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2008年06月01日
すき焼き
けさは9時ジャストにNHK入りして、メイク着付け後にスタジオ入り。簡単な照明合わせと冒頭2、3分のカメリハ後に11時からいきなり「おーい、ニッポン」京都府特集の本番突入。12時からお昼の休憩を1時間を挟んで、その後は1度も休憩なしに午後6時までスタジオにカンヅメ状態でゲストコメンテーターを務め、さすがにグッタリして帰宅し、付き添ってくれたスラッシュの進藤さんと、米朝事務所の大島をお誘いして中目黒ですき焼きを食べた。すき焼きにした理由は番組をご覧になった方にはおわかりだろうと思うが、京都一のすき焼きの老舗「三嶋亭」の中継が入って、それが余りにも美味しそうだったからであります(笑)。
番組全体は24時間テレビの縮小版といった感じで、色んな中継を次々と切り替えて、その合間にスタジオでコメントするわけだが、切り替えをスムースに進行させるスタッフもさぞかし大変だったろうとは思うけれど、それをずっと見せられているこちらも目が疲れてしまった。おまけに抜きマドで画面に映るために、ぼーっとした顔もしてられないし、アナウンサーにふられるタイミングは必ずしもきちんと決まってるわけでもないのでずっと集中していなくてはならず、結局トイレにもいけなかった。ラストのふるさとラプソディーのメドレーでエンディング曲「あの素晴らしい愛よもう一度」の合唱が始まるとホッとして、要は目がウルウルするくらいに感動した?というよりも疲れ果てていたのでした(笑)。もっともあと3人のゲスト、大御所の津川雅彦さんはとても温厚に振る舞われていたし、清水圭さんは最初から場を盛り上げようと奮闘なさっていたし、途中参加のギャル曽根さんも非常に気を遣ってらしたから、スタジオ内はそこそこいい雰囲気で、私もなんとか無事に乗り切ることができました。それにしても素人にはかなりハードな番組で、「さすがにもうこんな大変な仕事はこないだろうからいいけどね」と進藤さんに話したら「あなたは毎回そういうけど、何故かその後もっと大変な仕事を引き寄せてしまう運命だから油断しちゃいけないわよ!」とのこと。24時間テレビの出演だけはお断りしたいものであります(笑)。
ところで楽屋にいたら、桂吉弥さんが訪ねてこられたのでビックリ!吉弥さんは「トップランナー」にご出演されて、楽屋でたまたま隣りの部屋の張り紙を見たら、そこに私の名前が書かれていたので、当然ながら向こうのほうがもっとビックリなさったに違いない、丁寧にご挨拶に来られたのであった。近ごろどこに行っても思いがけず知り合いに会ってしまう私であるが、今回は「おーい、日本」の中継のゲストに茂山宗彦さんが出てたので、「これって『ちりとてちん』包囲網って感じよね」と進藤さんは宣うたのでした(前回の朝ドラを見てないと全然わからないジョークですけど(笑))。
写真上はスタジオ風景で、下は「三嶋亭」ほどではないにしても、近場で食べて案外美味しかったすき焼きです。
コメント(1)
松井様、初めまして♪
昨日は、空から見る京都、食べ物(すき焼き・干しわかめ、賀茂なす?)、ラプソディー、etc・・・、楽しく拝見させていただきました。
中でも和菓子のお話はとても興味深く聞かせていただきました。源氏物語のクイズの決勝、和歌はちょっとね・・・(笑)?
1時から5時間、楽しかったです。
松井さんの(他の皆様もですが)コメントが素敵でしたので検索して、こちらに辿りつきました。
美味しそうなお料理のレシピが並んでいますね。真似させていただきます。
投稿者 東京子 : 2008年06月02日 22:32
2008年06月02日
賀茂なすの田楽、塩豚挽肉とキャベツのスープ(一昨日の残り)
昨日NHKでお土産にもらった賀茂なすをさっそく調理してみたが、甘みがあってとても美味しかった。ただし茄子特有のえぐみがほとんどなくて、その点はちょっと物足りない気もしたけれど、現代人の口には合いそうだ。もう一つのお土産はスタジオでも戴いた「丹後乾わかめ」という紙のように薄っぺらい乾燥わかめで、これもあっという間に一袋カラにしてしまった。ネットで取り寄せられるか、京都のデパートで手に入ったらいいのだけれど、無理かも。
食事しながらTVで見たのはワールドカップアジア3次予選日本VSオマーン戦。前半10分あっという間に中澤がヘディングシュートを決めて、次いで闘莉王から受けた大久保がゴール。後半戦が始まるとすぐに俊輔がミドルシュートを決めてくれて3対0で圧勝。素人目にも、ボール回しが全体にスピーディーでダイナミックに見えて危なげない試合運びだった。欲をいえば最後のほうがまたスタミナ切れなのか、いささかおとなしくなった感じがした。ともあれこの調子で無事に予選通過を果たしてほしい。
昨日TVを見続けたせいか、昼間ワープロで原稿を書いていると、いつもの月曜よりも目が疲れたような気がしたが、今夜はまだこれからNHKスペシャル「ガラパゴス大異変」を見てしまいそうです(笑)。
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おーいニッポン、ビデオに録画して早送りしながらも、3時間かけて見させて頂きました。
早送りできないシーンが、食べ物ばかりという自分が情けなかったです。しかし、丹後乾わかめ...試食したかったぁ(笑)
午前の部の緊張した松井さんの顔に、4時間後のカメラ目線の笑顔の松井さんの顔。楽しませていただきました。
すき焼きの食べ方、地域によって違いますね。
ネギを先に焼いて香りを出したり、ザラメを使ったり...
以前、コーラを使ってみた事あります。度胸がいりましたが、以外と普通の味で拍子ぬけした事があります。
投稿者 M : 2008年06月03日 00:22
今日の徹子の部屋で田中麗奈さんが吉原読んでいると。私の今一番好きな女優さんが、偶然同じ本読んでいると知り嬉しい日でした。
投稿者 成田 : 2008年06月03日 01:33
田楽を源平(赤味噌白味噌)で仕上げるなんて、お父様のお仕事そのもの(笑) 素晴らしい!!
投稿者 板前 : 2008年06月03日 11:04
今朝子さまがたっぷり観られる!!どんなお話が聴けるかと、テレビの前でワクワクしておりました。とても素敵でいらっしゃいました。ファンとして、なんだか誇らしい気持ちになっていました(なぜか家族に自慢して・・・)。私の故郷にかつてSLで訪れられたことがあると聞き、とてもうれしかったです。幸せな時間をありがとうございました!(先日はお返事コメント頂き、大変感激いたしました。ありがとうございます)
投稿者 彩の女 : 2008年06月03日 17:36
2008年06月03日
豚肉とコンニャクのピリ辛炒め煮、賀茂なすの揚げ出し
炒め煮はQPで見た料理。まず干し椎茸を戻し、トンカツ用のロース肉を棒状に切って酒、生姜汁、醤油で下味をしておくこと。コンニャクの表面に格子状の切れ目を入れてこれも棒状に切り、フライパンで十分にから煎りしておくこと。油でぶつ切りにしたネギと、つぶしたニンニク、豆板醤を先に炒めて香りを出してから豚肉、コンニャク、戻した干し椎茸の順に炒め合わせて、鶏ガラスープと戻し汁を加え、酒、砂糖、醤油で味付けしてじっくりと煮込み、最後に水溶きカタクリでまとめる。ご飯に合うおかずで、メタボの方にオススメ。
賀茂なすは揚げ出しにしても美味しい。田楽にしろ揚げ出しにしろ、揚げる際には肉に切れ目を入れるか穴をいくつか開けて揚げないとなかなか火が通らないのでご注意を。今回は頂き物なので2日連続で2個とも食べてしまったが(笑)、何せ1個800円もする高級野菜だから、ふだん使うにはやっぱ贅沢だよなあ〜なんて思いつつ、今月の29日に実家の「川上」でOB会があるのを想い出して、前日の宿の手配をするべくネットを検索したら、土曜日は通常の2倍の料金になってるホテルが多いのでビックリした。京都旅行がお好きな方にはすでに常識なのだろうが、このところ仕事で行くことが多くて自分で宿を予約しなかったせいか、今日まで気づかなかったモグリであります(--);で、ふだんよく利用してるホテルでも、料金が2倍になるとやっぱとても贅沢な気がするわけです。実家はあっても、両親共に年老いて現役で働いているために、泊まるのは勘弁して欲しいといわれ、10年以上前からずっとホテルに泊まるようになり、数年前からホテル捜しが大変なことには気づいていたが、土曜の料金が2倍!だなんて、一体いつからそんなにボルようになったんだろうか。それでも観光客は増え続けてるみたいだから、元地元民で実家が客商売をしている身としては、なんともいえませんけど……。
コメント(4)
松井さんは、ご実家に宿泊されていなかったのですね。ちょっと意外でした。わたくしパンピーは、京都に出かけるとき、下手な宿に泊まるのも嫌だけど宿泊費に限りはあるということで、たいてい“一休.com”というサイトで宿を予約しています。オンシーズンや日程ギリでなければ、選択肢がわりと豊富なので(価格も通常の半額近くだし・・・)重宝してます。なんともしみったれた話でスミマセン(^^;
投稿者 ふみ : 2008年06月03日 23:58
情報ありがとうございます。一休.comという名前はちらっと見たことがありますが、そんなにいいサイトとは知りませんでした。今度しっかり見ます。
投稿者 今朝子 : 2008年06月04日 22:08
先日京都にいってきました。店(河豚や)やっていた時のお客様が会員になっていられるホテル(ダイヤモンドソサエテー)に泊まりました。ホテル藤田の近く加茂川べりです。平日12474円休前日14784円です)お付き合いの広い今朝子様の事ですからどなたか会員の方がいられればお試し下さい。豪華ではありませんがごくあたりまえのシティーホテルです。
投稿者 ねこかおる : 2008年06月06日 09:33
ダイヤモンドソサエテー、初耳です。だれかに訊いてみようと思います。
投稿者 今朝子 : 2008年06月07日 00:23
2008年06月04日
いなり寿司、ほうれん草とヤリイカのサラダ、春雨サラダ
整体治療の帰りに東横のれん街でゲット。
お昼に食事をしながらたまたまBSで米国のABC放送を見たら、ちょうど大統領選の民主党候補者がオバマ氏に決定したという重大な一夜のニュースで、オバマ氏とクリントン氏両者の演説をたっぷりと聞かせてもらった。オバマ氏の演説は相当に引き締めムードの沈んだ調子で、さかんにヒラリーのヨイショをする一方、ヒラリーは妙に余裕綽々といった表情で、まさか1800万人もの票を集めた私をないがしろにする気じゃないでしょうね!といった自信をちらつかせ、今夜はまだ撤退宣言をするかどうかも決めないと発言。まるでどっちが勝ったのかわからないような、両者の対応のコントラストが印象に残った。
それにしてもふたりの演説は、他国人の私が聞いてもある程度わかるようなシンプル且つストレートな言葉を使っていて、恐らくそうでないと多民族国家では通用しないのだろうけれど、あそこまでシンプル且つストレートな言葉を使ってもそんなにおバカさんには聞こえないのが英語のいいところかもしれない。いかにも議会政治に適した言語のように聞こえる。片や日本語はストーレートな議論を深化させるにはあまり適していない言語であると認めざるを得ない。だからといって密室談合政治をされても困るのだけれど、演説で聴衆を惹きつける政治家が現れにくい背景には言語の問題も相当に大きいかと思われる。近過去に演説で惹きつけたのが小泉や田中真紀子だったりするのも如何なものか。もっともオバマ氏やヒラリーみたいな演説を日本でやれば完全に宗教の人だよな〜と思いながら見てたら、演説会場に集ってさかんに気勢をあげるアメリカ人たちがだんだんと信者さんに見えてきて、大統領というのも所詮は米国の教祖サマなのかも……てな感じがしてきたのであります(--);
