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2007年02月21日
ガラパゴス紀行 その5
初シュノーケリングの写真は水中版の使い捨てカメラで撮ったのでここに載せられないのが残念だが、クルーザーの熱心な指導もあって望都さんも私もめきめきと上達し、美しい熱帯魚ばかりでなく岩場に近づいてアシカの赤ちゃんを激写するなど、かなりの成果を挙げて意気揚々と帰途に就く。しかしながらこの日の夕方はさすがに望都さんがダウンして眠り続けたまま晩ご飯を欠席。残り3人で食事をしながら行動を共にする宿泊客をそれとなく観察する。
ツインが20室しかないホテルの宿泊客はほぼ半数近くがクルーズ船に同乗してアクテビティを共にするが、キトから私たちと一緒になったポルトガル系ブラジル人の老夫婦とは共に不自由な英語を使いながら、かなり親密なコミュニケーションを交わし合うようになった。弁護士の息子と薬剤師の娘がいるこのご夫婦は、無口で亭主関白風のご主人と、明るくてフレンドリーな人柄でありながら、あくまでもご主人を立てて尽くしているといった感じの奥さまで、昔の小津映画に出てくるような日本の良き夫婦を彷彿とさせ、独身女性の集まりであるこちらが見ていてもなんだか実に心が和むのだった。ほかには若い娘ふたりと息子を引き連れてきた米国アイオワ州の農家兼実業家の陽気なご夫妻、かつてブロードウエイで歌手をしていた女性とそのパトロン?とおぼしき老いたニューヨーカー女性のふたり連れ、元教師で今は独りで世界中を旅しているという中年のアメリカ人女性、はるばるジェノバからやってきた仲むつまじいイタリア人の家族や長年米国に住む韓国系の女性たちなどなど、本当にさまざまな人びとで成り立ち、ことさら自然環境保護活動に邁進する運動家といった感じではなくて、ただひたすらリゾート地ガラパゴスをエンジョイしてる雰囲気だった。「あなた方は何故このガラパゴスに来たのですか?」という肝腎のことはついに誰にも訊けずに終わったのだけれど、いずれも気さくな人柄で言葉の壁を乗り越えて互いにコミュニケーションを取ろうとする熱意に溢れていた。人びとをそうさせる何かが壮大なガラパゴスの自然にあったのは確かである。
写真上段はイグアナより人気の高いキャラクターであるアオアシカツオドリ、中段は島々の至るところで見られるペリカン、下段はめったに見られないという軍艦鳥を好運にもサウスプラザ島で激写したもの。とにかくガラパゴスは鳥類と爬虫類の楽園であります。