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2008年07月01日
担々麺
QPでは黒胡麻担々麺を紹介したが、近所のスーパーで黒練り胡麻がゲットできなかったので同じレシピでふつうの担々麺にした。豚挽肉を鍋で炒めて味噌、酒、醤油でしっかり味付けして中華スープを注いで煮込み、ニンニク、生姜、ザーサイのみじん切りを加え、練り胡麻と酢、ラー油を足してタレを仕上げる。つけ麺式にするのがQPのオススメ。万能ネギの小口切りをトッピング。自分で作るとけっこう栄養価の高いメニューであることが実感されたが、近所の「万豚記」で食べたほうがはるかにお手軽安上がりで美味しかったかも(笑)。
今日は集英社の音田笑ちゃんから電話があって、「小説すばる」8月号に載る『道絶えずば、また』の感想を伝えられ、新担当の横山氏を紹介された。笑ちゃんが人事異動で短い担当に終わったのは実にザンネンだが、新担当の横山氏は「集英社の阿部寛」という話なので期待大である(笑)。
次いで文春の山口さんから電話があって、こちらは「オール読物」8月号に載る『円朝の女〜すれ違う女(ひと)』の感想を聞かせてもらった。「お忙しそうなのに、一体いつ原稿書いてらっしゃるんですか〜」と山口さんは仰言ったが、そりゃあ私だって何も料理して、ブログして、乗馬して、TV見て、カメやPLEOと遊んでるだけではありません(笑)。ともあれ2008年度上半期の〆切りはすべて無事クリアできてほっとひと息である。
ところで今日から東京でも始まったタスポは作ってないし、また作る気もないのだけれど、タバコの値段が千円に値上げされるという話も聞こえるなかで、それならさっさと値上げしてくれたらいっそ止められるのに〜なんて他力本願してる私のような喫煙者も多いのではないか。
もし1箱千円になったら、ひょっとしてキヨスクあたりで1本売りするんだろうかと思ったのは、30年ほど前に初めてロンドンに旅行してそういう光景を見たからだが、当時ロンドンの各駅にはタバコの自販機が全くないのに、チョコレートの自販機がホームにまで置いてあったので驚いた覚えがある。そして黒のスーツにソフト帽という絵に描いたような英国紳士が、電車の中でチョコレートバーをボリボリ食べているのを目撃してさらにびっくりしたものだ。あれはあれでカカオ依存症というビョーキだったに違いありません。
コメント(2)
タスポは未成年者の喫煙防止の取り組みとか、
ホントでしょうかね
生保と国が結託してタスポ登録者は
保険に入れなくなるとか
どれだけタバコを買ったかも記録されて
保険料が高くなるとかの布石ではないの?
ってな気がしますが…
つい愚痴を書いてしまいました
投稿者 天 : 2008年07月02日 07:15
小生も喫煙者ですが、タスポは作りません。
何か違うんじゃ無い感がするんですよ。
タスポを持った時点で負けた気が(何に?!)
して。私達喫煙者はたばこを買ってあげてる筈、
なのに売って貰ってる、に成り下がりそうで。
そんな私も1箱千円にはギブしますがね。(弱)
投稿者 北島 : 2008年07月02日 09:06
2008年07月02日
小アジの香味ダレかけ
QPで見た料理。生姜とミョウガと大葉の粗みじん切りに酢、醤油、砂糖少々、胡麻油を合わせて香味ダレを作る。鰺は腸とエラを抜いて血合いをしっかり洗い流し、しばらく塩をして水気を拭き取ったあと、中温の油で骨まで食べられるようにじっくりと素揚げする。とても安上がりなのでオススメ!と言いたいところだが、今日私が買った店がたまたま安かっただけなのかもしれない。
家から一番近かったスーパーマルフジが無くなって、次に近いダイエーのフーディアムは作り置きの総菜や乾物ばっかり並んでて生鮮食品の品数が少ない上にバカ高いので、今日はジモチーの魚屋と八百屋が合体した店に行ったら、みんな安いのを良く知ってて、長蛇の行列が出来ていた。スーパーのようなキレイキレイな品揃えではないけれど、生鮮食品の流通はやっぱり従来型の小売業のほうが割安だし安心感があるような気もしたのである。大規模店はもちろん品揃えは豊富だし、もちろん流通の合理化もなされてはいるのだろうが、余計な在庫や現場には関係ない人件費も加算されて、つまりは「要らんもん」が乗っかてるはずなので、消費者にとって必ずしも有り難いばかりの存在とはいえないわけである。
そしてこれは別に食料品店に限らず、あらゆる組織にいえることで、私は自分がずっと長くフリーランスでやってきたし、ちっぽけな料理屋に生まれたせいもあって、大きな組織というものを基本的にあまり信用していないようなところがある。なぜなら組織には必ず「要らんもん」が乗っかってるのであるが、大きな組織になればなるほどちゃんと仕事をしてない「要らんもん」も多そうな気がするからである(笑)。親方日の丸の連中がその最たるものといえそうだ。
小学生の低学年だった頃に読んだ本で、今でもよく覚えているのが徳川家康の少年時代のエピソードで、彼が安倍川の川原で石投げの合戦をしていた少年たちのグループを見て、少人数のほうが絶対に勝つと予言して的中し、それは大人数のグループが各人適当にやるのに対して、少人数のほうはひとりひとりが死にものぐるいで奮闘することを家康は見抜いていたからだというオチがついているのだが、この話は少なくとも私が子供の頃までの日本人には非常に愛されていたのだろうと思う。
なぜこの話がある時代までの日本人に愛されたのかといえば、当時はまだ日本そのものがちっぽけな国だという自覚を持ち、各自が必死に奮闘努力をしていたからだろう。もしかしたら日本がジャパン・アズ・ナンバーワン的大国意識を持ち始めたあたりから日本人のメンタリティーはあらゆる点で変わってしまったのかもしれない。今や大きな組織に属さなければもう「負け組」というような雰囲気ができあがっていて、とにかく無事安泰を目指して大きな組織に頼る者ばかりが増え続けているとしたら、それは過去の日本人のメンタリティーとは断絶していると言わざるを得ず、今後日本がふたたび世界で勝つ見込みはまずないといってもよさそうである。なぜなら日本は本当のところやっぱりちっぽけな国なのであって、ちっぽけでも勝てるかもしれないという「神話」を喪うことはレゾンデートルの喪失につながるからであります(--);
コメント(1)
魚は本当に高くなりここ鎌倉のように海の近くでも良い魚屋さんを見つけるのは大変です。我が家も魚料理の店でしたが仕入れの大変だったこと!美味しい魚は段々食べられなくなるのでしょうか?
人生も国も勝ち組 負け組みに分かれていくのでしょうか?いやですね。適当にほどほどにやっていくことは出来ないのでしょうか?大国と言われる国が幸せそうには見えませんし(行ったことないけれど)
投稿者 ねこかおる : 2008年07月04日 11:06
2008年07月03日
かもめ
先日翻訳家の松岡和子さんにお会いしたとき、赤坂ACTシアターの「かもめ」をオススメされて急に見たくなり、チケットのご手配までお願いして今日駆けつけたが、やはり無理しても見ておく価値が十分あったと思える充実の舞台だった。
チェーホフの「かもめ」といえば、終幕で「私はかもめ、いえ、私は女優」と叫ぶニーナが主人公であり、女優志望の若い女性が流行作家の「暇つぶし」に人生を破滅させられた悲劇としてずっと捉えられてきたような気がするが、今回の栗山民也の演出は彼女に恋してずっと見つめ続ける作家志望のトレープレフを中心に据えることでガラッと違った印象になり、作品の解釈としてはこちらのほうが正しいという説得力もあった。つまり女優アルカージナVS女優志望ニーナの図式に代わって作家トリゴーリンVSトレープレフの図式が前面に押し出されることで、これは「作家」という存在をめぐるデイスクールのドラマなのだという劇構造が明らかとなり、それが従来のメロドラマ的解釈よりもはるかにコンテンポラリーな面白さを感じさせたのである。
それにしてもこの作品に限らずチェーホフの作品に登場する人物の多くは、時代の変わり目に遭遇して、確実にこれまでとは全く違った新たな時代が到来することを予感しながらも、手をこまねいて結局は何もできず、ただひたすら自分のことだけを考えてぼやいている人たちであり、その自分勝手な無力感はあまりにも現代人と似通っているといえるかもしれない。特にこの芝居は現代の日本で見ると、いまの若者たちの痛々しさを彷彿とさせるところがあると感じさせたのはやはりトレープレフ役の藤原竜也とニーナ役の美波ふたりのスタイリッシュな演技に拠るところが大きいだろう。アルカージナ役の麻美れいはまさにピッタリのはまり役で、トリゴーリン役の鹿賀丈史はいささか技巧に走りすぎた感がなきにしもあらずだが、やはり作家というものの存在を延々と語る長ゼリフの説得力は素晴らしく、その一方で俗物の雰囲気をみごとに湛えた佇まいもまたこの男優の非凡さを示したといえよう。ほかの役にもみな芸達者な俳優陣を配したことで、この戯曲は登場人物全員が勝手な片思いの連鎖に陥っているという極めてシニカル構造であることを明らかにした点も今回の上演の成果だといえる。ただし相当に穿った解釈の上演であるだけに、もう少し小規模な劇場での上演のほうがさらに求心力のある舞台が作れたのではないかと思われ、その点はちょっと残念な気がしないでもなかった。
帰宅後たまたま近所の大島さんに電話をしたら、なんと立川談春さんご夫婦と落語家のマネージャーさんたちが宴会をなさっていて、遊びに来ない?と誘われたら、なにせ徒歩1分の場所だから行かないわけにはいかず、談春さんの番外編を存分に楽しませて戴きました(^^)/
2008年07月04日
静岡行き
