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2008年02月21日
チヂミ
今日は午前中から取材であちこち歩き回った。いくら時代小説でも頭に絵が浮かばないとリアルには描けないので、現実の土地を舞台にする場合は、事前に必ずそこへ足を運ぶようにしている。で、「小説すばる」に連載中の『道絶えずば、また』では江戸時代に谷中にあった日蓮宗の某大寺院をモデルにするつもりなのだが、現在そこはもう往時の面影を偲べないので、まずは池上本門寺に参詣。境内を歩き回ったばかりでなく、参考のために本堂でご祈祷も授かった。
ご祈祷は¥3000〜数万までの料金表があり、私の前に何人かまとまって受けてられたのを見て、一番安いのを申し込んで順番を待っていた。当然何人かまとまって受けるものと思い込んでいたのだけれど、次に60畳?敷きの広い内陣に通されたのは私たった独りで、前の何人かと変わらぬとても立派なお経をあげてもらった上にお札とお供えのお菓子まで頂戴して、なんだか申し訳ないくらいお得な感じだったのである。ちなみに私は子どもの頃に育ててくれたばあやさんによく日蓮宗の寺院に連れていかれたので、4,5歳の頃には法華経を丸暗記していたらしいので、なにがしかの仏縁があったのかもしれない。もっとも祇園神社の氏子として毎年誕生日には祝詞を授かってもいたし、幼稚園から高校までカトリックのミッションスクールで「めでたし聖寵……」や「天に在す……」も毎日のように唱えていたという、日本人のいい加減な宗教観を一身に背負ったような人間なのでした。
絶好のお日和だったこともあり、池上梅園に立ち寄って西馬込まで歩き、そこから日暮里まで行って谷中の天王寺町界隈を散策。谷中墓地の桜通りを歩きながら、何年か前にデザイナーのみるきぃ・いそべさんや漫画家の森園みるくさんらと一緒に深夜の谷中墓地で花見をしたことがあったのを想いだしたが、考えてみるとあれはけっこう異常な体験でした。
谷中から循環バスで上野に出て、上野から浅草に行き、新仲見世の「帯源」で他人様のプレゼントをゲットしてようやく家路についた。この間ゆうに7時間が経過し、改めて東京は広い!と思われたのである。写真は本門寺の五重塔と池上梅園です。
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