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2007年04月01日
上方寿司、もっちり豆腐、肉団子の残り
乗馬クラブの帰りに東横のれん街でゲット。写真はクラブの駐車場付近で見た桜です。
きょうは早くも汗ばむ陽気だったので2鞍とも快走してくれる馬で助かった。2週間ぶりに行くと馬場周辺の景色がすっかり様変わりしてるし、人事異動でクラブの所長さんが替わったのもビックリ!でもガラパゴス旅行のあと久々に会えた仲間もいたし、帰りは登山が趣味の女性と一緒になって、「来週は都知事選の投票を済ましてから来なくちゃならないけど、兎に角なんとか石原再選だけは阻止したいよねえ。そうなるとやっぱり浅野かなあ」なんて送迎バスの中で話し合ったのである。
「いやー、年度末をなんとか乗り切って、お昼まで寝てたんですよ。ああ、これでやっと思う存分馬に乗れる」と嬉しそうに語ったのは某大手企業にお勤めのキャリアウーマンで、私のほうは彼女から薦められた『フラット化する世界』を今日ようやく往き帰りの電車の中で読了した。
この本の著者は1953年生まれ(私と同い年!なんてどうでもいいけど)の米国の一流ジャーナリストで、去年日本でも出版されて以来ビシネスマンの間では人気ダントツ1位にランクされ続けている書籍だと彼女に教わった。にもかかわらず私の周りの編集者は誰も書名さえ知らなかった!ので、文芸編集者が今やある面でいかに浮世離れしてるかがわかろうというものだが、ともかく私は昔からこの手の文明批評書がけっこう好きなほうなので早速買って読んでみたのである。
かなり厚めの上下巻で必ずしも読みやすい本ではないから是非オススメとはいわないけれど、IT革命がもたらしたグローバル化が現在どこまで進行し、世界各国で今どういうことが起きているかを如実に知って日本の諸状況、今後の政治のあり方や教育の問題を考える上で頗る示唆に富み、確固たる定見を持つのに大変役立つ本といえそうだ。
とてもわかりやすく要約すると、今や欧米や日本を含んだ先進諸国における多種多様な仕事がインドや中国にアウトソーシング(外部委託調達)され、頗る人口が多い国の中から選ばれた優秀な人材が先進諸国のボヤっとしてる人間からどんどん職を奪っていくという現実があるいっぽうで、世界のどこにいても、大きな組織を持たない個人であっても、やる気と能力さえあれば自らを世界に発信できるようなインフラが既に整ってそれなりのシステムも作られ、もはや近代国家の枠組を越えた人と人がフラットに交わることで新たな未来を築くような大きな潮流が生まれつつあるという見方が、多岐に渡る膨大な事例によって詳細に説かれている。こういう時代の子供たちには一体どのような教育がふさわしいのかという問題もかなり大きく扱われているので、お受験や日本の学校教育に疑問をお持ちのお父さんお母さんたちには一読をオススメしたい。
世界各国さまざまな国情も記されているが、なかでも個人的に驚いたのはアイルランドの現在で、IRA問題であれほど揺れていた貧しい国だったのに、今や国民1人当たりのGDPがドイツ、フランス、イギリスを抜いてEUでダントツ裕福な国に変貌を遂げているという事実である。これは政府、労働組合、農民、起業家が一丸となって緊縮財政に取り組むいっぽう、大学教育を基本無料化して労働者の知的向上を図り、国際企業の誘致に努めたことが功を奏したらしい。
それにしても国の舵取りをするトップがだれになるかはやはり肝腎で、米国はブッシュ政権になってからブロードバンド普及率が世界13位にまで後退するなどというのはまだ序の口で、内向きの政治のツケが如何に深刻な問題を引き起こしているかも縷々述べられている。米国は民主党が勢力を回復しつつあるから、この本の前向きな提言も今後は活かされる可能性がでてきたのかもしれない。
日本はちょうど半周か1周おくれで米国の驥尾に付すといったかっこうで、無能な二世を御輿にかついだ利権屋政治をこのまま許していたら「美しい国」どころか「日本沈没」は必至だと、私はこの本を読んで確信しました。
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