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2007年11月10日
海老のサラダほか
シアターコクーンで「カリギュラ」を見た帰りに近所の「春秋」で萩尾望都さん、ポプラ社の矢内さん、白水社の小山さんと一緒に食事。
何しろ主演の小栗旬が文字通り今年度随一の「旬」の男優だからして、超プレミアチケットで立ち見満杯の興行だけに、ナマ小栗を観られただけでもラッキー!とすべきだろう(笑)。けれど正直いって、イマイチ納得がいかない舞台だった。
小栗旬はこれまでも蜷川演出の舞台に何度か出ていて、私はけっこう買っていたのだけれど、シェイクスピア劇とちがって、カミュの不条理劇となると流石に手に負えないという感じだ。とにかく一本調子だからセリフが粒立たず、理詰めのセリフでさまざまな観念論を展開するこのドラマの抽象性が消し飛んでしまい、結果ラストがなんだか「リチャード三世」を見ているようになったのは戴けず、そもそも戯曲に対する取り組みが違っているのではないかという気がしてしまう。セリフだけを聞いているとやや三島戯曲の持ち味に似てアレゴリーとアフォリズムの応酬といった感があり、むしろ密室的な空間におけるスタティックな演出で見たほうがこの戯曲の持つ抒情性も巧く生きるのではないかという気もする。大昔の松浦竹夫なんかが演出したほうがよくわかったりなんかして、と私は思い、望都さんは「昔の市村(正親)さんで見たかったですね」と仰言ったのだった。矢内さんは卒論がカミュだったそうで、カミュの言葉を肉声で聞けただけでも大満足とのことでした。
ところでポプラ社刊行のコミック誌「ピアニッシモ」を頂戴したら、望都さんが漫画でガラパゴス紀行を載せられていて、そこに私も漫画キャラ登場してます(^.^)ゞ
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コメント (4)
松井様
随分前の日記ですが、今でもずっと心に大きく残っておりまして失礼いたしました。
松井さんが仰るマイナスの点は理解致しました。
カリギュラは小栗さんご本人も、お忙しくて準備時間のない事が残念だと、もっと納得いく準備をしたかったと、仰っていた舞台ですが、それでも最善を尽くされた稽古、本番で、日毎に回を重ねるごとに成長されたのか、私が観にいった公演は見事でありました。
若干25歳の多忙な役者が、もの凄いオーラで、不条理に立ち向かうカリギュラを体現されていました。
立ち姿、動作の美しさにも思わず心を打たれ、三時間の長い作品のソワレでしたが、声も素敵でした。
大変図々しいお願いですが、もし、よろしければ、
>小栗旬はこれまでも蜷川演出の舞台に何度か出ていて、私はけっこう買っていた
と仰ってくださっていらして、彼のどこを松井さんは買っていらっしゃるのかをお聞かせ頂けますでしょうか。
投稿者 マロン : 2008年03月16日 18:00
「お気に召すまま」や「間違いの喜劇」を見て、まず役者ぶりの大きさを評価しました。肉体的に恵まれているだけでなく、内なるエネルギーが大きいというのでしょうか。それがストレートに発散できて、小器用でなく素直でナイーブな役者といった印象でした。
投稿者 今朝子 : 2008年03月16日 21:06
松井様
早速、お返事を頂きまして、ありがとうございます。
大変嬉しく、ひとこと、ひとことを読ませて頂きました。
心よりお礼を申し上げます。
投稿者 マロン : 2008年03月16日 21:26
松井様
早速お返事を頂きまして 有難うございます。
大変嬉しく、おひとこと、おひとことが心にしみて
有り難く読ませていただきました。
心より御礼を申し上げます。
投稿者 マロン : 2008年03月16日 21:30