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2007年04月05日

薫製の盛り合わせ、温野菜、魚介のパスタ

 世田谷パブリックシアター開場10周年記念公演を見た帰りにスラッシュの守部さんと近所の「薫製屋ヌーベ」で食事。
 10周年に能楽の「式三番」を上演して芸術監督の野村萬斎自ら若々しい三番叟を披露したのはめでたい限りだが、揉みの段は正直言って思いのほか気組みに鋭さがいまいち欠けて、烏飛びもいささか迫力不足に感じられたのは劇場空間の違いが演者の集中力を妨げる面があったのかもしれない。もっともこうした祝儀演目にケチをつけるのはお門違いというものだ。
 それにしても能楽はふだんどうしても「文学」に引きずられて見がちだが、この演目は本来トランス状態に誘う「舞い」=「ぐるぐる回る」が主体の芸能だということをよく伝え、バリ島で見た名人といわれている人のダンスに似たようなものがあった気もする。なにせ三番叟は「黒い色の尉(ジョウ=お爺さん)」なのだから仏教と共に伝来した南方の芸能にそのルーツがあると考えるのは容易い。


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