物」の対談、拝読させていただきました。
「円朝の女」をもう一度、楽しめそうな、読み応えのある
対談でした。今朝子さまのファンになって、さまざまな
ものの見方が広がり、本当に豊かで嬉しい心持になります。
なので、本当に、本当にお体大切になさってください。
今朝子さまの作品を、もっともっと読みたいです・・・。
とってもお忙しそうなので、こんなこと書くと、
なんだか休まないでと言ってるようで申し訳ないのですが・・。

投稿者 彩の女 : 2009年11月26日 11:05



2009年11月26日

牛肉と小松菜のあんかけご飯

前にQPで見た料理。牛肉はニンニクのすり下ろしと醤油を揉み込んで片栗粉をまぶして炒める。それをいったん取りだしたあと、生姜のみじん切りと長ネギの斜め薄切りを炒めて香りが立ってから小松菜をさっと炒め、鶏ガラスープ、酒、オイスターソース、醤油で味付けし、肉を戻して水溶き片栗でとろみをつける。
仕上げにゴマ油をたらす。簡単にできて栄養価の高そうな料理です。
ところで守るも攻めるも突っ込みどころ満載といった事業仕分けだが、スパコンの予算削減に関してノーベル賞科学者が一斉に立ちあがってブーイングしたのは、まあ、当然の成りゆきだったのだろう。このプロジェクトがターゲットになったのもフシギといえばフシギで、そもそも今回の仕分けの対象となった事業の選択基準がイマイチよくわからないのであるが、まず各省庁には事業別に斬り込むしか方法がなかったのだろうか。それよりも全事業に関して一律にたとえば人件費だけを徹底的に洗い直すとかしたほうがいいのではなかろうか?と、スタート直後に思ったのは、あらゆる事業に専門性のかけらもない理事がごちゃごちゃいるに違いないからである。かりに専門性があっても、この際ボランティアに近い給料でお務め戴く覚悟をしてもらうなり何なりすれば、1事業につき年間1、2億の人件費が浮いて塵も積もれば山式に数千億くらいになったりはしないのだろうか。などと私のように素人考えしてる人はほかにもきっといるだろうし、一律に経費種目別の洗い出しを一度したほうが、民主党も世間を納得させられるような気がするのですが。




2009年11月27日

自家製コンビーフ、鶏肉と白菜のミルフィーユ、蒸し野菜、焼きカレーほか

三茶の「ピエトラオルト」で元マガジンハウス社の中田さん、スラッシュの守部さん、進藤さんと会食。
今日は午後から事務所でNHK出版の加納さん、黒島さんとお会いして、来年刊行を予定しているNHKブックス「歌舞伎のなかの日本」(仮題)の語りおろしをした。原稿を書くのも大変だが、長時間にわたると語りおろしも結構大変で、ことに今回は歌舞伎舞踊をテーマにしているために、その魅力や見方を知らない人に伝えることの難しさを痛感しながら取り組んだものである。
その後元マガハの中田さんが久々に訪れてくださったので、有王をしっかりお見せして(笑)、食事しながら歓談し、最近の子育てにおける諸問題をお聞かせ願った。やはり子供たちの内向き傾向は非常に強まっていて、「知」の対象領域が狭まる一方であるのに対し、各種の講座には向学心の強い中高年の方々がどっと押しかけていて、「宇宙工学の講座でも、白髪のご婦人がとても鋭い質問をなさったりするからビックリしちゃいますよ」とのこと。つまり生まれたときからモノも情報も溢れ過ぎちゃって飢餓感が全くない状態で育ってしまった子供たちには、物欲にしろ知的欲求にしろ、欲望を喚起させること自体がなかなか難しい
のであろうと思われる。中田さんご自身は行動生態学の長谷川真理子先生の講座にすっかりハマられたそうで、「聞きしにまさるスゴイ方ですよね」と感嘆しきりでした。で、今日の初耳でビックリしたのは、彼女が学生時代に「インカ帝国」という劇団を手伝って、渡辺弘氏と知り合いだったということで、またまた「渡る世間は狭い」シリーズである。私が渡辺氏と初めてお会いしたのは情報誌「シティロード」の演劇担当記者だったころで、その後セゾン劇場やシアターコクーンの演劇制作をされて、現在は彩の国さいたま劇場にいらっしゃるのであるが、中田さんがご存じのころは「インカ帝国」の役者で「かっぽう着きて、ほうきで掃除しる、レレレのおじさんみたいな役で、それがけっこうイイ味だったんですよ」との話がバカウケでした(笑)。


コメント(1)

