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2007年06月08日

和総菜

整体治療の帰りに東横のれん街でゲット。
電車の中吊り広告で目につくのは案のじょう例の社保庁問題で、これについては先月の26日付で書いたことに尽きていて、改めて批判する気にもなれないのだけれど、私が行ったときに何よりも驚いたのは、窓口に10〜20人近くどっと押し寄せて口々に質問してるのに、応対する職員がたった2,3人で、あとの人たちはまるでどこ吹く風と机に向かっていられる神経だったのである。あの場の状態を見て、私はとてもあんな風に動じないでいることはできないタイプだから、これは非難でも皮肉でもなく、純粋に感心してしまうところもあったのだ。
 それにしても社保庁はいささか極端な例だろうが、役人はいずこも概ね似たり寄ったりではないかと私なんかが想うのは、クロサワの名画『生きる』を見たからだけではなくて、仕事上でときどき出会う役所の方々にわりあい似たタイプの人が多いからでもある。けっして悪い人ではないが、フツーの民間会社に雇われたら、同僚なんかがけっこう陰で「あいつどうもイマイチ面白くないし、仕事もトロくてやだねー」なんて悪口いってたりしそうな感じで、こういう方は役所にいたほうがまだ幸せだろうし、その幸せを奪う権利は誰にもないよね、と私は妙に納得していつも引き揚げるのだった。
 ところで、もちろん例外が山ほどあるのを承知して、いわゆる役人気質を挙げると、無愛想、事なかれ主義といったところがすぐに浮かぶが、それと180度違うのが役者気質で、こちらも例外が多々あるけれど、概ね愛嬌があって、とにかく事を好むというか、なんにでも野次馬的に首を突っ込むし、常に身のまわりがわさわさしてないと気の済まない人が多いようだから、役人と役者は本来的に反りが合わないと見るのが正解で、国立劇場なんかだと必ずや互いに苦労や誤解が絶えないものと推察される。
 しかしながら世の中には不思議とこの二つの180度違う転職を立派に成し遂げた人もいて、私の知る限りでは確か白石加代子と役所広司が共に役人あがりの名優である。ふたりが役所にいたときはどんな顔をして勤めていたのか想像もつかないが、ふたりに対談を持ちかけて社保庁のお役所仕事について語らせる、なんて企画をどこかの雑誌がやってくれないだろうか(笑)。


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