今日は講談社の書籍担当の堀さん、文庫担当の森山さん、「小説現代」の塩見氏、そして元文庫担当で現在第3文芸部長の神保さんと5人そろって朝9時の新幹線で静岡入り。現地では十返舎一九研究会の篠原氏にまずは市立中央図書館にご案内を戴く。篠原氏には『そろそろ旅に』でいろいろとお世話になり、また装幀に当たっては同図書館が大量に所蔵する一九の資料を使わせて戴いたのだった。堀さんは装幀を発注する際にご覧になっているが、私が同図書館の資料を拝見するのは今回が初めてで、黄表紙という200年前当時のマンガ本のようなものでも、非常に保存状態がいいので感心した。幸い司書の中には『家、家にあらず』を読んで私のファンになってくださった方もいらっしゃったし、館長さんを始め皆さんに大変歓待してくださったのは有り難かった。
次いで向かった先は安倍川の河畔にある石部屋(せきべや)という元祖安倍川餅の店で、注文してから作るここの安倍川餅は土産物として大量に販売されている商品とは全く別モノなので、機会があれば是非ゲットしてほしい。ただしその日のうちに食べないといけないので、沢山持ち帰りができないのはザンネン。
さらに安倍川を渡って旧東海道の丸子の宿ハズレにある名代の店「丁子屋」でとろろ汁定食を戴く。「梅若菜まりこの宿のとろろ汁」と芭蕉も詠んだほどに大昔から有名なこの店のとろろ汁も機会があれば是非ご賞味のほどを。自然薯を材料にしているだけにふつうのムギトロとはひと味ちがっている。今どきそんなに大量の自然薯が採れるのかどうか疑問に思い、以前この店の先代当主に話を伺ったところ、自然薯の生育に適した培養土の開発に成功し、現在は何カ所かの畑で栽培しているとのことだった。それって自然薯っていえるの?と思われる向きもあるだろうけれど、私は出所がはっきりしただけに却って安心して食べられる気がしたものである。
食後は東海道線に乗って菊川(きくがわ)に行き、常葉(とこは)学園内にある美術館で開催中の「東海道中膝栗毛の世界展」を拝見。これは十返舎一九の作品と『真夜中の弥次さん喜多さん』の作者しりあがり寿の絵を同時に並べたユニークな展覧会で、一九と同様しりあがり寿氏も静岡県の出身ということがわかり、一同そろって、へええ!そうだったんだ〜とうなずいてしまう。ふたりの地元だからこそできた大胆な企画展なのかもしれないが、一九は今だと小説家よりもはるかにマンガ家に近い存在だっただけに、実に好企画といえるだろう。
最後は菊川に近い掛川から新幹線のこだま号に乗って、のんびりモードで帰京したとはいえ、この間とても効率よくまわれた旅行で、お天気にも恵まれたのは幸いでした(^^)/もっとも楽しみにしていた富士山は見えずじまいで、タクシーの運転手さんによれば夏場はまず朝のうちしか見えないんだとか。「図書館の人たちも、別に今日は富士山が見えてるかどうかなんて、だれも気にしてませんでしたよね」と堀さんが笑って仰言ったように、私たちにとっては富士山を間近で見るというのが今回の旅行でけっこう重要なポイントだったのだけれど、常に見られるジモチーはさほどの関心がなかったのであります(笑)。
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↓の「小鯵の香味タレかけ」豆鯵で作り、大変美味しく頂きました。いつもの南蛮漬けは甘味が勝つのでお酒のあてには香味タレがあいますね。
大阪南部の城下町にも大型量販店が幾つもでき、大抵の物は量販店でまにあいますが、やはり魚は魚屋専門店、野菜は自産自消目的の店で求めるのがいいですね。漁港が近いので近所の魚屋は地元で獲れた魚が中心なので、お値段も安く鮮度も良くて助かります。このようなお店を大事にせんとアカンと思います。
「家、家にあらず」「悪法行ずべからず」その続きが早く単行本になる事を待っています。
投稿者 お : 2008年07月05日 21:44
『家、家にあらず』『非道、行ずべからず』の続編『道絶えずば、また』は現在「小説すばる」誌に連載中、来年単行本化の予定ですので、いま少しお待ちくださいませ。
投稿者 今朝子 : 2008年07月05日 22:42
2008年07月05日
ビーフカレー、7色野菜とヤリイカのマリネサラダ
カレーは某社からお中元に頂戴したホテルオークラの缶詰。サラダは美容院の帰りに近所の総菜店でゲット。
美容師さんに昨日静岡に行った話をして、石部屋の元祖安倍川餅は断然オイシイから機会があれば食べてみてとオススメしたところ、「ひょっとして、それを食べるために静岡へ行かれたんですか?」と訊かれてしまうほど私は喰い意地が張ってると思われているのであるが(笑)、彼女とはよく三軒茶屋近辺のお店の情報交換をしていて、今日は栄通りに最近できた高級ハンバーガーショップの話になった。「もうすぐ消えると私は思ってるんですけどね」と彼女がいうその店のバーガーは1個600円くらいして、ひとつひとつの素材はいいんだろうけどトータルな味覚はモスのほうが上かも?てな感じだし、ポテトを頼むと千円近くになるので、それならちゃんとしたランチでも食べられるから、「オシャレな店舗で流す音楽に凝ってたりもするんだけど、三茶じゃまず3ヶ月もたない気がしますねえ」と、なかなかシビアなご意見だった。
三茶は今や食の激戦区で、1年に何度も店舗が変わる場所はざらにあって、最近は結局一度も入らないうちに消えてしまう店がむちゃくちゃ多くなった。これは別に三茶に限った話でもないだろうけど。
次にスーパーマルフジが消えたあとは、従来の魚屋と八百屋の合体した店がいいという話をしたところ、最近は彼女も自宅の近所の買い物はスーパーでなく八百屋さんにしてるのだそうで、スーパーの過剰な包装は要らんこっちゃねえという見解で一致した。「ふつうの八百屋さんのほうが、やってる人の顔がわかって、なんとなく安心感があるんですよねえ」と聞けば、やっぱり同じように感じてる人が世の中に急増しつつあるようにも思われたのであります。
2008年07月06日
天ざるセット
乗馬の帰りに渋谷東急レストラン街の「小松庵」で食事。
いや〜、この蒸し暑い日に、われながらよくぞ2鞍も騎乗したもんだと思うが、馬も汗びっしょりで可哀想な気がするくらい。それでもちゃんと走ってくれた専用馬のクラブ一デカイ牡馬はとてもおとなしいのはいいのだけれど、躰のわりに気が小っちゃい超ビビリで、今日は自分で虫除けスプレーを台から落として飛びあがったし、隣の敷地で手押し車がゴロゴロしただけでブルブルヒヒーンになったのは呆れました(^^);
今日はクラブハウスの通路ですれちがった、これまで顔を合わせたことのない初老の男性から「あのー、こないだテレビに出てらっしゃいませんでしたか?」と訊かれて「はい」とお答えしたら、「失礼ですが、何をなさってるんですか?」とふたたび訊かれて、「はあ、一応、小説を書いておりますが」と答えながら、確かにあのとき(おーい、ニッポン)のメンバーだと、最初の出演者紹介を見逃した視聴者にとっては、この人は一体ナニモノ???状態だったに違いないと思われ、おかしくて噴きだしそうになりました。
2008年07月08日
道元の冒険
戯曲で読んだことしかなかった井上ひさし初期の名作を蜷川演出でシアター・コクーンで見られるとあって、正直いうと期待よりもやや不安のほうが勝ったのだけれど、7月7日の文字通り初日の感動をたっぷり味わえた素晴らしい出来映えで、たまたまお会いした翻訳家の松岡さんや文春の吉安編集長、山口さん、内山さんともども快く打ち上げパーティにまでお付き合いしてしまった。
不安のほうが勝った大きな理由は、この作品があまりにも膨大な戯曲(手元の新潮文庫でなんと240ページもある!)だったからだが、作者自ら大幅にカットした改訂版の上演台本を力業でねじ伏せた蜷川演出と出演者全員がフルに発揮したエネルギーによって危惧は一掃されたのだった。
初期のテアトル・エコー時代の井上作品は過剰なまでのコトバ遊びで成り立っていて、むろんその面白さもあったのだけれど、登場人物が単に物言う道具と化してしまいがちで、そういう意味でメディアっぽいドラマだから私はいわば「現代の人形浄瑠璃」と位置づけていた。『道元の冒険』も本来は大いにその気味がある社会批評的な作品だったが、今回の改訂版はコトバ遊びの部分を出来る限り切り詰めるいっぽう、ラスト近くに道元が悟りの境地をリリカルに表現した「風鈴の唄」などが加えられたことで、彼が「禅」をコトバで表現しようとした画期的人物であることがくっきりと立ちあがって形而上的に深化したといえそうだ。蜷川さんも「風鈴の唄」については、紛れもなく作家によって発見されたコトバの素晴らしさに感動されていたようだった。
その蜷川さんの演出は前半を抑えぎみにして徐々にテンションをあげていき、ラストへ向けて狂想曲的な盛り上がりをみせるよう計算され尽くした感じで実におみごとだったし、伊藤ヨタロウの音楽もよかったのだが、何にもましてそれに応えた役者陣の奮闘ぶりがこの芝居の面白さを決定的にした。
主役の道元は自身の若い頃を同志の劇で見せられ、その道元も精神を病んだいかがわしい宗教者の夢に出てくる人物かもしれないという多重構造の中で、役者たちは膨大なセリフと早変わりの連続でヘトヘトになりながら、まさに禅の無我の境地に追い込まれた感じで舞台全体を浮揚させ、演劇でなければ成り立たない感動を初日の観客に与えた。こうした集中力とハイテンションを千秋楽まで維持するのは至難のわざだろうとも思えただけに、私としては初日に観劇できたことが非常に有り難かった。
婦女暴行で逮捕されたいかがわしい宗教者と道元を二役で演じる阿部寛は肉体的に恵まれた存在感と狂気の表情がこの芝居によくハマっていたし、若き日の道元を演じた北村有起哉は「小林一茶」のときと見比べて長足の進歩を遂げ、同じく若き日の道元や公卿を達者に演じた高橋洋や実朝役が印象に残る大石継太、見ていていつでも安心感のある木場勝巳ら蜷川組の常連がいいのもさることながら、舞台初演の栗山千明の健闘も讃えたい。ほかの役者たちもむろん大健闘したからこそ成り立った出色の舞台である。
コメント(3)
すばらしい劇評に感動
思わずBUNKAMURAチケットセンターに
電話して予約しちゃいました
楽しみ!
