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2007年07月12日
タイ式カレー、青パパイヤのサラダ、タイ式ビーフンほか
筑摩書房の磯部さんと近所のタイ・レストランで食事。
今春に予定していた『辰巳屋疑獄』の文庫版が9月に刊行される運びとなって、久々にお目にかかった磯部さんだが、彼女が全売り上げ270万部突破の『金持ち父さん貧乏父さん』シリーズを手がけるようになって「もう7年になるんですよ!」とのことだ。当人はいい加減この仕事に飽き飽きしてるのに、シリーズが継続する限り手を引くわけにもいかず「一体わたしは何をしてんだろうって感じですけど、でも、まあ、こういうのが世の中の仕組みってもんなんですよね」と、ずいぶん達観したことを仰言った。
で、わたしのほうも今年でちょうど小説デビュー10年だというのは他人様のインタビューを受けて知ったのだけれど、10年前と今とでは世の中がすっかり様変わりした。10年前の日本は不況下の暗いムードに包まれていたけれど、正直言って、こんなハチャメチャな感じではなかった。さらにここから10年先となれば、現在かろうじて保たれたあらゆるシステムに秩序や権威が消滅あるいは崩壊しているはずだから、その時点でまだ中年に留まっている世代、つまりは現在の40代前半から30代以下の方たちはそれをどう乗り越えていくのかが心配される。「会社で見てても、けっこう物事を素直に受け取って、なんでも信じちゃえる人たちなんで、ちょっと怖いですよねえ」と磯部さんはいい、きっとその人たちは物事を根本から疑ってみる暇もなく育った世代であると同時に、根本から疑えば崩壊が早まるだけなのを無意識に悟ってそうしないのだろうと私はにらんでるのでした。
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