2008年06月05日
鰻重
今日は夕方遅くに「三越友の会」の営業推進部の方と、会報誌の編集者の方々がご挨拶にみえたので、晩ご飯は作らずに近所の「花菱」食事。三茶駅近くのアーケードで60年以上も続いているといえば老舗のうちだが、天然の鰻を裂いて炭火で焼くところが目の前で見られる上に、店の人たちがとても気さくで話し好きなので、独りでふらりと入るにはもってこいの店だというのを今日発見しました(^^)/
ところでなぜご挨拶にみえたのかといえば、「三越友の会」の月刊会報誌に江戸の豆知識的なエッセイを連載しているからで、会報誌といっても実質発行部数が42万部ともなれば、へたな雑誌よりも読まれていそうだと思ってお引き受けしたのだが、今回会報誌全体のアンケートで幸い私のエッセイが好評を得たらしく、エッセイを読んだのがきっかけで、小説の愛読者になったとアンケートに書かれた方もいらしたという話が聞けたのは嬉しかった。江戸の豆知識本は氾濫してるので、必ず原史料に当たって、なるべくまだ知られていないようなネタを書くように心がけている。本業はもちろん小説の執筆だけれど、時代小説はどうしても間口が狭いので、短いエッセイやこのブログの文庫本などをきっかけに、少しでも小説の読者が増えてくださるのを願っているのであります。
いっぽう「三越」の話もいろいろ聞かせてもらったが、さすが日本有数の老舗だけにこれが非常に面白いというか、そのまま捕物帖のネタに移し替えられそうな話もあったりして、とてもいい勉強になった。帳場制度という独特の顧客サービスが続いていることや、社のシンボルであるライオンに対する異常なまでの愛着とこだわりや、さまざまな符丁についてや、ステキなお客様もあれば、とんでもない人もいたりして、ここには詳しく書けないのが残念だけれど、社史にするだけでなく一般書にしても十分読み応えのありそうなネタが満載の会社であることは間違いないので、「そういうのをまとめて本にしたらどうです。売れると思うけどなあ」と言ったら、「それだったらぜひ先生に執筆をお願いします」と言われて、とんだヤブヘビになりそうでした(笑)。
2008年06月06日
マヌエル・カーサ・デ・ファド
新潮社の小林姐さん、楠瀬氏、田中氏と一緒に四谷駅の近くで今流行りのポルトガル料理店で会食。現地にも旅行した経験のある姐さんや田中ノリオクンの説明を受けながら私にとってはどれも初物の味わいを存分に楽しんだ。バカリャウという鱈の干物が入ったコロッケや砂肝のトマト煮、ウズラの丸揚げ、バカリャウと生ハムとポテトのミルフィーユ風、ラムチョップと野菜の煮込み、魚介のリゾット等、いずれも意外なほどスペイン料理とは似ていなくて、むしろ素朴な日本料理に近いような温厚篤実な味わいとでもいうべきか。中でも甲殻類のエキスをたっぷりきかせたリゾットはめちゃめちゃ美味しかった(^^)/
今日はノリオクンから「銀座開化」シリーズ完結編のための参考資料を頂戴するのが主たる目的だったのだけれど、前担当のクスノセも久々に参加して、小説とは全然関係ない話に花が咲いて盛り上がった。取材で断食道場に1週間こもった直後というクスノセは見た目アクが少し抜けた雰囲気じながら、やっぱり話すと相変わらずで(笑)、ここには書けない落語界の裏話をいろいろと聞かせてもらい、ふーん、なるほど、そういうことなの……と妙に納得してしまった私である。昨日今日と問題になっている例の「居酒屋タクシー」の件も話題になったが、何せ週刊誌を出している出版社だけに、当然ながら官庁街と同様に深夜は常連のタクシーが待機していて、ノリオクンもおしぼりとドリンク剤の接待くらいは受けているそうである。遠方に帰宅する人を狙っているために、近場の姐さんは乗車拒否をされたこともあったそうだ。とてもおかしかったのは、新潮社の社長が乗ろうとしたら、やはり近場だったので拒否されて非常にお怒りになり、以来しばらく社の周りに駐車するタクシーは追い払われていたらしい(笑)。
2008年06月07日
トムヤムクン、春雨サラダ、タイ風さつま揚げ、あんかけビーフン
新宿高島屋でミヤケマイ展示会「ここでないどこか」をスラッシュの進藤さんと一緒に見て、帰りに伊勢丹会館のタイ料理店で食事。
ミヤケマイさんは改めて紹介するまでもないが、このブログ本の表紙絵を描かれた現代アートの作家で、今月から8月にかけて新宿を皮切りに日本橋、京都、横浜の高島屋で作品の展示会をなさっていて、作品のみならずオリジナルデザインの浴衣やバッグ、日傘等々のグッズも販売もあるのだけれど、初日から3日目にして早くも品切れ?の予感がするくらい、盛況かつ売れ行き好調のようだったので、ご興味のある方は早い目にお出かけになったほうがいいかもしれません。
彼女の作品はやさしい色調と和風のゆるいタッチを基調として、可愛らしさの中にもクレバーなセンスが反映された「をかし」の世界が展開されるので、実に今の時代感覚にフィットして人気があるのだろうと思う。作品はいずれもそこそこのお値段だが、すでに多くが売約済みのマーク入り!村上隆を筆頭に、日本の現代アート作家が海外で大人気を博している昨今、9月から1年間パリとNYで活動するという彼女の作品は、いかにも向こうでウケそうだから、帰国後はきっとマルがヒトケタ違っちゃって、ああ、思い切ってあのとき買っとけばよかった〜〜なんて後悔するのかも、と進藤さんに話しつつ、結局はグッズしか買えなかった気の小さい私であります(笑)。
ところで彼女のマネージメントをなさっている尾上さんという女性にもご挨拶を戴いたのだが、お父様が歌舞伎の役者さんだと伺って、お名前を訊いたら山崎権一さんだそうで、確かによく似てらっしゃる!のだった。世間は狭いというか、でもこれは和モノつながりで、そうフシギなご縁ではないのかもしれません。
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日経のコラム楽しみに拝読!先日は武智先生の事書いてくださり有難う御座いました。私などにはさっぱりわからない超我侭でハチャメチャな方でしたが芸術に関してだけは博識で純粋な方だったと思います。
投稿者 ねこかおる : 2008年06月08日 08:23
>超我侭でハチャメチャな方でしたが芸術に関してだけは博識で純粋な方だったと思います。
おっしゃる通りです!そばで接したことのない人には説明が難しい人物でした。
投稿者 今朝子 : 2008年06月08日 22:44
2008年06月08日
五穀米弁当、鰺と野菜の揚げサラダ
乗馬の帰りに東横のれん街でゲット。
いや〜、3週間ぶりで乗馬ができるとあって、朝からわくわくしてたと、クラブハウスでお会いしたMさんに言ったら、大笑いされてしまった。久々の90分のレッスンでも、別にさほど疲れなかったのだから、以前に比べると筋力や体力もそれなりについてきたのだろう。
レッスン終了後にベランダで話していたら、そこへ某学園の事務長をなさってるAさんが登場。少子化の折、学校経営もなかなか大変そうなのだけれど、以前はなんと日本で一二を争う某大手都銀にお勤めだったそうで、岡山と二子玉川に副支店長として赴任なさったときのエピソードを突然語りだされた。バブル期にはいずこの銀行も押し貸しに近いようなことをしていたし、当然ながらバブル直後は不良債権の山とあって、その後始末はなかなか大変だったようで、岡山ではマル暴と、二子玉ではセレブな方々と渡り合った顛末が非常に面白くて聴き入ってしまい、送迎バスに乗り遅れるところでした(笑)。
バスで一緒になったバリキャリのOさんはこれまた大事なプレゼンを控えて大変そうで、毎日3,4時間の睡眠しかとれずに頑張ってるらしい。土日でも仕事のメールは来るし、社命でケータイはいつでも連絡が取れるよう24時間オン状態にしておかなければならないというのだから、ビジネスの世界は本当にシビアである。にもかかわらず乗馬も休むことなくしっかりとこなして、去る6月1日には無事にカドリールデビューを果たされたのだった。Mさんから頂戴したそのときのDVDを帰宅して見たら、皆さん実にちゃんとやってらっしゃるのに感心!おまけの練習風景の録画ではメンバー5人がカドリールの経路を頭に叩き込むべく、馬に乗らずにぞろぞろ歩いている映像が出てきて笑えました。
皆さんどんなに忙しくても、乗馬でストレスが解消できるからこそ、マメにクラブに来てらっしゃるのだろうけれど、人間こうして何か発散できるものがあれば心を病まずに済むのではなかろうか。TVを点けたら、いきなり秋葉原の無差別殺人のニュースが映し出されて震撼とさせられた。
2008年06月09日
チャプチェ
QPで見た料理。ピーマン、椎茸、にんじんの千切りをそれぞれ別に炒めておく。牛もも肉の細切りに酒、醤油、おろしニンニク、すり胡麻をまぶしてフライパンでから煎りする。肉を取りだしたあとに胡麻油を熱して、堅めにもどした韓国春雨を炒める。すべてを混ぜ合わせて塩、胡椒で味付けし、すり胡麻を振って仕上げる。
今日はやっぱり秋葉原の通り魔事件についての報道を気にせずにはいられなかった。容疑者が犯行直前まで携帯サイトに綴った書き込みを、いかにもふてぶてしいといった印象で紹介していたTV局があったが、体調の不良や悪天候や道路の封鎖といったマイナス要因を次々と書き連ねたところに、ひょっとしたら当人が無意識のうちに計画の犯行を回避しようとしたか、逡巡していたかもしれないという心の動きが見て取れなくもないのだった。どうにかして思いとどまらせることが出来なかったものかと、きっと周囲は悔やまれてならないだろう。
ただ元優等生が挫折した結果だとしても、書き込みから受け取れる凄まじい自己顕示と自己憐憫のかたまりのごとき人格を生み出したものが、家庭や教育の問題というふうにはもはや語れない時代に来ている気はするのだった。確かに現代の社会の問題なのであるが、それは雇用の問題等でやり直しがきかないう閉塞感に充ちた社会だからというふうに単純に語れる問題でもないように思われる。
もちろん昔から常軌を逸した犯罪がなかったわけではないので、個人の特殊な資質に帰すところが一番大きいのではあるが、それが急増しているのは間違いない。生物としての人間を取り巻く環境が加速度的に変わっていて、それに脳細胞がなんとか追いついているようで、本当のところはもう追いつけなくなっているのではないか。昨今の異常な事件の報道を見るたびに、私はそんなふうに思ってしまうのである。
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全くそのとうりだと思います。いくら威張った所で人間は自然界の一員。大型の哺乳類です。神様は人間を創って失敗したなあと頭を抱えているのではと言って神父様に大笑いされましたがーーー。
投稿者 ねこかおる : 2008年06月10日 19:53
犯人の書いた書き込みを読んで「誰かが自分を止めてくれるのではないか?」と思っていたような気がします。「止めて欲しい」ではなくて、漠然と「止めてくれるのでは?」と思っている、いつも誰かが自分の事を良い方に決定ずけてくれるのではないか?と思い続けて居たような気がします。努力や我慢の概念が無く。しかし、現在このような若者が多いのでは。松井さんが書かれて居るように人智では今の人間関係はどうにもならない段階にきているのかも分りません。
ただ男の子を持つ親はいつも心の片隅で「子供が犯罪被害者になって欲しく無い」と思う以上に「犯人の親にだけはなりたくない」と思っています。それが一番恐い。犯罪者の親の記者会見は必要なんでしょうか?