おっ!「インカ帝国」懐かしいです。友人が役者をやっていたので、池袋によく観に行きました。77〜80年頃です。

投稿者 okano : 2009年11月28日 13:45



2009年11月28日

おにぎり、蒸し鶏と野菜のサラダ

NHKホールで「古典芸能鑑賞会」を見た帰りに東急フードショーでゲット。
吾妻徳彌の「鷺娘」はさすがにもう手の内に入ってるという感じで、堂々として落ち着いた舞台であった。前半から非常に集中力があって間然とするところがない。後半のリアルな表現は、歌舞伎舞踊のそれとはまた違った女流舞踊家ならではの魅力が感じられた。縁戚でもあり、友だち付き合いもしてるから、この人の舞台は何度も見ているし、決してそのすべてがよかったとは言わないけれど、今日の舞台はひいき目でなく上出来の部類で、広いNHKホールをものともしない大きな舞いぶりを披露し得たのは何よりである。
 吉右衛門の「石切梶原」も当然ながら堂に入ったものである。同じ捌き役でも、現代なら「実盛」は片岡仁左衛門の役どころといった感じを受けるが、「忠臣蔵 七段目」の由良之助にも似た辛抱立役的な要素といわゆる「気のいい役」の要素が入り交じったこの梶原の役はやはりこの人のものだという気がする。ラストの手水鉢を切る場を後ろ向きでリアルに見せて、そのあと梢と六郎太夫と3人でノリぜりふになるあたりを意外に渋くまとめる行き方も、いささか開放感に乏しいとはいえ、皮肉な役どころでであるこの梶原の役にはふさわしいかもしれない。本来なら六郎太夫の役は段四郎で、大庭の役を歌六が務めるはずが、配役が逆になっているのは恐らく段四郎のせりふ覚えがかなり怪しくなっているからだろう。最近は老役をよく務めるようになったとはいえ、歌六の六郎太夫は、演じるほうも、見るほうも、はっきり言って気の毒である。芝雀の梢はクドキを突っ込んでやってはいるが、なにしろ紅一点で登場する役だけに、もう少し華やいだ雰囲気がほしいところだ。座組全体に手堅さは窺えるものの、地味にまとまり過ぎた感じがあって、主役の梶原がおとなしく控えている場面はどうしても退屈になる憾みがあるのは如何ともしがたい。


コメント(2)

相変わらずお忙しいですね!吾妻徳弥さん観たかったです。正直ちょっと厚手な感じで好きなタイプではないのですが今時珍しく華のある舞踊家ですね。徳穂先生の持ち味を継いでいられるのでしょうか?
ここのところ矢継ぎ早に御本出されてファンとしては嬉しい悲鳴です!待ちかねた花伝書三部作 円朝の女 皆面白く 今朝子の晩御飯 軽井沢編?は笑えました!
不景気と新型インフルエンザにもめげずこれからもしっかりしごとなさって私達を楽しませてください。

投稿者 ねこかおる : 2009年11月29日 09:48

NHK「古典芸能鑑賞会」は毎年東京紀尾井町のNHKホールで公演されますので、まだライブで見た事は無いのですが、毎年の録画中継は楽しみにしています。今年は舞踊が吾妻徳彌家元ですか。楽しみです。女性の舞踊家、どれくらい居られるのか検討もつきませんが、徳彌さんの立ち姿の美しさとしなやかさが素敵で楽しみです。

播磨屋さんの石切梶原ですか。何度か見ていますが「卒の無い芸」ですね。芝雀さんは可愛い女を演じるとピタッとくるのですが、艶やかさには欠けますね。歌六さん好きな役者さんですが、本当に最近は老け役が多いです。しかし上手です。