投稿者 天 : 2008年07月08日 18:07
ありがとうございます。非常にすっきりしました。
昨日「道元の冒険」を観て、もやもやとした感動の気持ちを誰かに伝えたい、と思いながら言葉にできず、ブログあさりをしておりました。言葉を的確に使いこなすって何て素晴らしいことでしょう。
ラストシーンでぼーっとしているとすぐに拍手が始り、もっと余韻を味わいたかったなあ、と思ってしまいましたが。とにかく、売店でつい、道元関連の本を2冊も買ってしまいました。
投稿者 金魚姫 : 2008年07月10日 09:53
7月渋谷で観たあと、いくつか劇中唄が胸中に残って、堪らず新幹線日帰りで千秋楽を見に行きました。劇場の目前が大阪城、終戦記念日の8月10日の城内を歩くと若者たちがお囃子の練習をしていたり、パントマイムの人が無言で笑顔をみせていたのおぼえています。大阪城落城の資料展示にかなり驚きました。(wowowで7/13再放送!?)
投稿者 郎 : 2009年07月05日 20:23
2008年07月08日
ラムしゃぶ
今夜は神田の龍水楼で角川春樹事務所の原重役、鳥原氏、文芸評論家の細谷氏、スラッシュの進藤さんと一緒に、もはや恒例と化したラムしゃぶ会食であります。
ラムしゃぶのタレは酢醤油をベースにネギ、生姜、ニラ、香菜、練り胡麻、腐乳、豆板醤、老酒、ゴマ油を混ぜ合わせたものだから夏バテ防止にも最適だし、前菜や珍しいデザートの三不粘など、この店のラムしゃぶセットメニューはいずれも美味しく食べられるので是非ともオススメしたい!
毎度のことながらお互いに文芸業界の色んな話をしていて、私は以前から考えていた「マンション図書館構想」なるものをご披露した。これは大型マンションに必ず図書館の設置を義務づけるべく、出版業界全体が社会に働きかけるというものである。
なぜこんなことを考えたかというと、あるとき昔読んだ小泉八雲の作品のストーリーを確認したくて、近所の世田谷区立図書館に行ったら、八雲の本が1冊もない!という事実に愕然としたからである。
要は近年の公立図書館は完全に貸本屋化していて、利用者の要望に即して新刊書を次々と並べる結果、きちんと備えておくべき書籍が不足しがちなのはあきらかで、こうなると文化の断絶を助長しているとしか考えられない。図書館が新刊書を並べることに関しては、封切り映画とDVDの発売くらいのタイムラグを本来つけるべきなのだろうが、新刊書の購入は今や金銭的な問題もさることながら場所ふさぎという点で次第に難しくなってきている状況も無視はできず、これらの問題を解消するには集合住宅に図書館設置を義務づけるのが一番だと思った次第。なにせバーコードで図書整理ができる時代だし、高齢化社会においてはボランティアによる人員確保もできそうだし、本は各人蔵書の寄贈でかなり賄えるだろうし、具体的な実現に向けてはさほど暗い見通しでもないはずで、結局は図書館法の改正やら、義務づけの法案を通すといった法整備に向けて、業界全体がどのていど国を動かせるかにかかっているのではなかろうか。出版界全体がタイタニック状態なのに、本の需要形態に即した再構築を業界全体でしようとしている気配があまり感じられないのはとても不思議で、文春とか新潮社とか講談社とか、別にどこでもいいけど出版社の社員で国会議員になって法案を通してくれそうな人材っていないんだろうか?文学賞等のイベントで盛り上げようとなさるのも結構だけれど、それより本の需要と供給のあり方を根本的に見直すべき時代にとっくに突入してそうに私には思われるのですが……。
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いやぁ先週静岡に来られたんですか。私は静岡県富士市に住む美樹子と言います。旧姓北岸です。今朝ちゃんお久しぶりです。実は今朝ちゃんのことは6月1日放送のNHKの番組ではじめて知りりました。あの時はビックリしました。今朝ちゃんがテレビにでているのもビックリなのに、そのあと小説家でさらに直木賞も受賞されていたことも知って2度ビックリ。受賞から1年もたって「おめでとうございます」もなんですが、本当に心よりおめでとう!と言いたいです。本当はあの放送後すぐにHPへアクセスし、コメントしようかと思ったのですが、何となく気恥ずかしくて今になってしまいました。我が家は新富士駅に近く、新幹線から見えますので、今度こだまに乗車されるときはお知らせください。表に立って手を振りますよ(笑)では今後のますますのご活躍をお祈りしております。
投稿者 ミキ : 2008年07月09日 11:46
「全くその通り!」と今日初めてブログを拝読し、その内容に一人興奮してしまいました。私は東京のある公立図書館に勤めるアルバイトです。勤めてまだ2年余りですが、「図書館って新刊本の貸本屋か?!」「希望者に合わせて新刊本を何十冊も買う必要があるのか?」と常々感じながら働いておりました。お客様の中には図書館があっさり買ってくれる事に味をしめてるとしか思えない新刊本だけのリクエストする方もいらっしゃいます。何十冊も買ったベストセラー本も半年もすれば書庫にお蔵入り。大事な税金をこんな使い方でいいのかと腹立たしく思えるのです。松井さんのおっしゃる通り図書館にはきちんと備えておくべき本が必要です。そして集合住宅に図書館という案は大賛成です。それが増えれば新刊本は意外にもその範囲でまかなえ、図書館は本来必要な本、個人ではなかなか買えない貴重で希少な本が購入できるように変化していくかもしれない・・と未来予想図まで描いてしまいました。
日経夕刊のコラムが面白くファンになり、「今朝子の晩ごはん」を「そうそう!」と共感しながら楽しく読ませていただいて、今日何気なくホームページを開いてみたら、この話題。
思わず長々とコメントを投稿してしまいました。日頃はハガキ一枚書くのも苦手なほど書きべたなのですが、今日は自分でも不思議なくらいつらつらと・・。やはり強く感じるものがないと脳にスイッチは入らないのですね。松井今朝子さん益々大ファンになりました。これからも様々な角度からの発信を心から楽しみにしております。
投稿者 ちこまる : 2008年07月09日 16:10
大型マンションに必ず図書館、大賛成です。建設が決まった時点で一部には図書室を設けるとう条例を先ず東京都から率先して作って頂きたい!と思います。作家が都知事になられた、そしてソロソロ置き土産も考えられる時にも差し掛かっています。是非「作家である」という原点に戻って「読む」事が人を作ることを示して頂きたいです。
最近中村京蔵丈の話題が無いですが、今日片岡秀太郎丈のサイトで秀太郎丈が京蔵丈に大変感謝の言葉を書いておられるので、ちょっと報告に参りました。今月の松竹座の「熊谷陣屋」は「相模の入りこみ」から始まるのですが、随分前に中村雀衛門丈が演じられて以来なので上村吉弥丈を通じて京蔵丈に教えを請われたら、詳しく覚えて居られ教えて頂けたそうで「この様な方が居られるから歌舞伎が安泰」と書いておられました。たまに東京の舞台で拝見するだけの京蔵丈ですが、松井さんと仲良しなのをこのブログで知り、それ以来注目していますが、なんだか嬉しくなりました。
投稿者 お : 2008年07月09日 22:40
同じ中央図書館の利用者ですが、ちょっと難しい本になると途端に無くなってしまうのに落胆しています。「キケロー選集」がないのは仕方ないにしても、石原慎太郎の本までほとんどなし(「わが人生の時の時」を探しに行ったのですが)というのは残念。でも、松井先生の本は結構あるので許しますが。
投稿者 十次郎 : 2008年07月10日 21:19
2008年07月09日
五右衛門ロック
新宿コマ劇場で劇団☆新感線の「五右衛門ロック」を三村さんと一緒に見た帰りに近所で食事。
もともと古田新太のファンだし(わが家の近所でよくすれ違う(^^)/、なんたって今回は北大路欣也という大物ゲストが出演とあって見たのだが、台本はあきらかに失敗作の部類で、そもそも石川五右衛門を主人公にする必要があったの?という感じだったのだけれど、カブキ的なハメ書きで北大路をはじめ森山未來や江口洋介、松雪泰子といったゲストをフィーチャーし、ヘビメタやバラード系はもちろんポップス、演歌調まで交えたロック???ミュージカル仕立てでそれなりには楽しませてくれた。ことに森山未來のダンスはなかなかの見ものだったし、北大路がその圧倒的な存在感を見せつけてコマ劇場ならではの二重回転ゼリを使って退場するラストシーンは感動モノといえるかもしれない。それにしても北大路欣也はまだ顔も声も年齢的な衰えをほとんど感じさせないし、ナマで見るとやはりカッコイイのである。
ところで鳴り物入りで始まって今日あっさり終幕したらしい洞爺湖サミットは、石油や食糧不足にしろ地球温暖化の問題にしろ、せっかく各国の首脳が鳩首談合したにもかかわらず「どう考えてもこれから僕たち大変だよね〜」「いや〜ほんとにちゃんとしなくちゃいけないよな〜」「でもやっぱ仕方ないんだよね〜」といった結局は大がかりな井戸端会議に終わったんでしょうか……(--);
コメント(2)
「五右衛門ロック」私も今月鑑賞予定です。
北大路欣也さんを舞台で観るのは、高校生以来(現在52歳)
たしか〜国立劇場で劇団四季公演の「絵師金蔵」?でした。
その時も凄い存在感で圧倒された記憶があります。
それから先日「かもめ」を観ました。こちらも若いときに
観た記憶がありますが、まったく違った話に感じました。
俳優さんや演出家の違いもあると思いますが、自分が変わったんだなぁと実感しました。(年をとり母親になりで)
若いころはとても悲しい話と感じていたものが、なんだか滑稽で喜劇ではないかと感じる部分もありました。
投稿者 オグロ : 2008年07月11日 12:00
サミット あんなものいらない!の中にはいるのでは?誰かが全ての物には寿命があるなんて言ってましたがオリンピックとサミットはもう寿命がつきとのでは?(スポーツ好きな方ごめんなさい!私運動神経ゼロのスポーツ音痴?ですのでーーー)
投稿者 ねこ : 2008年07月11日 21:49
2008年07月10日
木の子の焼きそば、冷製ナス、アスパラガスと海老のバター焼き
お茶の稽古の帰りに麹町の「文字平」で食事。
今月の稽古はやはり七夕をモチーフにした茶器が使われていたのだけれど「そういうたら今朝子ちゃん(と先生は54歳の私をつかまえて呼ぶ(笑))七夕の日ィにコクーン劇場に行った?」と訊かれて、なんで知ってるんだろう?と思ったら、稽古に来られているIさんがその日たまたま近くの喫茶店で外を見てらして「井上ひさしさんがバーッと走っていかはったら、そのあとを今朝子ちゃんがバーッと追いかけていかはったて言うたはったえ」とのこと。人間どこで誰に見られているかわからないからコワイ!誤解がないように付け加えておくと、私は別に井上氏を追いかけていたわけではなくて(笑)、たまたま劇場に入る時間が一緒だったのでしょう。
2008年07月11日
三本木農業高校、馬術部
10月にロードショーされるこの映画のプレミア試写会に招待されたのは、私の乗馬好きが関係者に知られたせいでしょうか(^^);とにかく馬好き必見!!!の映画であることは間違いありません。本物の出産や子別れのシーンを見るだけでもウルウルしてしまいます。主演の長渕文音を(剛の娘デビュー)はじめ馬術部員に扮する若い俳優たちはみな乗馬経験0の段階から、わずか8ヶ月くらいの猛特訓を経て障害で120センチのバーを越えるまでに上達し、全編スタントなしの撮影で実話ドキュメンタリーの魅力が失われずに伝わってきます。BGMも押尾コータローのアコースティックなサウンドがぴったり!