投稿者 お : 2008年06月10日 22:40
ご両親の記者会見はけさの報道番組で見ましたが、子どもを持たない私が勝手な忖度をしてコメントをすべきではないと感じました。親はきっと子どものことになると、自分の責任ではないと思い切れないところがあるのでしょうから、こんどの容疑者のご両親もマスコミの前に出られたのでしょうが、かりにも成人した人間が引き起こした事件に関しては、江戸時代ではあるまいし、マスコミが親を引っ張り出すのはどうかと思います。
投稿者 今朝子 : 2008年06月11日 22:06
日本経済新聞夕刊17面プロムナード米騒動松井今朝子先生へ回信依頼
泣き寝入り名人おとなしい日本の民衆の暴動は扇動者が必要条件と見るべきでしょう。後に昔の田沼いまぞ恋しきと歌われたのは経済音痴定信の自己顕示欲が実力不足を露呈したからでしょう。天災を政争の具にするのはフランス革命とか有り勝ちの事です。セーヌ川が氷結し粉引きの水車が止まってのパン不足を流血に導いた手腕はたいしたものです。王殺しで呪われたから未来永劫フランスに救いは無いのでしょう。双方に亡命地を提供しての反間苦肉の成功体験が西力東漸を仕上げ印度シナ蚕食に至り現代のバルカン、パレスチナ、カシミール、朝鮮半島の火種埋もれ火につながります。宣伝戦は熱戦より怖い。
越中女一揆の実相は城山三郎先生の鼠を一読ください。新興鈴木商会を既存財閥と紙数拡販動機のマスメディアが金融政策と捏造報道で潰す様は迫力で、城山先生没後マスコミが決して鼠に言及しないのは脛の古傷が痛むからでしょう。
第一次オイルショックのトイレットペーパー騒動は記憶に新しいです。資源派通産官僚の笛にマスコミが合わせたのですが、実態は原油は余っていました。扇動が巧妙なら事情熟知の記者は捏造記事を書くものです。
蛇足
マル経の大学二年生で、世界、ジャーナル、朝日新聞を日経に乗り換えてからの購読で感銘したのは昭和48年のオイルショック時の「船長が原油積み込みは順調、日本港湾ではタンク満杯で降ろせないと言っている」とのコラムでした。平炉の親父連中の「油不足との報道はおかしい。重油の売り込みが煩い。」との証言とも合わせ、資源派官僚の暴走の説を信じています。もちろん、貴紙一面は油不足一色でした。
当時、官僚個人名の暴露があれば、その後の官僚の情報操作は牽制出来たと思います。土地神話も仕掛け人が居た筈です。長銀ITバンク構想潰しも今となれば深遠。トロン潰しも民間では孫氏、盛田氏が米国代理人と知れていますが、組んだ米日官僚個人名の暴露もその内期待しましょう。
当今のライブドア案件の核、東証の市場秩序維持責任感覚、当事者意識について、実態を暴くみずほ証券見殺しの官僚的対応者A氏B氏の実名その他5W1Hの暴露を再三貴紙に求めましたが。未だ見ていません。5W1H5W1H5W1H。
投稿者 世呂 劫修 : 2008年06月13日 18:05
2008年06月10日
アスパラガスの肉巻き天ぷら
昨日のQPで見た料理。豚ロース肉をアスパラガスに巻いて揚げるだけだが、薄力粉と酒を混ぜて作ったコロモがポイントで、これはオススメ。卵を加えたふつうのコロモよりも軽いし、ほのかに酒の香りがして甘みもある。ニンジンのほか昨日の余った野菜を全部これで揚げて、美味しく食べられた。
長らく懸案になっていたオリンピック競泳用の水着が、今日やっと正式にフリー装着と決まってまずはめでたしである。それにしてもスピード社の水着の威力は凄い!としかいいようがないのだけれど、当初マスコミは確かミズノを鮫型、スピード社をイルカ型と称して、どちらが勝つか、オリンピックで日本の技術力を見せてやろうじゃありませんか、てなノリの報道だったと記憶する(笑)。で、結果ミズノが惨敗しちゃったわけだが、私はもともとミズノとスピード社の発想の違いが面白くて、片やとても日本的であり、片や西洋的なので、どちらかといえばミズノに頑張ってほしかっただけにちょっと残念である。なぜミズノが日本的かといえば、水との親和力を重視しているからで、スピード社はまさしくその逆を行って水を徹底的に撥ねつける工夫をした。つまりは西洋と日本では自然との相対し方が根本的に違うのであって、これからの世界は自然をねじ伏せるという発想よりは、自然の中に融け込みましょう的な発想に勝利を収めてほしかったのでした。でもまあスピード社で世界新を出しちゃった北島選手らとしては、もう引くに引けないって感じになるのも無理はありませんけど。
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アスパラガスの肉巻き天ぷら
早速、試してみまーす。
調理好きの後期高齢者より。
投稿者 下島義平 : 2008年06月12日 10:33
2008年06月11日
切り干し大根と牛肉の炒め物
QPで見た料理。切り干し大根は水洗いして軽く茹でてからしっかり水気を取ってゴマ油で炒めておく。インゲンは斜め薄切りにしてこれもゴマ油で色鮮やかに炒めておく。牛肉は酒、砂糖、醤油、おろしニンニクで下味して片栗粉を振っておく。ゴマ油で生姜の千切りを炒め、そこに肉とすでに炒めておいた切り干し大根、インゲンを加えて酒、オシスターソース、醤油、砂糖少々で味付け。食べたあとお腹がふくれるので食べ過ぎないよう注意!
今日ついに都民税と特別区民税の納付通知書が来て、覚悟はしていたが、何年か前の年収?てな感じの数字にやはりショック!が大きい。決して税金を払いたくないとはいわないけれど、新銀行東京に対する補填や、オリンピック誘致のバラ撒き都政に使われるのかと思えば、カッとなるのは当然だろう。福田首相の問責決議もさることながら、誰か石原都知事の問責決議をしろ!といいたい。銀行の建て直しがもしできなかったら、責任をどう取るつもりかという質問に対して、平然とした調子で「答えられませんね」と嘯いた男のことだから、もちろんオリンピック誘致に失敗しても、何ら責任を取る覚悟はないのだろう。その間に費やされる都税の無駄遣いを思うと、ぞっとするではないか。オリンピックにまわす金があったら地震対策のインフラ整備にもっと注ぎ込むべきで、地方が疲弊して今やあらゆるモノや人が一局集中する東京がもし地震で壊滅したら、日本は一巻の終わりだということくらい、だれでもわかってるはずである。にもかかわらず、なんだか嫌な現実から目を背けるみたいにして、お祭り騒ぎの旗振り役をするのは、あの男が口ほどになく本当のところは性根が据わらぬ弱虫だという良い証拠だろう。私が西太后なら即刻召し捕って宮刑に処したいくらいである(笑)。
コメント(3)
↓の書き込みに丁寧なお返事頂きありがとう御座いました。
とっくに結婚をし、それなりの勤めをしている息子を持つ親でも、いつも心の片隅に不安を抱いています。まだ大人になりきれていない子供の親はもっと不安を抱いておられるのでは?と思うのです。
石原都知事、やはりあの方でも心の老醜はあるのですね。昨今の発言を聞きますと「一度アルツハイマーの検査を受けられたら?」と思います。とても責任ある立場の人の受け答えだとは思えない発言が益々多くなってると思うのですが。猫の首に鈴をつけれる方が都庁にも、家族にもおられないんでしょうね。
投稿者 お : 2008年06月11日 22:41
本当にあの方が長々と都知事やっていられるなんて信じられません。以前わが店にこられた時御家族の方が「この人は何の分野でも女性は劣っていると考えている」と言われていました。私も西太后の手伝いしたいです。全くオリンピックなんかやって誰の為になるのでしょうか?都民さん!怒ってください!