投稿者 お : 2009年11月29日 22:59



2009年11月29日

稲荷寿司、巻き寿司、30品目サラダ

乗馬の帰りに東横のれん街でゲット。内藤VS亀田の試合を7Rから見ながら食事。
今日はMさんたちがカドリールの発表会をなさるので早めにクラブに行こうとしたら、駅で喪服姿のバリキャリOさんにバッタリ会って、「どうしたの?」と訊いたら、叔父様のお通夜の前に「やっぱり、カドリールを見てあげなくちゃと思って来たんですよ」とのこと(@_@)てなわけで大勢の観衆が見守るなかでMさんたちは颯爽とカドリールを披露なさったのであった。以前にも書いたがカドリールは要するに乗馬のシンクロみたいなもので、BGMに合わせて、数騎がそれぞれ複雑な経路を速歩や駈歩で辿って、まるでダンスをしているように見せるのだが、馬はそんなに人の命令をたやすく聞いてくれるわけではないし、そもそも他の馬につられて行動しやすいから、独自の経路を進んで且つきれいに揃えるのは結構むずかしいことだというのは乗馬を少しでもやってる人でないとわからないかもしれない。で、Mさんたちは皆さんそれぞれ忙しい仕事の合間にクラブでみんなが揃って練習する時間もあまりないので、ほぼぶっつけ本番に近いかたちだとはいいながら実に無難にこなされたのだった。BGMはマイケルジャクソンのメドレーで、恰好もそれらしく帽子や何かも手作りなさっていて、馬も頭に赤い帽子を載っけてるがとても可愛らしかった。
バリキャリOさんはカドリールを見てすぐお帰りになったようだが、私はもちろん例のハイセイコーのお孫さんで2鞍騎乗。1鞍目の部班レッスンは馬場が超満員で、前の馬につかえて、途中でイライラし始めた感じのお孫さんも、2鞍目は2騎だけだったので快走できて、私も満足しました(^_^)/
また今日はコトブキ退社をなさる女性インストラクターのKさんの最後のレッスン日でもあったので、「なんとか見極めしてくださいね」とお願いしていたら、ついにステップアップのOKが出たのでホッとしました(^_^)/
ステップアップすると、参加できるレッスンの選択肢が広がるので、コミコミのレッスンを避けることもできるのが有り難いのである。で、実に幸せそうな笑顔をなさってるKさんは、クラブを辞められても、馬からは離れることのない人生を送られそうで、お相手は馬術の名手だとお聞きしていたこともあって、「そのうちご夫婦でぜひ乗馬クラブを主宰なさってくださいよ」とエールを送り、夏に北軽でお世話になっている、石田ご夫妻の話をお聞かせして、「最初は2頭から始められたそうだけど、今では30頭近くもいるし、施設も立派なクラブなんですよ」と申しあげたら、「ああ、私たちもそんなふうに始められたらいいなあ…」とまんざらでもないご様子だった。その話をONコンビにしたら、「Kさんのクラブができたら、私たちきっとまたそこにも乗りに行くよね。景色のいい場所で外乗とかしてもらえたらサイコーなんだけどな~」と早くも期待の声があがっておりました。




2009年11月30日

牡蠣の豆豉ソース

 QPで見た料理。酒蒸しした牡蠣に白髪ネギと香草をトッピングして、豆豉と生姜のみじん切り、豆板醤、酢、醤油、ゴマ油を混ぜたソースをかけて食す。
食事しながらNHKドラマ「坂の上の雲」を見る。昨夜の放送だが、帰宅開始時に間に合わないので録画しておいた。待望のドラマ化で、「明治」を日本の「青春時代」としたコンセプトに基づく滑りだしは上々と見て今後の放送が楽しみになる一方で、現代の日本でこれがドラマ化されることにはちょっと皮肉な感じがしないでもなかった。司馬遼太郎のこの作品が新聞連載されていたのは60年代の終わりから70年代にかけての高度成長期まっただ中で、ちょうど私が大学に入学した時に連載が完結したのである。なぜそんなことに詳しいのかといえば、大学の一般教養で「国語」の授業を受け持っていた某先生が、この作品の大ファンだったため、肝腎の授業そっちのけで、毎度欠かさずバカの一つ覚えみたいに、自分がこれをどんなに面白く読んでいるかを熱心に話しておられたからである。結果、先生の名前すら憶えていないのに、「坂の上の雲」というタイトルだけは完全にアタマに刷り込まれてしまい、文庫本になった時点で、夢中になって読んだのが、そもそも私の「初司馬体験」だったのだ。以来、司馬作品にはほとんど目を通していて、時代小説を書くようになったのもその影響かと思われるので、結局のところ、大学で自分の人生に一番役立ったのは、名前も憶えていない先生の雑談だったことになるわけだった。考えてみれば、中学にしろ、高校にしろ、先生から聞いた話で憶えているのは雑談だけで、肝腎の授業の中身なんてまったくといっていいほど抜け落ちている。それはたぶん雑談だけがその人のオリジナルなものだから、他人の心に残るという仕組みなのだろう。先生大いに雑談すべしと言いたいけれど、今どきの世知がらい学校環境ではそれもなかなか難しいのかもしれない。ところで話は大いに逸れたが、要するに高度成長期に書かれ読まれた、日本の勢いを感じさせるこの作品が、少子高齢化した現代ニッポンの勇気づけとなるのかどうかは微妙なところのように思われます。


コメント(1)

「先生の話で覚えているのは雑談だけ」松井さんのような秀才でもそうですか。安心しました(^o^)私も中学時代からの授業も担任教師の名も殆ど覚えていませんのに、歴史の教師が消防車の出動が大好きでサイレンが鳴ると授業中断で「どの辺りが火事か」推測話が始まった事はしっかり覚えていますが、その先生に習った歴史な全然覚えていません。確かに雑談はオリジナル、授業が退屈なのは個性が無いからですね。

投稿者 お : 2009年12月01日 23:10