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2007年12月28日

豚しゃぶ

 27日の夜は米朝事務所の大島さんと一緒にシアタークリエのこけら落とし公演「恐れを知らぬ川上音二郎一座」を見た帰りに有楽町で食事。
 ふたりともこのクソ忙しい年末にわざわざ出かけたのは、旧芸術座がどのように生まれ変わったのかを見たかったからでもある。ホテルの地下にできた劇場は旧芸術座と打って変わったスタイリッシュな劇空間で、三谷幸喜作品でオープンするのも好企画といえるだろう。ただしユースケ・サンタマリアと常磐貴子主演はいくらなんでも無理がありすぎで、ハメ書きが得意な三谷も相当な苦戦を強いられたに違いない。結果、ほとんど主役は印象に残らず、戸田恵子や小林隆、阿南健治といった、三谷作品常連の脇役陣が舞台を支えるかっこうだ。中でも出色の出来だったのは、ヒロインの川上貞奴が日本初の女優となる瞬間に立ち会ってあの世に旅立つ女形というめちゃめちゃオイシイ役を演じた浅野和之である。この人は何を演じても達者な男優だが、「女形」というマカ不思議な存在が、ここまでリアルに且つ客観的に演じられた例は他にないような気がする。女形に対する憧れと真似から出発した「花組芝居」の加納幸和とは違った批評性が感じられる分、私には浅野のほうがはるかに面白く感じられ、彼を見るだけでもお金を払う値打ちは十分あるように思ったのだった。元歌舞伎役者のマネージャーをしていた大島さんも大受けで「スゴイね〜ホントにああいう人いるよね〜」と互いにささやきながら見ていたのである。主演を替えてぜひ再演を望みたいものです(笑)。


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コメント (1)


そんな事よりブットさん。同い年ですよ・・・。我々は最低に見掛け倒しの軟弱女です。

投稿者 中村まりりん : 2007年12月28日 22:22

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