投稿者 ねこかおる : 2008年06月12日 21:04
ねこかおる様へ
本日お手紙とメイトチケットを講談社経由で頂戴しました。ありがとうございます!
投稿者 今朝子 : 2008年06月13日 08:09
2008年06月13日
海鮮パーティー
写真のアワビ、ウニ、シャコ、毛ガニのほか北海道の海産物をどっっさりプレゼントしてくださったのは岡野夫人千絵さんのママで、小樽出身の三村弘子さんです!かくして岡野ご夫妻とスラッシュの守部さん、進藤さん、私の5人が米朝事務所東京支部に集結し、アワビ5個、毛ガニ4ハイ、ウニ3箱、シャコ20尾、時鮭1尾、ナメタガレイ2尾を大島さんの調理で戴くことに。「これって通風の道まっしぐらだよね」なんて言いながら、みんなでせっせと食べて深夜に至ってもさすがに食べ尽くすことはできなかったのでした(笑)。北の海の生き物たちはどれもこれも身がしまって実に濃厚な味わいで、もちろん味噌のたっぷり入った毛ガニや、肝醤油で食べるアワビや、フライにして何もつけないでもOKの時鮭や、鮨屋のとは比べものにならないシャコや、これってほんとにカレイ?と疑いたくなるほど脂がのったナメタガレイもみんな美味しかったのだけれど、やっぱりウニ好きの私にはこれだけの生ウニを前にするとたまりません。夢中で半箱ほども食べて、瞳孔が開くような快感に襲われました。食糧危機が叫ばれるなか、なんだか罰が当たりそうな至福の一夜でした(^^)/
2008年06月13日
父と暮せば
最近芝居を見て泣くことはめったにないのだが、今日は紀伊国屋サザンシアターで井上ひさし作「父と暮せば」を見て思わず涙ぐんでしまった。そもそも94年の初演以来、数多のステージを重ねて、映画化もされたこの作品を、何故だか私は見逃していて、今回初見というのもわれながら不思議な気がするのだけれど、これほどストレートな作品に泣けたのは、やはり先日の秋葉原の事件や何かで人間に対する不信感が募り、それなりに傷ついた心が文字通り「浄化」されたせいなのだろう。私ばかりでなく客席で泣いてた人がやけに多かったし、カーテンコールでも最近には稀なくらい熱のこもった拍手が聞かれた。
ストーリーは極めてシンプルで、原爆によって親友を喪い、父に目前で死なれた娘が、生き残ったことに罪の意識を感じ、自分だけが幸せになることは許されないという気持ちを、亡き父との会話を通じてなんとか克服しようとする心の過程が丹念に描かれてゆく。原爆をテーマにした反戦ドラマという側面は決して無視できないけれど、それよりも現代の若い観客は、人間がどうやって自分を肯定するかというより普遍的なメッセージを受け取って、素直に泣けるのではないか。
そもそも良質のフィクションには人間に人間を肯定させる力が備わっていて、むろん小説にもその力はあるが、劇場だとその場にいる全員がそこに加担するから、巧く行った場合のパワーは増大する。初日の挨拶で井上氏自身がそのことについて触れられたくらいだから、私の気のせいではなくて、今日は客席がひとつになって人間を肯定したい気持ちにかられていたのだろうと思う。もちろん辻萬長の達者な演技と栗田桃子のピュアな熱演も見応えがあった。栗田桃子が蟹江敬三の娘だということは、終演後の小田島雄志先生のお話で知った。
帰りは東急レストラン内の「小松庵」で野菜天そばを食す。単に飛び込みで入った店だが意外に美味しかった!
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今日書いておられるお話とは関係の無い話題ですが「邦楽の楽しみ」聞きました。第一回の長唄を聞けなかったのが残念ですが、今日は久し振りに清元をじっくり聞く事が出来大変結構な思いにさせて頂きました。
「三千歳」も「隅田川」もお芝居の中や踊りの伴奏として聞く事が多いのですが、清元の語りだけで聞くのも良いものです。
大阪は今ではそんな看板は殆ど見かけなくなりましたが、子供の頃は「長唄教えます」「義太夫教えます」「小唄教えます」の看板はよく見かけましたが「清元」はあまり見かけませんでした。江戸生まれだからでしょうか。私は清元のかん声が大好きなので、よくレコードで聞いたものです。
来週は女義太夫、楽しみです。ホンマニ解説もナレーションも松井さんお一人で吹きこんでおられるのですね。
投稿者 お : 2008年06月14日 23:38
>ホンマニ解説もナレーションも松井さんお一人で吹きこんでおられるのですね。
はい、大変でした(汗)。
清元はやはりイントネーションも江戸っぽいという感じがします。
投稿者 今朝子 : 2008年06月15日 00:15
2008年06月14日
煮豚
昨日のQPで見た料理。水と同量の紹興酒を使って煮るのがポイントで、確かに柔らかく仕上がるのでオススメだ。豚ブロック肉はフライパンで表面を焼いてから煮る。煮汁にはネギの青い部分と生姜の薄切りを加えておく。先に10分ほど煮てから砂糖と醤油で味付けし、じっくり煮込む。白髪ネギと貝割れ菜を添えて食す。
けさは仕事にかかる前にニュース番組を見ていて、緊急地震速報なるものを初めて聞き、揺れだすまでに意外とずいぶん間があるものだと感じたが、現地では間に合わなかったところもあるようなので、実際にどこまで役に立つのかはさっぱりわからない。組織にいない場合は必ず聞ける保証もないわけだし、聞いたところでせいぜい机の下にもぐり込むくらいだろうが、直下型の警報が出た場合は、いっそ聞かなかったほうがましかと思えるくらい、揺れだすまでが非常に長く感じられる恐怖の数秒であることは間違いない。
それにしても地震は規模もさることながら、どこで起きるかがやはり一番の問題なのだろうと、けさの岩手宮城内陸地震で改めて感じた。こんどの被害者もむろんお気の毒だし、数の問題だけを考えてはいけないのだけれど、震度6強の地震が大都市圏で起きたときの被害を想えばぞっとする。個人の場合も同様、どこで出遭うかが一番の問題で、駅の雑踏なんかでは絶対に遭いたくないと思っても、こればかりはどうしようもないのであった。
2008年06月15日
チャーハン、焼きそば、棒々鶏サラダほか
日曜は恒例の乗馬で2鞍騎乗。半年近く専用馬にしていたスノウホワイト(写真)とは今日が最後とあって名残惜しさもひとしおだった。お嬢さんお婆さんといった感じの牝馬で、敏感なのか鈍いのかイマイチ不明のところがあって、へたに拍車を使うと振り落としにかかるので苦手だという人の話をよく聞いたわりに、私とはけっこう相性がよかったのか、大変お世話になりました!と感謝したい気持ちである。来週からはクラブ一のデカ男のわりにビビリ(笑)だといわれている牡馬が専用馬となるので、はてさてどうなるか、不安混じりに楽しみでもある。
バリキャリのOさんは大切なプレゼンを無事完了されたようで、「わたし松井さんのお蔭で、プレゼンであがらない方法を発見したんです!」と仰言るから、一体どういうことかと思ったら、「要はプレゼンは松井さんの講演と一緒で、みんなが私の話を聞きにきてるんだし、このことについては私が一番よく知ってるんだと思ったら、全然あがらなかったんですよ」という話だったので、私のような者でもビシネスのお役に立ててよかった!と思いつつ、私も昔は結構あがり症だったのだけれど、乗馬のお蔭であがり症を克服したという話を逆にお聞かせしたのだった。とにかく高いところから人を見下ろすのが平気になったのは乗馬のお蔭だと断言したいほどで、これにはOさんも「確かに馬に乗ったら妙に度胸つきますよねえ……」とご賛同戴いた。新たな乗馬効果として喧伝したいものである。
「松井さんは毎晩いいもの食い過ぎじゃないですか」と仰言ったのは」Mさんで、ブログ上の海鮮パーティの写真をしっかりご覧になったようで、蟹を3バイいっぺんに食べて通風になった友人の話をお聞かせになり、「あんなに食べたらゼッタイ通風になりますよ」と脅しながら、来週一緒に美味しいもの食べに行きませんか?とお誘いになったのであります(笑)。
今日はなんとお茶のお稽古も重なっていたのでクラブからそちらに向かい、稽古場でお会いしたポプラ社の矢内さん、Pメディアの三村さんと帰りに一緒に食事しようとしたら、日曜日で近所はどこも閉店とあって、市ヶ谷駅の近くまで足を伸ばし、イタリア帰りの矢内さんから何かと面白いお話を伺いながら、例のごとくガンガン食べて満腹状態で帰宅しました。
2008年06月16日
牛肉のマリネサラダ
QPで見た料理。酒醤油胡椒で下味した牛しゃぶしゃぶ肉を赤唐辛子を入れた胡麻油で炒めて、酢醤油にオイスターソースと砂糖少々、塩胡椒を加えたタレにタマネギスライスと一緒に漬け込む。仕上げにひと口大のトマトとパセリのみじん切りを加えるのがTVの紹介したレシピだが、私は好みでパセリに代えてアスパラガスの塩炒めを加えた。ボリュームもあるし、さっぱりしてるので夏場にオススメしたい。
家から一番近いスーパーが他店との競合に負けて別の場所に移転するため、閉店前セールをやっていて今はとてもお買い得なのだけれど、売り場の配置がわかっている店がなくなるのはとても不便である。競争してモノが安くなるのはいいけど、潰し合いになるのはやはり困ったもんで、それは人間同士も同じだろう。
昨日、乗馬クラブでは、やはり例の事件があった後だからだろうか、Mさんと話していて「今は本当にみんな余裕がないですよね」と言われたのが耳に強く残った。「ハケンの人に仕事を教えても、辞められたらまた一からやり直しだから、社員のこっちも楽にならないですよ」とのことで、とにかく企業を維持するために、人件費節約に向かった結果が、いずこでも人の余裕をなくしてしまったのは言うを俟たない。
