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2007年12月17日

鰺の干物、具だくさんの味噌汁

 鰺の干物は大家さんから頂戴した小田原産。味噌汁の具は大根、にんじん、油揚げ、こんにゃく、舞茸。
 他人はいったい何を考えてるかわからないから怖い……というような気持ちにさせるのは別に佐世保の銃乱射事件に限ったことではなくて、近年とみに増えつつあるのだけれど、自分は一瞬たりともまともでなかったことはないと言い切れる人が果たしているのかどうか、言い切る人がいたらそれこそアブナイのかも?と疑うくらい、現代人は心をハザードに捕らわれやすく、病に冒されるケースがだれしもあるような気がする。
一昨日の晩、久々に電話で話した旧友のKさんは「わたし仮面鬱病になりましてん」と笑いながら話すので、コトバだけで知っていた病気をなるほどと理解した。この1,2年不眠と体調不良に悩まされ続けて、ありとあらゆる検査を受けても原因のわからなかった病気が、ようやくセロトニン不足によるものと診断されたそうで、本来なら精神に障害が出るはずがもろ肉体に現れたかっこうだ。彼女は関西の某大学で教授をしているが、原因はいずこも同じで過度の多忙と人間関係のストレスらしい。こいつが元凶とおぼしき同僚から来たメールを読もうとすると、本当に気分が悪くなって昏倒したという話だから、昔の人が言うようにやっぱり「病は気から」なのだろう。
「今の大学の先生は、どういうことでそんなに忙しいの?」と素朴にたずねたら、「うちの大学は公立やから、これでも少ないほうやけど、入試が7つもあって、それの問題を作ったり、管理をしてるだけで半年は潰れますねん」との答えで、要は少子化のために、多種多様の年齢や国籍の人びとに大学の門戸を開いた結果、教員の負担がどっと増えたのだという。
 今や大学といえど聖域とはほど遠い状況で、経済社会の歯車としてギリギリと締めつけられ、組織を維持するために研究は二の次三の次になるという本末転倒ぶりだと聞けば、日本の未来は託せそうもない気がしてしまう。いっそ純粋に、利潤追求型の組織のほうがまだしも健全でいられるのではないか。
ともあれ近年わたしの身近でも鬱病にかかった人がこれで5人目で、それも、えっ、まさか!と思うような本来的には健全な人たちばかりだから、こちらのショックも大きい。とにかく作家という商売は日常的な人的ストレスを最小限に抑えられるという点だけは、非常にありがたいと感謝しなくてはならないのだろう。ただし、綱渡りの人生で、終わり哀れは覚悟の前という度胸がなくてはやれない商売でもあります。
なお電話でのKさんは終始ご機嫌で、一応「おたくの話ブログに書いてよろしか?」と訊いたら「アハハ、そんなん別に構いませんよ〜」とのことでした。


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