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2008年01月18日

寿司

17日は早朝に帰宅し、大家さんのマスターキーで家に入れたのは助かった。前日は丸1日休んだかっこうだからなのか、昼間かなり仕事に集中できたのを幸い、夜また渋谷に出て、スラッシュの守部さんと一緒に角川春樹事務所の原重役から頂戴したチケットで森田芳光監督の『椿三十郎』を見た帰りに近所で食事。
黒沢映画のほぼ忠実なリメイクで、やはりシナリオがよくできてるし、テンポもあって飽きさせないが、せっかく森田監督が撮るなら何かもう少し別な仕掛けがあるのかと期待したので、その点はちょっと肩すかしを喰らった感じだ。もっとも、なにせ名作中の名作だから、まっとうにやって十分に面白いし、敢えて黒沢へのオマージュに仕立てたのだろう。
敵役側のキャスティングと演出は黒沢版よりもこちらのほうが面白いかもしれない。家老の奥方役は、今回の中村玉緒よりも、やはり黒沢版の入江たか子のほうが忘れがたいし、もちろん三船主演のほうが印象深いのはいうまでもないけれど織田裕二はそこそこ健闘している。
それにしても原作となった山本周五郎の『日々平安』を読んだのはあまりにも昔だったので今や何も憶えていないのだけれど、紅白の椿を水に流して合図にするという筋立てがシナリオの段階で付け加わったとすれば、それはきっと近松門左衛門作の『国姓爺合戦』からヒントを得たに違いない(『国姓爺』は戦後の一時期、新劇でも上演されたくらいポピュラーな演目だった)と、私は今回のカラーフィルムで改めて思ったのだが、映画関係者の間で、果たしてこの点はつとに指摘された周知の事実だったりするんだろうか?


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コメント (5)


私は「国姓爺」に出た・・・。

投稿者 中村まりりん : 2008年01月19日 01:52

>私は「国姓爺」に出た・・・

ええっ!あの昔の野田版じゃないやつに出たの!でもさすがに初演じゃないですよね?何の役で?

投稿者 今朝子 : 2008年01月19日 07:47

初演・・?かどうか、昭和32年。えーめーおー(栄明王??)の子供時代の役。ゴサンケー?とかいう家来?と逃げてる。仙人だか天人?だかが見守る?ワトーナイ?は北村和夫さん。ナントカいうきれいなお姫様は加藤治子さん。仙人だかは宮口精二・中村伸郎、ちなみに「虎」は着ぐるみで、中味は神山繁さんでありました。というか、杉村センセイ、芥川様始め、文学座総出演だと思います。もちろん、只今共演中の川辺久造様もご出演なさってます。東横劇場で、虎退治して虎を踏んだままの姿で大見得を切ってセリで上がってきた北村さんは、方向間違えてて後ろ向き・・・という逸話があります。「いいや、ゴサンケー」という台詞が一言ありました。
私は演劇界のシーラカンス・・・。

投稿者 中村まりりん : 2008年01月19日 15:41

ゴサンケーは呉三桂と書きます。あなたの役は、お妃が懐妊中に敵軍に攻めてこられて死んだので、呉三桂がそのお腹を裂いて救い出したという設定のはずです。
それにしても、改めて舞台キャリアの長さに脱帽です。

投稿者 今朝子 : 2008年01月20日 22:54

ありがとうございました。マクベスのマクダフみたいなもんですね。

投稿者 中村まりりん : 2008年01月21日 01:54

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