ただ別に馬好きでなくても、実在の農業高校を舞台に四季を織りなす長閑な日本の田園風景をじっくり撮りあげた映画をこういう時代に見るのって悪くない気がします。もし私にいま中学生くらいの子どもがいたら、いっそこの高校に進学させたいと思ったかもしれません。佐々部清監督が試写後の舞台挨拶で「とにかく本当の豊かさとは何なのかということを考えて撮った」と言われた通り、自然との豊かなふれあいがあれば人間そうそう病まなくて済むんだろうなあ、というようなことをひしひしと感じさせられる映画でもあります。また「農業」というテーマも今やトレンドな魅力を感じ
てしまいます。
地味な映画のわりに試写会場がパークハイアットHのボールルームというなんだか変にゴージャスな空間で、招待客もいわゆるギョーカイ人ではなく良家のご婦人といった感じの方々がけっこう多かったのも、あるいは今この映画が受けそうな客層を意図的に狙い定めた上でのものかもしれない、などと妙に穿った見方をしてしまいました。
2008年07月12日
鰺とキュウリの甘酢生姜和え、胡麻豆腐
和え物は前にQPで見た料理。市販の甘酢生姜を使ったカンタンな和え物。鰺は塩を振って、しばらく置いてから酢で洗うのがポイント。おろすのが邪魔くさければ刺身を使ってもいい。女子バレーワールドGP二本VS中国の試合を見ながら食事。ウーン、中国はやっぱり粘り強いしアグレッシブなチームでした。
東京はこのところ熱帯のスコールのような通り雨に見舞われていて、昨日乗ったタクシーの運転手さんからは「東京は昔こんな雨なかったよねえ。(地球が?)壊れちゃってるって感じかひしひしするよねえ」との発言があったが、今日は買い物帰りにもろ直撃されたのである。
三茶の交差点でぽつぽつ来はじめた時点では、傘を持ってる人も持ってない人もバーッと一斉に駆け出すのを見て、たしか広重の浮世絵にこんな風景があったよな〜なんて呑気に構えていたが、それから急に雨脚が強くなったので、やむなく近くにあった上島珈琲店に駆け込んで雨宿りするはめに。店内は当然ながら込んでいたので、パンチパーマ風の見知らぬオバサンと相席になり、なんとなくおしゃべりをしてしまった。「ここは前ドトールだったでしょ。あれはこの土地の持ち主がやってたのよ」とオバサン。「へ〜そうだったんですか。けっこう繁盛してたのに、なんで店が変わったのか不思議だったんですよ」と私。「結局自分でやってたら儲からないらしのよ。パテント料をごっそり取られて、人件費もバカになんないし。だからもう自分でやんないで貸すことにしたんだって」「は〜、そうなんだ」とまた私。「今は自分が働いてたら儲からないのよ。何もしない人のほうがお金が入るのよ。ここの店の子なんて、みんな安い給料で働いてるわけでしょ。パテント貸ししてる人がみんな持っていっちゃうのよ。ヘンな世の中よねえ」と、かつて自分で喫茶店をやってたというオバサンはなんだか物凄く根本的な告発をなさったのである。
要は何もしないでお金を儲ける人のお金がどんどん投機マネーに流れて地球をむちゃくちゃにしちゃうんだろうか?なんて考えながら家に帰ってみたら、ベランダに干した洗濯物がむちゃくちゃになるどころか、乗馬ズボンとパジャマのパンツが吹き飛ばされて、どこにも見あたらないのでした(;。;)
2008年07月13日
オムライス、シーザーサラダ
乗馬の帰りに東急レストラン街で食事。
「今日の馬はみんな伸びてましたね」というのが最初のレッスンを指導した女性インストラクターKさんの感想で、そりゃァこの暑さだから人も馬も伸びちゃうよね〜なんて話じゃなくて、馬は頭を立てて全体に短く縮んで見えるほうがいい状態なので、頭から尻までまっすぐに長く伸びてる状態はイカンのだそうである。で、今日の馬はなんで伸びちゃってたのかといえば、やっぱり暑さでバテてたからでしょう。おまけに私が専用馬にしたデカ牡馬は最初に私が乗って、次に別の人が乗り、その次にまた私がという風に全く休みなしのに3連続騎乗されてバテバテの空腹状態の上に馬の血を吸うハエにたかられてもうすっかり集中力をなくしていて、最後のレッスンは全く走ってくれず、こっちもバテバテでした(-.-);もっともお昼はMさんのご案内で近所にある昔ながらの蕎麦屋でボリュームたっぷりの手打ち蕎麦と揚げたての天ぷらを食べてたのでエネルギー切れにはなりませんでしたが、きょう1日でボトル入りの清涼飲料水を3本もあけてしまうくらい汗をかいたのは確かです。
たまたま馬の洗い場で隣になった児童書関係の出版社取締役のTさんに、「こないだブログで私たち出版関係者にいいご提言を戴いてありがとうございます」と言われたのは7/8付で書いた例の「マンション図書館構想」の件で、ブログ上にも皆さまからさまざまなご投稿を戴いて、ああ、やはり今の図書館に関して問題意識をお持ちの方は少なくないんだなあと改めて痛感しました。
ところでこの日のブログの内容とは全く関係ない投稿を寄せてくださった「ミキ」さんは中高時代の親しい友人で、個人的にメールのやりとりをした結果、長らくみんなから行方不明だと思われていた原因もわかり、やっと同級生名簿に載せられるようになったのですから、ブログには思わぬ効用があるものですね(^^)/
2008年07月14日
茄子の利久煮、鶏の照り焼き
QPで見た料理。茄子は縞目に剝いて出汁、酒、みりん、醤油、砂糖少々で煮て、片栗粉でとろみをつけ、すり胡麻をかけて仕上げる。冷やしても美味しいかも。鶏肉は表面をぱりっと焼いてから味付けするといい。
ここ連日TVの報道番組では大分県の教員採用をめぐる汚職事件が取りあげられているが、私自身は教職も取らなかったし、子どももいないので、正直言ってこれまで学校の先生にはどんな人がなってるのかという興味すら持ったことがなかったのだけれど、今日のNHK7時のニュースで「教師には世襲が多いから」という発言があって、それはすでに世間の常識なんだろうなあと思いつつ、へえ〜そうだったんだ〜と呆れてしまった。
そもそも人から師と仰がれるべき人物がそう沢山いるはずはないので、近代を出発点とした学校教育というものに過度な期待をしてはならないし、すでにその本来的な使命は終了していると私は常々思っているが、近代を出発点にしているからこそ、議会の議員と学校教師は「世襲」からほど遠い存在で本来あるべきはずだったのではなかろうか。なぜなら「世襲」というシステムは狭く閉じられた社会を維持するのに有効な方法であり、閉じられた社会での特殊なコミュニケーションで成り立つのに対して、議員と教師はより広く普遍的なコミュニケーションを目指した職業だからであることは今さらいうまでもない。はっきり言って、まさかそんな人ばかりではないと信じてはいるけれど、ひょっとして親の職業以外の職業が思いつかないほど好奇心や発想力に乏しい人が議員だの教師だのになられてちゃたまらんぜ!という気持ちになりました。
コメント(2)
"議員と教師はより広く普遍的なコミニュケーションを目指した職業”なんでしょうね。
我家の主人の親戚には公務員、教師、それも障害児教育に取り組んだ方も数名居られますが、親戚内での評価「あそこは教師だから、世間一般の常識は通じない」と言うことになっています、苦笑。
親戚うちのお世話、行事よりも御自分のレジャーを大切にされますが、所謂利益に結びつく事には何をおいても参加されますが、その時だけは「何事も平等にするべき」と主張されたり、不思議にどの方もなんですよ、笑い。「先生と呼ばれるほどの馬鹿でない」という言葉がありますが、自分の子供は言うに及ばず、知人の子供でも「教師」にさせようとされますし、その伝手は何方もお持ちですよ。今回の事件、多分当事者達は「何でこんな事で騒がれるのか」と思っておられるんじゃないかな?と昨夜も家族で話していた所です。親戚を見回すと「好奇心や発想力に乏しい人」が教師をされていますよ、苦笑。確かに師と呼ばれるに相応しい人が多くいるわけでは無いですから、日本の教育問題もドン詰りなのかもわかりませんねえ。
投稿者 お : 2008年07月15日 21:55
はじめまして、いつも楽しく拝読しております。
先生といえば、大学の先生は昔から世襲の多い職業ですよね。
私は学校に関わる仕事をしておりますが、「より広く普遍的なコミュニケーション」はあまり必要ない、むしろ、俺の話を聞け!と思っておられる先生のほうが多いような気がします。もしかすると、先生と呼ばれるうちにそうなるのかもしれません。
投稿者 namiko : 2008年07月15日 22:17
2008年07月16日
カニ肉ののカクテル、フォアグラのソテー、ホワグラのマナガツオのポワレ、ラムチョップほか
集英社の音田笑ちゃん、横山勝氏、スラッシュの進藤さんと一緒に富ヶ谷のフレンチR「ル・ボヌール」で会食。この店ははどの料理も美味しく食べられて、非常にリーズナブルなのでオススメします!