私などは法的には個人事業者なので、リストラや人事異動とは無縁のように見えても、やはり担当編集者の人事異動があったりするので、せっかく気心が知れたのにザンネン!ということがしばしばある。作家と編集者が癒着しても、それほど大きな犯罪や被害につながる恐れはなさそうだが、とにかく会社には人事がつきものだし、人事がすべてだと思い込ませる仕組みが「会社」というシステムなわけで、思えば近代化された社会とは学校のクラス替えや転校に始まって、子どもの頃からとにかくひっきりなしに人的異動をしているのだから、近代以前の人間とは、善し悪しは別として、人間関係のとらえ方が根本的に違うことは確かである。
モノはモノで新しいのがどんどん増殖して環境を変えていくし、人的環境の変化も著しく、「経済」という錦の御旗の下に両者の変化が加速度的になり続けていることは確かだとすると、それって動物としての人間にとってどうなんだろう?なんてことをまたしても今日スーパーに買い物に出かけて思った私であります。
2008年06月17日
白身魚のレタス蒸し
QPで見た料理。レタスに白身魚の切り身とハムと茹で筍の薄切りを包んで蒸すだけ。切り身には酒、生姜汁、塩で味付けして片栗粉を振っておく。TVではスズキを使ったが手に入らなかったので鯛に代えた。レタスはさっと茹でて柔らかくして冷水にとり、水をきっておくこと。蒸し汁に酒と醤油と片栗粉を加えてあんを作り、仕上げにかける。
鳩山邦夫法相の下で次々と最高刑が執行されている事実を、少なくともご本人は大変に満足してられる様子だが、それがどこまで犯罪の抑止力につながるのか、昨今の状況は甚だ疑問といえなくもない。彼の判断が、厳罰主義を求める世間の風潮に迎合したものだとすれば、その風潮のほうが、極端な精神構造の持ち主から生まれたものではないだけに、却って恐ろしいともいえる。とにかく科学技術の発達や、イノベーションとは裏腹に、人間の精神が以前よりもむしろ幼稚化し、野蛮化してきたような気がするのは私だけだろうか。
ところでちょっと前にTVの報道系の番組に出演していた自民党のある国会議員が、日本は昔から死刑を認めていた国で、それは日本の文化なのだ!と力説したので私はひっくり返りそうになった覚えがある。そんなことを言い出したらギロチンをしてたフランスはどうなるの?って感じで、とにかくかりに死刑容認の主張するにしても、こんな小学生レベル以下の発言をする国会議員を存在させておく国の将来が危ぶまれてならなかった。そういう意味での日本文化を復活させる気なら、まず隗より始めよで、今の政治家や官僚の多くを死罪に処してほしいもんである。
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私も何だか自信満々に死刑執行について発信している姿をみて、恐ろしくなりました。今の政治家さん、もっと他に考える事あるんじゃないでしょうかね?本気で国民の命や生活を考える政治をしてほしいものです。 初めてのコメントですが…、実は松井さんにお会いしたことがあります(^o^)進藤の従姉妹です。お世話になっております。これからもよろしくお願いします。
投稿者 ちーさん : 2008年06月18日 00:30
去年秋田でお会いしたんですよね。進藤さんからもよくお話は伺っております。
投稿者 今朝子 : 2008年06月18日 20:45
2008年06月18日
インゲンの四川風炒め
今までもよくやってたメニューだが、今日はQPのレシピに則って作ってみた。ポイントは定番の生姜、ニンニク、長ネギのほかにザーサイのみじん切りを加えて豚挽肉を炒めること。先にインゲンを色鮮やかに蒸し炒めしておくこと。肉は酒醤油で下味を忘れずに。先にニンニクと生姜と肉を炒めてから豆板醤、ザーサイ、ネギ、インゲンを加え、酒砂糖醤油で味付けするが、ザーサイでかなり味付けされるので調味料は少なめでOK。
ところで上下の写真はたまたま色合いが似てしまったけれど、下は恐竜型のロボットPLEOで、なぜ2匹もいるかといえば、以前「クロワッサン・プレミアム」誌で最近買った物に関するインタビューを受けたので、PLEOを挙げたら巻頭ページを飾り、それを読まれたメーカーの方がなんともう一匹をプレゼントしてくださったのである!2匹を同時に動かしてみたら、動き方も鳴き声も全く違っていて、やはりそれなりの個性が感じられる。互いに絡んだり、顔を突き合わせて一緒に鳴いたりするからビックリで、送られてきたほうにはクリスマスバージョンのメモリーカードも付いており、首を振りながらジングルベルのメロディーで鳴きだしたのは笑えた。
メーカーの方は記事を読んで私がPLEOに「瀬尾」という名前を付けたことまでご存じのようで、「瀬尾」の兄弟分にしてくださいというお手紙が添えてあった。そもそも亀♂に「俊寛」という名前を付けたところから亀♀が「千鳥」、PLEOは「瀬尾」なのだから、今度やってきたコに付ける名前は「丹クン」しかありません(笑)。歌舞伎を知らないとイマイチ見えないギャクで失礼しましたm(_ _)m写真は相手が2匹になっても果敢に喧嘩を売ってる俊寛です(笑)。
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2番目のPLEOさんは丹左衛門はんでっか?笑い。
兄弟分?丹くんより成経の成クンはいかがですか。
投稿者 お : 2008年06月18日 22:25
亀♀は千鳥なんですか。
てっきり東屋だと思ってました…
二世の契りで亀に生まれ変わっちゃったとかで(^^ゞ
妹尾くんと丹くんって、見た目で区別つくんですか?
随分前のことですが「つとめる」の漢字の件、ありがとうございました。決まってないのかぁ…で、腑に落ちました。
投稿者 猫並 : 2008年06月18日 22:50
瀬尾は眼の虹彩がグリーン、丹クンはブルーです。
投稿者 今朝子 : 2008年06月19日 08:29
俯瞰だと距離が掴みにくいので、右側のPLEOが“俊寛”を小突いてるみたいに見えますね(笑)。さすが“しぇのお”(←おもだか風に発音してみました)・・・
投稿者 ふみ : 2008年06月19日 23:29
2008年06月19日
中華風豚鍋、じゃこサラダ
米朝事務所の大島さんに誘われて、青山の草月会館ホールで「ファン・ヤン メガバブルショー」のプレビューを見た帰りにツインタワービル内で食事。
要はシャボン玉を使ったいわゆるラスベガスショーの一種だが、けっこう大がかりな照明やレーザー光線を使って幻想的な世界を演出する。マジカルなというよりは、非常に繊細なテクニシャンの芸であり、写真撮影がOKだったので何度かケータイのシャッターを切ったものの、その美しさや面白さは全然伝えられない感じだ。肝腎のシャボン玉の輝きはハレーションを起こして写せないし、綺麗だと思った瞬間に破裂してしまうのでシャッターチャンスもつかみにくいのである。今回のプレビューは比較的狭いホールで見せので、さほど大きなシャボン玉は登場しなかったけれど、ラスベガスあたりでは象をシャボン玉で包んだりしてるようなので、新宿コマ劇場の本番ではそれ相応にスケールアップするのだろう。
ところでこのショーを招聘されたのは澤田隆治氏で、この方は私たち世代なら誰でも知ってる「てなもんや三度笠」を始め数々のお笑い番組のプロデューサーとして名高い人物だが、大島さんが招待の同伴者に私の名前を書き添えたところ、向こうから電話がかかってきて、私の作品は全部読んでいるといわれたとかで、今日も直にご挨拶を戴いて、前からファンなんですと言われたのはさすがに嬉しかった。
私の子どもの頃から活躍されている方にしては、お会いすると意外に若いのでちょっと驚いてしまったけれど、考えてみれば当時のテレビマンは20代30代でもそこそこ活躍できたということなのだろう。ことテレビマンに限らず、文化領域において、今の70代は若い時に相当な活躍をして、今なお現役で踏ん張ってる方がやけに多いような気がする。ミュージシャンだとちょうど私くらいの世代がめちゃめちゃ元気である。そう思うと今の若い人たちは、スポーツ系はともかく、文化領域においては上の世代がつかえていて活躍の場を得られにくいのか、そもそも人間自体に体力、気力、迫力が欠けてきているということなのか、それとも人の関心が細分化して結果社会全体に影響力をもつものが少なくなったからなのか、イマイチ活動にインパクトが感じられない気がする、なんていいたくなってしまうのは私が年取ったせいなんでしょうか?(笑)
2008年06月20日
トムヤンクン、青パパイヤのサラダ、ソフトシェルクラブの炒め物、焼きビーフン、グリーンカレーほか
聖母学院中高の同窓生であるユリちゃん、オノエくん、きっちゃん、レイコと5人で品川の三菱重工ビル内のタイ料理店で食事。予定していた店が満員だったので急きょ向かいの店に飛び込んだが、これが意外と正解で美味しく食べられました(^^)/
前にも書いた通り私の母校はこぢんまりしたミッションスクールで、1学年80余名しかいなかったので全員そこそこ親しいのだけれど、とりわけ親しかった6人グループのうち今日は5名が久々に東京で集う格好だった。オバカンがご両親の介護で来られなかったのは残念。
ところで学校時代は別に何か特別な主義主張があって仲間を組んだわけでもないのに、6人のうち結婚したのは2人、子供がいるのはたった1人!というのは世代的に見てかなりレアなケースで、まさに少子化時代を先取りしたグループというべきではなかろうか(笑)。
現在フランス語の翻訳家をしてるユリちゃんは、何せ「アムール」の国の言語を学んだ人だけに、結構ご盛んだった過去も知っていて、まあ独身でも別にいいんじゃないの〜てな感じだけれど、結婚したのがまさか2人しかいないとは思わなかった!というのが正直なところだ。
中でゼッタイ結婚しそうもなかったのに意外としてしまった(笑)オノエくんはもともと薬剤師だったが、40代で筑波大学の大学院に入り直して医学の博士号を取得し、この秋からは京大の講師になって地球温暖化に関するアジア、オセアニア圏のヘルスデータベース化を目指すというのだからスゴイ!
