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2007年05月19日
茄子のポモドーロほか
世田谷パブリックシアターで能楽公演を見る前に近所で食事。
「能楽現在形」と題して野村萬斎らが音頭を取るプロデュース公演では、今回各流派の時代を担う若手ホープが四番目物の『鐵輪』と舞囃子で『猩々乱』を日替わりで見せる趣向にし、本日は喜多流の出番だった。プロセニアムアーチから張り出す形で三間四方を組み、橋がかりは正面奥と左右の斜め後方の三本渡し、ホリゾントに大黒(幕)を垂らして暗闇に浮かびあがるようにしたこの劇場ならではの能舞台で、時に照明のエフェクトも使うなどして、かなり演劇性を意識した上演が『鐵輪』に関してはそれなりに面白く感じられた。とにかくシテの狩野了一は非常にわかりやすい演じ方をする人で、自身の謡も聞き取り易い上に地謡の文句のひとつひとつが動きや面の表情にまでピタっとあてはまるから見ていて飽きない。ひょっとしたら海外公演によく参加しているという経歴がこうしたわかりやすさに結びついているのかもしれないなあ……などと想ったくらいである。それがいいのかどうかは門外漢の私には判断しかねるものの、この種の初心者向き演能には十分向いていそうである。一方『猩々乱』を演じた友枝雄人はかの喜久夫の孫らしいのだが、ええっ、この人一体どうしちゃったの?……あがっちゃてるわけ?と、いささかビックリするほどの堅くなりようで、ハッキリ言ってさんざんの出来だった。もともと才能がイマイチなのか、こうした劇場での試演に全く向かない人なのかは、これまた門外漢の私にはさっぱりわかりませんでした。
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コメント (1)
私も今日これを見ました。
2階席だったので、チケットが取れた時には残念な気もしていたんですが、能楽堂で能舞台を見下ろすことってめったにないので、かえって新鮮で面白く感じました。
照明効果で舞台上に結界ができたりと、舞台の上が面としてよく見えてフシギな感じでした。
投稿者 猫並 : 2007年05月20日 00:03