集英社の大人事異動で「小説すばる」の担当者が笑ちゃんから横山氏に変わり、今日はその顔合わせをかねての会食だった。たまたまB社がやってるA賞N賞決定の日と重なっているので、大丈夫なのかしら?と思ったのだけれど、今回の候補者にはお二人の担当がなかったので別に構わないのだそうである。そんなわけでつい1年前のことが想い出されて、あのときは本当に大変だったよね〜てな話になりました(^^);
新担当の横山氏は「集英社の阿部寛」という触れ込みで、実際は阿部寛には似てないが、舞台でよく見る役者の誰かにスゴク似ているという点では進藤さんとも一致して、それが誰だか喉まで出かかって想い出せないまま時間切れでお別れしたのがザンネンでした。16年間青年漫画誌の編集者として腕を振るってこられた方だそうなので、かつて青少年漫画誌を毎週10冊以上も買っていたほどの漫画好きの私としても色んな漫画の話をしたのだけれど、なんといっても驚いたのは高校も中学も進藤さんの後輩に当たる!というのがわかったことである。おまけに笑ちゃんのお父さまは進藤さんの大学の先輩ということもわかり、世間は狭い!をまたまた実感させられた一夜であります。
2008年07月16日
たこ飯弁当、ひじきサラダ
整体治療の帰りに東横のれん街でゲット。
このところ東京は非常に蒸し暑いのだけれど、私はまだ冷房を入れずに過ごしている。京都生まれのせいか寒暑には比較的耐性があるほうで、おまけに今通っている整体治療院で汗だしのデトックスをするようになってから余計に暑さには強くなった。といっても仕事の能率はあきらかに落ちるので、今年は来週の月曜日から八月いっぱいまで軽井沢の貸別荘で過ごすことにした。なにせ海外旅行には当分行けないくらい仕事が詰まっているし、その分をまわすつもりで貸別荘の借り賃に充てる気になったのである。涼しいところなら別にどこでもいいのに、軽井沢という、なんだかめちゃスノッブな場所にしたのは、もし何かあったときは東京に帰って来やすいことと、向こうに常住なさっている方を知っていて、その方にリーズナブルな物件を見つくろってもらえたからである。今年から光ファイバーも普及したらしいので、原稿もメールで送れるし、ブログもできるとあって、関係資料はかなり向こうに送らなくてはならないにしても、仕事上の不都合はほとんど生じないはずだ。
思えば作家なんてどこでもできる商売だから何も都会に住むことなんてないのだけれど、私は生まれてこの方ずっと町場で暮らしていて、夜にネオンの見えない環境なんて考えられなかっただけに、今回はそういう場所に住むのが平気かどうかの実験でもあります。
2008年07月17日
ビーフストロガノフ、ブロッコリーと鰯缶の和え物、トマトとキュウリと生ワカメのサラダ
ビーフストロガノフはお中元の缶詰。大家さんからもらったブロッコリーで作った和え物は前にTVで見た料理。さっと塩茹でして鰯缶と合わせて火を通し、山椒を振って仕上げるインスタント料理。明日と日曜日は外出するし、来週早々からしばらく家をあけるので、サラダは冷蔵庫を整理した産物です。
出かけるまでにキリのいいところまで執筆したいという気持ちもある一方で、パソコンの設定をすべてモバイルに移し替えないといけないので、今日は夕方からそれに取り組んだが、案の定うまくいかなくてイライラしている。フラッシュメモリーを使って移動を試みるも、原稿やメールアドレスはなんとかなったけれど、辞書変換の引き継ぎが全くダメ(-.-);この手のことでは毎度悩まされていて、PCも便利は便利だが、余計なやることが増えてしまって、結果人類はちっともラクになってない!というのが個人レベルで実によくわかるのでした。
とにかくPCの普及によってある意味では何でもカンタンにできるようになっちゃったもんだから、色んなものがど〜っと増えてしまったのもここ十年の傾向で、今日はコンビニに清涼飲料水を買いに行って、その傾向にますます拍車がかかり、結局のところ何も残らなくなってしまうという事実に改めて暗然とした気持ちにさせられたのだった。それにしても食品業界の落ち着かなさ加減は凄まじい。去年気に入って飲み食いしたものを今年手に入れるのはだんだん不可能な感じすらしてしまう。もっとも自然の食料だって、魚にしろ、穀類にしろ、先行き不安は甚だしいわけだし、生物の生存に最重要な食べ物関連が異常な事態に陥りつつあるというだけでも、人類そのものの先行き不安は拭いようもないのでした。
コメント(2)
とても迷い、遠慮していたのですが、軽井沢、ゴミ出しのこと(分け方と出し方が東京と「大違い」)を、もしご存知なければ、いらっしゃる前にお確かめになった方がいいと思います。
貸別荘の管理サービスに戸別ゴミ収集が含まれているのなら安心ですが、ふつうは個人がクルマのトランクに積んで、町指定ゴミ収集場まで何キロも運んで捨てに行かされるので、出かけたくないのにゴミのために出なければなりません。(私は有料の代行業者にゴミ収集を依頼)
うちでは京都=川上と松八重なので、遭遇なさるかもしれない驚きが他人事に思えません。
投稿者 ウーピー : 2008年07月18日 06:58
お知らせ戴いてありがとうございます。さっそく問い合わせてみます。
投稿者 今朝子 : 2008年07月18日 08:31
2008年07月19日
生ハムと野菜のサラダ、海老のフリッター、蟹グラタンほか
東池袋のアウルスポットで子供のためのシェイクスピアカンパニー公演「シンベリン」を文春の内山さん、山口さん母子と一緒に見て帰りに近所で食事。
子供のためのシェイクスピアカンパニーは大人が見ても十分面白いという評判は以前から聞いていて、今回は内山さんのお誘いで、山口さんとお嬢さんの絢子ちゃんのお相伴に与るかたちになった。「シンベリン」は見たことのない芝居だったのでその興味もあったのだが、色んな要素がギッシリ詰まり過ぎるほど詰まったストーリーなので、大仰に上演されたら参ってしまうところだけれど、8人の役者が早替わりで何役も演じて極めて軽快なテンポで進行するので少しも見飽きることなく本当に大人も十分楽しめたのである。役者は元「青い鳥」の伊沢磨紀や「花組芝居」の佐藤誓のほかは正直いって知らない人ばかりとはいえ、どの人もセリフがきっちり伝わるし、キャラが魅力的に立ちあがっていて、その点においても山崎清介の演出は高く評価できる。夜の公演だとはいえ、客席に子連れはちらほらといった程度で大半は大人連れの観客で占められていたのもひそやかなファンに支持されているからだろう。次にまたここが何か珍しいシェイクスピア作品を上演してくれたらぜひ見たいという気持ちにさせられた。
山口さんちはとてもステキな親子関係が窺えたし、絢子ちゃんも人見知りしない可愛らしい性格で、食事しながらいろいろと話せてこちらのほうも楽しかったが、おかしかったのは小学生なのにお母さんの職業がら作家の名前をたくさん知っていて、電車の中で編集長ごっこの遊びなんかもやっちゃうんだそうで、まさに門前の小僧はだしの末おそろしい御子様でした(^^)/
2008年07月19日
サボテンとトマトのサラダ、ニンニクのスープ、エンチラーダ、メキシコ風チキンローストほか
スラッシュの進藤さんと一緒に三茶のメキシコ料理店「メチャリブレ」で食事。ここはカジュアルなカフェスタイルで、そこそこ本格的なメキシコ料理をリーズナブルに味わえる。特にチキンローストのライス添えはオススメだ。食後のメキシカンコーヒーも美味しい。
しばらく自宅を離れて仕事をするとなれば、参考資料をどっさり向こうに送ることになって、今日は朝からその荷造りに追われていたが、それよりも重要なのが現在使用中のパソコンのありとあらゆる設定をモバイルにお引っ越しさせることで、これが毎度なかなかすんなりとは行かないのである。お引っ越しツールを使ってメールアドレス等はわりと簡単に移せたものの、一番肝腎なワープロソフトの辞書の引き継ぎがどうも巧くいかない。
時代小説を書くには「ワード」レベルのソフトではとても無理だから、私は「ワード」よりもはるかに日本語に堪能なジャストシステムの「一太郎」シリーズを長年愛用して、固有名詞や特殊用語をふんだんに盛り込んだユーザー辞書を作り上げており、それが巧く引き継げないと一字一句の変換がめちゃめちゃ面倒になって、執筆の能率がガクンと落ちてしまう。というわけで今日はついにPCに強い進藤さんにユーザー辞書の引っ越しをお願いしたところ、拍子抜けするくらいに巧く行って万々歳だったのだけれど、一太郎2007は製品のCD=ROM内にバックアップ機能がちゃんと入っているのに、そんな大事なことがマニュアル等で前面に出てこないから、まるでわざと隠してるみたいに素人には使うづらいので、「ジャストシステムって一体ナニ考えてんのかしら」と進藤さんはぼやくことしきりだった。もしこのブログをご覧になる方の中にジャストシステムにお勤めの方がいらっしゃったら、是非この件について社内で問題にして戴きたいもんであります。ともあれこれでPCは万全だし、あとは向こうでランの設定をし直せばメールもブログも通常通りで、仕事に差し支えはないはずだから、編集者の皆さまどうぞご心配なく。
2008年07月20日
サワラの西京漬け、海老とブロッコリーの炒め物、茄子の南蛮漬け、野菜サラダ
乗馬の帰りに近所の総菜屋でゲット。