レイコはミッションスクールを卒業後に石清水八幡宮に就職してものすごいカルチャーショックを受けた(当たり前だろうが!)あげく、仏教の浄土宗に帰依して在家得度までしたというのだからこれまたスゴイ!。要はもともと変わり者のグループだったのだということを改めて再認識させられた感じである(^^);
ただ1人子持ちのきっちゃんには年ごろのお嬢様が2人もいるのに、今のところどちらも結婚しそうな気配がゼンゼンないそうで、となるとわれわれ変わり者のグループは子孫を全く残せない!ことになるが、これって意外に自然界の法則に適ってたりして(笑)。
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ミッション系を卒業されて岩清水の八幡さんに就職?巫女様でしょうか。それから浄土宗に入信されて在家得度、凄い!!西洋と日本の神と仏を掌中に治められたなんて、大哲学者の御友人ですね。
今日は女義太夫をじっくりと聞かせて頂きました。舞台で女義太夫が語っておられるのは見た事はありませんし、祖父がもっていたレコードでしか聞いた事がなかったのですが、迫力のある語りでした。普段歌舞伎の語りと伴奏として聞く事が多いので言葉を把握できていない事が多いですが、たまには義太夫だけを聞いて情景を思い浮かべるのもいいですね。
松井さんも女義太夫さんにお習いになっていると聞きビックリしました。言わずもがなでしょうが、若い役者さんが丸本物を演じられていて「この人義太夫やってはらへんわ」と思う事が多いのですが、せめて歌舞伎役者さんは義太夫を少しはかじって欲しいです。
投稿者 お : 2008年06月21日 22:05
>せめて歌舞伎役者さんは義太夫を少しはかじって欲しいです。
ご指摘の通りです。やっぱり基本だと思うのですが、近ごろは指導にあたるべき本行の太夫さんが頼りないのも困りものですね。
投稿者 今朝子 : 2008年06月21日 23:13
そういえば松井さんは山城少掾の孫弟子(?)筋に当たられる由緒正しい御方と聞いたことあります。山城、越路等の名人と比べられれば、当代の太夫も形無しでしょう。
投稿者 十次郎 : 2008年06月22日 00:10
(汗)すみません。得度ではなく五重相伝を受け、智月秀玲(これはいい名前です!)という戒名をいただきました。不思議な事を言うとは時々言われますが、哲学???。どれほどびっくりしたか、お察しくださいね。
投稿者 玲子です : 2008年06月22日 14:41
>十次郎さまへ
>そういえば松井さんは山城少掾の孫弟子(?)筋に当たられる由緒正しい御方と聞いたことあります。
武智鉄二先生が山城さんに直にお習いになってったので、そういう意味でなら孫弟子に当たりますが、私自身が習ったのは竹本光末師という女義さんでした。山城さんは母の実家によくお泊まりになっていて、御子たちがいらっしゃらない淋しい方だったので、私を膝に抱っこしてとても可愛がってられたという話をよく聞かされました。父は越路太夫の相三味線だった野澤喜左衛門師と親しくしていて、その関係で私も喜左衛門師には子どものの頃によく可愛がってもらって御本などを頂戴した想い出がありますし、越路さんとも何度かお会いしてお話しした覚えはありますが、山城さんの孫弟子というのは、いくらなんでも畏れ多い噂でございます。
投稿者 今朝子 : 2008年06月24日 00:08
2008年06月21日
青唐とさつま揚げとコンニャクのきんぴら、冷や奴
きんぴらは前にQPで見た組み合わせ。それぞれ同じ大きさにして炒め煮にするのがポイント。さつま揚げとコンニャクは湯通しすること。コンニャクと青唐を先に炒めて同量の酒、醤油、みりんと砂糖少々で味付けし、煮詰まったところでさつま揚げを加える。
女子バレーボールの日本VSトルコの試合を見ながら食事。いや〜フルセットにもつれ込んだ辛勝で目が離せませんでした。しかし別に接戦に次ぐ接戦というわけではなくて、ゲームの流れ次第で、獲れるセットはあっさりモノにするし、逆にあっさりやられるケースもあって、最後はベテラン勢の踏ん張りが若いチームの実力を辛うじて凌いだといった感じでしょうか。それにしても男子バレーはなぜか見逃しているのに女子はたまたまTVを点けるとやってたりして、顔と名前を覚えてしまったので余計に面白くなってついまた見てしまうのでした。
ところで今日は日経新聞のコラム「プロムナード」最終回分のエッセイをようやく書き終えて、ヤッター!バンザーイ!である。毎月曜〆切りなのだが、ウイークデーは小説の執筆をメインにしたいので毎土曜日に書くようにしていた。週1の連載とはいえ半年も続くとさすがにネタに困って乗馬もカメも使った(笑)。サラリとした身辺雑記でかわすのが苦手で、つい時事的なテーマ性をもたせたり、演劇や美術展など他人様の仕事に触れたりするので余計に大変だったともいえる。小説はたとえどんなにムチャクチャなこと書いても作者の頭脳が生み出したフィクションだから、その意味では誰に文句をいわれる筋合いもないけれど、現実にコミットするのはそれなりの覚悟が要るし、少ない文字数で意を尽くすのは小説を書くよりもある意味ではハードである。ともあれ長いようでいて半年間はあっという間だし、どんなに大変な仕事でも、終わらないない仕事はない!のであります(^^)/
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毎週金曜日の「プロムナード」を楽しみにしており、終るとは残念です。6月14日(土)次男(18歳)と「父と暮せば」を観にいきました。終幕近く涙ぐんでいた彼でしたが、「今の日本は平和だけど、他人を思いやる心を持ち続けるには僕たちの置かれている状況はキツイね」と帰り道に言われ、「あー、彼も学校で結構もまれているんだなぁ」と思いました。
デザイナー志望の彼には、これからも良いものを体験させてやりたいと思っています。
これから暑さに向かいますが、ご自愛くださいませ。
投稿者 坂本稔 : 2008年06月22日 09:38
「プロムナード」は6/27の夕刊に載るのが最後となります。ご愛読戴いてありがとうございました。今後とも著作活動は続けますので引き続きご愛顧賜れば幸いです。
投稿者 今朝子 : 2008年06月23日 23:53
2008年06月23日
ベトナム風春巻き、お好み焼き、フォーほか
日曜恒例の乗馬で、今日から専用馬にしたのはクラブ一のデカイ牡馬で、ほかの馬よりひとまわり大きいし、騎乗するとやっぱり高いなあ〜という気がしたが、デカ男にありがちの(笑)ちょっと鈍くて気だてがの良さがひしひしと感じられる私好みの馬で、重いけど走ると乗り心地は抜群でした(^^)/
帰りにコンピュータソフトの開発者であるMさんとオペラ歌手のSさんと一緒に大宮のベトナム料理店で食事。お互い何ら利害関係のない間柄だけに、馬の話はもちろんのこと、仕事の話から人生観まで、色んなことをけっこう本音で語り合って楽しく過ごし、あっという間に閉店時間になって、いざ財布を出そうとしたらな、な、なんとカバンの中にない!考えてみたら今日はロッカーの鍵を忘れたので、マスターキーで開けてもらい、開けっ放しになるのでクラブのフロントに財布を預けてそのまま引き取るのを忘れていたのだった(--);「また、やっちゃいましたね」とMさんには言われ、「家の鍵はあります?」とSさんには心配され、お店の勘定はもとより、遅い時間だったので渋谷から自宅までのタクシー代まで借りるはめになって、さすがにドーンと凹んでしまいました(苦笑)。それにしても通常これほどの頻度でこんなドジばかりしてるわけではないことを、MさんとSさんにはなんとか信じて戴きたいものであります(^^);
2008年06月23日
麻婆ナス、タコとキュウリの酢の物
昨日、乗馬クラブのSさんからご実家で栽培されたナスとキュウリを頂戴したとき、ずっしりと持ち重りがして、いかにも美味しそうだったので、さっそく調理して食べたら案の定とても美味しかった(^^)/京都生まれの私は東京の野菜が美味しくないことに閉口し、関東ローム層のせいで地質が悪いにちがいないと思い込んでいたけれど、そうではなくて要はスーパーで売ってる野菜が美味しくないだけなのだろう。それにしても、こうしてときどき自家栽培の野菜やお米を頂戴すると、あまりの美味しさにビックリして、ふだん食べてるのとは一体何がちがうわけ?とフシギな気持ちになる。一度ベランダ菜園を始めかけたら、途中でカメにムチャクチャされたので諦めてしまったが、いっそできることなら本格的に郊外に引っ越して、地産地消を試みたいくらいに人生のプライオリティーが急速に変わりつつあるのは、やはり私自身の「沈没船から脱出するネズミ」のようなセンサーが動きだした証拠ともいえる。
80年代以降、都市化への流れと金融経済の膨張により、さまざまな世界でのバーチャル本位、見せかけ重視の傾向は強まるいっぽうだったけれど、いよいよそれも限界点に達していることをさすがにみんな気づいてはいるし、気づいていても、さてどうしたらいいかはまだわからないサスペンドな状態の今は大混乱期なのだろう。NHK特集「マネーの暴走が止まらない」を見て、サブプライムローンがネズミ講とちっとも変わらないちゃちな仕組みだったことに改めて唖然としつつ、その金の流れは今はオイルの暴騰に反映されるなか、インタビューされた当事者のひとりが「われわれがやらなくても、ほかの誰かが必ずやります」と答えるのを聞いて、ああ、結局はこの手の人間の心理が諸悪の根源であることは間違いないよな〜と思ってしまった(--);
で、人間がこの手の心理から脱却しない限り、地球を滅ぼすか人類が滅亡するかのどっちかであるのは確実で、私はやっぱり地球を滅ぼすよりも人類が滅亡するほうが断然いいと思っています。
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私も人類は自らの文明とやらによって滅びるオバカな存在ではないかと思っています。時々我が猫息子の方が(と言っても彼はぬいぐるみですが)上等ではないかと思ってしまいます。
野菜は確かに土の違いか京都の物にはかないません。我が家も店をやっていた時は京都の八百屋さんから送ってもらっていました。葉ものはとにかく根のもの実の物は違います。切っていて包丁に吸付いて来ました。
投稿者 ねこかおる : 2008年06月25日 09:41
2008年06月24日
冷やし中華麺
乗馬クラブの帰りに東急レストラン街で食事。
日曜日はクラブのフロントに財布を預けて、そのまま引き取るのを忘れて帰ってしまい(^^);月曜はクラブが休みだったので、今日やっと引き取りに行った次第。何せメインバンクのカードが入ってるので放っておくわけにもいかず、宅配便で送ってもらうのもどうかという気がして自ら出向いたのだが、片道2時間弱もかけて財布をゲットするだけではあまりにもバカバカしいので、夜7時からの馬場レッスンで1鞍騎乗。今月は小説の〆切りが2本もあるというのに、こんなチョンボで時間をロスするなんてどうかしてる!のだけれど、けさは6時から集中して執筆し、なんとか〆切りは守れそうである。それにしても以前に比べると、われながら随分タフになったもんで、今後はこれくらいの体力をいくつまでキープできるかの問題になって参ります。写真はクラブに着いてすぐに撮った馬場風景だが、今は6時半でもこんなに明るいのでした!
