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2007年10月12日
野菜入りトマトスパゲティ、季節野菜のサラダ
NHKホールでベルリン国立歌劇場の『トリスタンとイゾルデ』を見た帰りに近くのパスタ屋で食事。
あるイベントのお仕事をお引き受けしたら、主催者側の方から事務所のスラッシュを通じて「松井さんはオペラをご覧になりますか?」という問い合わせがあり「結構好きみたいですよ」と進藤さんが答えたら、今年度最高値?と思しきこのシュターツオパーのチケットが2枚送られてきたというわけである。バレンボイム指揮のオペラを生で聴ける、それもタダで!なんてオイシイんでしょう(^。^)/と歓んだものの、ワグナーのオペラは聴くほうも根性が要るだけに、いくらポピュラーな作品でも、へたにお誘いしたらありがた迷惑にもなりかねないから、お連れは慎重に人選しなくてはならなかった。
オペラの味を覚えたのは松竹に勤めていた頃で、清水の舞台から飛び降りるような覚悟をして(笑)ミラノ・スカラ座初来日のチケットを買ったのが皮切りとなり、バイロイトや何かここぞという来日は見逃さないようにしていたが、小説を書き出して芝居から遠ざかるにつれて周囲にオペラ好きも減ってしまい、ここ数年はすっかりご無沙汰をしている。なので乗馬クラブで最近お知り合ったSさんが二期会会員なのを想い出してご同行を願ったのであった。
舞台はとてもシンプルで、翼の生えた女性が地面に顔を伏せている(堕天使?)上半身の石像(ブロンズ像?)をイメージした巨大なオブジェが真ん中に据えられて、これが回ることによって船の場面にも城砦の場面にもなる。
バレンボイムの指揮は門外漢の私にでもわかりやすい「劇的」な音作りをするので、正直言ってこんなにワーグナーを面白く聴けたのは初めてだった。特に序幕の最後あたりはそれが顕著で、「まるでミュージカルみたいだよね」とSさんに同意を求めたら、やはり彼女もワーグナーに対する偏見がとれたと仰言ったから、今回でまたどっとワグネリアンが増えるのではなかろうか。それにしても「やっぱり日本人じゃやれないよねえ。比較して落ち込むというレベルをはるかに超えてる」と仰言ったSさんはご自分もプロの歌手だけに相当なショックも受けられたようだ。イゾルデ役のマイヤーはオペラ歌手としてはスリムな美形だし、あのカラダで全幕通して歌い続けられるのは驚嘆に値する。とにかくワグナーは歌手も楽器と同じで、オケの演奏に渾然一体と溶け込んで初めて成り立つのだから、素人耳にもその凄さはわかる。そして今回はオケの音の厚みも半端じゃなくて、カーテコールで壇上に現れたメンバーの人数にただただビックリ!あれだけの人びとまとめあげるバレンボイムは確かに「帝王」の呼び名にふさわしいという気がした。
ところで女義太夫の竹本越京さんこと早稲田の後輩の萬京子さんと幕間のロビーでバッタリ鉢合わせしたのも驚きで、彼女は何を隠そう小学生の頃からのワグネリアンだったらしい。その彼女にして「『トリスタンとイゾルデ』の映像は何本も持ってますが、ナマは今回が初めてなんですよ」と仰言ったのだから、私にとってはまさにラッキー!というしかない。
ともあれ5時開演で会場から出たらなんと11時!てなわけで晩ご飯はおざなりに近所で済ませ、結局Sさんとはなんだか馬の話ばかりして盛り上がったのでした(笑)。
明日は「あけぼの賞」の授賞式があるので今夜は京都に発ち、ブログの更新はできません。しかし明晩は帰宅して、明後日は必ず乗馬に行くつもりです。
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コメント (2)
越京です。昨夜はお会いできて本当にうれしかったです。あの混雑の中での遭遇は、かなりの確率ですね(^^)
生のオペラ、特にワーグナーはやはり格別ですね。本当に今、そこで発せられた声、音が空気の振動として耳に伝わってくるのを感じ取ることができます。特に弦楽器の繊細な響きには感動しました。そして、トリスタンを歌ったフランツの声!輝かしい高音にマイヤーの充実した低音がひとつに溶け合って、二人の一体感を音楽面でも醸し出すのに成功していたと思います。
これで今朝子さんとオペラのお話をする楽しみも増えました。ぜひまた一度ゆっくりとお会いしたいです。
投稿者 竹本越京 : 2007年10月12日 20:31
そんな偶然でバレンボイム指揮のオペラが観られてしまうんですね! すばらしい〜。歌手も楽器と同じで・・・、という記述は心から賛成です。賛成、というより、文中にお名前のあるSさんのいらっしゃる二期会のオペラ(『ホフマン物語』だったかな?)がわたくしにとってマトモに観た最初のオペラだったのですが、そのとき「人間も楽器なんだな〜」と感じたおぼえがあるので、うんうんって、nodしきりでした♪
投稿者 ふみ : 2007年10月12日 23:42