今日は朝1本のエッセイを入稿したあと、この期に及んでまだ乗馬に行ってしまう私だったが、さすがに1鞍で引き揚げました。それにしても猛暑だから馬も多少キレ気味で、ラチをわざと後ろ足で蹴飛ばして倒すのやら、つまづいて人を落としそうになるのもいたなかで、わが専用馬のデカ男クンはへばりながらも健気に走ってくれたので、厩舎にもどしてご褒美のニンジンをやろうとしたら、次に騎乗する人が早くやって来てそうもならず。せめてバケツに水を汲んでやろうとしてもそれは拒否。代わって自分が飲んでいたポカリスエット系の飲料を掌で与えたら歓んで飲んだので、残り全部をバケツに入れて飲ませたやった。水は飲まないのにポカリを歓んで飲むのはやっぱり躰にいいのが本能的にわかるのだろうか。
ところで往きは送迎バスの発着所のすぐそばでボヤ火災があって、消防車が2台来て消火活動に当たっており、バスが目に見えるところまで来ながらクルっと向きを変えた。こちらはそれをただぼんやりと見送るはめになり、仕方なくタクシーでクラブに向かいながら、へえ〜、こんなこともあるんだ……と何だかヘンに感心していたのだった。
別にそうたいしたことではないが、ちょっとした不測の事態で決まり切った展開が多少変わるという、この手の経験を私はけっして嫌いなほうではないのだった。その昔BAでダブルブッキングに巻き込まれてロンドンのヒースロー空港で足留めを喰ったときも同様にふしぎと面白く思えたもので、自分にとって現実的に有利か不利かを問わず、へ〜こんなこともあるんだ…という気持ちにさせられたら、人生飽きなくていいんじゃないか。なんて常々思ってるせいか、へ〜こんなこともあるんだ……という展開がこれまでの人生に比較的多いような気がするので、明日からの軽井沢ライフもどんな顛末になるやら心配でたまりません(笑)。
2008年07月21日
豚肉と野菜のホットサラダ
今日からいよいよ軽井沢ライフのスタートだが、今回は昨日書いた「へ〜こんなこともあるんだ……」のとても良いバージョンでホクホクしている。お茶の阪本先生の姉婿にあたる星野さんがずっと軽井沢にお住まいなので、どこかリーズナブルな貸別荘がないでしょうかとご相談して、地元の不動産屋の仲介で借りた住まいはいわゆる旧軽銀座から歩いてすぐのところなのに、目の前には近衛邸の森が広がっていて非常に閑静なのである。収納が多い2DKで、かなりちゃんとしたお風呂があって、台所はIHクッキング完備。洗濯機もあるし、寝具や寝間着タオル類、食器等々すべてそろっていて、コーヒーやお茶まで用意され、まさに到れり尽くせり状態。もちろん無線ランのアクセスもOKの環境なのでこうしてブログも更新できるのだった。
私は以前「奴の小万と呼ばれた女」を書くに当たって、大阪のリースマンションを借りてひと月暮らした経験があるのだけれど、料金はそのときと全く同じだから、こんなに快適な暮らしができるとは夢にも思わなかったので、星野さんには大いに感謝しなくてはならない。今日はその星野さんに到着早々クルマで軽井沢一のスーパーツルヤにご案内戴いて食料品をごっそり買い込んだ。軽井沢は物価が高いというイメージがあったけれど、三茶で暮らす私が見ても野菜はかなり安い。内陸のわりにスーパーに並ぶ魚も意外と新鮮で、星野さんの話だと太平洋と日本海の両方から入ってくるのでけっこう恵まれているのだそうである。
こちらに来てもできるだけふだん通りに暮らすつもりとはいえ、歩いて毎日スーパーに通うのはちょっと大変かも?で、QPメニューは無理だし(笑)、調味料もそう沢山の種類は揃えられないから、シンプルな献立になるのはやむを得ない。今日はツルヤで安かった黒豚ヒレ肉と茄子、アスパラガス、椎茸、長ネギを炒めてツルヤ特製のバジル&レモンドレッシングをかけただけだが、素材がいずれも美味しいのでGOOでした。
いつもと変わらぬブログの料理写真を見て、ホントに軽井沢に行ってんの?とお疑いの向きもあろうかと存じますので、明日は部屋の窓から見た風景も載せようかと思っております。
コメント(2)
今朝子さま
最近暑さにめげてめっきり日曜日にクラブへ行かなくなり
お会いできていませんが、軽井沢長期滞在とは羨ましい限り
です。
スーパーツルヤの品揃えは凄いですよね。
また軽井沢はお肉屋、パン屋等もとても充実しているので
自由時間にいろいろ探索してみてください。
お勧めは旧軽井沢の「ブランジェリー浅野屋」です。
特にここの「フルーツライ」はドライフルーツ一杯の香ばしい
パンで、私の大好物ですが、お勧めです。
お店についているレストランもおいしいですよ!
投稿者 モイラ : 2008年07月21日 22:46
よかった、それほど完備なら、ゴミについても至れり尽くせりでしょう。折角の避暑に水をさしたようで、恐縮です。
察するにとてもご近所で、苔の盛り土だけの境界線や土の道が残る稀少エリアを、短い夏の間、りんごの一齧りのように味わって戴ければ嬉しいです。(ただ、鹿島の森でもクマが出た事があるのでご注意をーー土地の人の情報は、映画「ジョーズ」と同じ面あり)
また、土地の方が近くの「マツヤ」でなく、あえて遠い鳥井原の「ツルヤ」を案内なさったのがビックリで、ドングリの背比べのようで妙に面白かったです。
投稿者 ウーピー : 2008年07月22日 00:58
2008年07月22日
ソーセージとジャガイモのオリーブ油炒め、茄子の生姜焼き
写真上段は窓から見た景色で、写真中段は道路をはさんで真向かいにあるの近衛山荘である。こんな環境なので早朝から蝉に叩き起こされるに違いないと思い、昨夜は早い目に就寝したが、幸いまだにぎやかなミンミン蝉や油蝉のシーズンには早かったようで、夕方から夜にかけてヒグラシが聞こえるのみ。昼間は色んな小鳥たちがかしましく鳴いている。
軽井沢も年々暑くなっていると地元の方はおっしゃるけど、どうしてどうして朝晩はしっかり窓を閉じて上布団をかけないと風邪をひきそうだし、昼間も木陰はひんやりして風が吹けば半袖だと肌寒く感じるくらいである。というわけで東京の皆さんにはゴメンナサイして朝からせっせと原稿を書き、仕事が一段落してから散歩がてらウーピーさんご紹介のスーパーマツヤにも、モイラさんご紹介の浅野屋にも行ってみました。浅野屋には朝焼きたてのパンをすぐ買いに行ける距離だし、マツヤのほうは品揃えは確かにツルヤに負けるとはいえ三茶のスーパーより充実してるし、別に毎日でも行けない距離ではないので大いに助かったという感じだ。
それにしても、この貸別荘を仲介してもらった女性にマツヤの場所を訊いたら「歩くのはちょっと大変かもしれません」といわれて、どんなに大変かと思ったら、あっという間に着いちゃったので拍子抜けもいいところ。そこから取って返してこんどは逆に旧軽銀座を北上し、つるや旅館まで歩いてもそんなにたいした距離ではなかった。どうも普段クルマに乗ってる人は歩くのが苦手なようだが、私は江戸時代の足弱な人くらいには平気で歩けるのである。なぜ「足弱な人」と限定するかといえば、昨日書いた「奴の小まん」の取材で大阪の町を見て回ったとき、朝9時から夜の8時くらいまで連日歩き続けていたら、10日目の深夜、就寝のさなかに大腿部が原因不明の大激痛に襲われて、翌日は寝たきり状態で、以来、江戸時代の人の健脚ぶりにはとても敵わないと思うようになったのであります(笑)。
コメント(2)
PCの画面越しにも、清浄な薄霧の漂ってきそうな、すてきな環境ですね。朝晩の涼しさなど、実家(東北)の夏を思い出しました。軽井沢ライフ、たっぷり満喫してくださいね! ちなみに、軽井沢に馬場は・・・
投稿者 ふみ : 2008年07月23日 00:05
昔、行楽を兼ねた馬仲間の集いで、何度か軽井沢乗馬クラブで乗ったことがあります。観光牧場的要素も多少はありますが、社会人乗馬サークルの夏合宿に使える程度には調教された馬が揃ってましたし、悪くないと思いました。外乗もやってましたし(当時は)、そちらにおいでになるうちに一度くらいお試しされてもよいかも(^。^)
投稿者 猫並 : 2008年07月23日 10:08
2008年07月23日
焼き豚しゃぶサラダ、トマトとキュウリのサラダ
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信州の黒豚にすっかりハマってしまった。東京のスーパーで売ってる薩摩の黒豚よりずっと安いし美味しいし、距離的にも近いから東京でもっと広まりそうなもんだが、まだ生産量が少ないのかもしれない。ともあれ今晩はその黒豚しゃぶしゃぶ肉と長ネギ、パブリカ、椎茸を炒めて大根おろしとレモンドレッシング、醤油を合わせたタレで和えた。
朝はウグイスがよく鳴いていて、「春告鳥」という異名はあっても、まあ年がら年中鳴いているのは鰆(さわら)が年がら年中海に泳いでいるのと同じなんだろうなあ〜と思いつつ、散歩をしてたら紫雲英(げんげ)の花をたくさん見かけて、やっぱり春なのかしら?という気にもなるほどだが、今日の昼間はそこそこ蒸し暑いと思ったら、今夏一番の暑さを記録したらしい軽井沢である。もっとも夕方からぐっと冷え込んで、先ほどは急に雹?のようなものがバラバラっと屋根を賑わしてびっくりさせられました。
それにしても舗装道路を通るのと土の道を歩くのでは体感温度がゼンゼン違うし、同じ気温でも樹木のまわりは本当に涼しいので、とにかく都市部の緑地化を推進するのがヒートアイランド現象を阻止する何よりの特効薬だというのを改めて実感する次第。
2008年07月24日
鰻の蒲焼き、焼き茄子、オカヒジキとキュウリの酢の物
軽井沢にありそうでないのは鰻屋である。新軽で一軒だけ見つけたが、ビストロ風の外観で、とてもまともな鰻を喰わせる店には見えなかったのでパスした。で、結局はスーパーマツヤで国産表示をホントかな〜と疑いつつもゲットした次第。こちらの人は鰻を食べる習慣があまりないのだろうか?