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これで無事解決ですね。私もホッとしました。
以前、私もクラブのロッカーに財布を入れ忘れて、火曜日の朝早く会社に行き、さっさと仕事を終わらせて、その夜に取りに行った事がありますが、顔見知りがいて「どうしたの?」とお互いにビックリ。二人とも忘れ物だったのでした。
同じ経験者は多数って訳です。
乗馬すると、皆さん、リラックスし過ぎてしまうのでしょうか。
今回の出来事で、朝6時から仕事すれば平日も騎乗できるという実績を作ってしまいましたね(笑)
昨夜はグッスリと眠られたのではないでしょうか。
投稿者 M : 2008年06月25日 05:11
Mさんへ
その節は本当にご迷惑をおかけしましたm(..)m やはり渋谷からの終電に間に合わず、お借りしたお金でタクシーに乗れたので無事に帰宅できました。大変感謝いたしております。
>今回の出来事で、朝6時から仕事すれば平日も騎乗できるという実績を作ってしまいましたね(笑)
ヘンに誘惑しないでください(笑)。
投稿者 今朝子 : 2008年06月25日 22:19
2008年06月25日
西京焼き弁当、ゴボウサラダ
整体治療の帰りに東横のれん街でゲット。
このブログでは整体のG先生のことにもよく触れているので、文庫版「今朝子の晩ご飯」を差しあげようと思いながら、毎回持って行くのを忘れて、今日やっとお渡ししたら、「ああ、ポプラ文庫ですか。コレ創刊してから好調みたいですね」といわれてちょっとビックリ。「実は僕も今ポプラ文庫に執筆を頼まれてるんですよ」とのことで、なるほど!という感じ。G先生こと寺門琢巳氏の紹介者は幻冬舎のヒメで、幻冬舎はもちろん、小学館や集英社等からもすでに色んな本を出版されていて、ポプラ社から本が出ても別にフシギでもなんでもないのだけれど、タイミングのせいか、なんだか妙に世間は狭い!という気がしてしまいました。
2008年06月26日
イカとアスパラガスとパブリカのガーリック炒め
昨日のQPで見た料理。それぞれ同じくらいの大きさに切って炒め合わせ、酒と塩で味付けし、仕上げにニンニクのみじん切りを振りかける。イカは皮を剝いて、さっと湯通しをしてから加えるといい。ニンニクのみじん切りはできるだけ細かくすること。
食材の中で、今までなら一番安かったはずのイカが、2倍以上の値段にはね上がって、しかも三茶で一番大きなスーパーにたった2ハイしかなかった!ことにはさすがに驚いてしまった。エンジンばかりでなく集魚灯に大量の燃油を使うイカ釣り船が原油高でピンチを迎えて廃業する人も多くなっているというニュースをTVでさんざん見ていたが、その現実がこんなにも身近に感じられると、子どもの頃からスルメ大好き人間の私は近所中のコンビニでおつまみを買い占めたくなってしまいました(笑)。
昨夜遅くたまたま米国のABCニュースを見たら、原油高騰の煽りで輸送費が高くなったために、中国から輸入するよりも国内生産のほうが安くつく結果、雇用が少しずつ回復し始めたことをグッドニュースとして伝えていたが、生産業に関しては今後世界中にこうした逆グローバリゼーションのトレンドも進行するのだろう。それにしても少子高齢化が避けられない日本の舵取りは一体どうなってるんだろうか。役人は深夜タクシーに乗ろうがどうしようが、ちゃんとした国の設計図が描けるだけの人材がそろってるなら誰も文句もいわないのだけれど、社会保障にしろ教育にしろ医療にしろ、ここんとこずーっと図面がくるいっぱなしのニッポンだけに、「民には知らしむべからず」的体質をいまだに温存してるあんたたちにホント任せといて大丈夫なの?といいたくもなるわけです。
ところでこれを書きながらまたTVのニュースを見たら、北京オリンピックの馬場馬術の選手紹介をしていて、例の法華津選手が注目を浴びたせいか、今回は馬術競技がバッチリ放送されそうなので嬉しい(^^)/試合は8月13日ということなので、これはちゃんと拝見せねばという気持ちになりました。
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遅ればせながら、「文藝春秋」同級生交歓を拝見、久保田クンも見せて頂きましたが、「果ての花火」の最後で、下駄の音を鳴らして銀座通りを駆けて行った宗八郎が、その後どうなるのか、早く知りたいです。
今月初めのブログでは、<銀座開化シリーズ完結編のための参考資料>とあったので、次作で宗八郎の活躍も終わってしまうのでしょうか。「幕末あどれさん」から、宗八郎と共に文明開化を体験した気分だったので、この先、明治をどう生き抜くのか、続きを早く読みたいものの、終わってしまうのは残念だし、私としては、まだまだ続けて欲しいのですが……。宿命の対決は、どうなるのか?比呂と綾の関係は?数馬少年も成長が楽しみですし、市来巡査は西南戦争が起きて、どうするのか。銀座の街の変貌と共に、登場人物たちの成長、変化を楽しみにしています。
投稿者 ウサコの母 : 2008年06月27日 15:51
2008年06月28日
カジキの燻製とルッコラのサラダ、牛タンのサラダ、バーニャカウダ、桜エビと空豆のパスタ、プロシュートのピッツァほか
新国立劇場で前田司郎作「混じりあうこと、消えること」を見た帰りに三茶の「イル・ピッツァ・イオーロ」で翻訳家の松岡和子さん、文春の内山さんと食事。
近年注目の劇作家前田司郎に関しては松岡さんが絶賛し、内山さんも前作を見て面白かったという話を聞いたものの、今回早くも新国立でいわばメジャーデビューを果たすことに関しては若干不安が持たれないでもなかったのは、長塚圭史の前例を見ているせいだが、やはり案の定というべき展開だったので、松岡さんも正直アタマを抱えてらしたようである。私はなにせ初見なので、これだけで劇作家としての資質を云々する気は毛頭ないが、今回に関する限りでは、作者が才能の閃きと心から湧き上がる衝動で書いたというよりも、「不条理劇ってこんな感じなんでしょうか」と答案用紙を埋めるべく書かれた作品だと判断せざるを得なかった。現代における「家族」とはなんぞやというテーマをここまで説明的に描かれては白けてうんざりしてしまう。
今の若い人はとかく何事に関しても正解を出して、社会一般なり業界なり組織なりに自分が受け入れてもらわなくてならないという強迫観念があるのかもしれないが、表現者はやはりそれでは困るのであって、理解されようがされまいが生身の自分で勝負をかけるしかないはずだし、どんな場に引きずり出されても、その根底が揺らぐようでは表現をする意味すら疑わざるを得ないのである。演劇界に関しては一方で青田刈りをせざるを得ない諸般の事情ももあるのだろうけれど、結果としてあたら才能の萌芽をどしどし摘み取る方向に向かってるような気がしないでもないし、そうかといっていつまでも蜷川さんや井上さんや野田秀樹に頼ってばかりいるわけにもいかないわけで、劇場数や役者の多さに引き比べて劇作家と演出家の人材難は覆うべくもないのだろう。
ところで終演後は松岡さんから色んなお話、ことに劇団「雲」で福田恒存の秘書や演助をやってらした頃の想い出が聞けてメチャメチャ面白かった。「雲」の同期生が前NHK副会長の永井多恵子さんや演出家の大橋也寸さんだったそうで、まさに「同級生交歓」といった感じのお話もありました。
なお明日というかもう今日になっちゃいましたが、28日は歌舞伎座で立川談志・談春親子会を聴いたあと、その足で新幹線の終電に乗り込んで京都に向かい、29日に実家「川上」のOB会に出席してから帰宅しますので、ブログは1日お休みいたします。あしからずご了承ください。
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邦楽の楽しみ、今日で松井さんの担当される放送は終わりなんですね。今日は最初が少し聴けませんんでしたが、明治から大正にかけて、邦楽家の方々が洋楽とのコラボを模索され工夫を凝らされていたお話し、初めて聞く事もあり有意義でした。
邦楽に限らず、日本人が昔から親しみ、工夫して使っていた民芸品と呼ばれる物の価値もバーナードリーチが認めて、やっと識者も価値を認め、柳宗悦らがその値打を世の中に広める努力をして、やっと守られて来た物がたくさんあります。邦楽も日本に学校が出来た時に何故音楽の授業に取り入れられなかったのか?日本人は自分達の持ってる物の値打にあまりにも無関心やったからでしょうか?
それが今の文楽の衰退、一時期の歌舞伎の衰退の一番の原因のような気がします。他国では民族衣装を着ることに誇りを持っているのに、日本人は戦後着物を着る事を否定してきました。アッサリした国民性なんでしょうか?今日の松井さんのお話を聞きながらそんな事を思ってしまいました。
投稿者 お : 2008年06月28日 23:22
昨日で松井さんが解説されたNHKラジオ第2放送の「邦楽の楽しみ」が終わってしまい大変残念です。4週目は邦楽と洋楽のコラボレーションについてでしたが、明治から大正にかけて邦楽を残す為に邦楽家は大変苦労をされたんですね。明治に変わった時仏さんまで否定されたのですから、江戸時代に完成された日本文化は全て否定されてしまって本当に惜しいことです。
たくさんの邦楽についてのお話聞かせて頂きありがとう御座いました。
投稿者 お : 2008年06月29日 22:04
いろいろなブログの「混じりあうこと、消えること」の感想を読んで回って、ここにたどり着きました。良かったと思う人もいれば、観念的で意味不明で、はずれだったと言う人もいて、私はいろいろな考え方があるのは当然だし、私は良かったと思ったんだから、それでいいと思ってました。
でも、やっぱり、腑に落ちない。
批判的な感情を持った人にたいして、それはそうじゃないんだ、と言いたくなる気持ちがどうしても抑えられなく、でもネット上の会話なんて、そのうち膨大な量の情報に埋もれて、ただの私の自己満足になると思うと、そんなこと書いてもしょうがないと思って、あきらめていました。
だけど、やっぱり、腑に落ちない。
私は演劇界のことなんて全く知らないし、誰かの前例みたいな事なんて知らないし、頼る頼らないなんて関係ない。有名な人がなんと言おうと、その有名な人すら知りません。
そんな、私が書くコメントなので、削除してもらっても構いません。長いですが、思ったことを書きます。
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上手く言えないけれど、私は『不条理』さなんてこれっぽっちも感じませんでした。多くのブログに「不条理」という言葉が出てきていて、あぁそういう表し方になってしまうのか、と思いました。
目に見えるものだけに答えを求めてしまう、というのは現代人の悪い癖だと思います。ストーリーがきちんとしていないと理解できないとか、結末がつかないなんてつまらないとか、目の前に出てくる関係がテーマと連動しているとか。
だから「家族」とはなんなのか、というテーマでもなかったと思います。だって、終始「家族っぽい」関係で進んでいくのに、それを現代の家族像を描き出そうとしての脚本や演出だと心のどこかで感じたとしたのなら、なおさら。どこに説明的な部分があったのか、思うに「家族」という「状況」が前田さんが考えていく上での必要であり必然だったのだと思います。
やっぱり上手く言えないので、一応私の感想を載せたブログのURLを載せておきます→http://3house.jugem.jp/?eid=122#sequel
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『今の若い人』、そうやってくくられてしまうのが、やっぱり嫌です。いじめや少年犯罪が取り沙汰されたときも、ケータイが普及したときも、そうやって大人たちがくくってきたことに、いつも反抗心を燃やしていました。強迫観念があるのではなくて、強迫観念はつくられるものだとは思いませんか?