それにしても旧軽銀座はここが「京都の清水参道です」といわれても、「木曽の馬籠宿です」といわれても、「北海道の阿寒湖です」といわれても、「はあ、そうですか」とうなずいてしまうくらいで、観光地は何故どこもかしこも同じような商店街ができてしまうのか。そこに反映される民意って何なんだろう?な〜んて偉そうなことを、土用の丑の日にどうしても鰻を食べようとする私なんぞが言えた義理ではありませんでした(笑)。
かくして今日は鰻を求めて三千里ではないけれど、旧軽、新軽、中軽と歩き回って軽井沢主要部分の大まかな位置取りは呑み込めた。この間ただひたすら歩きっぱなしでお茶もしなかった。私にとってはお茶するほど疲れてしまう距離ではないのである。軽井沢に来て入った店はスーパーと浅野のパン屋だけで、すぐ隣が美味しいサンドイッチ屋と聞いているのに、まだそこにも入っていない。コーヒーは大家さんがご用意くださったロイヤルコナがとても美味しいし、スーパーで買った地元の蕎麦もそこそこ味がいいので、観光客相手に値段を高くしている店には入らなくて済み、朝昼晩全食自炊で事足りている。東京ではブランチと夕食しかとらなかったが、こちらでは朝は6時から仕事をしてるので、朝はしっかり蜂蜜トーストとベーコンエッグを食べている。今回でそもそも自分にはシャレたカフェでお茶する趣味はないのだということに改めて気づいた。とにかく昔からものを考えながらただ歩いているのが好きなので、残念ながら女性誌に特集されるような情報はとても皆様にお届けできないのであります(^^);
ところで昨夜の地震は全く気づかずじまいだったが、人はいつどこでどんな目に遭うかわからないのが恐ろしい。今回の地震も発生確率の低い地域だったし、地震に関しては正直なところ用心のしようもないのである。旅先だと今こちらで自分が地震に遭ったら、と、もし自宅が地震に遭ったらという、二通りの心配をしてしまいます。
コメント(1)
レスを書き込むのがズレて大変申しわけ無いのですが。↓の「奴の小万と呼ばれた女」や「辰巳屋疑獄」を読みまして、5代前から大阪に在住し、祖父から古い大阪の事は良く聞かされて育ったつもりですが、なんと自分が大阪の町について知らない事が多いのだろうと思いました。松井さんが足で集められた膨大な史料があの本になっているのですねえ。今は大阪の南よりの市に住んでいますが、和泉市の横川が昔良質の炭の産地であったなんて全く存じませんでした。書く事はまず調べる事ですね。
余談ですが、今月の松竹座の7月歌舞伎「先代萩」の藤十郎丈の政岡、2度見せて頂きましたが、逸品でございますねえ。これからも一度でも多く演じて頂きたいと思いました。
投稿者 お : 2008年07月24日 22:35
2008年07月25日
オゴッソ
「オゴッソ」とは信州弁で「ごちそう」の意味だとか。今日はそれを店名にした創作和食のレストランで、お茶の阪本・星野姉妹の両先生に文字通りごちそうになってしまった。ここは別荘住まいの常連さんが気軽に使える店として繁盛しているらしく、観光客が飛び込みで入るのはちょっと勇気がいりそうな雰囲気ながら、マスターがなかなか面白い人で、料理もいろいろと工夫がされている。新鮮な野菜は素材を生かしたシンプル調理がなされ、刺身も活きがいい。ことに自信を持ってオススメされた蓼科産マーブルポークを使ったのカツレツは背脂の甘みが抜群でとても美味しかった。軍鶏はローストを戴いたが、すき焼きがここの名物のようで、隣の人たちが食べているのを見ても美味しそうだったから、滞在中に機会があればまた行きたいもんであります。
今日の軽井沢は日中かなり蒸し暑いと思ったらもの凄い夕立に襲われて、落雷のことが少し心配になった。星野さんにお訊きしたらやはりPCは危険だそうで、落雷が激しくなったら電源は切ったほうがよいとのことだった。
2008年07月26日
ジャガイモとソーセージのオリーブ油炒め、茄子と油揚げの煮物
昨日書いたブログに対してすぐに幻冬舎のヒメからメールをもらい、「オゴッソ」はどうやら社長がご贔屓の店だというのが判明して、よくぞ会わなかったものだと胸をなで下ろした次第だ(笑)。世間は狭い!と申すよりも、どこにでも業界人の好きな店というのがあって、実は昨日もある売れっ子の女性作家がいらしてたのであった。もっともお名前は存じ上げていても、マスターに教えてもらわなければ全然わからなかったところだ。そもそも私は自慢じゃないが、こちらで藤田宜永・小池真理子夫妻とすれ違っても気がつかないくらい作家の顔を知らない。演劇人の顔を憶えただけでメモリーフルの状態なので、小説家の顔まで憶えられないし、別に顔を憶えなくとも何の支障もないのが作家という職業の素晴らしいところだとひそかに思っているのである。
ところで今日は散歩中に初めてお茶したが、急に凄まじい夕立に襲われて、目の前の店に飛び込んだらKFCで、相変わらず安上がりな日常が続いている(笑)のだけれど、問題はそのあとだった。
家にもどったらケータイがなくて真っ青になり、近所の交番に駆け込んで落とし物届けを出すはめに。ふたりの若いお巡りさんはとても親切で、私が立ち寄った浅野屋やKFCにも連絡を取ってくださり、すったもんだのあげく、案外近くで見つかってほっとひと息。あ〜あ、またやっちゃいました(-.-);
2008年07月27日
カレー、アスパラガスの塩炒め、トマトとキュウリのサラダ
こっちに来ても日曜日はやっぱ乗馬でしょう(笑)というわけで、今日は昼からバスで山越えをして、浅間牧場に近い乗馬クラブに行った。旧軽にも有名なクラブがあるが、せっかくならついでに色んな景色も見たくて草津方面に向かい、途中、白糸の滝や峰の茶屋を通るコースがなんだか妙に懐かしいと思ったら、どうやら中学の修学旅行で辿ったコースと一緒なのである。ちなみに京都の出身者は他府県の方に「修学旅行は一体どこに行ったわけ?」とよくふしぎそうに訊かれるが、私の場合は小学校のときが浜松と静岡で、中学が軽井沢と日光、高校が山口県と北九州でした。
浅間山をバックにした乗馬クラブは広大で写真に収められたのはごく一部である。立派な室内馬場も設けられていて、馬は全30頭サラブレッドと中間種が半々くらいだろうか。オーナーのご夫妻は以前私がいま入会しているクラブにお勤めだったこともわかり、初対面でも親しみが持てたのは幸いだった。
ご夫人はかつて馬場馬術の選手だった方だが、私はその方にマンツーマンで指導を受ける形となり、相当に広い馬場をたった1頭でグルグル回って、1鞍だけでもかなりの満足感が得られたものの、ちょうど終了の頃にバリバリバリと雷が鳴り、馬は雷鳴に慣れてるようでも若干ひやっとさせられた。そのあと馬の手入れもしっかり洗うところまで教えてもらい、いざ2鞍目を乗ろうとしたら土砂降りになってきたので室内馬場に案内される。ところがなんとそこが落雷で停電する騒ぎになり、屋根に落ちる雨の音がまるでナイアガラの滝みたいだし、雷がそこら中にドンドン落ちてるし、野外のエンデュランス(馬のマラソン)にもよく出ているその馬はいくら平気だといわれても、乗ってる私のほうが怖くなって途中で降りてしまった。山中で雷に遭うとやはり恐ろしい。それにしても「ここまでひどくなるのは珍しいです」との話で、帰ってTVを見たら今日は全国的に荒天だったと知れて納得。もっとも今日ほどでなくとも夏場は午後から雷雨になることが多いらしいので、来週はもっと早めに行くことにした。
そんなわけで、帰りは浅間牧場で食事して帰るつもりがとても無理な状態だったから、晩ご飯は前にツルヤで買ったレトルトカレーで済ませました。
コメント(2)
ああ、やっぱり、高原にいらしていつもより馬に乗らないなんてこと考えられないと思ってましたー
調教の行き届いたいい馬で個人レッスンとは魅力的ですね。
軽井沢からだと小淵沢方面へ行ってもいいクラブがあると思うんですが、そちらに固定して通われるんでしょうか。クラブもインストラクターも馬も出会いだから。
投稿者 猫並 : 2008年07月27日 21:48
涼しい高原の広い馬場でマンツーマンレッスン。
最高の環境ですね。本当にうらやましい。
1鞍で、日頃のレッスンの数鞍分の価値がありそうです。
9月にこちらに戻って来られる頃には、レッスンクラス進級でしょう。
雷は、ちょっと怖いですね。近くに落ちた雷の音でびっくりた馬から落ちた経験があるもので....。
投稿者 M : 2008年07月28日 06:33
2008年07月28日