それに、『自分を受け入れてもらいたい』なんて、若いとか歳をとっているとか関係なく、誰しも思っていることじゃないんですか?表現者であろうとなかろうと、その思いは誰にでもあると、私は考えています。
「私の思っていることなんて、あんたにはわかんねぇよ」+「それでも誰かに分かってほしい」という思い、それが表現するということなんじゃないか、と。そうでなくては、自分が思ったことや考えたことなんて、自分の頭の中で終わればいいはずなのに、演劇や展覧会やコンサートなどなど芸術として世の中の人に向けてみせていることの説明がつかないように思うからです。
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結局、観劇後、私が「混じりあうこと、消えること」で感じたことは、前田さんの考えたことは違っていました。でも、それは表現者が伝えたいことを伝え切れなかったのではなく、表現者の考えてきたことから私の考えていることが絡まって広がっていっただけのことで、だから演劇は面白いのだと思うのです。
投稿者 chihouse : 2008年07月08日 10:54
2008年06月30日
談志談春親子会ならびに川上OB会
6/29は歌舞伎座の「立川談志談春親子会」にご招待されて、談春の「芝浜の革財布」を面白く聞いた。談春は談志の「芝浜」に惚れ込んで弟子になったことを近刊の自伝的エッセイ『赤めだか』の中で告白しているが、恐らく師匠譲りとおぼしき話ぶりを聞いて、なるほど志ん朝のそれとはまるで行き方が違う芸であるのを納得した。志ん朝のそれはナマで聞いたわけではないので徒らに比較してはいけないけれど、志ん朝のそれが上質な商業演劇風だとすれば、談春のそれは昔のATG映画を見ているようなリアリティと妙な迫力があるという意味で非常に面白かった。一方、出演がとてもおぼつかないと見られていた談志はなんとか舞台に登場し、マイクの力を借りても聞き取りづらい声で速射砲的に小咄を披露してお茶を濁したが、これが本当に見納めになるかもしれないような痛々しい姿が、やはりこの人は紛れもない落語家であると見えたことに不思議な感動を覚えてしまった。歌舞伎役者でも素で舞台にあがって紛れもない役者に見える人はそんなに多くないものである。談春とて、噺そのものは巧くても、姿かたちはまだ紛れもない落語家というふうには見えなくて、この点に関しては師匠に一歩も二歩も譲るかっこうだ。そこがやはり伝統芸能というものの怖さなのだろう。落語は歴史的には歌舞伎より新しいとはいえ、いまだに前近代的な修業方法を残しているという点においては今や伝統芸能として歌舞伎に勝るのかもしれないが、若いときにどんなに異端的な芸人に見えた人でも落語家は年を取るとみんな落語家らしい姿になってしまうという気が以前からしていて、この夜も談志の姿にそれを思わずにはいられなかったのである。終演後は9時ジャストの新幹線で京都に直行し、深夜着で京都ロイヤルホテルに投宿。
翌朝10時にウエスティン都ホテルで「川上」の次期社長加藤氏と妹と会っていろいろと話をしたあと、総勢40名参加のOB会に出席。2年に1度のこのOB会には「川上」で従業員として過ごされた方々の半数近くが毎回集まってくださるのはとても有り難いことで、こういう催しをしている料理屋もそんなに多くはなかろうと思う。今回は発案者の松崎氏がご夫人同伴で出席され、主人松井新七のエピソードを披露された。
「川上」ではよその店だとひと月かかって使うような大量の昆布と鰹を一日に使って毎朝出汁を取り、それを大きな瓶に入れて一日で使い切るようにしているが、松崎氏が見習い修業中に使い終わった瓶を洗う仕事をさせられていて、ある晩うっかり別の掃除に使うタワシでその瓶を洗って気づかずにおり、翌朝また取った出汁をそこ入れて、当時の煮炊きの責任者だった板長が主人に味見を求めたところ「今日はなんかおかしな臭いがするなあ。全部捨ててしまえ」と即座に命じたそうで、松崎氏は自分がタワシを間違えたことで店に大損害をかけたとして、一生忘れられない怖い経験として心に残ったそうである。つまり主人がそんなに勿体ないことばかりしてる店なので、「川上」はちっとも儲からないわけであります(^^);
写真はわが一家とOBの面々ですが、若い男性7名は加藤氏以下現役のメンバーで、漫画家の柴門ふみさんが来店されたときに、味もさることながら、イケメン揃いであることにすっかり感心されたというお話を、文春の内山さんか山口さんから聞いた覚えがあります(笑)。
コメント(3)
↓申しわけありません。一度書き込んだ物がアップされなかったので、翌日叉書いてしまいました。
松井さんの生家の料亭「川上」さんは、従業員にとってよほど働きやすいお店だったんでしょうね。最近は辞めいった従業員の消息も知らない、叉辞めたほうも店の行く末なんて感心も無い!という話がゴロゴロしてますから。
投稿者 お : 2008年06月30日 22:20
先日はご無理を聞いてくさいって大変恐縮しております。また、持ち帰った書籍を子供たちに見せてあげたら、「すごい、すごい!」と喜んでくれました。あらためてお礼を申し上げます。
ほんのわずかな時間でしたが、だんさんをはじめ、女将さん、きっちゃん、先輩の方々後輩の皆に会えて幸せな時間でした。
今朝子様の益々のご活躍をいつも陰乍ら祈っております。
PS・先日受け取って下さった名刺に、私の趣味のホームページがリンクして下さっている筈なので宜しければ覗いてやってくださいませ。また皆さんでこうして会えることを願っております。
カンちゃんでした。
投稿者 かんちゃん : 2008年07月01日 09:29
>お さんへ
「邦楽のたのしみ」の素人解説を聴いてくださってありがとうございます。私自身も新たな音源が聴けていろいろ勉強になり、新たな小説のネタも得られたような気がしております。
>カンちゃんへ
お目にかかれてよかったです。今後ともよろしく!
投稿者 今朝子 : 2008年07月02日 08:08
2008年06月30日
新ショウガとワカメの炒め物
QPで見た料理。新ショウガの薄切りと戻したワカメを胡麻油で炒めてツナ缶を加え、酒と塩で味付けするだけ。塩蔵ワカメをたっぷりの水に5分くらい浸けて堅めに戻すのがポイント。簡単にできてヘルシーだし、意外と味わい深いので、メインのおかずにしては物足りないが、サイドディッシュとしてオススメする。
ところで昨日の川上OB会では、親子二代にわたってウチに魚を卸してもらってる水口さんといろいろお話ができて、これが非常に面白かった。
まず私は常々どこの料理屋で食べても、ウチの店ほど美味しい鯛のお造りに出会ったことがない!と、これは身びいきでなく、自信を持って断言できるのであって、養殖モノは論外として、天然モノの鯛でも他所で食べるとどうも水っぽい感じがするし、池波正太郎氏が愛したといわれる東京の割烹店でも、結局は昆布締めにして使ってたりするわけで、決して素材がいいわけではなさそうなのである。ならばなぜ水口さんが卸してくれる鯛がいいのかという疑問を、率直にご本人にぶつけてみた。で、以下のような回答を得た。
第一にいくら天然モノでも、日本海にしろ太平洋にしろ、外海の鯛はマズイのが当たり前なのだそうである。見た目の違いもあきらかで、外海の鯛はウロコが堅いしアタマと眼が大きいらしい。どんな魚でもアタマと眼が小さいほうが美味しいようで、これがまず魚を選ぶ際の基準となる。もちろん金目鯛のように、もともと眼が大きい種類の魚がマズイというわけではなく、同じ種類ならとにかく眼が小さいのを選ぶべしとのことだ。
次に瀬戸内海の鯛ならみんな美味しいかというと、別にそうではなくて、東大出にもアホはいるのと同じ理屈で、あくまでも確率として美味しいのが多いというに過ぎないのだとか。とくに春はきれいなピンク色をしたいわゆる桜鯛がもてはやされて、鯛を出す料理店が増えるのであるが、水口さんは桜鯛の多くを「ベッピンのアホ」と呼んでいて(笑)、この時期の鯛はむしろ美味しいのを見つけるのが難しく「川上の旦那のメガネに叶う鯛」を見つけるのは至難のワザなのだそうである。なぜならこの時期の鯛は子持ちのためで、本当に美味しいのは産卵の逆のシーズンの秋!意外なことにこれは漢字で「鰆」と書くサワラも同じで、漁獲量は春が多くても、サワラが本当に美味しいのは秋なのだとか。へ〜!!!てな感じである。
原油高に抗議して漁業が一斉休業に入る宣言をどう思うかと訊いたところ、台風やシケで3日も4日も休むときがあるんだから、1日くらい休んだところでダレも困る人はいないはずだという明解な回答に、なるほど、そりゃそうだと納得。とにかくどんな業界でも、その道に通じている人の話を直に聞くと、いろいろ勉強になるのであります。