鴨の生ハム、蒸し野菜の盛り合わせ、生ハムのお寿司、レンコンのピッツア、アスパラガスのピッツァ、4種のチーズのピッツアほか
エッちゃんこと吾妻流の家元である徳弥さんが軽井沢に出稽古に来られて、夕食を済ませてから日帰りされるというので、星野さんご夫妻と阪本先生にお誘いを受け、南軽井沢の「エンボカ」でまたまた晩ご飯をご馳走になってしまった。ここは確か東京にもあるパンピザの美味しい店だが、エッちゃんが蒸し野菜の盛り合わせを気に入ってごひいきなのだそうである。いわゆるバーニャカウダではなく、ピーナッツバターをきかせたほんのり甘めのディップがなかなか美味しい。バーニャカウダなら離山通りの「スコーピオン」がオススメだといわれたので、機会があればチャレンジしたい。「エンボカ」で私が気に入ったのは鴨の生ハムとこってりした味わいの4種チーズのピザ。アスパラガスのピザも意外に濃厚な味わいだったが、レンコンのピザはジェノベーゼソースをきかせたさっぱり系。
今日エッちゃんから聞いて面白かったのは、畳の上で舞踊をすると非常に疲れるという話で、畳の目に足を取られまいとする力が自ずと入ってしまい、けっこう筋肉を痛めつけるらしいのである。板の間で踊るのとは体の疲れ方が全然違うのだという。そう聞いて、座敷舞に要するエネルギーというものは侮れないもんだと改めて思った。こういうことは実演する人の感覚でしかわからない貴重な話である。もっともお家元はここにちょっと書けない話も山ほど聞かせて東京へお帰りなったのであります(笑)。
コメント(1)
松竹座や歌舞伎座で翫雀丈や壱太郎さんが出演されている時は必ず劇場に数度来られて、御贔屓さんに深〃とお辞儀されているお家元を拝見し、なんと素敵な方だといつも思っています。着物の着こなしは当然ながら、身のこなし方が美しく、それでいて目立たず控えめにされておられる姿に感心させられます。
確かに滑らない畳の上の舞は腰に負担がかかります。教授さなる時は御自分も舞われるから大変ですね。ここではお書きになれないお話しに興味深々でございます。
投稿者 お : 2008年07月28日 22:02
2008年07月29日
ジャガイモとソーセージのトマトソースがけ
QP3分クッキングで見た料理。さすがにQP料理はできないと思っていたが、昨日たまたま見たのはこちらにいる私に是非とも作れといわんばかりのメニューだった。オリーブ油に玉ねぎとニンニクのすり下ろしを入れて電子レンジにかけ、そこにフレッシュトマトを刻んで入れて加熱し、塩、胡椒、オレガノで味付けしてさらにじっくり火を通したソースをボイルしたジャガイモとソーセージにかけるだけ。トマトとソーセージがとても美味しいのでGOOでした。
これも昨日たまたま見た朝のみのもんたの番組で、今年なぜか熱海と軽井沢がブームだというニュースを取り上げていて、浅野屋のパン屋に行列する人が映し出されていたが、ホントにテレビ局の人は私のブログをチェックしてるんじゃなかろうかと思うくらい(笑)、またしても賑わし神になってしまったようである。とはいえ旧軽銀座から歩いてものの3分とかからないご近所は至って静かで、近衛さんちを始めいかにも由緒正しい別荘が建ち並ぶ通りを散歩してたら、人っ子ひとり会わなくて怖くなるほどだ。とにかく人が住んでる気配が全くない別荘も多く、つまりは御用邸と同じように、古いのは建て直すのも面倒だし、別に売る必要もないから、放りっぱになってるんだろうか?と思うような感じである。
ところで私は別にテレビを見て料理をして散歩してるだけではなく、ちゃんと仕事もしてるので、今日は懸案だった10枚の掌編小説になんとか形がついたのでほっとひと息である。30枚、50枚の短編小説ならばともかく、果たしてどんなネタなら10枚の枚数に収まるかを考えるのがまず大変で、ずっとそれが気になっていたら、その間になんと3枚の掌編小説のご注文があって、こちらは現代物でテーマがはっきりしていたので先に片付けてしまった。で、10枚は迷ったあげくにやっぱり時代小説にして、まあ、こういうネタならなんとかなるかもと昨日から書き出して、今日ひとまず脱稿したものの、明日読み直したら、アチャー!こりゃダメだになるかもしれないのでまだまだ油断はできない。小説にしろ何にしろ、原稿は長くても短くても1本は1本で、完結させるには相当のエネルギーを要する。こちらではあと50枚短編の仕上げと同じく50枚の連載2本を書き上げて、エッセイを5本入稿し、その合間に新連載2本の構想を練りながら資料をたくさん読まなくてはいけないのであります(-。-);
コメント(1)
俊寛さまたちはどうなさっているのでしょう?
うちの庭にくるノラたちは涼しいところで
のびきっています
投稿者 天 : 2008年07月30日 10:17
2008年07月30日
フレッシュトマトとソーセージのパスタ、ジャガイモのサラダ
写真を見てもおわかりの通り、昨日の残りものをアレンジしただけです(笑)。
わが愚亀をご心配してくださる方もあるので今日はちょっとそのご報告を。
今暮らしている貸別荘はとても便利なエリアにあるし機能的でいいのだけれど、残念ながらペット不可。というわけで、以前から亀を飼いたがっていた京都の甥っ子に預けるかたちでこちらに来てしまった。ところが今年の京都は例年に増さる猛暑酷暑だから「あんまり暑うてビックリしてる思うわ。ベランダに出しっぱなしやと甲羅が燃えてしまいそうやから、昼間は冷房のきいた部屋に入れてやってんねん」という妹の話である。♀は暑さにもめげずガバガバ食べている様子で、♂はしばらく拒食を続けて最近やっと少し食べるようになったとか。♂は食べなくても元気は元気で、広いベランダを走り回って時には隣家にまで侵入しているという。ちなみに京都へは西濃運輸の宅配便で送った。生体を扱ってくれる宅配は少なくて、西濃の場合も営業所までこちらが持ち込んで、向こうでも営業所に引き取りに行かなくてはなりません。
ところで私は今の場所にずっと居続けるわけではなくて、8月10日以降は別の場所に移動しなくてはならない。もちろん同じ別荘をずっと借り続けていたかったのだが、夏の軽井沢は人気沸騰で先約が多くて新規参入はなかなか難しいのである。で、8/10以降の貸別荘はペットOKなので、妹の一家が遊びに来がてら亀たちを送り届けてくれる約束なのだった。
その別荘も同じ旧軽ながら愛宕山の中腹にあって、不動産屋さんの女性は「いいですよ〜下よりずっと涼しいですし」と仰言るのだけれど、私としては「あの〜今でも十分涼しいのですが……」と言いたいところで、昨日今日は日中でも半袖だと肌寒いほどなのである。「ああ、そうそう、必ずセーターをお持ちくださいね。朝晩は冷えますから。ストーブがありますので、それもお使いください」と付け加えられ、ええっ、それって涼しいんじゃなくて寒いんじゃん(^^);と思いつつ、35度前後の京都から20度前後の軽井沢に連れてこられる亀のショックを想像した。いきなり冬眠しちゃうかもしれません。
2008年07月31日
ホタテ貝と茄子の炒め物
一昨日のQPで見たレシピを参考に作った。茄子は縦に六等分して、テレビ通りに素揚げはできなかったが先に油通しをした。ホタテ貝は生姜汁と酒と塩で下味したが、片栗粉をまぶすのはカット。生姜、ニンニク、ネギのみじん切りを炒めて、豆板醤はカットして、茄子とホタテを炒め合わせ、酒、砂糖少々、醤油で味付け。レシピ通り完璧にはいかなかったけれど十分おいしくできたので満足している。こちらで調味料やなんかはどうしてるんだろう?とお思いかもしれませんが、軽井沢には私のような季節労働者が多いせいか、スーパーの売り場には、えっ、こんなのあるんだ!というようなミニミニ容器の調味料が沢山売られています。内陸とはいえ海鮮系食品は東京のスーパーに負けず新鮮だし、値段も三茶で見ていたのとそう変わりません。
ところで50万アクセス突破記念プレゼントには思ったより沢山のご応募を戴き正直ビックリでした(^^)/いろいろと暖かいコメントも数多く頂戴して、おひとりずつに御礼メールをお返しできないのは申し訳ない限りですが、本当に心より感謝しております。 芝居だと観客の顔が見えても、本は読者の顔が見えないので、こういう機会にコメントを頂戴すると励みにもなります。今後とも末永くご支援のほどよろしくお願い申し上げますm(_ _)m なお8/5には事務所スラッシュで抽選により当選者を決定し、当選された方には7日までにご希望の文庫本を問い合わせるメールが届く予定だそうです。